■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年12月12日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2003年12月12日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】
        小泉首相はシタタカに「国益」を守る他の先進国を見習うべきだ ──
  ▼ 【この会社の人と事件（笹子勝哉）】
        〈金融庁〉信金統合に異議あり ──
  ▼ 【ＮＹアナリスト  日本株をこう買う】
        特定保健用食品で大ヒット　〈花王〉ビッグ市場参入で成長力アップ ──
  ▼ 【耳より情報】
        ２つの隠し味！？ ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 上がるも下がるも地銀株 ──
        ・ アンジェスに強弱感 ──
  ▼ 【５０歳からの定年準備】
        家計簿で定年後生活を具体的にイメージしてみる ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        “ステーキ”“カップ麺”“中華まん”ｅｔｃ
          秋冬新メニュー　ちょっと気になる『味』と『お値段』 ──
  ▼ 【恐怖の自腹覆面取材！！　友里征耶の行っていい店わるい店】
        歳の割に貫禄出すぎ　「しみづ」 ──

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─【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】─ 連載 ───────────────
 ▼ 小泉首相はシタタカに「国益」を守る他の先進国を見習うべきだ ──
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　とうとう小泉内閣が、自衛隊のイラク派兵を閣議決定した。日本人の多くは「自衛
隊を派兵する」か「派兵を拒否して米国との関係悪化を選ぶ」かの“二者択一”を迫
られていると思い込んでいる。だが、本当にそうなのか。立ち止まって考えてみよう。
　まず、イラク国内が今どうなっているか。小泉首相は「テロに屈しない」と言う。
しかし、米軍などへの攻撃は、無差別テロで恐怖心をあおるテロリストのやり方とは
全く違う。攻撃のターゲットの大半は、米軍と米国への協力者に明確に絞られている。
　またゲリラ活動には大きな広がりがある。アルカイダやフセインの残党だけではな
い。例えば、米軍の輸送ヘリが撃ち落とされて１７人が死亡した事件は、フセインと
敵対していた少数民族がやった。これは、侵略者に対するイラク人の聖戦（ジハード）
なのだ。
　しかも、ゲリラは地域ごとに組織され、中央司令部のないネットワーク状につなが
っている。本部がないので、１カ所をつぶしても戦いは終わらない。最悪の状況だ。
まさに日本は、ベトナム戦争と同じ泥沼の侵略戦争に足を突っ込もうとしているのだ。
　小泉首相は繰り返し「国益」を強調する。だが、愛国心を感情的にあおる者には国
益は守れない。冷徹な計算に基づく外交こそが「国益」を守る。実際、世界中の先進
諸国は、どこも米国に対して面従腹背だ。カナダは米国の友好な隣国でありながら、
イラクに軍隊を送っていない。メキシコも同じ。仏独も国連決議１５１１に賛成しな
がら、兵もカネも出さないと即座に声明を出した。パキスタンもアフガンでは協力し
たが、今回は出兵を拒否。
　トルコにいたっては、もっとシタタカだ。米国の圧力を受けて「２万人の兵を出す」
と約束しながら「イラク統治評議会の要請があれば」と条件をつけた。オスマン・ト
ルコに４００年間支配された歴史を持つイラクが、トルコに派兵を要請するはずがな
い。それを見越しての条件である。彼らはブッシュ政権が永遠に続くとは思っておら
ず、ブッシュと心中する気などサラサラないのだ。
　国益を守るとは、こういうシタタカな計算を指す。つまり、多くの国は「イエス」
か「ノー」かという単純な二者択一など取っていない。「イラクに派兵しないと米国
に信用されない」と思い込んでいるのは日本だけだ。

小泉首相は戦争中の東条英機並みの異常者

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2003年12月 9日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  小泉首相は戦争中の東条英機並みの異常者
  ２人の外交官の死が、なぜ「家族の誇りであり
  日本国と日本国民の誇り」なのか、合理的な説明を聞きたい
  この不幸な事件に悪乗りしている小泉首相の悪辣

 ■ 小泉「イラクに行きたい」の非常識　またパフォーマンスの人気取り
 ■ “イラク自衛隊派兵”閣議決定はＯＫだが派遣はＮＯ　公明党のインチキ方針
 ■ 近藤浩逮捕で自民党から上がる　森派に「ザマみろ」の声
 ■ 米大使館「借地料」滞納
 ■ 自民党の岩永副幹事長側に（暴）系建設会社から３００万円の献金
 ■ 〈ダイア建設〉１５００物件をネット競売に
 ■ 【話題の焦点】
       ・ ファミリーマート「求む！　定年自衛官」の裏側
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ あしぎんショックから１０日　激震続く宇都宮“最新リポート”
       ・ 米誌タイムから「世界で影響力のある２０人」に選ばれた
          〈ソニー〉久多良木健・〈ＮＴＴドコモ〉津田志郎　両副社長の課題
       ・ 冬物がまったくダメ！　“スーパー”好調の１０月から一転、暖冬で悲鳴
       ・ 灯油も売れ行き低迷


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 小泉首相は戦争中の東条英機並みの異常者
■ ２人の外交官の死が、なぜ「家族の誇りであり
■ 日本国と日本国民の誇り」なのか、合理的な説明を聞きたい
■ この不幸な事件に悪乗りしている小泉首相の悪辣
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        その昔、天皇と国家のために戦争に強制的に駆り出された国民が、
        戦死すれば「軍神」と美化されて戦意高揚の道具に使い捨てられた
  忌むべき歴史を逆走している小泉ファッショ政権の外交官殺害へのその後の対応

         ２人の死者に勲章を贈り、２階級特進を思わせる２階級昇格と、
       まるで６０年前の戦争中に時代が逆行したような異様な風景の中で、
 死者にムチ打つ事件の徹底悪用には、まともなマスコミとして黙ってはいられない
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　イラクで殺された奥克彦大使（４５）と井ノ上正盛一等書記官の合同葬（６日）の
弔辞で、小泉首相はこう言っていた。
「２人ともご家族の誇りであると同時に日本国、国民の誇りでもあります」「日本政
府はあなた方の遺志を受け継ぎ、国際社会と協力してイラク復興に努めていきます」
「ちょっと待てよ」と言いたくなるセリフではないか。
　２人の外交官には気の毒だが、イラクで死ぬことがなぜ「国民の誇り」なのか。ハ
ッキリ言えば、犬死にではないか。ブッシュの人殺しの尻ぬぐいをさせられ、２人は
貴い命を落としたのである。法大教授の五十嵐仁氏（政治学）はこう言う。
「小泉首相の弔辞を聞いて、よくぞ、こんなセリフを言えるものだと思いましたね。
２人は優秀な外交官だったそうですが、悲劇なのはイラク復興、国際貢献とか言いな
がら、イラク人からはちっとも感謝されず、逆に憎まれ、殺されたことです。大義な
き戦争を仕掛けた米国の占領行政の手伝いをさせられ、犠牲になったんです。そこが
やりきれない。
　その役回りを押しつけたのは小泉首相ですよ。まず、首相は２人の霊前にわびるべ
きでしょう。そして、二度とこのような過ちを犯さないと誓うべきです。しかし、い
ずれも小泉首相は言わなかった。自分の過ちを認めたくないし、今後も犠牲者が出る
ことを覚悟しているからです。こんな仕事で命を落とす公務員が気の毒です」

                   ▼ 明日にも基本計画を閣議決定の悪辣 ▼

　小泉首相はグーの音も出ないのではないか。「違う」と言うなら、国民に合理的な
説明をしてほしい。市民を皆殺しにするような米国の占領行政のどこが「平和」につ
ながるのか。そんな立派な仕事ならば、なぜ、フランスやドイツは協力しないのか。
イラク国内ではテロリストをなぜ、「抵抗派」と呼んでいるのか。
　イラクの現在の混乱は、米国の大義なき侵略戦争の結果であり、犠牲になった２人
は「ブッシュ命」の小泉首相に殺されたようなものだ。だからこそ悔しいし、気の毒
なのである。
　それなのに、小泉首相は悪びれるどころか「ひるむな」「遺志を継げ」と、明日
（９日）、自衛隊のイラク派兵の基本計画を閣議決定する。この政権の悪辣さは、も
う戦前の東条英機並みだ。イラクで毎日のように修羅場を見てきた２人の外交官は、
誰よりもこの戦争の矛盾、悲惨、絶望を知っていたのではないか。２人の遺志を継ぐ
というなら、これ以上の犠牲を出さないように自衛隊のイラク派兵を断念するのが筋
である。

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               恐ろしい勢いで６０年前に逆走しているタカ派政権
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　２人の犠牲者を英雄に仕立て、国民のセンチメンタリズム、ナショナリズムをあお
る小泉首相のやり方は、戦前・戦中の軍事政権を想起させる。今度のイラク派兵は、
自衛隊が海外の戦闘地域に派遣される歴史的な転換点だ。「まさか」が現実になった
ワケだが、一連の経緯を見ていると「なるほど、こうして国は道を誤るのか」と納得
する。
　日米開戦直後、日本海軍は真珠湾攻撃で戦死した９人にわざわざ軍神の名を冠して
発表し、国民の戦意高揚に利用した。誰だって戦争で死にたくはないが「天皇のため」
「国家のため」と大義がつき、犠牲になれば軍神と美化され、２階級特進が与えられ
たりすると、コロッとダマされてしまう。それが立派な生きざまなのかと思えてきて、
権力者の術中にはまっていく。戦前の日本はまさにこれだったのだが、２人の外交官
を「国の誇り」とたたえ戦前さながら２階級昇進させ、勲章まで贈った小泉首相のや
り方は、それとオーバーラップしてくるのだ。

                  ▼ 先の戦争もアジアの解放が大義だった ▼

「私は貝になりたい」で戦争の悲劇を描いた元演出家で評論家の岡本愛彦氏が言う。
「特攻戦術が常態化すると日本軍は、特攻戦死者を一律に２階級特進させた。先の戦
争では２階級特進を誇りに多くの若い命が散っていきました。イラクで死んだ外交官
を昇進させ、“２人の遺志”と言ってイラク派兵を急ぐ小泉首相を見ていると、日本
が“いつか来た道”を再び歩み出そうとする危険を感じます」
　小泉首相はイラク派兵のお題目に“国際貢献”を掲げているが、戦前も“アジア植
民地の解放”をスローガンに侵略戦争に突き進んだ。「大東亜共栄圏構想」である。
「こうした美辞麗句を並べて、アジア植民地を勢力下に置く戦争を正当化したのです。
今回の自衛隊のイラク派遣も日米軍事同盟の堅持のほかに理由はない。国際貢献が聞
いてあきれます」（岡本愛彦氏＝前出）
　ついでに言うと、言論弾圧も一緒で、イラク戦争に反対した外務省の天木直人レバ
ノン大使はクビになった。こうやって、誰も逆らえないムードになっていく。まさに
６０年前の悪夢がよぎるのだ。

                --------------------------------------------
                 小泉首相がやろうとしているのはブッシュ支援
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　マスコミとして、こんな悪辣異常な政権をこれ以上、放置、看過できない。大マス
コミは「遺志を受け継ぐべき国の責任」（読売新聞）とか書き、外務省のリークだろ
うが、奥氏や井ノ上氏の後任に希望者が相次いでいることを美談のごとく書いていた。
正気なのか、と言いたくなる。
　イラクの民主化運動の指導者リカービ氏は「外国軍隊のイラク派遣、駐留、占領は
受け入れられない」とハッキリ言っている。仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュは
イラクで米兵の脱走者が１７００人もいることを報じて、脱走兵のこんな告白を載せ
ていた。
「イラク人の捕虜に恐怖心をいだかせるためにしばしばハンマーで格子を思いっきり
殴ったりした。処刑されると信じ込ませるために、弾を込めないピストルを耳に当て
引き金を引かせた」
　つい先日も米軍はイラクの女性、子供を含む８人を誤殺し、カムフラージュのため
にフセイン親衛隊の制服を着せたという。米兵がイラクでやっているのは、血も凍る
虐殺なのである。
　そんな米軍に自衛隊を加担させるのがなぜ国際貢献なのか。イラク復興につながる
と言うのか。
「小泉政権がどう言い繕ったところで、今のイラクに自衛隊を派遣するのは米国の侵
略戦争のお先棒を担ぐことなんです。違うと言うなら、なぜ現地人が日本人を恨み、
殺すのか。日本が本気でイラク支援を考えるなら、いくらでも他の方法はありますよ。
国連を通じてイラク人の政権樹立を急ぎ、新政権の要望に応じる形でインフラ整備を
手伝えばいい。そこまで待てないのは、これがイラク支援ではなく、ブッシュ支援だ
からです」（政治評論家・本澤二郎氏）
　血に飢えたかのようなブッシュの言うことしか頭に入らない小泉政権は、日本を恐
ろしい方向へ導こうとしているとしか思えない。


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■ 小泉「イラクに行きたい」の非常識　またパフォーマンスの人気取り
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                   ◆ その前にやるべきことが山ほどある ◆

　小泉首相が「イラクの電撃訪問」を画策している。ブッシュの隠密イラク訪問と同
様に、お得意のパフォーマンスで支持率回復を図ろうという魂胆だ。
　死亡した外務官僚２人の葬儀に参列した６日、記者団に「いつの日になるか分かり
ませんが、イラク訪問を考えたい」と発言。３日には来日したイラク南部の部族長と
会談し、具体的な入国ルートまで意見交換している。
「国民の８割が自衛隊派兵に反対しているが、電撃訪問して官邸のリーダーシップを
アピールすれば、形勢逆転できるという計算です。来年１月に派兵する陸自の先遣隊
が入国ルートと安全を確保したら、陸自本隊の派兵前にサマワを訪問するプラン。早
ければ、１月召集の通常国会前に政府専用機で乗り込む算段でした」（自民党関係者）
　これには、防衛庁関係者も「何を考えているんだ！」とカンカンだ。
「駐イラクの米ブレマー・ＣＰＡ行政官が『今後、数カ月間、テロは激化する』と明
言している。そこへノコノコ出掛けたら、ゲリラの思うつぼ。自衛隊も大迷惑です。
首相が行くとなったら万全を期すために、膨大な人と時間を割かれる。現地で出迎え
る陸自の先遣隊だって、大変な負担です。首相の支持率アップのために、こんなバカ
なことに付き合っていられませんよ」
　首相はミエミエの人気取りの前に、やるべきことが他にいくらでもあるはずだ。
「イラクの日本大使館には、１１人が駐在しているが、大使である大木正充氏は何を
おびえているのか、東京の本省勤務を続けたままです。臨時代理大使の上村司氏も、
隣国のヨルダンに逃げ込んでいる。死亡した２人の遺体さえ、米軍に移送を頼んで、
受け取りに行っていません。なぜ自衛隊の前に、外務省幹部をイラク入りさせないの
か」（国会関係者）
　外交官２人が“無念の死”を遂げたというのに、首相の頭には政権維持しかないら
しい。


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■ “イラク自衛隊派兵”閣議決定はＯＫだが派遣はＮＯ　公明党のインチキ方針
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「一体どっちなんだよ」という声が上がっているのが、自衛隊イラク派遣での公明党
の方針。連立与党としては自民党と共同歩調を取りたいが、支持母体の創価学会は婦
人部を中心に戦争反対だ。状況次第ではどっちでも選択できるようなアイマイ方針で、
理念のないこの政党のヌエ体質を象徴している。

                             ＊  ＊  ＊  ＊  ＊

　６日、公明党の全国代表者会議で、神崎代表はこんな挨拶をした。
「イラク復興支援法が成立した時点と比べ、現地の治安状況は明らかに悪化している。
法の趣旨に照らせば陸海空の自衛隊をイラクに派遣できる状況ではない」
　この現状認識は正しい。だから“自衛隊派遣には反対”と続くかと思ったら、結論
は逆で、神崎は「自衛隊を出すという国家意思を内外に示すことには反対しない」と
言ってのけた。ところが、その後がまたヨレる。
「派遣時期などは慎重を期すべきだ。特に陸上自衛隊の派遣時期については、与党の
意見を最大限尊重すべきだ」
　要は、自民党に「派遣するときはわれわれに相談してね」と呼びかけているのだ。
会議の出席者の一人が言う。
「神崎代表はグズグズと理屈ばかり並べて何を言っているか分かりませんでした。地
方の代表者から『自衛隊派遣は治安が安定するまで待つべきだ』という意見が出たも
のの、これはデキレースの発言でみんなシラケてましたね」
　神崎の玉虫色方針の根拠は明らかだ。公明党のバックの創価学会では婦人部を中心
に、米国によるイラク戦争そのものに反対している人が多い。しかし、公明党は自民
党と連立しているからムゲに自衛隊派遣反対とは言えない。そんな二律背反が「派遣
決定は賛成だが派遣は慎重に」というアイマイな言い方になっているのだ。
「党幹部の大半が『世論の８割が派遣反対。このまま小泉路線についていけば来年７
月の参院選に悪影響が出る』と思っている。しかし、冬柴幹事長あたりは『連立与党
の枠組みのほうが優先する』と主張しているのです」（関係者）
　その結果が「閣議決定はＯＫ、派遣は慎重」という玉虫色の方針。最終的には“い
いとこ取り”で決めようというズルイ魂胆である。派遣反対なら政権離脱してもスジ
を通すべきだが、このヌエ政党には何を言ってもムダだろう。

イラクで殺害された２人の外交官を報じる大新聞ＴＶのキナ臭さ

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2003年12月 6日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  これは極めて危険な動き
  イラクで殺害された２人の外交官を報じる大新聞ＴＶのキナ臭さ
  それほど偉いのかい悪名高い日本の外交官

 ■ イラク派兵の裏に「拉致問題」あり
 ■ 「利用された」「報道もおかしい」　小泉首相と会談したイラク指導者の怒り
 ■ 〈外交官射殺テロ〉乱射された銃は旧式「ＡＫ４７」か
 ■ 小泉「不支持」、「支持」を上回る
 ■ ＮＹ株クリスマス相場　１年半ぶり９９００ドル
 ■ “江本旋風”に頼みの自民分裂　再選がヤバくなってきた太田知事
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 今や新卒の７人に１人　「無業者」が親を食い殺す
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 〈ムーディーズ〉足銀格上げ発表（１１月１７日）の「不可解」
       ・ 「カローラ」年間首位確実に　「フィット」から奪還
       ・ この冬〈ＪＴＢ〉〈近ツー〉〈日本旅行〉が仕掛ける激安旅行の中身
       ・ エア・ドゥ初めて黒字（９月中間）

─ Today's Top News ────────────────────────────
■ これは極めて危険な動き
■ イラクで殺害された２人の外交官を報じる大新聞ＴＶのキナ臭さ
■ それほど偉いのかい悪名高い日本の外交官
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        昔「爆弾３勇士」という英雄譚がマスコミによってデッチ上げられ
                 戦争賛美の国家体制になだれ込んで行ったが、
   何か背筋が寒くなるような今日この頃の小泉ファッショ首相が鎮座するこの国

      腐敗堕落の外務省がこの不幸な事件を悪用し、またぞろやりたい放題の
      特権復活に動き出している悪辣。これでは殺された２人は浮かばれない
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　これはキナ臭い動きだ。
　大新聞・ＴＶが、イラクで殺された２人の外交官を、これでもかと持ち上げている。
「イラク復興の志　道半ば」「復興のエース無念の死」「テロに屈しない」「優しき
ラガーマン」といった見出しが躍り、亡くなった２人の優秀さと熱心な仕事ぶりを大々
的に報じている。
　ＴＶはもっと情緒的で、殺された書記官の身重の妻や遺族の姿を映し出し、大学時
代の友人まで登場。お涙ちょうだいのエピソードを繰り返し伝えている。
　アナウンサーは「２人」を「お２人」、「遺体」を「ご遺体」とまるで皇室報道の
ように報じる始末だ。ＮＨＫにいたっては、遺体が到着した成田空港から生中継をす
る力の入れようである。
　当然、葬式も別格扱いで、川口外相が葬儀委員長を務め、青山斎場で外務省と遺族
の合同葬を“国葬並み”に執り行うことになっている。
「それでも新聞には『イラクで亡くなった他国の兵士に比べて弔意が足りない』との
声が紹介され、『国葬にしろ』という意見まで取り上げられています。まさに英雄扱
いです」（事情通）
　確かに、殺された２人は気の毒には違いない。
　しかし、ここまで賛美する必要があるのか。よくよく考えてみれば２人は外交官と
して当たり前の仕事をしていただけのことだ。“英雄”扱いされて戸惑っているのじ
ゃないか。大マスコミの報道ぶりは、どう考えても異常である。

                  ▼ 戦前の過ちを再び繰り返す大マスコミ ▼

　ハッキリ言って、一連のマスコミ報道は戦前の「爆弾３勇士」と同じだ。
　若い読者は知らないかもしれないが、これは日本を泥沼の戦争に突入させるのに大
きな役割を果たした“捏造された美談”である。
　上海事変勃発（１９３２年）から１カ月後のことだ。上海の蒋介石軍を攻めあぐね
た日本軍は、総攻撃の突破口を開くため、敵陣の鉄条網爆破を計画。爆薬を詰めた破
壊筒を、鉄条網の間に押し込んで爆破する作戦を立てた。しかし、作戦は中国軍の射
撃にあってことごとく失敗。８人が死亡した。そこで３人の若い工兵があらかじめ点
火した破壊筒を抱いて鉄条網に突入爆破、見事に成功した。３人全員が爆死したとい
うストーリーである。
　陸軍はこれを「覚悟の自爆」と発表。“軍神”として褒めたたえたのだ。しかし実
際は、導火線が予定より早く燃えてしまったというのが“真相”である。評論家の岡
本愛彦氏が言う。
「当時のマスコミがこれに飛びつき『世界比ありや　この気迫』（東京日日新聞）、
『神ながらの民族精神の発露』（大阪朝日新聞）とセンセーショナルに報じたのです。
その後、この“美談”はラジオ、出版、映画、演劇に取り上げられ、小学生の教科書
にまで登場。３人は“英雄”に祭り上げられていった。戦意高揚に大きな効果を果た
し、日本の軍国化を決定的にしていったのです」
　今回の外交官銃撃事件のマスコミ報道と、ソックリではないか。２人の外交官の死
を美談にして大々的に報じている。これでは戦前の二の舞いになりかねない。
「大新聞の中には『悲劇を繰り返すな』と報じているところもあります。しかし、本
気でイラク派兵に反対しているのなら、２人の死体写真を載せてでも、現場の悲惨さ
や危険を伝えるべきです。そうやって『これでは自衛隊を派遣するのは無理だ』と国
民に分からせる必要がある。それなのに『遺志半ば』などと報じて派兵の後押しをし
ている。これでは『自衛隊はイラクに行くべきだ』と考える国民が続出しかねません」
（岡本愛彦氏＝前出）
　まさか、今回の銃撃事件が自作自演の捏造だとは思わないが、イタズラに“英雄”
をつくり出す大新聞・ＴＶの報道ぶりは極めて危険だ。

                 ▼ ２人の死を悪用してイラク派兵する悪辣 ▼

　案の定、小泉首相は２人の“不幸な死”を悪用し始めている。この機に乗じて、自
衛隊のイラク派兵を強行する魂胆だ。
「死を乗り越えても、イラク安定に取り組まなくてはならない」「ここで手を引いた
ら、テロに屈することになる」と言い始めている。
　３日には、石破防衛庁長官に派遣準備を急ぐよう指示し、８日にも閣議決定する方
針だ。
「小泉首相は、何が何でも自衛隊をイラクに出したい。政権維持のためには、ブッシ
ュ大統領との約束を果たす必要があるからです。小泉改革は道路公団も年金も行き詰
まり、頼みの支持率も急落。来年１月の通常国会で、窮地に立たされるのは確実。こ
こでブッシュ大統領に見放されたら、政権は終わりなのです。それに内政に行き詰ま
った政権が、国民の目を外交にそらさせるのは常套手段です」（政治評論家・本澤二
郎氏）
　そんな小泉首相が唯一、気掛かりだったのが世論。国民の８割が反対しているのに、
イラク派兵を強行したら逆効果になりかねない。
　それが、外交官２人の射殺をキッカケに、大マスコミが「遺志を無駄にするな」と
一斉に報じ始めたことで、世論が「自衛隊を派遣すべし」に変わりつつある。小泉首
相にとっては、願ってもない展開である。

                ▼ 事件を契機に復権狙う外務省の厚かましさ ▼

　国民はこんな策動を許したらダメだ。ここで小泉首相の暴走をストップさせないと、
取り返しのつかないことになる。それこそ、７０年前の悪夢の再現である。
　それにしても、悪辣なのが腐敗堕落の外務省だ。スキャンダルと無能外交で、あれ
だけ国民の批判を浴びたのに“２人の死”を契機に、性懲りもなく特権復活に暗躍し
ている。
「外交官２人の銃殺事件の責任は、外務省にあります。なぜ、あんな危険な地帯に丸
裸同然で行かせたのか。２人は戦争状態のイラクで“非戦闘地域”を探す無理難題を
押しつけられて命を落としたのです。ところが、外務省は自分たちの責任をほおかむ
りしたばかりか、２人を英雄に仕立てることで、地に落ちた外務省イメージの回復ま
で画策している。ある外務省関係者は『外交官は自衛隊も行かないような危険な所で
仕事をしている』と新聞でコメントしています」（立正大教授・金子勝氏）
　外務省の失地回復に使われるなんて、死んだ２人も浮かばれないだろう。大マスコ
ミと政権がつくり出した“英雄物語”に、国民が踊らされるのかどうか。これは日本
の針路を大きく決する大問題である。
「権力と大マスコミが一緒になって英雄を仕立てるのは、非常に危険な兆候です。
『死を無駄にするな』『これに続け』と勇ましい声が強まり、反対する国民が卑怯者
扱いされかねない。このまま軍国化が加速する恐れがあります」（金子勝氏＝前出）
　２人の外交官の死を、平成の「爆弾３勇士譚」にしてはならない。


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■ イラク派兵の裏に「拉致問題」あり
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                    ▼ 自衛隊は小泉の人気取りの犠牲か ▼

「テロに屈しない」「日米安保、国際協調のためだ」――小泉首相はイラク派兵の必
要性を説いているが、もちろん具体的見返りを狙っている。ブッシュにゴマをする代
わりに、北朝鮮の拉致問題を進展させることだ。
「昨年９月、ピョンヤンを電撃訪問して、拉致日本人を連れ帰り、支持率を急上昇さ
せたまではよかった。しかし、小泉首相はその後、バスを乗り間違えてしまったので
す。ブッシュのイラク攻撃が不可避となり、“イラクの次は北朝鮮”という観測の中
で、北との交渉を中止して、ブッシュの強硬路線に乗ってしまった。この路線転換の
ウラには、“拉致国家と話し合いなんてとんでもない”という日本国内の反北朝鮮感
に迎合したこともあります。その結果、拉致問題の交渉は完全に暗礁に乗り上げてし
まった。あの歴史的訪朝を失敗に終わらせたくない小泉首相は、ますますブッシュに
頼らざるを得なくなったのです。つまり自衛隊のイラク派遣でも何でも協力するから、
代わりに拉致家族を帰すように北朝鮮に圧力をかけてくれという狭窄的な立場に追い
込まれてしまったのです」（評論家・河信基氏）
　ブッシュ政権は、この取引に応じようとしている。国務省のボルトン次官は２日、
「６カ国協議で日本は拉致問題を提起する権利がある」と発言した。小泉首相を後押
ししてくれたのだが、現実はそう簡単じゃない。
「北朝鮮は６カ国協議で拉致問題に応じる気はありません。それより何より、ブッシ
ュを相手にしなくなっている。ドロ沼のイラク問題で来年秋の大統領再選はなくなっ
た、その後の民主党政権と話し合えばいいという姿勢です。つまり、いくらブッシュ
が北に圧力をかけてくれても、１年後まで拉致問題は進展しようがないのです」（河
信基氏＝前出）
　拉致問題進展を夢見て自衛隊をイラクに送り込む小泉首相。やっぱり、この人は正
常ではなくなっている。


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■ 「利用された」「報道もおかしい」　小泉首相と会談したイラク指導者の怒り
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        ▼ 反米、反自衛隊派遣の立場なのに、官邸は“地ならし”演出 ▼

　イラクへの自衛隊派遣を決めた小泉首相が、世論の地ならしに“姑息な演出”をし
ていたことが分かった。「イラクの生の声を聞くため」と、３日に行ったイラク民主
化運動の指導者アブドルアミール・リカービ氏（５６）との会談のことだ。
　小泉は「イラク国民のための復興支援は日本、世界のためにも大事だ」と自衛隊派
遣の必要性をＰＲ。自衛隊の安全確保策などについて意見交換したと報道されている
が、リカービ氏周辺から「小泉内閣に利用された」「話が違う」と怒りの声が上がっ
ているのだ。
「リカービ氏は反米、反ネオコンで有名なイラク民主化の指導者です。当然、米国追
随で決めた自衛隊のイラク派遣にも大反対で、先月パリで開かれたシンポジウムでは
『日本が軍隊を送ってもイラク復興には全く役立たない』『民主化に悪影響を及ぼす』
とハッキリ言及していた。それが小泉首相との会談で、あたかもイラク国民が自衛隊
派遣を望んでいるかのように伝えられたと怒っているのです。首相の演出をタレ流し
た大マスコミにも、記事の訂正を求めて抗議しています」（事情通）
　確かに会談翌日の新聞を見ると「イラク復興策『生の声』を聞く」（朝日）、「イ
ラク南部の部族と会談～地ならしで」（読売）などの見出しばかりで、リカービ氏が
自衛隊派遣に反対とは報じていない。リカービ氏の夫人で反米運動家のナフラ氏が、
パリでＮＨＫ衛星ニュースを見て激怒したというのもうなずける。
「リカービ氏はイラク南部の部族リカーブ族長の息子で、イラク開戦前は民主的臨時
政府の首相に推薦されていました。リカーブ族は陸自が派遣されるサマワのあるムサ
ンナ県に影響力を持っている。自衛隊の安全確保にワラにもすがりたい首相が協力を
取り付けたいと思ったのは間違いありません。しかし、リカービ氏の怒りを買い、官
邸の思惑と逆になりそうです」（ＮＧＯ関係者）
　いかにも政治的パフォーマンスに長けた小泉らしい策略だったが、リカービ氏はき
のう（４日）予定されていた川口外相との会談をキャンセルした。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年12月4日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  真相の徹底解明が絶対必要
  米軍なのか、テロなのか、小泉内閣はなぜ調査をしないのか
  殺害が米軍によるものだったらどう対応するのか

 ■ 自衛隊「完全武装」を要求　《イラク派遣》危険なエスカレート
 ■ 永田町「政変前夜」に突入　「もう小泉はもたない」の見方広がる
 ■ ロシア輸送機をキャンセルへ　基本計画大幅遅れで防衛庁右往左往
 ■ 法人化後のメーンバンク　東大も京大も三井住友銀
 ■ 《盗聴事件》武井会長逮捕もう一つの狙い
 ■ 武井会長、部下の元課長に盗聴テープ「廃棄を」
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 鳴り物入りでスタートしたが…
          「地上デジタル放送」に早くも「カネ返せ！」の声
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 足利銀行破綻で鬼怒川、塩原の２大温泉地は
          忘年会需要が吹き飛ぶ大ピンチ
       ・ 〈ダイエー〉福岡２事業の売却は決まったが肝心の営業は「厳しさ」続く
       ・ 〈ユニクロ〉再びマイナスに転落　……他

─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 真相の徹底解明が絶対必要
■ 米軍なのか、テロなのか、小泉内閣はなぜ調査をしないのか
■ 殺害が米軍によるものだったらどう対応するのか
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      この事件の真相はアメリカ軍の説明と、現地目撃情報、現地警察の捜査
      が極端に相違している現状では全く不明。小泉内閣は臨時国会も開かず
               追及から逃げているが、重大な責任をどうするのか
     ------------------------------------------------------------------

　イラクで起きた日本人外交官の殺害事件は、４日たった今も真相が見えてこない。
小泉内閣に積極的に事件解明に取り組む姿勢がないからだ。
　川口外相は「情報収集に全力を挙げる」を繰り返し、事実上の外務大臣といわれ、
全情報を握っているはずの福田官房長官は「分かりません」「外務省に聞いてよ」の
連発だ。米軍発表と現地警察の情報では、２人が襲撃された『状況』も『時間』も大
きく食い違っている。なのに小泉内閣は、その疑問に触れることを避けようとしてい
る。
　あらためて米軍発表を検証すると、現地の状況と合致しないことが分かる。奥参事
官と井ノ上書記官は「水や食料を買うために道路脇の売店に立ち寄ったところを小火
器で撃たれた」といい、事件の発生は１１月２９日の午後５時頃と発表した。
　ところが、現地警察の情報では「２人の乗ったランドクルーザーを追ってきた旧型
クラウンが、並走して３０発を乱射。コントロールを失った車は、畑に突っ込み道路
から数十メートルも離れたところで止まった」としている。また、チグリス警察が現
場に駆けつけたのは午後１時頃。２人が搬送されたティクリットの病院も「午後２時
前に運び込まれた」と証言している。米軍発表とはまったく食い違っている。
「内外のマスコミが伝えている情報からは、米軍が事実をネジ曲げて発表しているこ
とがうかがえる。襲われた道路周辺には売店らしいものは見当たらず、車が突っ込ん
だ畑にはタイヤと血の跡が残っている。３人は車内にいて１人は息があったという住
民の話は、病院関係者の証言と符合する。また、襲われたランドクルーザーは、米軍
の車列の前か後ろにいて、銃撃事件後、米軍車両は走り去ったとの情報もある。事件
の発生時間も、２人がバグダッドの大使館を出た時間から午後１時過ぎと考える方が
自然で、米軍には状況・時間を隠さなければならない事情があったとしか思えません」
（情報関係者）
　現地からは断片情報しか入らないが、いずれも米軍発表を覆すものばかりである。

               ◆ 日米両政府はグルになって何かを隠している ◆

　米軍が２人の乗ったランドクルーザーや遺留品などの“証拠”を持ち去ったことも
疑惑を浮かび上がらせる。反米感情の強いティクリットに移動中の米軍が、先を走る
ランドクルーザーをテロリストの標的に利用したという「米軍の盾」説。時速１５０
キロ近いスピードの車の接近を自爆テロと勘違いして撃った「誤射」説――政府関係
者の奥歯に物のはさまったような言い方も引っ掛かる。
　また、米国政府の気の使い方も異様だ。事件発生後、国務省は「弔意」を表明し、
これを受けてブッシュ大統領は「２人を失ってさびしい」という内容の書簡を小泉首
相に送った。１日にはバウチャー国務省報道官が、２人の名前をフルネームで呼んで
「イラク復興に多大な貢献をした。米国にとっても大きな痛手だ」とコメントしてい
る。
「米国務省が、日本大使館の参事官、書記官の名前を挙げて、その功績をたたえると
いうのは異例のことです。外交官殺害事件が、自衛隊のイラク派遣の障害になること
を避ける思惑だけで出したコメントとは思えない気の使い方です。襲われた２人は、
北部イラク支援会議に出席するため、フセインの生まれ故郷で反米感情の強いティク
リットに向かっていた。その途中を襲われたのは、米軍から情報が漏れたとの見方も
ある。近くにいながら、２人の外交官を守らなかった負い目があるのかもしれません」
（外務省ＯＢ）
　日米両政府のおかしな対応は、何かを隠していることを物語っている。

              ◆ 小泉は真相解明せずに自衛隊イラク派兵に動く ◆

　もし日本人外交官殺害が、米軍絡みの事件だとしたら、小泉首相はどうするつもり
か。米国が日本国民を犠牲にするようでは、日米安保条約は何も機能していないとい
うことになる。「自衛隊派兵」というブッシュとの約束も、反故にしたっておかしく
ない。
　それなのに小泉は２日も「困難な任務だが、しかるべきときに自衛隊を派遣しなけ
ればならない」と強調。来週には基本計画を閣議に提出し、年明けにもイラクに送り
込む構えだ。小泉は、派兵に慎重になるどころか、逆だ。むしろ積極的にカジを切ろ
うとしているのである。
「小泉は、情報が錯綜しているときに派兵した方が得策と考えるでしょう。万が一、
米軍の関与を示す証拠や証言がボロボロ出てくるような事態になれば、国民の反対が
今以上に強まり、派兵できなくなる。小泉内閣にとって都合が悪いことが明らかにな
る前に自衛隊を送り込んでしまう。そうすればマスコミや国民の関心をイラクでの自
衛隊の活動に向けることができる。この事件の疑問、疑惑には、ほおかむりを決め込
むわけです」（政界関係者）
　政府が本腰を入れて真相究明に乗り出す姿勢がないのは、こうした思惑があるから。
外務省は遺族に対しても、「状況が把握し切れていない」と「２つの説」の説明でお
茶を濁している。このままウヤムヤで許される話ではないのだ。

              ◆ 国会で審議を尽くさず逃げ回るのは許されない ◆

「時期が来れば、しっかり私の考えを述べ、国民のみなさんの理解と協力を得たい」
――小泉はイラク派兵について、こう大見えを切ったが、冗談じゃない。２外交官殺
害という痛ましい事件が起きなくても、国民に十分、説明するのは首相の義務だ。
「戦闘終了を前提にテロ特措法を成立させた７月と今では、イラク情勢は激変してい
ます。米軍は『アイアンハンマー』『アイビーサイクロン２』といったフセイン残党
の掃討作戦を展開。そのやり方で反米感情は高まる一方です。１１月には、大規模戦
闘を繰り広げていた４月を上回る７９人の米兵が死亡し、月別の最多を記録しました」
（軍事関係者）
　加えて重大疑惑まで浮上しているのだ。世論調査では派兵反対が８割を超えている。
どうしても派兵するというなら、臨時国会を開いて選挙のときのように声をからして
国民に訴えればいい。
　しかし、口だけのええカッコしい首相は、追及を逃れることしか考えていない。政
治評論家の山口朝雄氏が言う。
「小泉首相は１回の会見で終わらせるつもりですよ。そこでも『イラク復興』『人道
支援』『テロに屈するな』『国際協力』なんて言葉を羅列するだけでしょう。来週に
も予定されている閉会中審査も、実のある質疑は期待できません。チグハグなやりと
りのまま時間切れになるのは明らかです。米国の意向ばかりを気にしている首相には、
国民に理解されるまで根気強く説明するなんて考えはこれっぽっちもないですよ」
　小泉には米軍の疑惑を封印して自衛隊をイラクに送り、ブッシュに気に入られるこ
としか頭にないのだ。


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■ 自衛隊「完全武装」を要求　《イラク派遣》危険なエスカレート
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                  ▼ 復興支援というより完全に戦争モード ▼

　イラクに派遣される自衛隊が“完全武装”を要求していることが分かった。政府が
来週にも閣議決定する基本計画に、「戦闘可能な武器の携行」が盛り込まれる可能性
が出てきた。
　関係者によると、自衛隊が使用許可を求めているのは、１２．７ミリ機関銃、８４
ミリ無反動砲、９６式装輪装甲車、ＵＨ６０対戦車ヘリなど。「これらは１００％、
戦闘を想定した火器と装備です」と、軍事ジャーナリストの鍛冶俊樹氏がこう言う。
「例えば８４ミリ無反動砲は、大型トラックやトレーラーを横転させる威力がある。
大型車で駐屯基地に自爆攻撃を仕掛けられた場合の防衛を考えるなら、必要な重火器
です。また、９６式は悪路での走破に適した陸自の８輪車両です。毎分９００発連射
できる１２．７ミリ機銃を搭載し、車内に完全武装の兵士が８人乗れる。自衛隊は部
隊が移動中にゲリラ攻撃された場合を想定しているのでしょう」
　派兵第１陣となる自衛隊北部方面隊（北海道旭川市）は、復興支援にあたる候補者
約７００人の選考を終えた。この中に戦闘部隊が入っている可能性もある。
「主力の陸自第２師団は後方支援専門で、無反動砲や装甲車を扱うことに慣れていま
せん。しかも装甲車は戦車部隊の担当です。自衛隊は武器携行許可とともに、戦車な
ど戦闘部隊からの“出向”を要求したとみて間違いありません」（軍事ジャーナリス
ト・神浦元彰氏）
　憲法では自衛隊の交戦権を認めていないため、こうした重武装を政府がすべて許容
することはあり得ない。だが、石破防衛庁長官は「完全武装やむなし」の立場らしい
から、完全に戦争モードだ。


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■ 永田町「政変前夜」に突入　「もう小泉はもたない」の見方広がる
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「政変前夜」――いま永田町はこんな言葉がピッタリだ。外交官射殺事件でうろたえ、
窮地に立たされた小泉首相。自民党内では「小泉内閣はもたないんじゃないか」とい
う見方が急速に広がっているのだ。

              ▼ 本人は「後戻りはない」と強気を装っているが ▼

　きのう（２日）の自民党総務会と外交部会は久々に盛り上がった。小泉首相のやり
方を面白くないと思ってきた勢力が、射殺事件や自衛隊派遣をめぐって次々と批判を
口にした。もちろん口先だけのことだが、この２、３日で永田町のムードが一変して
きたのは事実だ。
　評論家の塩田潮氏がこう語る。
「外交官２人が射殺された事件で、あの強気の小泉首相がハッキリと憔悴した表情を
見せた。自衛隊派遣をめぐって発言に揺れが出てきた。これで党内に衝撃が走ったの
です。この３年間、小泉首相のピンチは何度かあったが、今回のような苦境は初めて
です。そこで、“小泉が転びそうだ”“チャンス到来だ”と色めき立っている人が多
いのです。ポスト小泉の候補である高村元外相や平沼前経産相の周辺では、その時に
備えて絵図を描く動きも始まっています」
　野党はイラク問題で、国会の閉会中審査を要求しているが、自民党の国対幹部は
「やらざるを得ないだろう」と語っている。これも小泉揺さぶりの一つだ。
「自民党内で小泉人気にあやかりたいと考えているのは参院だけです。衆議院議員の
多くは、参院選まで勝たれてしまったら、小泉首相は盤石になって、あと何年もやら
れてしまうと思っている。その意味で、政局の不安定は望むところだし、小泉自滅を
待望している。小泉首相はきのうの講演で、“後戻りすることはない”と強調してい
ました。党内のムードを感じとって強気を装ったのでしょう。しかし、自衛隊を出さ
なければ終わりだし、出して犠牲者が増えれば終わりという“進むも地獄、退くも地
獄”の状況はずっと変わらない。政局がいつ流動化するか、だれも予測がつかない状
況です」（塩田潮氏＝前出）
　永田町はまさに「一寸先は闇」になってきた。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年12月 3日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  日本人外交官殺害に重大な疑惑
  なぜ現場にいたイラク人目撃者の証言と
  駐留米軍の発表がこれほど極端に違っているのか
  ２人はアメリカ軍に殺られたのではないかという見方

 ■ 地上デジタル放送スタート　麻生総務相「経済効果２００兆円」の大ブロシキ
 ■ ただ泣くだけ　無能・外務省に任せていたら第２第３の犠牲者が必ず出る
 ■ 道路公団　近藤総裁もう腰砕け
 ■ ７１８億円が消えた　あしぎん株マネーゲームの結末
 ■ スペイン国民の８割がイラク派兵に反対
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 女房にわが子を殺されたくなければ働きに出せ
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 〈富士通〉異例の「見せしめ人事」　役員２人を懲戒処分
       ・ 〈ダイエー〉福岡事業再建計画成立へ　債権放棄２４０億円
       ・ 知ってる？「名古屋嬢」ファッションがブレーク！
       ・ 〈ソニー〉社債で２５００億円を調達へ　半導体と液晶に投資


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 日本人外交官殺害に重大な疑惑
■ なぜ現場にいたイラク人目撃者の証言と
■ 駐留米軍の発表がこれほど極端に違っているのか
■ ２人はアメリカ軍に殺られたのではないかという見方
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                車中へ襲撃されたという目撃者、道路脇の売店に
                 立ち寄ったところを襲われたという駐留米軍。
              細部にわたって検証すると、謎と疑惑はこれだけある
             --------------------------------------------------

          ◆ 誤認なのか意図的なのかは分からぬが恐らくそれが真相 ◆

　２９日、イラク北部のティクリットで起きた日本人外交官２人の殺害事件に重大疑
惑が出てきた。奥克彦参事官（４５）、井ノ上正盛三等書記官（３０）はいったい誰
に殺されたのかという疑問だ。殺害状況には２説ある。
　まずイラク駐留米軍の発表だ。「奥参事官らは売店で走行中の車を止め、食料と飲
料水を買った際に銃撃を受けた」というもの。これだとテロリストか強盗が“待ち伏
せ”か“追跡”して襲撃したことになる。
　もうひとつはチグリス警察署の説明である。
「外交官ら３人が乗った黒の４輪駆動車は片道２車線の幹線道路を時速１００キロで
走行中に、追走してきた犯人の車から銃撃を受け、道路からそれて畑の中に突っ込ん
だ。外交官の車の左側には２９発の弾痕があった。畑の土の轍にはブレーキ、アクセ
ル痕はなく、運転手は車線を外れた時には致命傷を負っていたとみられる」
　この食い違う２説はどっちが正しいのか。現場に居合わせた道路脇の食料品店の店
主（４２）はこう証言している。
「バグダッド方向から来た車が店の手前で右に大きくカーブを切り、路肩を外れて６
０メートル先の畑に突っ込むようにして止まった。ドアを開けたら３人が血の海の中
に倒れていた。１人はまだ息があり、苦しいうめき声を上げていた」
　この証言が事実だとすると、駐留米軍の「車から降りて食料品スタンドで撃たれた」
という説は成り立たない。
　そもそもこの幹線道路近くには証言した店主の食料品店以外はなかったし、奥参事
官らが銃撃に慌てて逃げたとしても轍からみて運転手はその時点で虫の息だったはず
だ。

                   ◆ 「銃撃直後に米軍車列」の重大証言 ◆

　しかも、この店主の証言として共同通信が驚愕すべき内容を送っているのだ。「畑
に突っ込んだ車のすぐ後ろから米軍の車列が通り過ぎていった」
　この証言は重要だ。だだっ広い４車線の道路で銃撃があったのに米軍車両はそのま
ま通過したことになる。しかも、現地警察によれば、畑に突っ込んだ車や遺留品はす
べて米軍が回収してしまったという。また、外務省によれば紛失した奥参事官らのパ
スポートは後になって米軍が「地元有力者から取り返した」と言って返却したという。
　駐留米軍の発表内容は明らかに不自然。福田官房長官も「テロの可能性が強い」と
はっきりと断定はしていない。米国から情報を入手できる立場なのに、真相はモゴモ
ゴ言うだけである。米軍はなぜニセの事故情報を発表したのか。その目的は何か……。

             ◆ 日本外交官のクルマは“米軍の盾”に使われた？ ◆

「すぐ後ろを米軍の車列が通り過ぎていった」――共同通信の配信記事が事実なら、
少なくとも米軍は「日本の外交官を見殺しにした」ということになる。これは重大な
疑惑だ。
　襲撃犯は小火器で２人を殺害している。重装備の米軍なら、容易に粉砕できたはず
だ。襲撃を防げなくても、犯人の逮捕は可能だったはず。何もしなかったとは、一体
どういうことなのか。国際政治学者の浜田和幸氏が言う。
「狙われたのが米兵であろうが外国人であろうが戦地で銃撃戦が勃発したら、すぐに
臨戦態勢に入るのが常識です。なぜ米軍が応戦しなかったのか不可解です。幹線道路
でスピードを落とすと自分たちが攻撃のターゲットになると恐れて、やり過ごしたの
でしょうか」
　そこで「米軍が日本の外交官のクルマを“盾”に使ったのではないか」という疑惑
も浮上している。
　殺害された２人は、イラク北部復興支援会議に出席する途中で襲われた。現場はフ
セインの出身地に近く、イラクの中でも一番治安が悪い。奥参事官が射殺された翌３
０日には、同じ幹線道路で米軍補給部隊の車列に反米ゲリラが大規模な攻撃をかけて
激しい戦闘が行われている。
　こんな危険な場所で会議を開くこと自体が無謀だが、当然、米国も自分たちが標的
になることは分かっていたはず。そこで日本のクルマを先行させて“オトリ”にした
可能性があるというのである。
「日本人外交官の２人が乗っていたのは、黒の４輪駆動車で、ナンバープレートを外
して走っていた。実は、ナンバープレートをつけない黒の４輪駆動車は、現地では米
占領当局の要人が移動に使うことで知られている。犯人は２人を米軍だと思い込んで
銃撃した恐れがある。逆に言うと、米軍は日本人外交官が米国人だと間違われること
を承知していた可能性があります」（事情通）

                    ◆ 米軍が誤って銃撃したという見方 ◆

　そして、にわかには信じ難いが、米軍が誤って２人を殺害したという疑惑も持ち上
がっている。
　もし米軍による射殺が本当ならば、駐留米軍が「２人は売店に立ち寄り、食料と飲
料水を買い求めた際に銃撃を受けた」などとウソ情報を発表したり、銃撃を受けたク
ルマや遺留品をすべて回収したことも説明がつく。
「今度の襲撃事件は、謎と疑問が多すぎる。なぜ、２人は護衛をつけなかったのか。
北部復興支援会議に出席するなら、米軍に護衛を頼むこともできたはずです。米軍が
日本人外交官を殺害することは常識ではあり得ません。しかし、テロリストだと見誤
って撃ってしまったことは考えられます。米兵は戦争終結後にテロなどで３００人以
上が殺され、パニック状態になっている。精神的に耐えられなくなって１万人近くが
米国に帰国させられている。最近は精神的に追い詰められて、女性や子供までテロリ
ストだとおびえて撃っています」（軍事関係者）
　奥参事官らを誤射した米軍は、つじつま合わせで「食料を買う時に撃たれた」と発
表したのではないのか。米国は「ジェシカ・リンチさん救出事件」でも分かるように、
目的のためならどんな謀略だってやる。日本人外交官殺害事件の疑惑と疑問は簡単に
は消えない。

                  ◆ 何人殺されても自衛隊を派兵する小泉 ◆

　誰がどのような意図で日本の外交官を銃撃したにせよ、２人が死んだことは厳然た
る事実だ。そんな危険なところに２人が身をさらして任務を遂行せざるを得なくなっ
た根本原因は小泉首相の対米追従路線にあることもまた事実である。
　しかし、自衛隊のイラク派遣はすでに何の大義もなくなっている。米軍が攻め込ん
でも大量破壊兵器は出てこなかったし、テロが横行するイラク全土に自衛隊派遣の条
件である「非戦闘地域」などどこを探してもない。
　にもかかわらず小泉は「テロに屈しない方針は変わらない」と自衛隊派遣路線を変
えるつもりはない。小泉の建前は「イラクの戦後復興」だが、本音は「アメリカへの
義理立て」だから、ブッシュへの忠義立てが大義名分なのである。評論家の茶本繁正
氏が言う。
「小泉首相は過去の戦争がそうだったように、外交官や民間人の犠牲が出るほど“邦
人保護”を名目にして自衛隊派兵を行うでしょう。しかし、イラク人からすれば日本
は占領支配をするために来た米国の同盟国とみなされ、さらにテロのターゲットにし
ていく。その先にあるのは日本人が次々に犠牲になる戦争の泥沼化です」
　２人の外交官の死は、そんな悲惨な事態への序章である。


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■ ただ泣くだけ　無能・外務省に任せていたら第２第３の犠牲者が必ず出る
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　優秀な外交官２人を殺された外務省は、もう“機能停止”状態だ。精神的なショッ
クもさることながら、情報収集も安全対策もなってなかったことが露呈し、アチコチ
から突き上げられ、どうしていいのか、わからなくなっているかのようだ。外務省が
このていたらくなのに、小泉政権はイラク派兵を強行するのか。

                   ▼ 情報収集も安全対策もなっていない ▼

　海老原紳北米局長は１日、記者との懇談の席で、ポロポロ泣いた。殺された奥克彦
参事官とは米国大使館勤務で一緒だったそうで、気の毒なくらい憔悴していたという。
　自民党本部の会議では「情報が錯綜して（死亡状況が）わからないと言うが、その
程度の情報収集力しかないのか」「米軍以外を狙ったテロにこれまでどのように対応
してきたのか」といった批判が雨アラレのように集中した。外務官僚はというと、
「事実関係を把握中です」と繰り返すだけで、ついには古賀誠元幹事長も「イラクに
行く大義はなくなった」と言い出している。外務省は八方ふさがりで、別の局長も
「どうしていいかわからない」とオロオロしているというのだ。
「実は、外務省にとって奥参事官と井ノ上正盛三等書記官の死は、特別な意味がある
んです。日本はこれまで何度もイラクに調査団を送っていますが、自分の足で調査を
しているのではなくて、危ない地域についてはイラク人の調査会社に依頼してきた。
だから、情報はすべてまた聞き。そんな中、唯一、現場で情報を取ってこられるのが、
奥さんと井ノ上さんだったんです。２人を失えば、外務省は手足をもがれたようなも
のですよ」（外交関係者）
　奥氏らが殺された状況がハッキリしないのも当然で、奥氏がいないバグダッドの駐
イラク大使館は「また聞き」情報をかき集める能力しかないのである。
「安全確保も情けないの一語で、イラクの現地人を雇っているだけ。１８日には日本
大使館近くで十数発の発砲があり、イラク人の警備員が小銃で応戦する事件もあった。
米軍が守っているわけじゃないし、自衛隊が来たって警備はできない。ロケット弾な
どを撃ち込まれたらオシマイです」（外務省事情通）
　恐ろしいのは、こんな状況なのに、外務省はイラク派兵は「対米公約」だとして、
派兵をあきらめていないことだ。奥参事官の後任や、さすがに当面延期になったもの
の復興支援のための文民派遣のタイミングをうかがっている。この調子では第２第３
の犠牲者がいつ出てもおかしくない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年12月2日号

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  国民にとって百害あって一利なし
  小泉首相の存在がもたらす何から何まで異常ばかり
  イラク日本人外交官２名殺害事件の真相とこれからの展開

 ■ 《外交官殺害》外務省　危機管理ゼロをまたまた露呈
 ■ 始まった新しい金融危機　今回の危機の対応に疑惑の小泉内閣
 ■ 神通力は消え、アップアップの４選　橋本大二郎高知県知事の今後
 ■ 小泉内閣支持率が急落
 ■ 足利銀行一時国有化でニンマリ　営業譲渡狙う外資系ファンドの舌なめずり
 ■ 羽田―金浦　直行便スタート
 ■ テレビ・地上波デジタル放送スタート　経済効果２００兆円
 ■ 【話題の焦点】
       ・ アルカイダ“東京テロ”は未然に阻止できるのか


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 国民にとって百害あって一利なし
■ 小泉首相の存在がもたらす何から何まで異常ばかり
■ イラク日本人外交官２名殺害事件の真相とこれからの展開
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                      銀行は潰れる、衛星は上がらない、
               そして予想され恐れられていた事件が遂に起こった

              疫病神のような狂人首相がいる限り、この国の暗雲は
                  永遠に晴れないという絶望的な声も出てきた
             --------------------------------------------------

　総選挙で小泉自公政権を継続させてしまったから、やっぱり日本はシッチャカメッ
チャカだ。銀行は潰れるし、Ｈ２Ａロケットは上がらないし、そしてイラクではつい
に日本人外交官２人が射殺される事件が起きてしまった。イラク戦争後、初の日本人
死者だ。
　小泉首相は「痛恨の極みだ。言葉もない」と言ったが、白々しい。今のイラクで日
本人が標的にされるのは分かりきったこと。もとはといえば、疫病神のような小泉首
相がまいた種ではないのか。
　国際政治学者の浅井信雄氏がこう言う。
「今回の事件は、日本人を狙った用意周到な計画的なテロの可能性が高いから衝撃的
です。犯人グループのバックにいるのは旧フセイン政権の諜報機関でしょう。旧ソ連
のＫＧＢの訓練を受け、世界的にも優秀で知られていましたが、戦時中、死んだフリ
していた彼らがいよいよ本格的な反撃を始めたのです。彼らにとってはイラク占領に
加担してカネも自衛隊も出す日本は米国と同罪。諜報機関は邦人外交官２人がティク
リットの北イラク復興支援会議に出席する情報を入手、バグダッドの大使館からずっ
と尾行を続け、攻撃しやすいタイミングを見計らっていたのでしょう。これから、日
本人を狙った第２、第３のテロが続出すると思います」
　現地では、米国ベッタリの日本が早くから狙われていたのは有名な話だ。１１月１
２日にはイラク南部のウンムカスルで、邦人男性１人が銃撃を受けて重傷。１８日に
も、バグダッドの日本大使館に十数発の銃弾が撃ち込まれ銃撃戦になった。すごいカ
ネをかけて高さ約３メートルのコンクリート壁を築いた“要塞”のような大使館まで
狙われ衝撃が走ったが、日本の外務省はイラクの武装勢力が手ぐすね引いて待ち伏せ
しているのを承知で、外交官２人を会議に出張させ、“飛んで火に入る夏の虫”にし
てしまったのだ。これはもう犯罪じゃないか。

                 ▼ ブッシュと小泉に殺されたようなものだ ▼

　フセイン政権の残党勢力やテロ集団が日本を目の敵にする理由は、言うまでもない。
ブッシュの大義なきイラク侵略戦争を、イの一番に支持したのが小泉首相なら、失敗
した米軍のイラク占領を必死に支えようとしているのも小泉首相だからである。国際
テロ組織アルカイダが日本を名指ししてテロを警告した声明は脅しやハッタリではな
いのだ。
「外交官襲撃事件とほぼ同時間帯に、バグダッド南部のヒッラー付近でスペインの情
報機関員７人が殺害されましたが、これはフセイン政権の残党やテロ組織が連携して
情報網を拡大している証しです。スペインやイタリア、日本など米国の同盟国が“同
時テロ”のターゲットにされれば国際社会に与えるインパクトは強いしブッシュ政権
を揺さぶる効果もある。彼らはすべて計算しているのです」（浅井信雄氏＝前出）
　言ってみれば、死亡した外交官２人は小泉とブッシュに殺されたようなものでもあ
る。現在、イラクで取材を続けているジャーナリストの森住卓氏がこう言う。
「米国の占領政策がズサンなのを利用して、イラク国内にはアルカイダやムジャヒデ
ィン（イスラム戦士）が続々と入国しています。彼らは失業中の若者たちにカネを配
って勢力を拡大し、バグダッドは市民とテロリストの線引きが困難になりつつありま
す。『米兵殺害なら賞金２０００ドル、生け捕りなら５０００ドル』なんて物騒な情
報が毎日飛び交っているのです。しかも、外交官２人が殺害されたティクリットは報
道関係者はもちろん米軍も忌避する、イラクでも最も危険な地域です。なんでそんな
場所で米国は復興支援会議を開こうとしたのか、また小泉政権は外交官を向かわせた
のか。責任重大ですよ」
　小泉首相や外務省は、自分たちの責任問題や自衛隊派遣に影響が出るのを恐れて、
情報を出し渋ったり、突発事故の「物とりの仕業」に見せかけようとしている。だが、
ブッシュによってグチャグチャにされたイラクの危険は、そんな甘いものじゃないの
だ。

                ▼ 「自衛隊員も狙われる」のは確実になった ▼

　疫病神の小泉首相は、それでも自衛隊を予定通り派遣すると言い張っている。待っ
ているのはテロ標的だけで、イラク国民は望んでもいない。ブッシュへの忠誠心と自
分のメンツのために意味のない派兵をやろうとしているのだから、そのバカさ加減に
はあきれるが、「テロに屈しないという従来方針に変更はない」と一人強気だ。
　すでに防衛庁は、今月上旬に陸上自衛隊の先遣隊３０人を南部のサマワへ派遣し、
月末までに１００人前後の施設部隊を追加派遣。年明け後に５００人以上の本隊を派
遣というスケジュールを決めている。
　そんなに自衛隊を戦場に送り込みたいのならどんどんやればいい。だが、犠牲者は
必ず増える。その時、小泉首相や石破長官は責任をとれるのか。
「サマワに派遣される陸自は、見通しのいい砂漠に宿営地を築き、入り口周辺に深い
壕を掘ったり、道路に車止めを配置して自爆テロを封じ込める作戦です。しかし、い
くら強固な基地を築いても、イラク復興支援のために活動しようとすれば、移動が不
可欠。今回のように無防備な移動中を狙われたら、武装した自衛隊だって一巻の終わ
りです。“部隊の移動を相手に悟られたら犠牲は防ぎようがない”と防衛庁内には衝
撃が走っていますよ」（防衛庁事情通）
　東京国際大教授の前田哲男氏（軍縮論）がこう言う。
「日本政府は、相手を“国際テロリスト集団”にしたがっていますが、最近のイラク
の相次ぐテロ攻撃を見ていると、これはレジスタンスによるゲリラ戦ととらえた方が
いい。イラク中で、反米抵抗運動のすそ野が広がり、情報が交わされ、計算しながら
次の標的を狙っている。そんな中へ、ブッシュの助太刀に自衛隊が飛び込んで行った
らどうなるか、説明するまでもないでしょう」
　小泉政権は、嵐の海へ自衛隊員を投げ込もうとしているようなものなのだ。

               ▼ 狂人首相に待ったかけない自公の絶望的無力 ▼

　外交官に加え、自衛隊員にも次々と死者が出ることになったら、小泉政権はひっく
り返る。それが分かっていながら、暴走しか選択肢がないのが今の小泉首相だから狂
っている。
「小泉首相は、政権維持の後ろ盾であるブッシュ大統領との約束を破れない。１０年
前のカンボジアＰＫＯの時も２人の死者が出たから、犠牲者が２人だけなら世論の反
発も少ない、大丈夫と踏んでいる。小泉首相を止めることは無理でしょう」（浅井信
雄氏＝前出）
　与党内には慎重論が高まっているという。来年夏の参院選への影響を憂慮してのこ
とだが、無力無責任の自民党・公明党に狂人首相を引き留める力なんてない。参院の
青木幹事長は派遣支持を打ち出し「参院選との間に挟まっている」と、来年１月ごろ
の短期派兵なら選挙に影響は少ないとの見方だ。いい加減なものである。前出・前田
哲男氏が言う。
「米政府は、イラクの治安が確保されているから、日本に自衛隊を出せと言っていた。
しかし、最も安全が確保されるべき背広組の外交官まで犠牲になったのだから、約束
違反です。自衛隊を派遣する前提条件は崩れた今回の事件は小泉首相にとってチャン
スです。勇気をもってブッシュに“派遣中止”を言うべきなのです。それをしない限
り、大義なきイラク占領に対するドロ沼の抵抗運動がいつまでも続くことになり、日
本人の犠牲者も増えるだけです」
　小泉政権が続く限り、奥参事官や井ノ上書記官の遺族の悲しみが、全国至るところ
で繰り返されることになる。「６０年前の戦前じゃあるまいし」とも思うが、このド
ツボから抜け出せないのが今の日本だから情けない。とんでもない政権をもってしま
ったものだ。


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■ 《外交官殺害》外務省　危機管理ゼロをまたまた露呈
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                  ◆ 目立つ車で移動させても護衛はつけず ◆

　外務省という役所は、どうなっているのか。在イラクの外交官２人が殺害された今
回の事件でも明らかになるのは危機感の欠如ばかりである。
　外務省は、在イラク大使館員の警護について「相当なことをやっている」（堂道秀
明中東アフリカ局長）という。ところが、殺害された２人は警護も付けられず、丸腰
状態で襲われた。
「２人が乗っていた四輪駆動車は、レバノンナンバーの高級車で、車体上部に赤色灯
が付いていたという話もある。だれが見ても目立つ車で、反米感情の特に強い事件現
場のティクリット周辺を警護ナシで通るのは自殺行為。米国要人は移動時、必ず前後
に軍の装甲車を付けていますよ」（軍事関係者）
　外務省の田中和夫官房調査官は遺族に「警護することで狙われやすい状況だった」
と説明したという。護衛が目立つというなら車もイラク人が乗っている地味なものに
しなければ無意味である。
「殺害された奥参事官は１カ月くらい前から狙われていた」（外務省筋）との情報も
ある。日本人外交官の移動情報が筒抜けになっていることなど容易に想像できたはず
だ。

                       ◆ 「イラク大使」は本省勤務 ◆

　イラクの日本大使館の体制もおかしい。現地には出張者を含めて１１人が駐在して
いるが、イラク大使の大木正充氏は本省常勤という「異例の格好」（外務省報道担当）
だ。現場を仕切るのは臨時代理大使の上村司氏。田中真紀子前外相にいじめられて体
をこわした、あのキャリア官僚である。
「上村氏はアラビアに精通するアラビストなのは間違いありません。中東生活が長く、
精神的にも肉体的にもタフとみられた。そのため真紀子秘書官に抜擢されたのですが、
たった２週間でリタイアし、５カ月間も自宅療養しています。果たして、こんな修羅
場を乗り切れるのかどうか」（外務省事情通）
　奥参事官は、自衛隊派兵の候補地であるサマワに何度も足を運び、政府に綿密な現
地情報を上げていた。政府調査団や自衛隊の専門調査団にも同行していた。井ノ上書
記官は中東の専門家だ。２人は日本のイラク政策で中心的役割を果たしてきた。最も
現地に精通した人材だ。そんな人たちも守れないのは、本省官僚の危機意識の薄さだ。


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■ 小泉内閣支持率が急落
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                          ◆ イラク派兵反対８割 ◆

　イラクへの自衛隊派遣について反対または慎重な態度を取る人々が８割を超えてい
ることが、毎日新聞が２９～３０日に実施した電話での全国世論調査で明らかになっ
た。
　それによると、「時期にかかわらず派遣すべきでない」と答えた人が４３％、「イ
ラク情勢の安定を待って派遣すべき」と答えた人が４０％を占めた。派遣反対・慎重
派が８割を超えたのに対し、早期派遣派はわずか９％。さらに自衛隊を派遣した場合
「テロの標的になると思う」と答えた人も７９％いて、「ならないと思う」の１１％
を大きく上回った。
　小泉内閣の支持率も下がる一方で、前回１０月調査から１４ポイント急落して４２％。
不支持率は３７％で１１ポイント増えた。
　しかも、回答者（１０３６人）の７６％はイラクで日本人外交官殺害が起きる前日
（２９日）に答えており、事件が起きてからだと派遣反対派、内閣不支持率ともにこ
んな数字では済まされなかったはずだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年11月28日号 -2

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  この国は奈落の底へ向かっている
  いよいよ絶望的になってきた庶民生活
  選挙で小泉再選を許したこの国の国民の自業自得だが
  自民公明政権が続く限り景気の回復などあり得ない

 ■ 《年金改革》衝撃的な裏側
      ９兆円食い潰した年金官僚　積立金の半分８７兆円は不良債権化
 ■ 非戦闘地域探しは断念　イラク調査団隠密行動の中身
 ■ 「税務署」と化した石原都政
 ■ 病院も大不況
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 「ＩＣタグ」であなたのプライバシーが丸裸にされる
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 大手銀行はゼロになっても地銀に巣くう“天下り役員”の実態
       ・ 〈三井住友建設〉中間決算　３３０億円の債務超過
       ・ 逮捕で大ショック！？　「マイケルスーツ」　……他

 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】
        世界恐慌もそうだった…　「地銀破綻」がもたらす新しい金融危機 ──


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ この国は奈落の底へ向かっている
■ いよいよ絶望的になってきた庶民生活
■ 選挙で小泉再選を許したこの国の国民の自業自得だが
■ 自民公明政権が続く限り景気の回復などあり得ない
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    小泉自民党と公明党のデタラメ政権合意、こんな政府があと３年も続いたら

    小泉と神崎の２人のイカサマ党首がデフレを早期に克服することに合意した
  というが、具体策をなぜ言わないのか、やっていることやろうとしていることは
                         全部デフレ促進ではないのか
 -------------------------------------------------------------------------

　衆参予算委員会での小泉首相を見て、「とんでもない首相を信任してしまった」と
後悔している有権者も多いのではないか。
　自衛隊の「イラク派兵」では、「私は一貫している。状況を見て判断する」と国民
をバカにしたような答弁を繰り返し、「大義はどこにあるのか」（菅直人民主党代表）
と突っ込まれても、「民主党は（対米関係という）日本の国益をどう考えるのか」と
逆質問ではぐらかしてしまう。共産党の質問にも逆質問を繰り返し、結局、何も答え
ず、時間切れ。きのう（２６日）の参院でも、参院議員の近藤剛氏を日本道路公団総
裁に起用した人事を突かれたが、「民主党だって、衆院議員が知事になっているでし
ょう」とまぜっ返し、近藤氏が公団総裁に立候補したみたいな言い方でゴマカしてい
た。
　これはちょっとヒドすぎないか。奇弁を弄し、声を張り上げ、相手を挑発し、ケム
に巻くのは小泉首相の十八番だが、今国会は目に余るのだ。
　明大名誉教授の岡野加穂留氏（政治学）もこう言う。
「自衛隊のイラク派遣や年金問題には国民の厳しい目が向けられている。そういう視
線を真摯に受け止めていれば、とてもじゃないが、こんな荒っぽい答弁はできないは
ずで、本当にヒドいと思いました。小泉自民党は総選挙では議席を減らしたのに、そ
の後、保守新党や無所属議員を取り込み、過半数を制した。それでイイ気になって、
おごっているんです」
　与党の数があるから、国民への説明責任など「関係ネエや」が本音じゃないか。国
会答弁など屁とも思っちゃいないのだろう。一事が万事で、改革の公約を裏切っても
平然。大新聞は今になって「道路公団改革のウソ」を書いているが、何を今さらとい
う気がする。「平気でウソをつく」イカサマ政権の罪状を挙げていけば、キリがない
のだ。

                ◆ デフレ克服と言いながら逆噴射のデタラメ ◆

　中でも、見過ごせないのが第２次小泉内閣発足の前提になっている自公合意のイン
チキだ。今月１８日に小泉首相と公明党の神崎代表が会談し、デフレの早期克服、０
６年度の名目成長率２％達成など５項目の政策で合意した。
　こんなものを大々的に発表されれば、多くの国民は自公政権はデフレ克服政権なの
か、と思ってしまう。しかし、それじゃあ、実際、デフレ対策で何をやっているのか、
というと何一つ具体策はなし。その一方で、デフレ加速策は、“フルコースメニュー”
で並べているのだ。
　まず、来年度予算案。財政制度審議会はきのう意見書をまとめ、「一般会計歳出と
一般歳出を今年度の水準以下にすること」を明記した。削減の主な対象は公共事業関
係費。無駄な公共事業をバラまけとは言わないが、こんな緊縮財政でどうやって名目
成長率を上げるのだろう。
　小泉政権が急いでいる年金改革も景気には冷や水でしかない。厚生労働省案では、
厚生年金の保険料が来年１０月から毎年上がり続け、現在は税込み１３．５８％の保
険料が、最終的には２０％まで引き上げられる。こんな大幅アップを強行されたら、
企業もサラリーマンも干上がってしまう。
　年金財源をまかなうために定率減税が廃止されれば、さらに消費は冷え込むことに
なる。所得税額の２０％（上限２５万円）、住民税額の１５％（上限４万円）の減額
が廃止されると、年収７００万円の４人家族で６万３０００円もの増税になるのであ
る。

                ▼ こんなメニューではデフレは加速するだけ ▼

　しかも、小泉首相は２５日の衆院予算委員会で年金給付水準について「私は（現役
世代の平均所得の）５０％が下限とか上限とか言っていない」と口にして、厚労省案
の５０％よりさらに絞り込むことをにおわせていた。これじゃあ、逆立ちしたって、
個人消費は回復しないのだ。経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言っている。
「小泉政権のサラリーマンを狙い撃ちにした負担増は、略奪と言っていいと思います。
医療費負担は３割にアップ。雇用保険料、介護保険料も上がりました。酒・たばこ税
も引き上げられ、配偶者特別控除は廃止。年金、健康保険の保険料が総報酬制になり、
ボーナスからの本格的な徴収も始まっています。将来展望もないまま家計に負担を押
し付けるだけではサイフのひもは固くなるばかりです。所得が消費に回らずデフレは
進む一方ですよ」
　そのうえ、来年から大幅縮小される住宅ローン減税も、廃止される方向で谷垣財務
相は動いている。
　三位一体改革で、来年度の地方の補助金１兆円削減も“決まり”である。財政制度
等審議会は地方公務員の給与カットも盛り込んでいて、来年以降、地方経済は地獄絵
のようになりそうだ。
　小泉首相は、こんなメニューでどうやってデフレを克服するつもりなのか。結局、
口先ではデフレ克服を言いながら、やっていることは百八十度逆。これが小泉自公イ
カサマ政権の正体なのだ。

             ◆ 児童手当拡充は地域振興券の二の舞いになるだけ ◆

　こうなると、「自公連立合意って何なのか」と言いたくなる。小泉と神崎のウソツ
キ党首コンビが国民をダマすために作った作文みたいなものだ。
　しかも、許し難いのは公明党は定率減税廃止で浮いた金を児童手当の拡充に向けよ
うとしていて、学会・公明党に媚へつらう自民党執行部もちゃっかり合意済みなのだ。
これぞ、選挙目当てのバラマキだ。児童手当を受けるには年収制限（７８０万円未満）
があり、家計が苦しい家庭は貯蓄や借金返済に回してしまう。天下の愚策と言われた
地域振興券の二の舞いで、景気浮揚効果はゼロ。要は公明党の学会員に対するサービ
スでしかないのである。
「公明党は来年の参院選に向けて、創価学会員に対して、与党の実績をアピールした
いんです。一方、選挙で世話になった自民党も公明党の機嫌を損ねたくない。さすが
に党内には“そこまでやるのか”という批判が渦巻いていますけどね」（政治評論家・
山口朝雄氏）
　いずれにしても、党利党略で景気対策をオモチャにしているみたいなものである。
　こんなデタラメ政権が続いたら、立ち直りかけた景気は一瞬にして吹っ飛んでしま
う。デフレは加速し、国民生活は奈落の底だ。今にして思うと橋本内閣は小泉内閣よ
りはるかに正直でマジメだったが、９兆円の国民負担増で日本経済をメチャクチャに
した。いい加減な小泉・神崎コンビではどうなるのか。こんな政権を選んだ国民の自
業自得とはいえ、本当に背筋が寒くなってくる。


──────────────────────────────────────
■ 《年金改革》衝撃的な裏側
■   ９兆円食い潰した年金官僚　積立金の半分８７兆円は不良債権化
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                   ▼ 話題の書が永田町でベストセラーに ▼

　いま永田町の野党議員や秘書の間でひそかに“ベストセラー”になっている本があ
る。ジャーナリスト・岩瀬達哉氏の話題の書「年金大崩壊」（講談社）である。
「通常国会のテーマはイラクと年金。だが、年金問題は仕組みが難しすぎるし、官僚
にレクチャーを受けるとますます分からなくなる。かといって、なまはんかな知識で
は国会で小泉政権にダメージを与えられない。その点、この本は発想が百八十度違う。
厚労省の官僚が最も嫌っている本というだけに、非常に勉強になるのです」（民主党
関係者）
　国会での質問作りや支持者への説明のネタ本として、うってつけというわけである。
「年金大崩壊」のミソは、日本の年金システムを崩壊させた元凶を徹底的に追及して
いる点だ。坂口厚労相が言う「少子・高齢化社会」が元凶ではない。厚労省年金局を
中心とした「年金官僚」こそが元凶だと指摘している。
　すでに年金の財源は９兆４０００億円が失われているという。株運用による失敗、
年金官僚の天下り先である特殊法人や財団法人の維持費と人件費、さらに「グリーン
ピア事業」に代表される無駄な事業へのバラマキなどが原因だ。これでは計画が狂い、
システムに支障が出るのも当然である。そこで年金官僚たちは、少子化と高齢化の数
字を水増ししながら、「このままでは年金がもらえなくなる」と国民を脅迫し、５年
ごとに支給年齢の延期や保険料アップ、給付額カットで“穴埋め”を進めてきたのだ。
　悪行はこれだけではない。官僚たちは「１４８兆円もの積立金があるから当分、シ
ステムは壊れない」と言っているが、特殊法人や地方公共団体、特別会計などに貸し
付けられた結果、半分以上の８７兆円が不良債権化していると報告されている。
「年金大崩壊」が結論づける「年金官僚に任せているから年金システムは崩壊する」
という主張はもっともだ。「少子高齢化社会なので、人口構成上、保険料を上げ、給
付が下がるのはやむを得ない」と繰り返す坂口大臣は、まず話題の本を読んでみたら
どうか。


──────────────────────────────────────
■ 非戦闘地域探しは断念　イラク調査団隠密行動の中身
──────────────────────────────────────

　自衛隊イラク派兵の焦点は、南部の候補地サマワからきょう（２７日）にも帰国す
る政府調査団の「報告書」だ。小泉首相と防衛庁、外務省はこの報告書をもとに派兵
の基本計画を閣議決定する予定でいる。だが、奇怪なのは、すでに２０回も調査団を
派遣しているのに、詳しい報告内容を一切封印していることだ。一体、どんな調査を
やらせているのか。

                    ◆ ついに人工「安全地帯」を設営… ◆

　関係者によると、サマワへの調査団には初めて陸上自衛隊幹部が加わり、約１０人
で構成された。今月１８日から２４日にかけ、戦闘服にヘルメット姿でサマワ駐留の
オランダ軍キャンプ地内などを視察。調査は「専門的見地から見た技術的なもの」と
されるが、詳しい内容はシャットアウトだ。あまりの取材規制に海外マスコミからク
レームが出たほどである。軍事評論家の神浦元彰氏がこう言う。
「今回の調査は、戦闘地域か非戦闘地域かのチェックではありません。サマワに１０
０人規模の自衛隊を派遣することを前提に、駐屯基地をつくるための下準備や根回し
をしているのです。自爆テロに狙われても倒れない５～８メートルもの防御壁を建て
るコンクリートの調達先を見つけたり、襲撃に備えて内側に深さ約２メートルの穴を
掘りめぐらせるための人員確保などです。派遣されている自衛隊員は、そんな『野戦
築城』専門です。報告書には、基地の立地場所や食糧などの調達ルートといった具体
的な作戦内容が書かれると思います」
　え？　自衛隊はイラクへ駐屯基地をつくるために行くの？　復興支援が目的ではな
いのか。
「復興支援をしたくても、自衛隊が駐留する安全地域が見つからないのです。これま
での２０回の調査団派遣で、岡本行夫首相補佐官を筆頭にイラク中を探し回りました
が、いい場所がない。
　南部の都市バスラも北部クルド地区も放射能汚染やテロが続発、米軍が支配下に置
くバグダッド空港周辺もバラド近郊も危険が多過ぎる。最後の候補地サマワも、ほど
近いナシリヤでイタリア軍が自爆テロに遭い、非戦闘地域なんてどこにもない。しか
し、米国からは“早く自衛隊派遣を”と催促が強まっている。仕方なく最後の手段と
して、強引に人工的な“非戦闘地域”をつくろうとしているのです」（防衛庁事情通）
　そういえば、小泉首相は２５日の衆院予算委で「安全面に十分配慮すれば、戦闘地
域にならない場合もある」と言っていた。だが、自衛隊がわざわざイラクまで行って、
自分たちの身を守る基地づくりに没頭するとしたら、本末転倒の笑いものになるだけ
である。
　米国へのアリバイだけのイラク派兵なんてやめた方がいい。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年11月20日号 -2

─【サラリーマンワイド】─ 連載 ──────────────────────
 ▼ 皆サンご存じですか？　国会議員１人の年間維持費最低１億円ナリ！
    金バッジを手に入れたセンセイたちの極楽生活が始まった ──
──────────────────────────────────────

　きょうから国会が始まり、衆議院のセンセイたちが永田町に戻ってきた。冷静に考
えてみれば、選挙区も比例区議員も彼らの“雇い主”は有権者である。だからこそ給
料分はキッチリ仕事をしてもらいたい。ここで、あらためて国会議員１人の年間維持
費を計算してみると――。

       ◇ 事務所も宿舎もタダ同然。電話代も交通費も大半は税金で賄う ◇

●年収
「歳費」は毎月１０日払いの月給制。月額１２３万７５００円×１２カ月で、１４８
５万円。さらにボーナスに当たる期末手当が６月と１２月の年２回で５９２万１４３
７円。合計２０７７万１４３７円が支給される。市議や県議と違い日割り計算ではな
いので、前職は１０月分まで、現職は１１月分が全額もらえる。

●出勤日
　国会法で決まっている国会日程は通常国会の１５０日間。これは土日も含むため、
“実働出勤日数”は約１００日。例年５０～７０日前後の臨時国会分を加算しても、
実働日数は大体１５０日ほどだ。

●手当
　委員会の委員長の日当６０００円は国会会期中、毎日カウント。土日もつくため、
両院で２３ある各委員会委員長の日当総額は百数十万円に上る。月額１００万円の文
書通信交通費（電話代や交通費などに充てる）、月額６５万円の立法事務費（法案立
案の資料購入などに使う）は全議員に支給される。もちろん給与とは別途支給。合計
１９８０万円は非課税扱い。

●交通費
「各議員は、
（１）グリーン車ＯＫのＪＲ全線無料パス、
（２）（１）＋東京と選挙区間の航空券往復３回分、
（３）東京～選挙区間の航空券往復４回分、
の３種類から選択できるシステム。ＪＲパスは３月末に翌年度１年分、航空券は１カ
月ごとの支給。僕の場合は（１）。選挙区をグリーン車で月間６往復すると３０万円
近くかかる計算なので、助かります」（与党議員）
　バス優待乗車証、鉄道・軌道乗車証ももらえて、バスと地下鉄は事実上、乗り放題
だ。

●議員会館
　衆議院２棟、参議院１棟が、国会の裏にデンと立つ。館内の事務所の広さは約４０
平方メートルで家賃はタダ。机やイス、湯飲みなどの家具がつく上、２本ある外線電
話の基本料金もタダ。２３区内なら通話料金も無料。

●宿舎
　衆院は赤坂、高輪、九段、青山の４つ、参院は清水谷、麹町の２つ。いずれも駅か
ら数分の超一等地にある。
　例えば築４０年の赤坂宿舎は４６平方メートル、２ＤＫで、家賃はたったの１万２
６５０円。高輪（築２２年）や九段（築３０年）は３ＬＤＫ、約８０平方メートルで
約５万円。いずれも「周辺賃貸マンションの１０分の１以下」（不動産業者）という
激安ぶり。
　来年８月からは新赤坂宿舎の建設工事が始まる。地上２８階、３００戸が入居する
巨大宿舎だ。

●年金
　国会議員互助年金は月１０万３０００円（期末手当は３万円割り増し）の掛け金で、
通算在職年数１０年で受給資格が発生。拘置中でも議員辞職しなければ、在職年数に
カウントされ、６５歳以上の退職議員に支払われる。その最低給付額でも、妻の基礎
年金を含めると月額５８万３０００円に上る。４０年加入の厚生年金モデルケースで
は、６５歳の給付額は２人でわずか月２３万８０００円。あまりの優遇ぶりで、議員
年金財政はパンク寸前。血税負担率は７０％に達している。

●公用車
　衆参両院が所有する公用車は全部で２３０台。大臣や各委員会の委員長に優先的に
“支給”される。お抱え運転手付きで、料金はタダ。その他はヒラ議員が両院の自動
車課に予約して使う。こちらは利用時間に応じて料金が発生するが、「タクシーより
安い」（前出の与党議員）ため、常に予約でいっぱいだとか。ちなみに運転手の年俸
は約５８０万円。衆参両院合わせて現在約２５０人で、年間約１５億円の人件費がか
かる計算だ。

●海外視察
　衆参合わせて毎年約２００人が旅立つ。国家公務員旅行法により、飛行機はファー
ストクラス。ホテル代、交通費など旅費として衆院議員１人１９０万円、参院議員１
８０万円が国費で賄われる。衆院だけでも毎年３億円前後の税金が視察費に消える。

　これらのカネに加え、３人分の秘書給与約２０００万円や政党助成金の頭割り分約
４０００万円などを含めると議員１人の維持費は安く見積もっても１億円は下らない
勘定。「年収１億」のためなら選挙で頭を下げるくらい“屁のカッパ”ってことか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年11月 7日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  衝撃的になりそうな衆院選の選挙結果
  「景気対策」の有無で投票すると有権者
  「あと３年間は景気は回復しない」と
  街頭演説で認めた小泉首相に投票したら覚悟が必要

 ■ これは選挙結果に重大な影響必至
    “絶妙のタイミング”週刊新潮の創価学会への反撃開始
 ■ 米ブッシュと全く同じ小泉政策は破綻した
    ブッシュ再選はない　小泉政権も敗北し退陣が絶対必要
 ■ 《ダイエー・小久保騒動》銀行団もカンカン　本社高木社長の責任問題へ発展
 ■ “デタラメ発覚”道路公団次期総裁も建設官僚？
 ■ 痛いところをズバズバ突かれ　小泉自民大人げない「真紀子封じ」
 ■ 公明党“看板候補”苦戦中
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 最高益更新、奥田日本経団連会長続投で「大政奉還」が微妙に？
       ・ 副会長投入でテコ入れ　“米国流”マック正念場
       ・ 〈デル〉国内シェア３位が見えた　ソニーを逆転寸前！　……他


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 衝撃的になりそうな衆院選の選挙結果
■ 「景気対策」の有無で投票すると有権者
■ 「あと３年間は景気は回復しない」と
■ 街頭演説で認めた小泉首相に投票したら覚悟が必要
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         各マスコミの世論調査で膨大に増え続けている無党派層有権者の
              パーセンテージ。この不気味な動きは何をもたらすか

    調査の結果は、小泉人気が下降し、自民と民主の支持率が接近、大都市では
      民主の支持率が自民を逆転しているが、選挙結果は全く不明という実情
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　９日投票の衆院選は、マスコミが予想するような「自民党圧勝」の結果になるのか。
そう単純ではなさそうだ。各社が議席予測のもとにしている世論調査には、自民党の
苦戦を示唆するデータが含まれているからだ。
　たとえば、小泉内閣支持率。どの世論調査も支持率低下が顕著だ。日経調査では９
月調査の６５％から４９％へ一気に１６ポイントも急落。産経・ＦＮＮ調査でも１２
ポイントと２桁ダウンだ。絶叫するだけで中身のない小泉ペテン政治にウンザリして
いる有権者のホンネが見て取れる。
　政党支持率でも「自民下落、民主上昇」の傾向がハッキリと出ている。両党の支持
率（朝日で３０％対１５％）はダブルスコアの開きがあるが、その差は縮まる一方。
大都市では逆転している。同調査では、比例区で投票する政党は、政令指定都市は自
民３３％対民主４６％、有権者１０万以上の都市で３５％対４２％、１０万未満の都
市も３７％対３９％と民主が上回る。自民優勢なのは町村部（４２％対３５％）だけ
という惨状だ。
　そして、決定的な要因は、増え続ける無党派層の存在だ。どの調査でも、投票態度
を決めていない無党派有権者が３割前後いる。「政治への不満が増すと動き出す有権
者」（選挙事情通）といわれている。彼らの行動次第では、「自民優勢」の衆院選に
衝撃的な結果をもたらす可能性があるのだ。

     ◆ 無党派有権者が「景気対策ゼロ」の自民党に怒れば選挙情勢は一変 ◆

　マスコミの世論調査では３割前後とみられる「支持政党なし」の無党派有権者が投
票所に足を運べば、選挙情勢は一変する。小泉自民党には、選挙民が重視する政策に
取り組む姿勢がなく、道路だ郵政だとピント外れのことばかり言っているからだ。
　朝日の調査では、最も重視するのは「景気対策」と答えた人が４５％でトップ。日
経の調査でも５７％が「景気対策」を挙げている。いまだに、どの候補者や政党を選
ぶかを決めていない無党派層が、真剣に各党の景気対策を検討、比較して投票態度を
決めたら、自民党に逆風となるのは明らかだ。
「自民党は国民の最大の関心事を完全に無視しています。政権公約を見ても、日本経
済の復活に向けた具体策はゼロ。有権者との温度差は大きい。もともと無党派層とい
うのは、体制批判につながる投票行動を取る。そのうえ政策もズレているのでは、彼
らが与党に投票するとは考えにくいですね」（政治評論家・山口朝雄氏）
　小泉は４―６月期のＧＤＰ（国内総生産）が大幅プラスになり、株価が１万円台に
戻ったことで「改革の芽が出てきた」と自分の手柄のようにＰＲ。「改革促進のため
に安定政権が必要」と絶叫している。だが、小泉―安倍コンビの人気に便乗している
だけの自民党候補者は「改革」に取り組む気はゼロ。相変わらず高速道路だ新幹線だ
とやっている。
　小泉政治のペテンは、街頭演説やＴＶ討論で少しずつバレ始めている。小泉や自民
党の支持率低下は、景気対策はもちろん、年金改革で何のビジョンも示せない政権政
党への不信の表れだ。

      ◆ １０００万票が動いて自民党は都市で全滅、比例区でも惨敗する ◆

　だれに投票するか決めてない有権者が３割ということは、票数にすると３０００万
票。１選挙区平均で１０万票だ。その３分の１が「小泉ノー」で動けば、自民候補は
軒並みボロ負けだ。
「１０００万票が反小泉に回れば、８００万票の公明党・創価学会票に支えられてい
る自民党には致命的です。自民党は４日に開いた選対会議で、全国３００の小選挙区
のうち約１００選挙区で民主党候補と接戦になっていると分析。小泉首相と安倍幹事
長を応援に投入する方針を決めた。しかし、無党派層が大挙して投票に向かえば、３
万～４万の公明党票を回してもらったくらいでは追いつかなくなる。無党派有権者の
多い大都市部では自民全滅もあり得ます」（与党選対関係者）
　比例区でも同じだ。マスコミ調査で民主党は自民党を上回ると予想されている。無
党派層の動きしだいで小選挙区でも比例区でも「野党圧勝、与党惨敗」の目が出てく
る。神奈川大教授の佐藤司氏（憲法）が言う。
「投票率は現状では６０％半ばとみられています。しかし、まだ支持政党を決めてな
い無党派選挙民が動き、投票率が３～４％アップして７０％を超えてくれば、小泉政
治を変えるチャンスが出てきます。選挙の勝敗は、与野党接戦の１００の小選挙区の
帰趨で決まる。そのカギは無党派選挙民が握っている。景気回復を口にするだけで、
国民が不安を抱いている年金制度の改革案も示そうとしない政権政党にノーを突き付
ければ、与野党逆転も可能ですよ」
　この国を良くするも悪くするも、カギを握るのは無党派層なのだ。

    ◆ 自民党支持の有権者はまだまだ続く小泉不況に耐える覚悟があるのか ◆

　小泉は街頭演説で「少なくとも３年間、景気は回復しない」と言い放った。自民党
に投票する人は、この先、さらに３年、小泉不況に耐える覚悟があるのか。小泉―竹
中ラインの“構造改革”は、だれが見てもデフレ助長策だからだ。
　日本経済の先行きは、ただでさえ暗い。
「今月１４日には７―９月期のＧＤＰが発表されますが、これが期待薄なのです。三
菱総合研究所は実質０．１％のマイナス成長と予測しています。１．０％の高成長を
記録した４―６月期から一転し、景気に急ブレーキがかかる公算は大きいのです」
（シンクタンク研究員）
　為替も景気の足を引っ張りそうだ。来年の大統領選での再選を目指すブッシュは、
ドル安による輸出増で景気回復を図ろうとする。総選挙までの「円安」の見返りを求
められ、ロコツな為替介入をできなくなれば、猛烈な円高でアップアップになる企業
が急増。そこに不良債権半減を迫られている銀行の企業切り捨てが加われば、高止ま
りの失業率は上昇に転じる。“小泉マニア”は、それも甘受するというのだろうか。
明大教授の高木勝氏（現代経済）が言う。
「小泉首相は『改革の芽が出てきた』と言っていますが、その芽を大きく育てる政策
が伴わなければ、せっかくの芽も枯れてしまいます。必要不可欠な投資を積極的にや
り、思い切った減税も実施すべきです。一部だけ規制を外す特区なんてやめ、全国ど
こでもやれるようにすればいい。大胆な景気対策をやらなければ、日本経済は大変な
ことになります」
　無党派有権者は今度だけは寝ているわけにはいかないはずだ。


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■ これは選挙結果に重大な影響必至
■ “絶妙のタイミング”週刊新潮の創価学会への反撃開始
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          野党候補者の皆さん、自民・公明の政権を転覆させたいなら、
                 この記事内容を徹底的に活用したらどうなのか
        ------------------------------------------------------------

　創価学会から猛攻撃を受けている「週刊新潮」がタイミングを計ったように反撃を
開始した。
　総選挙は、池田大作名誉会長（７５）率いる学会にとって最大の政治イベント。そ
の最中に、学会と公明党の暗部に切り込む連続キャンペーンを始めたのだ。売れ行き、
反響ともに上々だというから総選挙の結果に重大な影響を与えそうだ。
　先週発売の第１弾は、池田学会が巨額な広告費にモノを言わせ、自分たちに批判的
なメディアや人物への中傷キャンペーンを繰り広げている現状をリポート。創価学会
が「言論弾圧事件」を起こした３０余年前の体質と何ら変わりないことを告発してい
る。
　今週号の第２弾では、学会の圧力を受けた雑誌や新聞・ＴＶの現場がどうなってい
るか、日本のメディア支配の実態を暴露している。
「記事の反響はこれまでにないもので、９割は激励です。『学会のやり方を不愉快に
思っていた。頑張ってください』『応援しています』という内容の電話や手紙、電子
メールが多数寄せられています。人権擁護や平和主義を説く創価学会の恐るべき体質
を今後も明らかにしていくつもりです」（週刊新潮編集部）
　問題は、そんな疑惑の宗教法人の“介護”なくして今の小泉・自民党は選挙になら
ないということだ。介護老人じゃあるまいし、自力で選挙を戦っている自民党候補は
ひと握りだから情けない。「学会票はアヘン」と言っていた山崎拓副総裁や福田康夫
官房長官ら党幹部はもちろん、森、橋本両元首相ら長老まで学会に世話になって“ア
ヘン”にドップリだ。椙山女学園大教授の川崎泰資氏が言う。
「ハッキリしたのは、かつての純粋な自民党は消滅し、“自公党”が日本の政権を手
に入れようとしていること。それが今回の総選挙の本質です。自民党は改革を強調し、
４９歳の安倍幹事長の若さをアピールしているが、それは有権者の目をそらす小細工
にすぎません。公明党は全国３００小選挙区にわずか１０人しか候補者を立てず、あ
とは自民党に票を回している。自民党候補の大半は『一宗教法人なくして当選なし』
が実態なのです。これが政権党とは落ちぶれたものだし、ブザマです。野党の候補者
はそのことを示すためにも、週刊新潮の記事をもっと利用すべきです」
　マニフェストよりも確実に有権者に受ける――。


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■ 米ブッシュと全く同じ小泉政策は破綻した
■ ブッシュ再選はない　小泉政権も敗北し退陣が絶対必要
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         世界で否定されているブッシュ流保守政治に身を売り国を売って
            ブッシュの助っ人になっている小泉政権を継続させたら、
             この国はアジアの中で四流になると警告する専門筋の声
       --------------------------------------------------------------

　やっていることは、何から何までソックリで失敗の連続。それなのに有権者の反応
は“正反対”だから奇っ怪だ。
　米ブッシュ大統領とわが日本の小泉首相のことである。
　落ち目のブッシュの支持率急落が止まらない。ニューズウィークの調査では、つい
に「再選を支持する」４６％に対し、「反対」が４７％と逆転してしまった。
「ブッシュ不支持はさらに増えていきますよ。来年の大統領選で再選されるのはほと
んど無理でしょう。１０兆円もの巨費を投じたイラク占領は完全に裏目に出ています。
５月１日の“終戦宣言”後の米軍死者は、戦争中を上回ってしまった。第２のベトナ
ム化です。それに加えて経済も芳しくない。大減税の影響で７―９月期のＧＤＰが７．
２％を記録しましたが、“一時的”というのが専門家の一致した見方です。とにかく
８０００億ドルにまで膨らんだ双子の赤字が重しになり、景気停滞が続き、失業率は
６．１％にハネ上がっています。外交も経済も八方ふさがりのブッシュが、再選に失
敗した父親以上の苦しい立場にいるのは間違いありません」（国際問題評論家・山岡
清二氏）
　ホワイトハウスの側近たちも「再選はない」と見て、ブッシュ離れを始めていると
いう。自業自得というものだ。
　ところが、である。日本の小泉首相は、そのオソマツなブッシュに身を売り、国を
売って言いなりになっているのに、総選挙も安泰が予想されているから、デタラメだ。
不況は米国以上だし、何の関係もない危険なイラクに血迷って自衛隊を送り込もうと
している小泉政権が、どうして総選挙で勝ってしまうのか。まさに世界の七不思議だ
ろう。
「悪役を仕立て、正義を振りまき、行け行けドンドンで戦争をやっていれば、国民は
だまされ、支持率が上がる。このブッシュ流の単細胞政治が限界にきたのです。世界
中の先進国が、ブッシュのイラク占領失敗を“やっぱりな”と思って、手を貸そうと
しません。イラク戦争支持だった英国もスペインも離れつつあります。それなのに、
日本だけがカネも人も要求通りに差し出す。とても正気ではありません。日本はブッ
シュの次の大統領にニラまれ、来年から大変なことになります。それでも小泉首相は、
米国の植民地以下の属国に甘んじている。異常と言うしかありません」（山岡清二氏＝
前出）
　ブッシュのまねをして国民をだまし続けている小泉単細胞政治も、破綻は明らかだ。
“親分”の再選がない以上、“子分”の小泉も敗北し退陣するのが当たり前である。
「小泉さんはブッシュのウケがいいから」と支持するのは、この国をさらに誤らせる
だけだ。


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■ 痛いところをズバズバ突かれ　小泉自民大人げない「真紀子封じ」
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                      ▼ ＴＶで放映少ないのも納得… ▼

　日ごとにエスカレートする田中真紀子の自民党攻撃に、官邸がピリピリしている。
メチャクチャ言ってるかのような“真紀子節”だが、妙に説得力があるから、気が気
じゃないというのだ。
　実際、真紀子の自民党批判はうなずける内容が多い。小泉内閣が「ネオコン右翼政
権」「クリアに見えるけど蜘蛛の巣が張ってる蜘蛛の巣城」はズバリだし、候補者の
“ピンポイント攻撃”もその通りだ。小泉首相は「優柔不断でビジョンのないリーダー」、
安倍幹事長が「ギャーギャーしゃべらされている腹話術の人形みたい」。石原親子は
「みんな税金で食おうとしている」、山拓にいたっては「女郎蜘蛛」……。
　自民党は真紀子の攻撃に「選挙全体には影響がない」（幹部）と冷静を装っている
が、首相周辺は神経をとがらせているという。
「真紀子が吠え始めてから１週間、自民党にボディーブローが効きはじめているとい
います。安倍幹事長がスポーツ紙に緊急集合をかけてインタビューに応じ、『選挙に
対する冒賣』と真紀子批判をしたのは、明らかなマスコミ対策。拉致家族の“国籍発
言”でも官邸はマスコミを使って真紀子批判をあおっています」（永田町事情通）
　真紀子で視聴率を稼いできた民放テレビが、抱腹絶倒の真紀子節をほとんどワイド
ショーで取り上げないのも奇妙だ。
「ＴＶ局スタッフは真紀子氏の遊説に完全密着して回っている。でも放送を控えてい
ます。これは、メディアコントロールに長けた首相の側近が、政党広告をチラつかせ
て、圧力をかけているといわれています」（事情通）
　寄ってたかって一無所属議員の口封じとは、小泉のケツの穴もずいぶん小さいもの
だ。


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■ 公明党“看板候補”苦戦中
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                ◆ 共産党支持者が冬柴幹事長落としに協力？ ◆

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                         “捨て身”作戦が成功するか
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　公明党・冬柴鉄三幹事長の選挙区（兵庫８区）で面白いことが起きている。共産党
の支持者たちが、勝手に“捨て身”作戦に出ているというのだ。
「兵庫８区で共産党は新人の庄本悦子（４９）を擁立しているが、勝ち目はない。そ
こで、どうせなら３万ある共産票を少しでも有効に使おうと、地元の支持者らが、ひ
そかに民主党・室井邦彦（５６）を“応援”し始めている。庄本への票を室井に回す
ことで、宿敵である冬柴を潰そうというわけなんです」（地元事情通）
　これが本当なら快挙だ。同じ野党同士なのだから、勝てそうな候補に票を一本化す
るというのは意味がある。
　冬柴幹事長は、支援を受けていた連合系労組が自主投票を決めてしまったり、推薦
を受けた自民支持層を半分しかまとめ切れないなどで、それでなくても大ピンチ。マ
スコミ各社も「室井と互角の激戦」と分析している。ここに、一部ではあっても共産
支持票が流れたら情勢はどうなるか分からなくなる。
　もちろん共産党サイドは「そんなことはあり得ない」とキッパリ否定する。だが、
「危機感を募らせる冬柴陣営は最近、『民主と共産は裏で手を組んでいる』と逆に大
宣伝し、室井攻撃をしている」（前出・事情通）というから、何かキャッチしている
のだろう。共産は今年６月の札幌市長選の再選挙でも、“捨て身”作戦に出て、公認
候補の運動を取りやめた。その結果、多くの共産票が民主党などが推す候補に流れ、
自民などの与党候補が敗れたものだ。
　快挙は再び成功するか？

                      ◆ 東京１２区の有権者が悲鳴！ ◆

「公示日から投票を呼びかける人が何人も家に来て迷惑している」――公明党の“次
期代表”とされる太田昭宏候補が政治生命をかける東京１２区（北区など）の住民か
ら悲鳴が上がっている。
「『世田谷の○○さんの紹介です』と言って、訪ねてくる人が多いのです。でも、そ
の知人とは何十年も会っていません。玄関先で『太田さんは人格者』『神崎さんの次
に代表になる方です』『このままだと負けてしまう』と一方的にまくしたて、最後に
必ず『選挙では太田昭宏と書いてください』と念を押すのです。１０分以上も玄関先
で粘る人もいて、迷惑で仕方ありません。『自民党の深谷隆司の紹介』と名乗る方も
いましたね。投票依頼の電話も鳴りっぱなし。『比例区は自民党で構いません。小選
挙区は太田昭宏と書いてください』と毎日毎日、４回も５回もかけてきます。このま
まではノイローゼになってしまいそうです」
　これって公選法で許されているの？

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年11月 6日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  心ある選挙民の投票意欲を無くさせる大新聞の選挙情勢の予想報道
  態度保留の３割以上の無党派層による選挙結果の大変動はあるのか
  小泉自公保デタラメ政権をあと３年も継続させたら恐らくこの国は
  ペンペン草も生えなくなること必至だが有権者は本当にそれでもいいのか

 ■ 現地取材のジャーナリストが警告
    小泉首相よ！　放射性物質に汚染されたイラクに自衛隊員を行かすのか！？
 ■ 《外交機密費流用》逮捕された元官僚が洗いざらいブチまけた！
 ■ 総選挙直前　永田町を駆け巡る怪情報
 ■ 真紀子が石原ファミリー批判
 ■ アルカイダ、東京に潜伏していた　すでに国外退去
 ■ 横行するホームレス・ビジネス　収容施設つくり生活保護費をピンハネ
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 寄生虫博士・藤田紘一郎氏が家畜化された日本人に直言
          「セックスが強くなりたかったら“大ウンコ”をしなさい！」
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 〈ダイエー〉“小久保ショック”が本体直撃！！
       ・ 日本経団連・奥田会長２期目続投濃厚
       ・ 〈ソニー・コンピュータエンタテインメント〉
          「プレステ２」を大幅値下げ　１万９８００円に　……他


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 心ある選挙民の投票意欲を無くさせる大新聞の選挙情勢の予想報道
■ 態度保留の３割以上の無党派層による選挙結果の大変動はあるのか
■ 小泉自公保デタラメ政権をあと３年も継続させたら恐らくこの国は
■ ペンペン草も生えなくなること必至だが有権者は本当にそれでもいいのか
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    一面トップにデカデカと「自民単独過半数の勢い」「与党安定多数の勢い」
           などとなぜ流すのか、一体誰の利益のために流しているのか

            先進国で政権交代のない選挙をやっている国は日本だけ。
             この国は北朝鮮や中国と同じだと欧米では笑われている
   ----------------------------------------------------------------------

　大手マスコミや通信社の選挙予測が出そろった。世論調査をもとに選挙区の情勢や
各政党の獲得議席数を占っているが、大手紙はいずれも一面トップにデカデカとこう
報じている。
「自民、単独過半数うかがう」「与党、安定多数の勢い」――。
「民主、比例は優勢」という見出しもあるが、いずれも自民党が議席を伸ばし、自公
保３党が引き続き政権を担当するという予測で、小泉を喜ばせる内容。一体、誰の利
益のために流しているのか分からない記事である。九大名誉教授の斎藤文男氏が言う。
「そもそも今回の総選挙は政権交代の是非を問うもので、各新聞の社説もそう書いて
いました。だとすれば、予測とともに政党の公約の実現性や有権者意識の現状などを
具体的に解説すべきです。そうでないと『自民、単独過半数の勢い』などの大見出し
を見た読者は、『やっぱり、政権交代は無理』『自民党には勝てない』と錯覚してし
まいます」
　それだけではない。「どうせ誰に投票しても変わらないだろう」と棄権する人も出
てくるから、選挙結果に多大な影響を与えることになる。マスコミの予測のタレ流し
は世論を誤った方向に誘導しかねないのである。

                    ▼ 「自民党優位」も中身はインチキ ▼

　しかも、各選挙区の“自民候補優位”も子細に見ていけば“掟破り”の選挙運動ば
かりである。第１に政党にとってもっとも大切な公約を平気で踏みにじっていること
だ。自民党関係者が言う。
「小泉改革の公約は単なる看板で、選挙区では相変わらず利益誘導選挙です。公然と
郵政民営化反対の署名集めをやっている候補もいるし、『高速道路は必ず造ります』
と演説して回る候補も多い。そして地方のほぼ全候補が根拠も財源もなしに『私が景
気をよくする』と言っているのです」
　安倍幹事長も「候補者が公約以外のことを主張しても処分しない」と言っているの
だから、こんなのは政策を競い合う政党選挙ではない。
　第２は、優勢とみられる自民党候補の大半が公明党・創価学会票（１選挙区平均２
万５０００票）のゲタを履いているということだ。前回総選挙の政党基礎票でシミュ
レーションすると学会票の恩恵で当選できる自民の小選挙区候補は１９２議席。しか
し学会票を取り除くと一挙に９０議席になってしまう。他党の票を前提にして「自民、
単独過半数」というのは政党としてはインチキである。これがマスコミが流す「自民
優勢」の内実なのだ。

                   ◆ 小泉があと３年やれば恐ろしい事態 ◆

　しかし、このまま小泉自民党を勝たせて本当にいいのか。総裁任期が切れるまでの
３年間も、小泉に政権を続けさせたら、日本はドン底まで疲弊してしまう。
　小泉首相は先日の選挙演説で「少なくとも３年間、景気は本格的に回復しないと思
う」と平然と言い放った。この口先男は、景気や国民生活などどうでもいいらしい。
不況脱出など頭にない小泉内閣が３年も続いたら、それこそ日本はペンペン草も生え
なくなる。
「小泉政権のこの２年半で、日本経済はメチャクチャにされた。小泉内閣になって良
くなった経済指標は皆無です。株価は１万４５００円から１万円前後まで下落、ＧＤ
Ｐは落ち込み、税収は３年間で９兆円も減っている。反対に失業者数、自己破産件数
は急増です。これ以上、小泉内閣を続けさせるのは、自殺行為です」（民間シンクタ
ンク研究員）
　しかも、景気は選挙後さらに悪化するとみられている。投票日までは“日米合作”
で株高、円安を演出するが、選挙直後から一気に株価急落、円高が襲ってくるといわ
れている。すでに外国人投資家は、東京市場から逃げ出す準備を始めているほどだ。

                   ▼ 進まぬ改革と加速する改憲・軍国化 ▼

　小泉首相がエラソーに選挙公約に掲げている「道路公団改革」「郵政民営化」だっ
て、絶対に実現しない。
　小泉首相は「道路４公団は０５年度から民営化」「郵政事業は０７年４月から民営
化する」と絶叫しているが、この２年半、何も進まなかったのに、突然、動き出すは
ずがない。弱体だった中曽根政権でさえ「国鉄改革」を２年間でやっている。首相が
本気でやる気なら、とっくに着手しているはずだ。小泉改革に期待しても、毛バリに
釣られる魚と同様の結果になるだけだ。
　その一方で、戦前回帰・軍事大国化だけは急ピッチで進められることになる。政治
評論家の本澤二郎氏が言う。
「小泉首相はブッシュ大統領に従って、米国が世界中で起こす戦争にトコトン協力す
る気です。そのために、着々と日本を戦争できる国につくりかえてきた。選挙中も
『自衛隊は国軍だ』『憲法違反だと論議が出るような表現は改めた方がいい』と改憲
を言い始めている。今度の選挙では“護憲勢力”が一掃される可能性がある。選挙で
勝利した小泉首相は、３年間で確実に改憲に着手するはずです」
　自民党を勝たせたら、日本は経済も国民生活もメチャクチャにされてしまう。

                  ◆ 無党派層が動けば予測はひっくり返る ◆

　ところが日本の大新聞は「自民党　安定多数へ」などと平気で書いているのだから
どうしようもない。これじゃ、政府与党の機関紙、御用新聞である。
　しかし「自民優勢」の下馬評をひっくり返す方法が１つだけある。まだ、どの政党
候補に投票するか決めていない、態度保留の無党派層の一斉決起である。前出の本澤
二郎氏が言う。
「このまま投票日に突入したら、大新聞の選挙予測通り“自民圧勝”に終わってしま
います。創価学会票８００万票が上乗せされる自民党は、やはり強い。しかし、有権
者の３割以上いる無党派層が動けば、投票結果は一変する。日本の有権者は約１億人。
３割いる無党派層の半分が立ち上がるだけで、１５００万票が動く。学会票も無力化
できるのです。無党派層の多くは反自民だから、“自民惨敗”“野党大勝”という、
予測を裏切る結果になりますよ」
　民主党の小沢一郎は「投票率を６６～６７％にしたい。７０％なら圧勝」と明言し
ている。投票率さえ上がれば、一気に政権交代することも夢ではないのだ。

                  ▼ 政権交代がない日本は世界の笑いもの ▼

　だいたい先進民主主義国で政権交代が起きないこと自体が異常である。米英では国
民がその時々の状況に合わせて２大政党に政権をキャッチボールさせているし、ＥＵ
諸国でも当たり前のことである。一党独裁の政権が続いているのは北朝鮮や中国など
に限られている。欧米諸国からすれば自民党が政権に居続けていることは、七不思議
というより嘲笑の対象ですらあるのだ。前出の斎藤文男氏が言う。
「“権不十年”というように、同じ権力が１０年以上続くと政治は必ず腐敗し、堕落
します。自民党が利権集団になり、毎年１人ずつ逮捕されているのがその証拠です。
欧米でも、景気がいいときには自由競争型政党、景気低迷の時にはセーフティーネッ
ト型政党と、国民はその時々に政権党を代えています。それが当たり前の民主主義な
のです」
　総選挙の雌雄を決める有権者の３割以上いる無党派層のうち半分が投票所で「政権
交代の意思」を示せば、この国の政治は劇的に変わる。そのことだけは間違いない。


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■ 現地取材のジャーナリストが警告
■ 小泉首相よ！　放射性物質に汚染されたイラクに自衛隊員を行かすのか！？
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　ベトナム化しているイラクでは連日、爆弾テロが勃発。米軍ヘリ撃墜に続き、きの
う（４日）もイラク各地でテロが起こった。それなのに政府は「法律の条件に合う場
所がある」（川口外相）と、自衛隊の年内派遣をゴリ押しする気だ。が、自衛隊員の
生命を脅かすのは銃弾やミサイルだけではない。もっと恐ろしいのは“被曝”の恐怖
だ。

             ＊          ＊          ＊          ＊          ＊

　戦闘地域、非戦闘地域と区分するのがバカバカしくなるほど、イラクの放射性物質
による汚染はヒドイという。３月の開戦から、３回イラク入りして現地の取材を重ね
ているジャーナリスト・森住卓氏は衝撃的な証言をする。
「６月上旬、バグダッドの南東２５キロ、ツワイサという街で放射線測定をしたので
す。そうしたら通常の３００倍もの数値を確認しました。汚染源となったのは、イラ
クの核研究施設が保管していた“イエローケーキ”というウラン粉末が入ったドラム
缶です。４月に米軍が侵攻した時、ドラム缶を貯水タンクに使おうとした周辺住民が
中身をバラまいたのです」
　イラク保健省の職員によると、この時、核施設からはイエローケーキだけでなく、
「セシウム１３７」や「コバルト６０」などの放射性物質も盗み出されたという。そ
の後、ツワイサ付近では呼吸障害などの症状を訴え、“急性放射線障害”と診断され
る住民が続出しているというのだ。
「問題はまき散らされたウラン粉末が飛散して、イラク全土に広がっている可能性が
高いことです。また、ツワイサの住民は『イエローケーキのドラム缶をチグリス川の
支流で洗った』と話していました。すでに放射性物質は下流に達し、イラク南部はか
なり汚染されているはずです」（森住卓氏＝前出）
　政府は自衛隊を南部の都市サマワかナシリヤに派遣するというが、いずれも放射線
まみれの可能性がある。４日、自衛隊員の死亡給付金が現行の６０００万円から１億
円に引き上げられたが、派遣される自衛隊員が気の毒になってくる。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年10月20日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  国政選挙は人気投票ではない
  顔と言葉に騙されて自民党に投票したら大変な事になる
  小泉デタラメ自民党は１１月総選挙を小泉・安倍の
  イメージと人気で勝つ作戦というが、肝心の政策は紙ペラ１枚で
  まとめろと口走るなんて選挙民を余りにバカにしている

 ■ 藤井道路公団総裁　石原国交相　法廷闘争のドロ沼へ
 ■ 日米首脳会議　小泉ポチがブッシュに“分身”をプレゼント
 ■ 地対空ミサイル６挺がタイに！？
 ■ ＴＯＷＮ　ＷＡＴＣＨＩＮＧ
       ・ エリア別オススメコース付き
          都心のレンタサイクルで心地よい汗をかこう！
 ■ 街中の疑問
       ・ タクシーにフェンダーミラーが多い理由は？
 ■ 家に帰るのが楽しくなる！？　最新グッズで自宅を癒やしの空間にする！
 ■ イワシ、シジミ、エビから生姜料理まで　どうせ食うなら専門店！


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 国政選挙は人気投票ではない
■ 顔と言葉に騙されて自民党に投票したら大変な事になる
■ 小泉デタラメ自民党は１１月総選挙を小泉・安倍の
■ イメージと人気で勝つ作戦というが、肝心の政策は紙ペラ１枚で
■ まとめろと口走るなんて選挙民を余りにバカにしている
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       --------------------------------------------------------------
        国会論戦もロクにやらずにイラクの戦場に自衛隊を派遣する法案の
        審議をすませるデタラメさ、いい加減さ。米軍支援の５０億ドルも
         ブッシュ来日前に既成事実化してしまうコーカツなごまかし手法
       --------------------------------------------------------------

　きのう（１７日）来日したブッシュと会った小泉首相はご機嫌だ。来日前にイラク
支援に５０億ドル（５５００億円）と自衛隊のイラク派遣（年内１５０人、年明け６
００人）を決め、ブッシュから「日本の大胆な行動は国際的な支援を加速させる。称
賛したい」とおホメの言葉をいただいたからだ。
「ブッシュ来日前に支援額と自衛隊派遣を発表したのは既成事実化をはかるためです。
会談でブッシュに言えば、誰も白紙に戻せませんからね。しかし、事前の水面下交渉
でブッシュが満足する金額を決めたことは間違いなく、だからブッシュは高く評価し
ているのです」（外交事情通）
　しかし、この“カネと自衛隊”の拠出は世界の趨勢に完全に逆行している。英仏独
など１５カ国が加盟する欧州連合のイラク支援額はたった２億ユーロ（２６０億円）
だし、ロシアは１ルーブルも出さないことを決めている。それどころか米国内では
「イラク攻撃は間違っていた」という世論が強まり、ブッシュの支持率は急降下。再
選は無理というマスコミ論調も出ている。そんなブッシュに小泉が大盤振る舞いとは
おかしいんじゃないか。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「血税拠出と自衛隊派遣が、小泉の独断で決められたのは、イラク特措法がズサンで
いい加減な審議でできたためです。十分な審議時間も取らずに、答弁する小泉も奇弁
とスリ替えの連続。ついには『非戦闘地域を聞かれても私に分かるはずがない』と居
直り、それがまかり通るような審議だったのです」
　自衛隊の派遣準備の指示を誰が出すのかも明確ではなく、防衛庁と官邸とが「そっ
ちが出せ」と言い合うお粗末ぶり。イラクで犠牲者が出たときに批判を浴びたくない
ためのナスり合いである。民主党イラク調査団の首藤信彦前代議士が言う。
「イラクでの米兵の死者はバグダッド制圧前より制圧後のほうが増えている。政府は
『自衛隊を派遣する南部は反フセインのシーア派だから大丈夫』と言いますが、他国
の軍隊への反感は同じだし、これからの国家建設の過程で逆に内紛になる可能性が高
い。そこに自衛隊を派遣して犠牲が出た場合、政府はどう責任を取るつもりなのか。
まったく無責任です」
　臨時国会でのテロ特措法の期限延長審議もしかりだ。アッサリと決めたため１０日
までの開会期間が余ってしまったというのだから、国会は解散するためのアリバイだ
ったのである。
　そんな国会軽視の小泉自民党は、安倍晋三を幹事長に据えて、政策よりもミーちゃ
んハーちゃんの人気取りで選挙に勝とうという魂胆である。

            ▼ 小泉が「ぶっ潰した」のは自民党ではなく国民生活 ▼

　選挙は各政党がこれまでの実績と公約を掲げ、有権者に審判を仰ぐものだ。しかし、
小泉・自民党には見るべき実績も、中身のある公約もない。
　小泉は平均株価が１万円台に戻ると、「改革の芽が出始めた」と２年半の実績を強
調したが、デタラメだ。株価上昇は、リストラによる業績回復のおかげで、いわば庶
民の犠牲の上に成り立っているもの。小泉改革とは関係ない。
　そもそも、株価を７０００円台まで下落させた責任は無視して、上がった時だけ
「成果だ」と強調するのはムシが良過ぎる。明大教授の高木勝氏（現代経済学）が言
う。
「小泉政権の２年半の“実績”は、新内閣発足直後に発表された『民間給与の５年間
連続の減少』と『貯蓄ゼロの世帯が４０年ぶりに２割を超えた』という統計数字に如
実に表れています。つまり、企業の売り上げを伸ばすような政策を取らずにデフレ政
策を強行するから、リストラが増え、庶民にしわ寄せがきているのです。小泉政権が
続けば、日本経済はめちゃくちゃです」
　公約も民主党のマニフェストに押されて作ったもので、本気で作ったものではない。
民主党のマニフェストが２５ページなのに、自民党はペラペラ。小泉は「総裁選の公
約はＡ４１枚でいい。それが総選挙の公約になる」と言っていた。自民党のマニフェ
ストはその程度のものだ。有権者をナメているとしか思えない。
　とくに年金は「年内に改革案を取りまとめ、来年の通常国会に提出する」としてい
るだけ。この先、支給額がどの程度減り、支給開始年齢がどこまで引き上げられるの
か、まったく触れていない。
　消費税の引き上げも「国民的論議を行い、結論を得る」というだけで、ダンマリ。
年金資金をムダ遣いした役人の責任を追及しようともしない。
「しかも、デフレ改革路線を変えないから、この先も自殺者や凶悪犯罪が増えるのは
確実です。この５年間の自殺者は１６万１０５３人。佐賀市と同じ規模の都市が、丸々
消えたのと同じ死者数です。殺人、強盗、放火、誘拐などの凶悪犯罪も増え続け、昨
年には平成元年の２．５倍にもなっています。一方で、検挙率は下がり続け、昨年は
凶悪犯罪の２件に１件は犯人が逃げのびている。小泉政権になって、社会全体がドン
ドン悪い方向に向かっています」（高木勝氏＝前出）
　小泉は政権発足時、「古い自民党をぶっ潰す」と絶叫した。しかし、小泉がぶっ壊
しているのは日本経済と庶民生活そのものなのである。

                    ▼ 有権者を愚弄する小泉の選挙戦術 ▼

　マヤカシの実績とインチキの改革――。そんな実態を隠して小泉は安倍とコンビで
人気目当ての選挙戦に臨もうとしている。彼らがいかに公約を軽視しているか。それ
は安倍幹事長の次の発言でよく分かる。
「選挙で候補者が自民党の公約と違う主張をしても処分は考えていない。それは有権
者が判断すること。自民党はナチスのような独裁的な政党ではない」
　ナチスとは大げさな。公約を反故にしたらガス室送りにしろ、なんて誰も言ってい
ない。要するに小泉公約に反発している候補が多くいるということだ。しかし、地元
で「郵政の民営化はやりません」「公共事業を持ってきます」と叫んだ候補が当選し
たら「小泉改革が選挙民から支持された結果だ」というつもりなのだから国民を愚弄
している。前出の本澤二郎氏が言う。
「アイマイな政権公約しか出せない小泉は、安倍と並んで『改革なくして成長ナシ』
という言葉と、人気のある二枚看板で自民票を伸ばそうとしています。そんな表面的
なことで有権者が投票すると思っているのですから、有権者はバカにされているので
す」
　国民を見下し、苦労を強い、権力を集中させたのがナチス独裁だった。ところが、
そのナチス・ヒトラーを熱狂的に支持したのも国民である。有権者は１１月の総選挙
に心して投票しなければならない。


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■ 藤井道路公団総裁　石原国交相　法廷闘争のドロ沼へ
──────────────────────────────────────

　延々９時間にも及んだ藤井切りの「聴聞」。最後は国交省が強引に「打ち切り」を
宣言した。前代未聞のドタバタ劇は、今後どう展開するのか。

                ▼ 何から何まで異様だった“魔女狩り”聴聞 ▼

　きのう（１７日）の聴聞はのっけから異様だった。国交省は会場の外に警察官６０
人、職員７０人を配置し、“身内”の記者クラブ以外のマスコミを会場から閉め出し、
入り口から３０メートル以上も遠ざけた。これには外国人記者も「北朝鮮顔負けの閉
鎖体質」（イタリア国営ラジオのピオ・デミリオ特派員）とあきれ返っていたほどだ。
　国交省がここまで聴聞を隠そうとしたのは、藤井総裁をクビにできる明確な理由が
ないからだ。その証拠に解任理由として提示されたのは、石原大臣がわめいていた財
務諸表の問題ではなく、それをめぐる「国会対策」や「連絡が取りにくい」というも
の。「苦しまぎれ」もいいところだ。
「財務諸表をめぐる国会対応は国交省道路局と連絡を密にしていて、相談している。
藤井さんが『情報は大臣に上げている。担当者が知らないのはおかしい』と激高した
のも当然です。連絡がつかないというのもおかしな話で、秘書は携帯でいつでも連絡
がつく状態でした」（関係者）
　それなのに、国交省は再度の聴聞を求める藤井氏を無視し、「審理は十分尽くした」
（山本繁太郎・国交省政策統括官）と一方的に聴聞を打ち切ったのである。これを受
けて石原国交相は週明け２０日にも、藤井解任に踏み切るとみられている。
　そうなれば、藤井総裁は解任の執行停止や処分取り消し訴訟、さらには石原国交相
に対する名誉棄損の損害賠償など、訴訟を連発するだろう。異例の法廷闘争の行方は
どうなるのか。
「国交省は、解任の執行停止裁判を起こされても藤井総裁の任期は来年４月まで。裁
判中に総裁任期が終わるので、『訴える利益がない』との判断が下されると見ていま
す」（国交省関係者）
　しかし、石原大臣への名誉棄損はこうはいかない。
「小泉政権と石原大臣は本当の道路改革をおざなりにし、藤井総裁を悪者に仕立て上
げ、クビ切りすることで改革をアピールしようとしているわけです。だから、ＴＶで
の石原発言など、藤井氏をこれでもかとコキ下ろしていた。しかし、財務諸表の問題
ひとつとっても、決着済みの古いネタ。裁判を起こされたら石原大臣は勝てませんよ」
（ジャーナリスト・横田一氏）
　藤井氏は来週発売の週刊誌で、政治家との癒着やスキャンダルをバクロするとささ
やかれている。さらに野党は参院で藤井氏を証人喚問しようと動き出している。強引
に藤井氏のクビを切っても、一件落着どころか、火に油になりそうだ。


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■ 日米首脳会議　小泉ポチがブッシュに“分身”をプレゼント
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                       ▼ 対米追従の日本外交を象徴 ▼

　きのう（１７日）の日米首脳会談で、小泉首相とブッシュ大統領が蜜月ぶりを演出
するために行ったプレゼント交換の“中身”に注目が集まっている。対米追従の日本
外交を顕著に表しているというのだ。
　小泉が犬好きのブッシュのために用意したのは小さな犬型ロボット。小泉ポチが
“分身”を手渡したと見られている。
　一方、ブッシュの土産は、小泉のイニシャルと日本の国旗が入った革製ブーツ。ブー
ツといえば、今年４月にベーカー駐日大使が、イラクへ陸上自衛隊を派遣するよう
「ブーツ・オン・ザ・グラウンド（地に足を着けろ）」と日本に迫った経緯がある。
　プレゼント交換はブッシュが「ポチ、カネだけじゃなく、早く自衛隊も出せ」と暗
に催促したのではないか、との見方も浮上している。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 9月8日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  突然の株高の裏側で囁かれる危険な事態
  真相を知らされて慄然とした
  小泉政権と日銀が今やっている異常なドル買い介入の結末

 ■ 青木参院幹事長の仕掛け！？　内閣改造「橋龍外相」の仰天プラン
 ■ もう秒読み？　鈴木宗男議員の出馬宣言
 ■ 年金改革　坂口厚労相案は大ウソ
 ■ ノドン発射台　大型トレーラー　福岡の会社（中古車販売）が密輸
 ■ ＴＯＷＮ　ＷＡＴＣＨＩＮＧ
       ・ ご当地アンテナショップのイートインレストランで舌鼓
 ■ 街中の疑問
       ・ 駅や電車内の広告ポスターはもらえるの？


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 突然の株高の裏側で囁かれる危険な事態
■ 真相を知らされて慄然とした
■ 小泉政権と日銀が今やっている異常なドル買い介入の結末
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   ----------------------------------------------------------------------
    この国全体が潰れる寸前の会社のようだという専門筋の危惧の声も出ている
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　青息吐息だった兜町に活気が戻ってきた。４カ月前はバブル後最安値の７６００円
台をつけ絶望的だった株価は、その後スルスルと上昇し、きのう（５日）の終値は１
万６５０円。３日には一時、１万８１３円まで上昇した。実に１年２カ月ぶりのこと
である。中堅証券マンが言う。
「わが社ではすでに給与カットが行われ、春に希望退職を募ったが、それでも採算が
合わず夏以降、指名解雇が決まっていました。ところが、今回の株高ですべて白紙に
なりました」
　ある証券会社では、１万６００円台に回復した１日、社員だけでなく、店内にいた
顧客や出入り業者にまで全員に大入り袋を渡したというから豪気だ。この株高、背景
に何があるのか。株式評論家の杉村富生氏が言う。
「まず第１に厚生年金基金の代行返上売りや持ち合い株の解消売りが一巡し、大口の
売りが止まったことです。第２にりそなＨへの公的資金注入です。金融庁が倒産を前
提にした国有化シナリオを捨て『大銀行は潰さない』というサインを送ったことで外
国人投資家の総額５兆円に及ぶ売り浴びせが止まった。そこに４―６月期の経済成長
２．３％予測が出てきて、外国人投資家が再び買いに入り、投資をガマンしてきた個
人も参入してきたのです」
　春先までは閑古鳥が鳴いていた兜町のウナギ屋も昼間から満員で、店内では「年末
に１万５０００円はいく」と、文字通り“景気のいい話”が飛び交っている。

                    ▼ 慄然とする日本の円・ドルの実態 ▼

　しかし、そんな株高の裏でとんでもない危険な事態が進行している。慶大教授の金
子勝氏（経済学）が本紙コラムで「国全体がまるで潰れる寸前の会社のような状態に
なっている」と、こう指摘しているのだ。
〈政府・日銀がＮＹで膨大な額のドル買い介入を行っている。１～７月の累計額は９
兆円を突破し過去最高の９９年の７兆６０００億円を超えてしまった〉〈円高防止の
ためのドル買い・円売りだが、それでも米国の史上最大の『双子の赤字』によってド
ル安が止まらず暴落する可能性がある〉〈米国の膨大な借金はブッシュのバカな戦争
と減税政策にある。世界一の借金国の通貨ドルが暴落したら、米国から投資家が逃げ
て株や債券も暴落する。今のところ日銀の巨額介入がそれを防いでいるが、これはＦ
ＲＢ（連邦準備制度理事会）の代わりに米国国債を買い支え、景気政策を代行してや
っているようなもの。あとで巨大なショックが待っている。政府日銀はブッシュと心
中するつもりなのか〉
　このところの日本の株高は、米国経済の危険を察知した投資家の流入に負うところ
が多いだけに、金子氏の懸念は十分に根拠のある話なのだ。

                 ▼ 限界に近づいてきたブッシュの経済政策 ▼

　実際、米国経済は相当にヤバい状況だ。ブッシュが来年の大統領選に向け、経済政
策を総動員して景気をあおり立ててきたが、限界に近づいているからだ。
　帝京大教授（経済学）の降旗節雄氏がこう言う。
「２年半に１３回もの利下げを行った米国は、グリーンスパンＦＲＢ議長が“チアリー
ダー”になって楽観論を振りまき、ようやく好景気を維持しているにすぎません。と
ころが、３％といわれる来年の成長率予測のうち２％を占める住宅や車などの個人消
費が息切れしてきた。これを輸出と設備投資で補うのは難しい。財政赤字が５０００
億ドル、経常赤字が４０００億ドルまで膨らみ、イラク戦費も重くのしかかっている。
１％まで下がった金利を考えれば金融緩和も限界です」
　ドイツ証券チーフストラテジストの武者陵司氏も経済専門誌で「いずれ米国は緊縮
財政政策への転換は避けられず、米国経済は来年、空前の大不況に突入する」と予想
している。
　そうなれば米国のドルや国債をジャブジャブ買い続けている日本がコケるのも当然
である。
「米国経済が崩壊すれば対米輸出はダメになり、セッセと買ってきた米国債は紙クズ
に変わる。日本経済はメチャクチャになってしまいます」（降旗節雄氏＝前出）

                    ▼ 日本国債暴落へのカウントダウン ▼

　しかし、それ以上に危険なのは日本の国債バブルの崩壊である。
　０１年３月の量的緩和以降、銀行は民間企業の資金需要が細るなか、ダブついた資
金を国債購入に充ててきた。それが限界に近づいているから恐ろしい。
「株安だった今年６月には国債が買われ、１０年物長期国債の利回りは年０．４３％
まで低下した。ところが、株高になった今月３日には逆に国債は売られ、利回りが１．
６７５％まで上昇した。わずか３カ月で金利が１．２％も急上昇したのは、それだけ
国債離れが急速に進んでいる証拠です」（大手証券アナリスト）
　０３年３月末現在、日本の民間金融機関は１７８兆円の国債を保有しており、その
うち大手銀行は４０兆円近い。
　いまのところ、株高による株の含み益増で債券による１兆６０００億円の含み損は
目立たないが、この先、さらに国債価格が下落すれば、巨大な債券含み損が出て、新
たな金融危機の引き金になりかねない。
　問題はそれだけじゃない。長期金利の上昇は企業への貸出金利をアップさせる。低
金利で生き永らえてきた中小企業はアッという間に潰れかねない。
「住宅ローン金利ももちろん上がります。例えば、大手銀行の期間２０年の固定型住
宅ローンは３カ月連続で１％上がった。仮に１０００万円借りていれば、１３４万円
も負担が増えることになります」（大手銀行関係者）
　その揚げ句に赤字国債乱発が臨界点を超えて大暴落すれば、日本経済は間違いなく
沈没だ。

                    ▼ 急速な株高が警告する危険な事態 ▼

　こうして見ると、今の株高を喜ぶのは、氷山に向かって進むタイタニック号のカジ
ノで小金を稼いでハシャいでいるようなものだ。事実、企業はこの株高をシビアに見
ていて増産に踏み切るところは少ない。
「政府は設備投資増を景気回復の根拠にしていますが、米国景気の先行き不安で輸出
関連企業の設備投資は古い設備を交換しただけ。商品の生産量も増やしていません。
株高は企業に小休止を与えただけで元気にさせる材料ではないのです」（シンクタン
ク研究員）
　にもかかわらず小泉首相は「株価は底を打った」などと楽観論を言い、「総裁選後
も経済政策を変えるつもりはない」と宣言してる。
「金利上昇で金融機関は利ざやを稼ごうと利上げを要求し、貸し渋りはさらに強まっ
て景気を冷やします。しかも小泉首相は円高傾向が強まるデフレ下にデフレ加速策を
取るというのですから、嵐に向かって窓を開けるようなものです」（杉村富生氏＝前
出）
　ましてやブッシュの経済政策が怪しくなってきた今、日本経済はきわめて危うい状
況に置かれている。そして、小泉が再選されれば危機は確実にやってくるのだ。この
ところの急速な株高は、そんな将来への警告とみるべきである。


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■ 青木参院幹事長の仕掛け！？　内閣改造「橋龍外相」の仰天プラン
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                         ▼ 橋本派会長を一本釣り ▼

　いまや、「橋本派のユダ」と呼ばれる青木幹雄参院幹事長の裏切りで、小泉首相の
総裁選圧勝が決定的になってきた。「腹を決めた」青木は小泉立候補の推薦人になる
ことを表明、党員票集めにも協力する。業界団体をガッチリ押さえる参院のドン・青
木が動けば、自民党員票も小泉に流れる。完全に「勝負あった」なのだが、問題は小
泉が青木の協力にどう報いるかだ。
　青木は総裁再選後の内閣改造で民間人閣僚の一掃などを求めている。その顔にドロ
を塗るような人事をすれば、青木の面目は丸潰れ。かといって、小泉首相は竹中金融・
経財相をクビにする気はさらさらないとされる。どーするのかと思ったら、「橋龍外
相」というウルトラＣがあるそうだ。
「民間人の川口外相のクビを切り、代わりに橋本派の会長を持ってくるのです。これ
なら、派内で青木さんのメンツも保てる。首相経験者の外相起用で、新内閣の目玉も
できるというわけです」（官邸事情通）
　橋龍は総裁選に立候補する藤井孝男氏の選対顧問。それに、プライドの高い橋龍が
外相なんかやるかと思ったら、実は現場復帰にウズウズしているらしい。つい先日も
日本・アラブ対話フォーラムの座長として、アラブ側の代表団を率いて官邸へ。小泉
首相と軽口をたたき、生き生きしていた。
「首相と橋本さんは意外に関係がいいんです。橋本―小泉で総裁選を争った後も、第
２次橋本内閣では、『純ちゃん頼む』で厚相で入閣してもらった。この時、小泉は
『言いたいこと言うけどいいか』と条件を付けて、橋龍がのんだ経緯があります」
（自民党関係者）
　この人事案は小泉首相のアイデアというより、青木幹事長の方から“お願い”し
「首相が内諾したから、青木さんも腹を決めたのではないか」（自民党関係者）など
とささやかれている。その場合、橋本派の会長には衆院議長を務めた綿貫民輔氏が就
き、後任の衆院議長には橋本派の村岡兼造氏を充てるプランが浮上している。
　厚生族同士で意外に気が合う２人だけに、青木の思惑通りの人事が実現するかもし
れない。


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■ もう秒読み？　鈴木宗男議員の出馬宣言
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                       ▼ 国民の「まさか」が現実に ▼

　多くの国民が「まさか」と思っていることが現実になりそうだ。
　保釈された鈴木宗男議員（受託収賄罪などで公判中）の次期衆院選出馬である。逮
捕以来、後援会はガタガタになり、たとえ出馬しても惨敗は決定的とされるが、保釈
後の宗男の言動を見ていると、もう“選挙運動”だ。
　例えば、きのう（５日）は札幌市内のホテルで歌手の松山千春らが開いた集会に出
席。松山千春が「あなたの議員バッジはあなただけのものではない」と激励すると、
支援者から次々と出馬を求める声が上がったという。感激した宗男は顔を紅潮させて
「ありがとう」とあいさつ。１２００人の支援者にモミクチャにされていた。
　宗男議員は「国会議員でありながら裁判を受けるのは誠に申し訳ない。札幌に来ら
れたのは夢のような気持ちだ。今後、反省すべき点を反省し、襟を正して歩んでいき
たい」などと殊勝なことを言っていたが、この調子だと「支援者の熱意に押されて……」
とか何とか言って、出馬宣言するのも近そうだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 8月29日号 -1

■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  ついに出た問題の目くらまし策
  歴代自民党首相が誰一人として口に出せなかった禁句をいとも軽薄に
  打ち出してきた小泉ファッショ首相の暴力政治のこれから
  選挙になったら女性と若年が自民に反撃必至

 ■ 《衆院議員意識アンケート》「朝日・東大の共同調査」の不可解
 ■ 堀内氏、参院橋本派も小泉支持
 ■ 《新潟・連結橋崩落事故》「手抜き工事」が原因か
 ■ 前代未聞　日本橋三越１００万円セール
 ■ 〈金融庁〉みずほインベスターズに行政処分
      だったら竹中金融相もアウトじゃないのか
 ■ 【話題の焦点】
       ・ “マイカー・リフォーム”何が、いくらでできるのか
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 〈りそな〉行員たちの戦意喪失
       ・ 〈トヨタ・日生〉微妙な温度差　“包括提携”は過大表現？
       ・ 〈再生機構〉きょう支援決定　第１号にダイア建設、九州産交など
       ・ 大手旅行３社ＳＡＲＳに泣く！　「６月中間期」全社が赤字　……他


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ ついに出た問題の目くらまし策
■ 歴代自民党首相が誰一人として口に出せなかった禁句をいとも軽薄に
■ 打ち出してきた小泉ファッショ首相の暴力政治のこれから
■ 選挙になったら女性と若年が自民に反撃必至
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    景気対策を要求する国民の声を黙殺してひたすらアメリカ追従の軍事路線で
             経済失政の目隠しをやってきた小泉政権の危険な切り札

        米ブッシュ保安官の助手を自認する亡国政権があと３年も続いたら
         間違いなく憲法９条が改正され徴兵制を強行、海外派兵が実現し
        戦死者続出の事態が必ずやってくる。こんな危ない政権を潰すため
                今度の選挙では自民党候補者に投票しては駄目だ
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　ついに本性を暴露か。小泉首相が憲法９条の改正を言い始めた。２年後の１０月ま
でに自民党として改正案をまとめるという。山崎幹事長との間では、自衛隊を軍隊と
明確に位置付け、これまで政府が違憲としてきた「集団的自衛権の行使の容認」も話
し合っているから具体的だ。
　この小泉発言について民主党の菅代表は「総裁選をにらんだものだ。党内にはそれ
を望んでいる勢力がいる。前回の靖国参拝発言と同じだ」と解説した。だが、総裁選
の票目当てだけじゃない。小泉首相は本気だ。名大教授の森英樹氏が言う。
「有事法制やイラク特措法を矢継ぎ早に成立させた小泉首相は、この国をいつでも自
由に戦争ができる国にしたい。思想的に確信犯です。現在の憲法の解釈では、集団自
衛権の行使が禁じられ、自衛のための武力行使しかできないことになっている。しか
し、それではブッシュと一緒になって戦争ができない。アメリカから改憲を求める声
も強い。
　それで、ついに決断したのです。２年後には国会の憲法調査会が最終報告を出しま
すし、有事法制の肉付けも完成するだけに、小泉改憲は非常に現実味があります」
　改憲は自民党の結党以来の党是ではあるが、歴代の政権は内外の世論の反発を恐れ
て封印してきた。ところが、小泉首相は「人気のある自分なら何をやっても許される」
とイイ気になっているから手に負えない。

                 ◆ イランや北朝鮮へは“日本国軍”が出兵 ◆

　こんな危険な男が再選され、あと３年も権力を握ることになったら国民はダブルパ
ンチだ。経済的に殺されるだけでなく、軍事的にも殺されることになる。
　憲法９条が破棄されたら、徴兵制の復活、海外派兵とエスカレートしていくのは必
然だからだ。
「歴代政権のなかには中曽根首相のように“戦前回帰”“軍事大国化”をもくろんだ
首相が何人もいた。そうした動きを“平和憲法”が歯止めになって阻止してきたのが
実情です。もし、憲法に手をつけたら、一瀉千里に軍事大国化が進みますよ。『改憲
を議論すること自体はよいことだ』『米国に押しつけられた憲法ではなく自主憲法が
必要』という声もあるが、甘すぎる。憲法９条がなくなったら、日本は米国の世界支
配の手先として大変な事態に突入してしまいます」（法大教授・五十嵐仁氏）
　戦争屋のブッシュ大統領は、イラク処理にテンテコ舞いなのに、まったく懲りてい
ない。早くもイランや北朝鮮を次のターゲットに入れて動き出している。その時、自
衛隊が戦場に駆り出されるのは間違いない。
「憲法９条の制約があるために、イラク派遣でも自衛隊は戦後の非戦闘地域にしか出
せない。しかし、平和憲法がなくなり、集団的自衛権の行使が認められたら、戦闘行
為そのものに参加することになります。恐らく米英軍と一緒になって最前線で戦うこ
とになるでしょう。軍隊となる日本の自衛隊に戦死者が続出することになります」
（立正大教授・金子勝氏）
　すでに小泉周辺では「不況で若者は仕事がないから徴兵制は簡単にやれる」という
声まで出ている。これが改憲論議の次にくる現実だ。

                 ◆ 民主党が一大争点にすれば小泉に大打撃 ◆

　こんなバカなことが許されていいはずがない。小泉政治の歯止めなき軍国化路線は、
必ず総選挙の大きな争点になる。いや、民主党は何が何でも争点にすべきだ。
　そうなれば、さすがにお人よしの有権者も小泉暴力政治のムチャクチャに気づく。
庶民の命など屁とも思っていない冷酷首相の正体に目が覚めるはずである。
「女性や若者の中には、小泉首相の外見やパフォーマンに惑わされて支持している有
権者が多い。しかし、夫や息子が徴兵され、戦地に送られることになれば、女性は黙
っていない。若者だって自分が徴兵されると分かれば、本気になって怒り出すはずで
す。憲法改定が総選挙の一大争点なら“反自民党”“打倒小泉”で一斉に立ち上がり
ますよ。
　そのためにも、民主党は小泉首相の“改憲発言”を徹底的に取り上げるべきです。
民主党は党内に右から左まで抱えて腰が引けているが、今こそ“憲法９条順守”を訴
えた方がいい。世論調査では改憲論が護憲論を上回っているが、憲法９条に限れば圧
倒的に“護憲”が多い。国民の圧倒的支持を得られます」（金子勝氏＝前出）
　調子に乗って本性を現した小泉首相だが、総選挙で猛反撃に遭うのは必至だ。世の
中、それほど甘くない。

               ◆ 「軍事路線＝延命」の狂気政権にストップを ◆

　小泉の怖いところは、改憲・軍事路線を保身に悪用していることだ。歴代の自民党
首相は軍事大国化よりも経済大国化を優先させて、政権を維持してきた。ところが、
小泉という男は完全に反対だ。北朝鮮との対立をあおったり、ブッシュの戦争路線を
利用しながら、求心力を高め、政権を維持しようと考えているから許せない。
「世の中が不況のドン底に陥ると、為政者というのは戦争を仕掛け、庶民の不満不平
を外に向けさせようとする。またナショナリズムが強まると、庶民は強いリーダーを
求める。それを利用したのがヒトラーでしたが、小泉首相も同じ考えなのです」（筑
波大名誉教授・小林弥六氏）
　小泉は経済失政を隠すために、ブッシュの戦争路線に進んで肩入れしているが、そ
れに飽き足らず、改憲という切り札まで出してきたのである。前出の森英樹氏が言う。
「多くの人が“９条の改憲なんてできるはずがない”“まさか”と思ってるかもしれ
ませんが、それは間違いです。まさかと思われていた有事法制が小泉政権でアッとい
う間に成立してしまった。小泉首相はブッシュに追随し、強いアメリカに支えてもら
うことが自分の政権延命と考えているだけに、何でもやってくる。油断していたら、
この国は完全に戦前に逆戻りですよ」
　小泉首相だけじゃない。「核武装」容認発言をした安倍官房副長官、「有事に備え
て民間防衛組織を整備したい」と国会答弁した福田官房長官……。小泉ファッショ内
閣をこのまま野放しにしておくのは危険すぎる。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 8月27日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  このまま行ったら一体どうなるのか
  危険で疑惑だらけの小泉再選はこの国の破滅の道
  国の前途や国民生活よりも権力維持と党内抗争が
  より先決の政権亡者をまた首相にしたら大変なことになる

 ■ デフレ不況に拍車かけるスーパーマーケット革命
 ■ 一転、自民党が総力戦　面白くなってきた埼玉知事選
 ■ 今さら大騒ぎしてもナンセンス　万景峰号終えた“役割”
 ■ 「政界関係者に７０００万円」　日本マンパワー元会長が爆弾証言
 ■ 【話題の焦点】
       ・ “秋の味覚”にうれしい異変
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 発足３カ月後にようやく役員勢ぞろい　ドロ縄　再生機構の不安と危惧
       ・ 《スーパー》《百貨店》《外食》「冷夏ショック」の重大影響
       ・ 明治製菓　健康食品“本格参入”宣言！
       ・ 九州産交問題　熊本県・市が異例の一体支援　再生機構に約束へ
       ・ 三共　後発医薬品提訴の波紋
       ・ トップひと言


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ このまま行ったら一体どうなるのか
■ 危険で疑惑だらけの小泉再選はこの国の破滅の道
■ 国の前途や国民生活よりも権力維持と党内抗争が
■ より先決の政権亡者をまた首相にしたら大変なことになる
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        ２年間もデタラメ政治を続けて景気をドン底に悪くし、庶民生活を
       痛めつけてきた小泉首相を、まだ国民の半数近くが支持し続けている
                という世論調査結果だが、とにかくこれは異常だ

       小泉さんは今回の総裁選もまた「郵政民営化」と「道路公団民営化」
       を公約にし、それを自民党の選挙公約にするといっているが、それが
            果たしてこの国の改革になるのか重大な異議と疑問がある
      ----------------------------------------------------------------

　きのう（２５日）の朝日新聞を開いた小泉首相は、さぞやニンマリしたことだろう。
このところ下降中の内閣支持率が回復し、先月の４２％から４９％とアップ、昨年１
２月の５４％に次ぐ水準になったのである。
　また「総裁再選を期待する」人が６０％にもなり、朝日は「再選に追い風」と解説
したのだ。
　しかし、この世論調査、よく読むとなんかおかしい。
　再選を期待する人の中で「政策がよい」と答えた人は１割にも満たず、「景気や雇
用対策を優先してほしい」という人は６４％もいた。小泉首相は「経済政策は変えな
い」と断言しているのに、なぜこんな結果が出るのか。
　立命館大学客員教授の福岡政行氏（政治学）が言う。
「今の世論調査はきわめて情緒的で支離滅裂状態といっていいでしょう。
　これは小泉首相がテレポリティクスという政治とテレビをミックスさせた手法でパ
フォーマンスを続けているからです。抵抗勢力と戦う姿勢を見せたり、高校野球大会
で始球式をしたり。さらにヨーロッパ外遊で文化人を気取ったりするから、外見だけ
が判断基準になっている。加えてマスコミが『他に代わる首相候補がいない』と流す
ために『小泉再選でもいいじゃないか』となるのです。政策は支持しないけど総理を
続けてほしいという世論は異常ですよ」

                     ◆ 小泉再選を支える“羊の群れ” ◆

　まったくだ。小泉が首相になってからの２年４カ月、庶民は経済的にどれだけ痛め
つけられたことか。株価は１万円台に戻ったとはいえ、政権発足時の１万４０００円
の３分の２になり、失業率も５．４％と過去最高の水準で止まっている。倒産激増は
言うまでもなく、自殺者は３万２０００人にも上っている。関大名誉教授の上田昭三
氏も言う。
「この２年間で日本経済はガタガタになりました。デフレ不況は戦後最悪の状態を更
新しています。小泉首相は『改革には痛みが伴う』と言いましたが、改革は遅々とし
て進まないのに痛みだけが国民に押しつけられているのです」
　まったく羊のようにおとなしい国民。痛みに耐えるだけでなく、半数以上がこの先
の３年間も小泉に首相をさせようというのだから、この世論調査結果は明らかに異常
だ。

                   ◆ 改革もひと皮むけば権力維持の方便 ◆

　小泉首相は今度の総裁選も「郵政民営化」と「道路公団民営化」を公約に掲げて戦
うつもりだ。
　すでに「中央公論」８月号で「道路公団については、来年の通常国会に民営化の法
案を出す」「郵政事業民営化も３年間で必ず実現させる」とブチ上げている。
　しかし「郵政」や「道路公団」の民営化が、本当に改革なのか。ハッキリ言って、
これは単なる“党内抗争”だ。小泉首相がやろうとしていることは、ズバリ“橋本派
潰し”である。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「郵政も道路も、田中角栄以来の橋本派の牙城です。この２つの巨大利権を握ってい
ることが、田中―竹下―小渕―橋本派と脈々と続く最大派閥の力の源泉だった。小泉
首相は構造改革の名目で“郵政”と“道路”を民営化することで、最初から橋本派の
力をそぐことを狙っていたのです。福田赳夫の書生だった小泉首相は、田中角栄と福
田赳夫が血みどろの戦いを繰り広げた“角福戦争”を間近で見てきた。親分を惨敗さ
せた旧田中派への憎悪は相当なものです。ＹＫＫを結成したのも、竹下派支配を打破
するためだった。エラソーに構造改革などと言っているが“郵政民営化”も“道路公
団民営化”も、しょせんは個人的な恨み、党内抗争にすぎないというのが真相です」

                     ◆ 「自民党を潰す」はどうなった ◆

　だいたい「郵政民営化」や「道路公団民営化」を実現しても、大した改革にはなら
ない。道路公団を民営化するより、高速料金を無料にした方が、よほど日本経済の再
生に役立つ。前出の本澤二郎氏がこう続ける。
「聖域なき構造改革とは、政官財の癒着によって歪められた日本の政治、経済、行政
のシステムを打ち壊すことのはずです。ここにメスを入れない限り日本経済の再生は
あり得ない。まずは、官僚支配をストップさせるために規制を撤廃すること。さらに
政治献金を廃止して、政治と企業との癒着を断ち切ること。そして究極は、政官財の
癒着の元凶になっている自民党を解体することです」
　ところが、小泉首相は「自民党をぶっ壊す」と言うだけ。またぞろ「郵政」と「道
路」を持ち出して、自民党総裁に再選されようとシャカリキなのだから、自己矛盾も
いいところだ。
「小泉首相のやり方は、抵抗勢力をあぶり出し、それを批判することで支持率を上げ
ようというもの。これは邪道です。それでいて、戦術がないから、掲げた改革は一歩
も前に進まない。しかも、改革の頓挫を批判されると『わたし以外に改革を口にした
者がいるか』と開き直る。小泉政治は末期的になっています」（福岡政行氏＝前出）

                   ◆ 確実に“破滅”の道を突き進む日本 ◆

　さらに危険なことに、小泉は総裁選と総選挙の公約に「憲法改正」を盛り込もうと
している。きのう、山拓幹事長を官邸に呼んだ小泉は「総裁選で自民党結党５０周年
に当たる２００５年１１月までに憲法改正案をつくることを公約に打ち出したい」と
伝えたのだ。
　これは一連の対米従属の軍事国家づくりの集大成というべきものである。評論家の
岡本愛彦氏が言う。
「小泉首相は、自民党が４５年かかってもできなかった軍国化を２年余りで実行しま
した。テロ特措法、有事立法、そしてイラク特措法で自衛隊を戦場に送る法律をつく
った。あとは海外で米軍とともに戦闘できるための改憲です。日本をブッシュの言い
なりに自衛隊を戦争に駆りたてる危険な国家にするつもりなのです」
　経済不況と軍国化の同時進行。これは戦前の日本が歩んだ道そのままである。クサ
いパフォーマンスにだまされ、マスコミがタレ流す「他に適任者がいない」という情
報をうのみにして、小泉に高い支持率を与え続けていると、この国は確実に破滅の道
をたどることになる。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 8月20日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  歴史はイラクで繰り返されている
  ４０年前のベトナム戦争の米国介入から
  敗北までの歴史をもう一度振り返ってみると…
  この戦争は案の定間違いだった

 ■ 総裁候補絞れず　タガが外れた橋本派のこれから
 ■ 藤井総裁の諮問機関「日本道路公団改革本部」のインチキ
 ■ 石原　都政から逃げる準備か　「銀行税訴訟」和解で揣摩憶測
 ■ 英ボーダフォン　日本テレコム株を売却　米リップルウッドに
 ■ 「ギャルの感染症」無料相談の医師が警告「日本にエイズが大爆発する」
 ■ 長崎で米兵が強盗　ホテルフロントから６万円
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 払い過ぎた利息を取り戻せ！
          「過払い金」返還裁判はどれだけサラリーマンの味方になるか
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 産業再生機構第１号案件　迷走の裏側
       ・ 株価１万円回復　ホンネ直撃　企業関係者の景気見通し
       ・ イオン　出店攻勢急ピッチ！　東北のホームセンターと提携
       ・ 大手民放　Ｗ杯反動で広告減（４―６月期）
       ・ 扇子　今年のトレンドは“遊び心”
       ・ トップひと言


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 歴史はイラクで繰り返されている
■ ４０年前のベトナム戦争の米国介入から
■ 敗北までの歴史をもう一度振り返ってみると…
■ この戦争は案の定間違いだった
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     ------------------------------------------------------------------
        バグダッドの５０度の暑熱の中で武装した米軍兵士が毎日１人ずつ
        不気味に殺され、疲労し士気を失い、アメリカ本土の家族は兵士の
       帰国を要求し、フセインの抵抗運動は組織化されている。一体この先
      どうなるのか。ブッシュは経済政策でも追い詰められているが、日本の
      小泉首相はまだこの戦争に本気で参加するつもりなのか、狂気の沙汰だ
     ------------------------------------------------------------------

　歴史は繰り返すというが、イラクがベトナム戦争とソックリの展開になってきた。
　１９６０年に始まったベトナム戦争は当初の予想に反して、南ベトナム解放民族戦
線の絶え間ないゲリラ攻撃で泥沼化した。戦闘は１５年間に及び、１００万人以上の
ベトナム人、５万人以上の米兵が犠牲になった。米国は国の威信をかけて戦ったが、
結局、撤退を余儀なくされ、その後、長らく「ベトナム病」という「自信喪失」に苦
しむことになる。
　今度のイラクも一緒ではないか。ブッシュ大統領が戦闘終結宣言を出したのは５月
１日。しかし戦闘は終わるどころか、ゲリラによる抵抗は日増しに過激化している。
米英兵への襲撃は連日、アチコチで起こっているし、１６日にはデンマーク兵も犠牲
になった。７日にはバグダッドのヨルダン大使館が爆弾テロに見舞われ、軍事施設以
外も攻撃対象になっている。
　業を煮やした駐留米軍は旧フセイン政権の残党を一掃するためにアパッチ攻撃ヘリ
や戦車を動員、大規模な軍事作戦を開始している。
　ところが、その出はなをくじくように先週、イラク北部の原油パイプラインが爆破
され、１７日には水道管が爆弾テロにやられた。イラク全土がいまだに戦闘地域で、
収拾がつかなくなっているのである。

                     ◆ 過剰反応の米軍の発砲で泥沼化 ◆

　エスカレートする一方のゲリラ攻撃に米軍は完全に理性を失いつつある。ある米兵
は「子供が近づいてきても、自爆テロじゃないかと思う」と語っていた。長引く緊張、
いつ襲われるかもしれない恐怖心が米兵をイラ立たせ、それがやみくもの発砲につな
がり、イタズラにイラク市民の犠牲者を増やしている。
　象徴的だったのが１３日にバグダッドで起こった「旗撤去事件」だ。米軍ヘリが市
内中心部の鉄塔に近づき、乗員がナイフでシーア派の旗を切り落とそうとした。怒っ
た住民約１０００人が「米兵は出ていけ」と連呼しながら歩き始めると、米軍がいき
なり発砲。反米感情が激化し、ついに米軍はバグダッド中心部からの撤退を余儀なく
されたのである。アジア経済研究所主任の酒井啓子氏はこう言っている。
「駐留米軍による治安維持はまるで機能していないのです。そこに乗じて、フセイン
の残党がテロを仕掛ける。出入国管理もできていないから、他国からアルカイダのメ
ンバーなんかも入ってきて、テロを激化させている。石油や水道管などのインフラを
攻撃されて、イラク市民の間には『米軍はなにやってんだ』という反米感情が渦巻い
ている。米兵は米兵で、テロにおびえ、過剰反応で市民の犠牲者を出して、それがま
たイラク国民の反感を買う。悪循環の泥沼です。イラクはベトナム化してきましたね」
　米軍の過剰反応といえば、１７日、ロイター通信のカメラマンが米軍の誤射で死亡
した。カメラをロケット砲と間違えたというから、どうかしている。米軍は長引く戦
闘で完全にイカれちゃったのではないか。

              ◆ 長引く戦闘に米国内でも撤退論が出始めている ◆

　イラクがベトナムと似てきた点はまだある。現場の兵士はもとより、米国内でも急
速に厭戦気分が広がりつつあることだ。
　ついこの間、イラク中部のディワニヤ近郊で、熱射病による米兵の死者が出た。イ
ラク全土の気温は連日、５０度近くに上昇する。
　戦争終結のめどは立たず、毎日、テロの恐怖におびえ、さらに酷暑が兵士を苦しめ
る。ニューヨーク・タイムズに「国防総省は現場が分かっていない。ラムズフェルド
はこの建物で一晩過ごしてみろ」という兵士のコメントが載っていたが、これぞ、現
場の本音だろう。
　ついにというか、米軍兵士の家族たちは「米軍の即時撤退」を求める運動を始めて
いる。記者会見した家族は「イラクでは一日４０件近い襲撃事件が起こっているのに、
ニュースは一部しか伝えていない」「大規模な戦闘が終わり、兵士は間もなく帰ると
大統領が発言したのに、駐留期間が延びている」など、口々にブッシュを非難してい
た。ワシントン在住のジャーナリスト、森暢平氏はこう言う。
「米軍はイラクから撤退すべきだという主張は有力シンクタンクや識者も唱えていて、
メディアも取り上げ始めています。イラク戦争直後には考えられなかった事態ですよ。
『この戦争はベトナム化するのではないか』というより『すでにベトナム化している』
という論調が増えています」
　過激化するゲリラ攻撃、増え続ける犠牲者、広がる厭戦気分。何から何までベトナ
ムとうり二つの展開なのである。

                 ◆ ブッシュがニクソンの二の舞いになる日 ◆

　イラク国内で展開するゲリラ組織「ジャイシュ・ムハンマド」は、「米軍の戦車を
燃やし兵士たちを殺す」（米誌ニューズウィーク１１日発売号）と徹底抗戦を宣言し
ていた。最大規模とされるゲリラ組織の幹部も「攻撃は米軍の占領に対する抗議だ」
（７月１０日付毎日新聞）と語り、攻撃実行隊に続々と志願者が集まっていることを
明かした。米国にとって誤算だったのは、反フセインだった市民も米国を歓迎するど
ころか「反感」を強めていることだろう。
「米国は、ベトナムと同じ轍を踏みました。ベトナム戦争で反共産＝親米の図式が成
り立たなかったように、イラクも反フセイン＝親米ではない。イラク国民の多くはフ
セイン独裁に苦しんでいましたが、だからといって米軍の占領を受け入れるだろうと
いう米のもくろみが間違いなのです。米軍は『自由』や『解放』とキレイ事を言いな
がら罪のない子供を含め数千人ものイラク国民を殺し、傷つけ、後遺症が残るウラン
劣化爆弾まで使った。そのうえ石油利権まで奪おうというのですから、イラク市民が
反米ののろしを上げるのは当然ですよ」（東京国際大の前田哲男教授＝軍縮論）
　こうなると、今でこそバラバラのテロ活動が今後は市民の反米感情といっしょにな
ってイラク全土に広がる恐れもある。
「それどころか、近い将来、中東全域が反米で団結すると思います。イラクのゲリラ
部隊を構成しているのはバース党の残党だけでなく、アルカイダやイラン人、ヨルダ
ン人など外国人も加わっている。彼らはアフガニスタンやサウジアラビアの米軍まで
標的にしています。米軍がイラクで乱暴を繰り返し、イランに対しても強硬姿勢を強
めれば、中東の反米感情が爆発する。同時的テロが頻発し、収捨がつかなくなること
もあり得ます」（日大講師の三野正洋氏）
　ベトナムではゲリラ部隊が米軍を待ち伏せし、短時間の攻撃を仕掛けて引き揚げる
という作戦を繰り返した。長引く戦争で１５００億ドルの巨費と膨大な犠牲者を出し
た米軍は、ついに音を上げ、７３年、ニクソン大統領は米軍の撤退を決めた。ブッシ
ュがニクソンの二の舞いになるのは、どうやら時間の問題なのである。

             ◆ それでも小泉政権はブッシュ米国に協力するのか ◆

　こんな事態になれば、米英の描くイラク民主化なんて夢のまた夢だ。こんなイラク
に自衛隊を派遣しようとしている小泉政権はどうするつもりなのか。
　小泉首相は今になって「イラク復興支援については十分な事前調査が必要だ」など
と言い出している。山崎拓幹事長も「今よりイラクの治安が悪くなれば（年内に自衛
隊は）出せないかもしれない」と言っている。
　政権内は大混乱だが、自業自得だ。この戦争はもともと「大義」も「正義」もない
侵略戦争だ。テロの脅威、大量破壊兵器の恐怖をデッチ上げ、先制攻撃を仕掛けたブ
ッシュ政権は、イラク戦争の長期化で今や、ガタガタになりつつある。
　それでも小泉政権は、ブッシュの忠犬よろしく、自衛隊を出して協力するのか？
やったら狂気の沙汰である。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 8月 5日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  列挙すれば沢山ある「この国の謎」
  世界有数の金持ち国ニッポンの国民が深刻な不況にあえいでいる七不思議
  たとえば問題の北朝鮮と比較した場合

 ■ “埼玉県出直し知事選”候補者乱立　大混戦の裏事情
 ■ 青木参院幹事長が小泉首相に道路公団総裁「更迭」を要求
 ■ １０月解散はなし　自民党議員が怯える抵抗勢力の圧勝
 ■ 菅・小沢連合に追い風　“次期衆院選”新民主党に「投票したい」２４％
 ■ ＜ロト６出目予想＞　下１ケタ「３」と「５」の明暗
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 職場の人間関係からご近所付き合いまで身近なトラブル解決にも役立つ
          “メディエーション”って何？
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 強まる外資攻勢！！　“薬品メーカー”生き残り大作戦
       ・ 冷蔵牛肉の関税引き上げ　“焼き肉”“牛丼”“スーパー”の恨み節
       ・ サラリーマンの間で急増してきた“サービス早朝出勤”の悲惨な実態
       ・ 《オーエムシーカード》ダイエーホークス勝ったらハワイ旅行１万円引き！
       ・ 《ローソン》オートバックスと新型コンビニ


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 列挙すれば沢山ある「この国の謎」
■ 世界有数の金持ち国ニッポンの国民が深刻な不況にあえいでいる七不思議
■ たとえば問題の北朝鮮と比較した場合
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   米国など強国をキリキリ舞いさせている最貧国の外交力の凄さ・したたかさ。
           アメリカの忠犬・小泉外交にツメのアカを煎じて飲ませたい
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　カラスの鳴かない日はあっても北朝鮮の動きが話題にならない日はない。拉致被害
者の家族の手紙を日本のＮＧＯメンバーが持ってきたとか、北が核問題での６カ国協
議の受け入れを表明したと、日本のマスコミはワァーワァー騒いでいる。
「北朝鮮側の意図が分からない」「ナゾめいている」とＴＶは解説しているが、ワケ
が分からないのは、むしろ日本という国ではないか。ついでだから金正日の北朝鮮と
比較すれば、多くのナゾが浮かび上がってくる。第一は小泉首相の隷属的な外交姿勢
だ。
　資源ナシ産業ナシの北朝鮮は、誰も相手にしない極東アジアの最貧国だが、米国を
はじめとする強国を外交でキリキリ舞いさせている。
　食糧事情が悪化すると“暴発”をニオわせ、重油までせしめる。それで圧力をかけ
られると、核施設の再稼働を宣言し、核拡散防止条約（ＮＰＴ）からの脱退もへっち
ゃらだ。
　今年４月に北京で開かれた米朝中の３カ国協議では、突然、核保有の爆弾発言で米
国を挑発した。“悪の枢軸”と名指ししたブッシュに対して「イラクは核武装しなか
ったから米国にやられた」と核ミサイル開発で揺さぶっている。
　こうした突っ張りの一方で、相手がどこまで譲歩しそうか、拒み続けた多国間協議
に応じる構えを見せて探りを入れる。日本の小泉外交では絶対に見られない芸当だ。
国際問題評論家の山岡清二氏が言う。
「国家存亡の危機にある小国が、必死でもがき、たまにはヒットも飛ばす。やり方は
汚いし褒められたモノではありませんが、知恵を絞っているのは間違いありません。
小泉首相も見習った方がいいですよ」
　本当だ。ブッシュの言いなりになって大量破壊兵器の有無も分からないうちにイラ
ク攻撃を支持したり、「アメリカ様のためだ」とテロ特措法や有事法制、イラク新法
の貢ぎ物をセッセとしている小泉政権のやり方は、外交ではなく忠犬にすぎない。
「突っ張ったり、すかしたり、知恵を絞って交渉をまとめる努力をすべきなのです。
それをやらないのは、明確な外交政策がないからです。イラク攻撃の賛否をめぐって
もありましたが、首相や大臣は『諸外国の情勢を見極めたい』と堂々と言う。これは
自らの無策を白状しているのと同じです」（山岡清二氏＝前出）
　北朝鮮と比べると、小泉外交の無策のナゾがよく分かる。

          --------------------------------------------------------
                   あるのかないのか不明の核兵器を喧伝して
             世界唯一の生産なしで生存する国家体制。日本の場合、
           世界一の工業国下の世界最長の労働時間でも暮らしは苦しい
          --------------------------------------------------------

　フセインは石油資源を密売して独裁体制を維持してきた。だが、北には海外に売れ
るモノがない。エネルギー不足で工場は８割方稼働中止に陥っている状態だ。極端な
話、あるかないかハッキリしない核兵器や軍事力を喧伝するだけで国家体制を維持し
ているのだから不思議な国である。
　一方、日本の場合は１００万倍も恵まれている。自動車、家電製品で世界を席巻し、
パソコン、携帯電話といった最新の情報機器まで生産する世界トップクラスの工業大
国だ。それなのに裕福を実感できず、多くの国民は深刻な不況にあえいでいる。働け
ど働けど、サラリーマンの暮らしはちっとも楽にならない。
　厚生労働省の調査では、昨年の年間総労働時間は１７１１時間。労働時間にカウン
トされないサービス残業が加われば、１８００時間を超えているのは確実だ。同じ工
業国であるドイツは１４８０時間。「長期夏季休暇を取ったらデスクがなくなるんじ
ゃないか」とおびえているのが日本のサラリーマンだから情けない。明海大教授の高
橋乗宣氏（経済学）が言う。
「多くのサラリーマンがサービス残業を受け入れ、長時間労働にガマンしているのは、
日本では労働力の流動性が低いからです。転職の環境が未熟なため、会社を辞めて次々
と可能性に挑戦していくというのは、まだまだレアケース。多くの社員は会社に縛り
つけられ、サービス残業はもちろんベースダウンまで受け入れざるを得ない状況にあ
ります。サラリーマンには自由度がなく、豊かさを享受できない社会になっているの
です」
　おまけに、年金制度は崩壊寸前で、医療費は高騰し、老後の生活も安心できなくな
っている。世界第２位のＧＤＰを誇る国なのに、おかしくないか。何かが間違ってい
る。北朝鮮以上に不思議な国だ。

      ----------------------------------------------------------------
        飢餓に苦しむ大部分の国民がいるのに国民総所得はベトナム以上。
       世界一の外貨を保有し政策転換すれば不況脱出などいとも簡単なのに
                    国家財政の破綻を恐れるだけの官僚政治
      ----------------------------------------------------------------

　どうして日本はここまで貧乏臭くなってしまったのか。もちろん、カネがないわけ
ではない。外貨準備高は米国の６倍もあって断然世界一だし、個人の金融資産も１３
７０兆円もある。
　要は小泉政権のやり方がヘタすぎるのだ。北朝鮮なんて、大半の国民が毎年飢餓に
苦しんでいるというのに、何だかんだとやり繰りしている。韓国の試算によると、北
の１人あたりの国民総所得は５７３ドル。これは、経済発展を続けるベトナムの約３
００ドルを大きく上回っている。モノはやりようなのである。
　政治家や財界人で結成する「日本経済復活の会」の小野盛司代表が言う。
「この国の経済力や国民の消費意欲は世界トップクラスです。経済をうまく回転させ
てやれば、いくらでも発展します。例えば、毎年５０兆円規模の財政出動を続ければ、
ＧＤＰは５年後に１．４倍になり、株価は３万円までハネ上がる。税収が驚異的に増
えるから、いったん拡大する財政赤字も減少していきます。小泉首相がケチケチの緊
縮財政をやめて、財政拡大路線に政策転換するだけで、不況からの脱出はいとも簡単
なのです」
　いま大事なのは、この発想の転換だ。財務省の官僚たちは、小泉首相を使って緊縮
財政に走っているが、それで将来の見込みがあるのか。税収が５０兆円を大きく割り
込んでいる中で、８０兆円の一般予算を組むために、４０兆円近い借金をしているの
が日本の現状だ。その結果、ついこの間まで６００兆円だった中央と地方の借金は７
００兆円まで膨らんでいる。なすすべなしの財務官僚に従っていたら、緊縮財政→不
況→税収不足→赤字拡大の悪循環が続き、雪ダルマ式に膨れ上がる国の借金が１００
０兆円を突破するのは時間の問題だ。一体どこが「財政の健全化」なのか。

          --------------------------------------------------------
           イタリアやアルゼンチンを見るまでもなく国家が破産しても
           国が潰れることはないというのに、国民に痛みを押しつけて
                     国家の存続だけを図るというバカの壁
          --------------------------------------------------------

　不況悪化が止まらず、財政も破綻にまっしぐらでは、救いがない。この国はいずれ
沈没だ。
　それを食い止めるには、大胆に政策転換をやるしかない。小泉首相や財務官僚は
「借金をこれ以上増やしてどうするのか」と、財政赤字の７００兆円をむしろ脅し材
料に使って政策転換を拒んでいるが、それは奇弁というものだ。
「日本は国内で借金を賄っている。ＩＭＦからの借金が返せずに問題になったアルゼ
ンチンなどとは根本的に違います。それに財政難というのもウソです。例えば、日本
では国と地方の公務員の人件費に実に４０兆円も使っている。民間並みに２割リスト
ラするだけで１０兆円の余力が生まれます。これを減税に回せば、経済が動き始める。
さらに異常なゼロ金利を是正し、２、３％の常識的金利に直すだけで、個人金融資産
１４００兆円が毎年４０兆円ずつ増えていく。銀行だって、利ざやが取れれば、経営
基盤が強化され、不良債権の処理だって進む。そうやって回転すれば、景気も好転す
るのです」（経済アナリスト・吉見俊彦氏）
　こんな簡単な政策転換を拒んでいるのが官僚と小泉の“バカの壁”なのである。前
出の吉見俊彦氏が続ける。
「政策転換で景気がよくなってしまったら官僚たちは困る。自分たちの過ちが明らか
になり、責任を問われるからです。だから小泉首相を操って、どん詰まりと分かりな
がらも、誤った政策を続けさせているのです。政権交代でこの官僚たちを総入れ替え
しない限り、日本は前進できません」
　ハッキリ言って、この国の為政者はバカばっかりだ。大マスコミやＴＶ視聴者は毎
日飽きもせずに、「北朝鮮のナゾ」を騒いでいる場合ではない。他国の心配よりも、
国民を苦しめる日本の深刻な不況のナゾに目を向けることが自分のためなのだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月30日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  この国の改革の最大の敵はこれだ
  民主党と自由党の合併に何かとケチをつけている
  この国の大マスコミの時代遅れの古臭さ。
  この合併による日本の再生を期待するのが役目ではないのか
  菅・小沢の新生民主党が大勝し政権交代が実現したら

 ■ ５・１戦闘終結から３カ月　米兵の死者５０人の大台に
 ■ １１月９日総選挙スケジュール　これぞ自公「野合」の証明
 ■ ６月の失業率依然高止まり　５．３％に低下も有効求人倍率横ばい
 ■ 雇用・能力機構の施設売却　ドブに捨てたのは４９５０億円（政府答弁書）
 ■ ブレア政権“断末魔”　英ＢＢＣに「放送免許剥奪」の圧力
 ■ 航空券の決済、携帯で可能に（日航）
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 《三井鉱山》老舗企業に冷ややかな三井グループの視線
       ・ 《日産》ホンダ抜いて国内販売２位返り咲き
       ・ ４―６月期　全社大幅増収増益
          １３年ぶりの“上げ相場”に証券会社はテンヤワンヤ
       ・ 《マクドナルド》また新メニュー　今度は「南仏風サンド」
       ・ ゲームビジネス、急減速　０２年は２ケタの落ち込み
       ・ トップひと言


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ この国の改革の最大の敵はこれだ
■ 民主党と自由党の合併に何かとケチをつけている
■ この国の大マスコミの時代遅れの古臭さ。
■ この合併による日本の再生を期待するのが役目ではないのか
■ 菅・小沢の新生民主党が大勝し政権交代が実現したら
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       --------------------------------------------------------------
               長く期待され、やっと実現した菅と小沢の結合は、
             自公の腐敗政治に終止符を打つ歴史的大激震の始まりだ

        自民の小泉政権にこのままやらせていてはダメだ。試しでいいから
          この国の歴史に初めてのマトモな政権交代を実現させてみよう
       --------------------------------------------------------------

　大新聞・ＴＶの政治記者は有権者の気持ちを分かっているのか――。半世紀に及ぶ
自民党の腐敗政治を断ち切れる可能性がある民主・自由の合併劇の報道姿勢を見ると、
そう思わざるを得ない。時代遅れの“永田町の常識”を振りかざして、ケチばかりつ
けているのだ。
　社説で目立つのは「選挙目当て」「政策合意なき野合」という紋切り型の批判だ。
そのうえ政治面で「候補者調整に火種」（朝日）、「理念の小沢なぜ変心」（読売）
と水を差す。朝日などは必ず自由党の核武装論者・西村真悟を持ち出し、「自由党議
員だから無条件で入党させるのか」と難クセをつけている。
　小沢一郎に焦点を当ててくさすケースも多い。「小沢が牛耳った細川・羽田政権は
わずか１１カ月で崩壊した」「新進党も解体させた」と昔話を持ち出し、訳知り顔で
「民主党は小沢にカキ回される」と民主党分裂の予想までしてみせるのだからムチャ
クチャだ。
「菅・小沢合流へのマスコミの報道はネガティブなトーンがほとんどで、結果的に政
府・与党の肩を持つような論調ばかり。批判の論点も公明党の神崎代表が『選挙目当
ての野合だ』と口にしていましたが、それと同レベルです。
　最近のマスコミの体制ベッタリがよく表れています」（政治評論家・山口朝雄氏）
「集団レイプする人は、まだ元気がある」の太田誠一（自民党）は「鶏小屋（民主党）
に野犬（小沢）が入るようなもの」と揶揄していたが、大マスコミはこの三流議員と
同じ視点でしか政治を語れなくなっている。

                   ◆ 新聞・ＴＶは「永田町通信」なのか ◆

　そんな論調の大マスコミの世論調査では、小泉政治にアキアキしている有権者の姿
が浮き彫りになっている。どの調査でも小泉内閣と自民党の支持率が急落。菅直人と
民主党の支持が急騰しているのだ。
　たとえば、朝日新聞の調査（２８日付）。民主党の支持率は１０％と約２年ぶりに
２ケタ台に乗り、「総選挙があれば与野党どちらの候補者に投票するか」との問いに
３９％の人が「野党」と答え、与党（３５％）を上回った。また、昨夜放送された
「ニュースステーション」（テレビ朝日）の緊急調査では、次期首相候補としての菅
人気がうなぎ上りで、前回調査（昨年１２月）より１３ポイントも上昇。９ポイント
下落の小泉に迫っている。
「改革」を叫ぶだけで何も実行せず、デフレ不況には対応できない。そのうえ外交哲
学ゼロで、米国の歓心を買うために自衛隊を戦地のイラクに送り込むことしか頭にな
い。揚げ句の果てに「どこが戦闘地域かと聞かれても、分かるわけがない」と開き直
る。そんな小泉のペテン政治にウンザリしている有権者の立場に身を置いた報道は皆
無。１９５５年の保守合同以来、細川・羽田政権下のわずか１１カ月を除いて権力に
居座ってきた自民党に代わる勢力の登場という大激震に「何をどう論ずればいいのか
分からない状態」（法大教授・須藤春夫氏＝マスコミ論）に陥っているらしい。
　松阪大教授の阪上順夫氏（政治学）が言う。
「今の政治の閉塞状況を打ち破るには、政権を代えることが第一歩です。ところが、
民主党・自由党の合併へのマスコミ報道は、“永田町通信”のような狭い視点の政局
報道ばかり。『このまま小泉政治が続くことが日本にとってベストなのか』という大
局的な視点がまったくない。小沢一郎個人にいくらケチをつけても、日本の将来に何
の役にも立ちません」
　大マスコミの報道に小泉も自民党もニンマリだ。この国の改革を阻む最大の敵は大
新聞・ＴＶというしかない。

                    ◆ 政治がどう変わるかの検証もせず ◆

　大マスコミが今やるべきことは、菅・小沢政権が生まれたら、永田町政治がどう変
わり、庶民のプラスになるかを徹底検証することだ。
　新民主党政権が間違いなく手をつけるのは、小泉政権下で温存されてきた政官業癒
着をぶち壊すことだ。菅と小沢は「既得権益につかっている自民党政権では改革はで
きない」で一致。自民党と官僚機構のもたれ合いにメスを入れ、諌早干拓のようなム
ダな公共事業をやめ、雇用につながる公共事業への政策転換を打ち出している。税金
をむさぼり食ってきた自民党の族議員、その陰に隠れて権益拡大をしてきた官僚たち
の動きを封じ込めるだけでも、永田町の政治は大きく変わる。大マスコミはそうした
分析さえしようとしない。
　政権交代が景気回復につながる可能性もある。
「政権交代となれば株式市場は、自民党政権の崩壊による混乱と新政権への期待の綱
引き相場になります。しかし、経済無策の小泉政権が続くより、政権交代の方がマシ
との受け止め方が勝り、株価は上向く確率が高い。構造改革で景気が上向くわけでは
ないが、改革への期待感から株価が上がれば、結果的に景気回復につながる。最悪は
『小泉続投、竹中・塩川留任』で、再び８０００円台に逆戻りしてしまいます」（証
券アナリスト）
　米国一辺倒の外交・防衛政策も変わってくる。「自衛隊をイラクに派遣しない」と
明言しているからだ。この２つの実現だけで自公保腐敗政治を断ち切れる。

                    ◆ 選挙民惑わすだけの時代遅れ報道 ◆

　有権者は大新聞・ＴＶの永田町報道に惑わされることなかれ、である。早くも９月
の自民党総裁選に向けた小泉と反小泉勢力の駆け引きを騒ぎ立てている。自民党のＰ
Ｒ機関となった大新聞・ＴＶに乗せられてしまえば、小泉と自民党の思うつぼ。小泉
の庶民イジメ政治に引導を渡す機会を失ってしまう。山口朝雄氏（前出）がこう言う。
「民主・自由合併にいろいろな問題があるのは事実ですが、自公保政権も似たり寄っ
たりですよ。次の総選挙の争点は、口先だけで何もできない小泉政治があと３年間続
くのがいいのか、それとも政権交代で菅・小沢コンビに託してみるかの選択になる。
小泉支持率の高さは『ほかに適当な人がいない』という消極支持で、民主党の政策が
評価されて菅直人が『適当な人』になれれば、政権交代が十分に起こり得る。無党派
有権者が動いて投票率が５％上がれば、自公保連立は崩壊です」
　ようやく実現した菅直人と小沢一郎のドッキングは、自民・公明の腐敗政治に終わ
らせる最後のチャンス。この国最大の抵抗勢力・大マスコミの時代錯誤な報道に惑わ
されると、戦後政治で初めてのまっとうな政権交代のチャンスをみすみす逃すことに
なる。


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■ ５・１戦闘終結から３カ月　米兵の死者５０人の大台に
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　混乱が続くイラクの首都バグダッドで２８日、米軍部隊が中心部ランド地区を軍用
車両でパトロール中、何者かに立体交差の橋の上から手榴弾を投げられ、１人が死亡、
３人が負傷した。
　これで、ブッシュ大統領が「戦闘終結宣言」した５月１日以降、約３カ月で米兵死
亡者は５０人に。米軍には、フセイン元大統領の２人の息子が２２日に死亡したこと
で治安が回復するとの見方もあったが、殺害後、米兵は１日平均でほぼ２人が死亡。
それまでの平均の２日に１人を逆に超えてしまった。ラムズフェルド国防長官らは旧
政権の残党だけでなくイランなどから介入があると指摘。
　こうした状況にもかかわらず、小泉首相は同日、ブッシュ大統領との電話会談で
「わが国の支援策のさらなる具体化に努める」などとオベンチャラを言っている。


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■ １１月９日総選挙スケジュール　これぞ自公「野合」の証明
──────────────────────────────────────

　総選挙のスケジュールが「１０月１０日解散・１１月９日投票」で固まってきた。
小泉首相は口を閉ざしているが、与野党議員は一斉に選挙準備に動きだしている。だ
が、こうした政治日程をウラで仕切っているのは公明党・創価学会だからア然だ。

               ▼ 創価学会の記念日に小泉・山拓も合わせた… ▼

「自民党内では８割方、１１月９日投票とみています。９月２０日の自民党総裁選と
解散・総選挙が近ければ近いほど、小泉首相の再選は堅くなる。“選挙に勝てる総裁
は小泉しかいない”という議員心理が働くからです。小泉首相はこの線でハラを固め
ているはずです」（官邸関係者）
　自民党の中堅議員はこう言う。
「１０月には、１４日告示、２６日投票の統一補選がある。が、４つの選挙区とも自
民党候補は苦しい。３敗すれば、野党は勢いづくし、“やっぱり山崎幹事長では選挙
が戦えない”という声が強まる。そこで幹事長は、この補選をなくしてしまおうと、
補選の前に解散をして、総選挙に吸収させてしまおうと首相に進言しているのです」
　衆院解散の「大義」はどうでもよく、自民党のトップたちには私利私欲しかない。
これに輪をかけているのが公明党の事情だ。「１０月１０日解散・１１月９日投票」
をせっせと流し、既成事実化しているのが公明党なのは有名な話だ。
「創価学会・公明党は完全に１１月総選挙に照準を合わせています。先日開かれた首
都圏の最高協議会では“重点選挙区”の婦人部幹部も呼ばれて気勢を上げた。その後
の本部幹部会では池田名誉会長自ら“勝て、勝て”と檄を飛ばしたようです。３年前
の総選挙では首都圏の小選挙区で惨敗しただけに、今回は必死なのです。公明党が１
１月９日投票日にこだわるのは、１１月１８日が学会のお祭りである創立記念日にあ
たり、そのときに“総選挙勝利”を活動の成果として誇りたいからなのです」（ジャー
ナリスト・乙骨正生氏）
　政治ジャーナリストの山村明義氏が言う。
「小泉首相が総選挙で勝つには学会票の協力が不可欠。それを考えれば、解散スケジ
ュールは公明党・学会の意向に沿うしかない。民主党と自由党の合併で野党が強くな
っただけに、小泉自民党の学会依存はますます強くなっているのです」
　いまや小泉首相も、完全に学会の忠犬ポチに成り下がってしまったようだが、こう
いうのを「野合」と呼ぶ……。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月29日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  この悪政暴政をぶっ壊す絶好のチャンスが来る
  政権の交代なくして「改革」も「景気の回復」もあり得ない
  全国の選挙民は今度の総選挙には覚悟して一票を投じる重大な責任がある。
  現在の小泉デタラメ政治の２年間の結果で国と国民生活が
  どれくらい破壊されたのか冷静な考察が求められている

 ■ ブッシュ政権の“ウダイ”“クサイ”遺体写真公開は完全なウラ目
 ■ 働き盛り“岐阜県副知事”自殺の「なぜ」
 ■ 小泉・官邸ＶＳ藤井・道路公団　刺し合いが始まったゾ
 ■ 埼玉県建設業界団体　献金分を給料に上乗せ支給
 ■ 通常国会が閉幕
 ■ ＜ロト６出目予想＞　「３３・４３」がそろい踏み
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ セブン―イレブン１万店突破で火を噴く　コンビニ夏の陣のシ烈な内幕
       ・ 価格急騰で注目　“ビタミンＣ”ビジネスへの疑問と不信
       ・ えっ！　帝国ホテルが屋台を出店
       ・ 《日産》韓国市場へ進出か


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ この悪政暴政をぶっ壊す絶好のチャンスが来る
■ 政権の交代なくして「改革」も「景気の回復」もあり得ない
■ 全国の選挙民は今度の総選挙には覚悟して一票を投じる重大な責任がある。
■ 現在の小泉デタラメ政治の２年間の結果で国と国民生活が
■ どれくらい破壊されたのか冷静な考察が求められている
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        ９月の自民党総裁選で小泉再選が決まったら国民生活はあと３年の
      塗炭の苦しみが必至だが、その小泉自民党を１０月か１１月の総選挙で
    大敗北させ新生民主党を大勝させれば再び希望も出てくることになるだろう

      野党ではダメだなどと四の五の言わずに自民党と公明党以外の候補者に
            投票してみよう。この国と国民生活は今の政治が続いたら
            もっと悪くなるばかりで良くなることは決してないだろう
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　ドン詰まりの小泉政治をぶっ潰すチャンスがようやくやって来た。民主党と自由党
が９月に合流することになり、小泉政権の延命を阻止する対抗勢力のメドができたか
らである。
　民主党１７２人プラス自由党３０人で２０２人。自民党の３３５人にはまだ及ばな
いものの、秋に予定される総選挙の結果次第では拮抗から逆転も不可能ではない。
　事実、この野党合併には国民の期待も集まっている。共同通信の調査では民主党の
支持率は１６．２％と６．３ポイント増。２５．１％の人が「次の衆院選挙で合併民
主党に投票する」と答えていて、両党の支持率合計を超えた。
　また、きのう（２７日）放送された「サンデープロジェクト」（テレビ朝日系）の
緊急アンケートでは「次期総理にふさわしい人」として（１）小泉（２）菅直人（３）
石原慎太郎（４）小沢一郎が挙がった。これまで２位は石原だったから、この野党合
流に期待が集まっていることが分かる。九大名誉教授の斎藤文男氏が言う。
「政治の閉塞状況を打ち破る受け皿ができた。国民はそう思っているはずです。小泉
氏と抵抗勢力の対立が、実は政権与党内の茶番であることが分かってきた。９月の総
裁選も小泉氏に勝てる候補がいないことも見えている。同じ穴のムジナの争いにウン
ザリしながらも、それを野党が打ち破れないことにシラケていたのです。そこに野党
が結束を始めたのですから、政治が変わるかもしれない、という期待が出てきたので
す」
　高支持率で来た小泉内閣にもカゲリが出てきた。朝日の世論調査では４２％と先月
より５ポイントダウン。口先だけの改革や強引な自衛隊のイラク派兵に国民が「いい
加減にしてくれ」と思い始めた矢先に、政権交代の受け皿ができ始めたのである。

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                 デタラメ政治をこの先３年間も続けさせるのか
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　全国の有権者は、今度の総選挙だけは覚悟を決めて一票を投じないとダメだ。この
先３年間、小泉デタラメ政治を続けさせるのか、それとも政権交代でまったく新しい
政治をスタートさせるのか、１０年に１度の重大な選択になる。
「小泉首相が描くシナリオは、９月の総裁選で国民の目を引く“公約”をブチ上げて
再選され、その勢いを駆って秋の総選挙で勝利するというもの。マスコミ報道が“小
泉再選”一色になり、新・民主党への関心は薄れているという計算です」（自民党関
係者）
　しかし、小泉首相のそんな姑息な計算にだまされてはいけない。この２年間の小泉
政治で、この国と国民生活がどれほど破壊されたか、冷静に考える必要がある。「失
われた１０年」のなかでも、小泉政権の２年間は最悪だ。１日に５０社が倒産し８５
人が自殺に追い込まれているのである。
「小泉政権発足後、株価は１万４０００円台から一時７０００円台にまで暴落。時価
総額１５０兆円が消えています。倒産件数は昨年１万９０００件を突破し戦後ワース
ト２を記録。失業率は４．８％から５．４％に悪化。就業人口は２００万人も激減し、
完全失業率も３８５万人と過去最悪を更新しています」（民間シンクタンク研究員）
　自殺者は３万人を超え、とくに経済苦を理由にした５０代男性の自殺が急増してい
る。遺書には、リストラ、過労、うつ病の果てに自分のいたらなさをわびた内容が目
立つという。大阪では、ヤミ金融業者からカネを借りた老夫婦が「悪徳業者のために
死ぬのは悔しい」と遺書を残して自殺した。
　それでも小泉首相は「ディズニーランドは込んでいる。どこが不況なんだ」と言い
放ち、国民の苦しみに耳を傾けようともしない。これが、小泉政治の２年間である。

                        ▼ 軍国化も政権延命の手段 ▼

　その一方で、ガムシャラに推し進めてきたのが対米従属の“軍国化”だ。「テロ特
措法」「有事立法」「イラク特措法」と戦後の日本を根本からひっくり返す重大法案
を、たった２年間で次々に成立させている。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「これほど急速に戦前回帰、軍事大国化をやった首相は、戦後初めてです。あの中曽
根元首相だって、ここまではやれなかった。しかも『どこが戦闘地域かなど日本の首
相に分かるはずがない』『自衛隊員が殺されるかもしれないし、殺すかもしれない』
などと平然とデタラメな答弁を繰り返している。さらに、次は海外派兵の“恒久法”
に取りかかろうというのですからアキれます」
　小泉首相がここまで軍国化に突っ走るのは、すべて政権維持のためだ。米国にシッ
ポを振れば、政権は安泰という魂胆である。
「小泉首相はもともとタカ派議員ではなかった。９３年のカンボジアＰＫＯで日本人
の文民警察官が殺された時には『血を流してまでとはとんでもない』と発言している。
そもそも、外交や安保には感心も興味もない。それが首相に就任して豹変したのは、
米国の言いなりになっていた方が、政権維持には得策という計算からです」（国会関
係者）
　こんな男に、あと３年も首相をやらせていいのか。今度の総選挙で、国民は重大な
判断を問われているのだ。

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                  「政権交代」で実現する「改革」と「景気」
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　小泉自民党を政権の座から引きずり降ろして、新・民主党中心の政権ができれば、
この国はどう変わるのか。
　ハッキリしていることは官僚と族議員が手を握った政治が断ち切られ、まっとうな
構造改革が行われることになる。それは官僚に対する菅代表と小泉との姿勢を見れば
一目瞭然だ。厚生大臣時代の菅は、抵抗する官僚を怒鳴りつけて薬害エイズの資料を
出させ、検察捜査の突破口をつくった。一方、厚生族の小泉は一貫して薬害エイズに
は知らんぷり。そればかりか業者から賄賂をもらっていた岡光序治・次官が辞任した
際（後に逮捕）、退職金を払った大臣でもある。
　小沢氏も官僚には厳しい。小泉の骨太改革第３弾の「三位一体」について「補助金
削減などはゴマカシ。（官僚の既得権益確保の）システムを壊さない改革は意味がな
い」と批判している。官僚と族議員を排除すれば構造改革の８割は達成できたも同然。
利権政治を続けてきた自民党に改革などどだい無理な話なのである。
　非自民政権ができれば、景気回復も一挙に進む。民主党の経済・財政政策はこうだ。
まず庶民が財布のヒモを固くしている年金、医療、介護などの将来不安を取り除くた
めの予算を重点配分する。無駄な公共事業費や天下り法人を削り、８．８兆円を継続
的雇用分野を中心に配分して１００万人の仕事をつくり、大胆な起業支援で中小企業
を活性化させるという。
「抵抗勢力が主張するような安易な財政出動はやりません。税金の無駄遣いを徹底的
になくし、それを中小企業や地方に回すのです。つまり自民党政治がやってきた枠組
みを変えることが景気回復の早道ということです」（民主党担当者）
　もちろん、自衛隊のイラク派遣はナシ。外交方針は国連中心主義になるから、小泉
流のブッシュベッタリの軍国化はストップすることになる。

                    ▼ この秋は国民にとって重大な岐路 ▼

　こうして見れば、秋に行われる解散・総選挙は国民にとって重要な選択となった。
この国を小泉路線で沈没させるのか、それとも新・民主党中心の政権で日本を再生さ
せるのかの岐路といってもいい。「誰が首相でも同じ」とか「野党は頼りなくて……」
などと四の五の言っている場合ではないのだ。前出の斎藤文男氏が言う。
「このところ政治にシラケていた無党派層は投票所に行かなかったが、今度は重要な
選挙です。反自民の受け皿政党もできつつある。こうした人が投票に行くだけでも投
票率が上がり、組織票が頼りの自民党・公明党をしのぐ可能性があるのです」
　今度の選挙で有権者は自民党と公明党以外の候補者に投票してみるべきだ。庶民イ
ジメとマヤカシ改革の小泉政治を変えるにはそれ以外に手はない。


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■ ブッシュ政権の“ウダイ”“クサイ”遺体写真公開は完全なウラ目
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                   ◆ 世界中が野蛮な米国に非難ごうごう ◆

　米軍が公開したフセイン元大統領の長男ウダイと二男クサイの遺体写真は、案の定、
完全に裏目に出たようだ。マフィアじゃあるまいし、自らが殺した人間をさらすなん
て、先進国では前代未聞だし、世界中が野蛮なブッシュに非難ごうごうなのである。
　法大教授の須藤春夫氏（マスコミ論）が言う。
「米国の遺体公表は暴挙というしかありません。マスコミに遺体を確認させて報じて
もらえば、イラク国民もフセインの息子２人の死を納得したはずです。それをわざわ
ざ公開したのは、憎い宿敵を殺害した満足感に浸るための米国のエゴだと思います。
戦争中、アラブのテレビ局が米兵捕虜の映像を流した時、米国は『ジュネーブ条約違
反だ』と大騒ぎしました。立場が変わった途端、ひどいことを平然とする米国は身勝
手です」
　英紙デーリー・メールは１面トップで『おぞましい写真を公表していいのか』と米
国を批判。イタリアのレプブリカ紙は『ジュネーブ条約違反だ』と指摘。フランスの
リベラシオン紙やフィガロ紙もそろって米国を非難している。
　米国は写真を公開することで、イラク国内に潜伏するフセインの残党に戦意喪失さ
せる狙いがあったようだが、この思惑も外れた。ヨルダンのイスラム教組織「イスラ
ム行動戦線」の幹部は非難声明を出し、アラブ首長国連邦の衛星テレビは親フセイン
派グループが米国へ“ジハード”を誓う姿を放映した。
「ブッシュ大統領は旧フセイン政権の残存勢力の攻撃が弱まると見込んで写真を公開
したのでしょうが、見当違いもいいところです。イスラム世界には遺体を尊ぶ伝統が
ある。異教徒の米国が伝統を踏みにじり、さらし者にしたのですから、イラクの親フ
セイン派はもちろん、アラブ社会全体を敵に回したようなものです。すでにエジプト
やシリア、ヨルダンからイスラム原理主義者が続々とイラクへ入国しているという情
報があります」（静岡県立大助教授・宮田律氏＝イスラム地域研究）
　まるで血に飢えているかのようなブッシュ政権の戦争はいつになったら終わるのか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月25日号 -1

■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  これから先は一体どうなるのか
  小泉アメリカ身売り政権が進めてきた有事法制、テロ対策特措法そしてイラク
  特措法という一連の軍国法案の制定の後に当然予想されている日米軍事共同作戦
  本当にこんな憲法違反のズサンな法律を適当な審議で成立させてよいのか

 ■ 《りそな資料流出》金融庁内大騒ぎ　「高木長官続投」もペンディング
 ■ “総選挙目前”民主・自由かけこみ合併の衝撃度
 ■ 奇弁、強弁、居直り…党首討論
    国民に通用する自信があるなら小泉首相よ解散してみろ！！
 ■ 「辻元逮捕は公平じゃない」佐高信、落合恵子らが声明
 ■ 《年金運用１年で３兆円損失》どうしてくれる！　政府の株価ＰＫＯが元凶
 ■ 【話題の焦点】
       ・ やはり「小泉内閣では今の不況を乗り切れない」との結論に達したそうだ
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ エコノミスト誌編集長ビル・エモット直撃インタビュー（上）
       ・ 産業再生機構の第１号案件に決定か　九州産交をめぐる金融機関の思惑
       ・ 眼鏡レンズにＤＶＤ映像　ミノルタが開発中
       ・ トップひと言


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ これから先は一体どうなるのか
■ 小泉アメリカ身売り政権が進めてきた有事法制、テロ対策特措法そしてイラク
■ 特措法という一連の軍国法案の制定の後に当然予想されている日米軍事共同作戦
■ 本当にこんな憲法違反のズサンな法律を適当な審議で成立させてよいのか
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  米ブッシュの世界秩序維持路線に奴隷のように従っている小泉ファッショ政権の
  メチャクチャな暴走は近い将来予定されているイランと北朝鮮への先制攻撃にも
 加担しこの国に再び重大な不幸をもたらすだろうという深刻な懸念の声も出ている
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　フセインの息子のウダイとクサイが米軍に銃殺されたという。米政府発表だから、
遺体が本物なのかマユにツバして聞いた方がいいが、確かなのは、今もイラクではド
ロドロの戦闘が続いていることである。
　そんな「戦闘地域」へ自衛隊員を派兵するイラク特措法が、自民党と公明党の数の
力であす（２５日）にも参院本会議で強行採決される。党首討論で小泉首相が「非戦
闘地域なんて、私に分かるはずがないじゃないですか」と口走ったが、これに象徴さ
れるように、ズサンな法案が適当な審議で成立されようとしているのだから狂気のさ
ただ。明大教授の山田朗氏（現代政治）が言う。
「結局、小泉首相は自衛隊員に犠牲者が出ても構わないのでしょう。犠牲者が出たら
“満足な武器を持たせないのがいけなかった”と議論をスリ替え、武器使用の基準緩
和にもっていけばいいくらいにしか思っていないのです。
　これでは戦闘地域に放り出される自衛隊員がかわいそうです。自衛隊のあり方や戦
争放棄の憲法を根底から覆す重大法案が、こうも簡単にいい加減な形で成立していい
のか。国民はもっと危機感をもたないといけませんよ」
　その通りだ。小泉政権になって、有事法制、テロ特措法、そしてイラク特措法と、
一連の軍国法案が次々と現実になっている。海外の戦闘地域に自衛隊を派兵するとい
う“最後の一線”まで突破だが、これはまだ“通過点”にすぎない。国民はボンヤリ
してはいられないのだ。

                     ▼ 次の狙いは北朝鮮攻撃への出動 ▼

　自公の横暴を許し、戦争法案の相次ぐ成立を黙認していると、大変なことになって
しまう。次にくるのはイラン、北朝鮮への自衛隊出兵である。
　一橋大大学院教授の渡辺治氏（政治学・憲法）が月刊誌「世界」の８月号で、小泉
政権は「イラクの次をにらんで軍事大国化の次のステップをめざしている」と指摘し
ている。
〈次とは何か。ブッシュ政権の意欲から言ってそれが北朝鮮、イランであることは間
違いない〉〈もしイラク特措法を通すようなことがあれば、政府は次の北朝鮮攻撃を
にらんで自衛隊の朝鮮半島での活動を可能とするよう周辺事態法の修正を提起してく
るに違いない〉〈イラク特措法を通すことで、日本はブッシュ政権の推進する力によ
るグローバル秩序維持路線にはっきり加担することを内外に表明することになる〉
　アメリカ・ブッシュ政権の言うことなら、自衛隊も国も売り渡す奴隷のような小泉
のやりたい放題を許していたら、次は北朝鮮危機が現実になってくるのだ。

              ◆ イラク戦争と似てきた米国の北朝鮮脅威の誇張 ◆

　事実、ブッシュ政権は北朝鮮をたたこうと虎視眈々だ。「北朝鮮がプルトニウムを
抽出できる第２の核燃料再処理施設を建設」とか「放射性ガスクリプトン８５を検出」
などと北朝鮮の脅威を伝える一方的な報道が相次いでいるが、これらは米政府当局が
メディアにリークした情報。前出の山田朗氏は「初めに攻撃ありきのキャンペーンと
しか思えない」と、こう言う。
「米国は、中ロ韓、そして日本で北包囲網を構築し、北の核兵器開発計画を放棄させ
ようとしていますが、これは表向きの話。ブッシュ大統領とネオコン（新保守主義）
の本音は“ならずもの国家”である北の脅威をあおり、予防的先制攻撃を仕掛けるブ
ッシュ・ドクトリンに尽きます。ブッシュ大統領はこのところ支持率が低迷し、また
戦争を支持率回復の手段にしようとしている。中東情勢の進捗にもよりますが、国際
世論が整えば年内にも攻撃という事態になりかねません」
　フランスの週刊誌「カナール・アンシュネ」は９日「米国防総省のタカ派は、北朝
鮮の核施設に先制攻撃を仕掛けることも考えている」と報じた。同誌は、攻撃の時期
は来年の大統領選挙後の可能性が高いとしているが、いずれにしても、北朝鮮攻撃と
なれば日本は地理的にかつてない全面軍事支援を求められる。

                    ▼ 憲法違反首相のハラは見えている ▼

　軍事ジャーナリストの神浦元彰氏がこう言う。「米のネオコンは寧辺の核施設破壊
だけを局地攻撃すればいいなどと楽観視していますが、たとえミサイル一発でも落と
せば、とんでもない事態に発展します。北朝鮮は中国と同盟関係にあるので、攻撃す
れば自動的に中国が出てくるし、北朝鮮は３８度線にスカッドＣなどのミサイル５４
基を配備している。米の攻撃と同時に金正日は“死なばもろとも”で即、ソウルに撃
ち込むでしょう。自衛隊に出動要請が来るのは言うまでもありません」
　その時、小泉首相は自衛隊出動を拒否できるか。「ノー」である。これまでの憲法
無視の国会答弁からみて「核を隠し持っていた北朝鮮が悪いんだ」「これは自衛の戦
争だ。自衛隊を出してどこが悪い」と開き直るのは目に見えている。前出の渡辺治氏
は「有事法制とイラク特措法は、ブッシュ新戦略に対して日本が同盟国の地位を確保
するためにアメリカに提供した２つの貢ぎ物であった」と指摘しているが、“北朝鮮
特措法”が３つ目の貢ぎ物にされる。
　このまま憲法違反ヘイチャラの小泉にあと３年も政権を任せ、暴走を許していたら、
国民は北朝鮮戦争で本当に地獄を見ることになってしまう。

            ◆ 「平和」唱えてきた公明党と大マスコミの罪は重い ◆

　それだけに、イラク特措法は絶対に成立させてはならない。このハードルを越えた
ら、日本は取り返しのつかないことになってしまう。
　本来なら「平和」を唱える池田創価学会に支えられた公明党が反対に回るだけで、
法案は潰れる。北朝鮮攻撃への道連れから日本は逃れられるのだ。ここは池田大作名
誉会長に登場してもらって、著書や雑誌の対談で「平和」の尊さを説いているように
公明党の幹部を叱ってもらうしかないが、残念ながら、そんな動きはまったく見られ
ない。永田町では「政教一致の公明党は憲法違反のイラク新法も丸のみするしかない
んだ」といった痛烈な皮肉さえささやかれている始末だ。
　それなら、数でかなわない野党に代わって、大マスコミが悪法成立の阻止に立ち上
がり世論を喚起することだが、大新聞やＮＨＫ以下のテレビ報道を見ていると、こち
らも絶望的だ。
「有事法制の論議の頃から、日本のマスメディアの姿勢は完全に変わってしまいまし
た。小泉政権の狙いは、法案の細部など関係なく、日本を戦争のできる国にもってい
くことなのに、マスメディアは真正面から反対することをやめてしまった。法案の不
備や国会答弁について、ちょっと批判的なことを報じる程度で、小泉政権と同じ土俵
に上がってしまったのです。だから、少し法案を修正されると批判できなくなってし
まう。平和を守る、憲法を守るという大原則を捨ててしまったことが致命的です。こ
れなら小泉首相は楽なものですよ」（法大教授・須藤春夫氏＝マスコミ論）
　むしろ、イラク特措法のあまりのデタラメと危険に感づいた世論の方が賢明だ。あ
のＮＨＫの世論調査でも「イラク特措法に反対」が「賛成」を大きく上回っている。
それなのに、大マスコミは「アメリカや政府に盾突くのは損」とばかり、見て見ぬフ
リだ。あすの法案成立まで自公の暴走に傍観を決め込んでいる。
　イラクで自衛隊員の死者が相次いだり、アメリカの北攻撃に日本が駆り出されるこ
とになったら、朝日やＮＨＫも小泉と同罪であることを覚悟すべきだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月24日号 -1

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2003年 7月24日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  恐らく米英のマスコミなら徹底的にやる　亡国政治の批判追及
  それで日本のメディアはどうするのか
  イラクの大量破壊兵器を巡る情報操作疑惑で米英の
  メディアがそれぞれの政権批判を強めているというが、
  全く同じ疑惑の日本の小泉政権にはどう対応するのか

 ■ 「私はこうやって秘書給与をピンハネされた」
 ■ 菅・小沢　合流会議を再開
 ■ 東京海上４０億円の所得隠し
 ■ 社会保険庁職員が骨抜きにされたバブリー接待の中身
 ■ こんなに儲かる「少女ビジネス」
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 阪神優勝が日本経済さらなる落ち込みの引き金を引く！？
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ リップルウッドの内情と野望　ダイエー球団売却問題ではっきりしてきた
       ・ それでも名乗りを上げない　三井住友みずほのホンネ
       ・ 《日本経団連》奥田碩会長「続投」にやる気マンマン
       ・ 《サッポロビール》話題の「エビス〈黒〉」の販売再開
       ・ 《全日空》「のぞみ」に対抗して往復割引運賃６％値下げ
       ・ 日興グループ・仰天リポート「亀井首相誕生」なら株価急上昇！？


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 恐らく米英のマスコミなら徹底的にやる　亡国政治の批判追及
■ それで日本のメディアはどうするのか
■ イラクの大量破壊兵器を巡る情報操作疑惑で米英の
■ メディアがそれぞれの政権批判を強めているというが、
■ 全く同じ疑惑の日本の小泉政権にはどう対応するのか
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 今、自衛隊をイラクの戦場に派遣するという憲法違反の法案が強行成立寸前だが、
      社会の木鐸、この国の大新聞ＴＶはこの法案に賛成なのか、反対なのか

                この悪法成立を阻止するために野党の徹底抗戦も
        期待されるが、恐らく解散の脅しに負けて腰砕け必至の情けなさ。
   この国のマスコミも野党も国民のためには全く頼りにならないという末期症状
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　イラク戦争を強行したブッシュ米大統領とブレア英首相が、マスコミの袋だたきに
あって大ピンチに立たされている。大量破壊兵器（ＷＭＤ）の脅威を理由に戦争を始
めたが「本当はＷＭＤなどなかったのではないか」と徹底追及されているのだ。
　米国マスコミがヤリ玉に挙げているのが、今年１月のブッシュの一般教書演説であ
る。
　ワシントン・ポスト紙（１２日付）は、３カ月以上前に不正確と認識済みだったの
に「イラクのウラン購入計画」情報を盛り込んで脅威をあおったと批判。２０日付の
ニューヨーク・タイムズ紙は「ブッシュ政権の高官や情報当局者は、９８年以降、イ
ラクに大量破壊兵器情報がなくなったことを知っていた」と暴露した。
　英国では、ＢＢＣ放送が「ブレア首相の側近が報告書の脅威を誇張した」と情報操
作疑惑に火を付けた。「ＢＢＣの情報源」だった博士が自殺したことで、メディアの
ブレア批判はますます高まっている。

                       ◆ 同罪なのに小泉だけは安泰 ◆

　ＷＭＤの存在を口実にイラク戦争に加担したのは、小泉首相も同じだ。ブッシュ、
ブレアのようにマスコミにたたかれて当然である。ところが、日本の大新聞・ＴＶは
沈黙したままだ。
「ブッシュ、ブレア、小泉の疑惑は同じだから、３カ国で一斉に火が噴かなければお
かしい。それなのに小泉首相は『今でも大量破壊兵器はあると思っている』と強弁し、
『フセインが見つからないからといって、フセインがいなかったことにはならない』
と奇弁を弄して居座っている。それもこれも大マスコミが米英のメディアのように厳
しく追及、批判しないからです。小泉首相は『日本のマスコミは甘っちょろい』とナ
メ切っているはずです」（立正大教授・金子勝氏＝憲法）
　立大教授の門奈直樹氏（ジャーナリズム論）も「メディアの役割は、ブッシュに加
担した小泉首相の姿勢を問いただしたり、この戦争に大義があったのかを厳しく論評
することです。ところが日本の大新聞やＴＶは、その役割を完全に放棄している」と
言う。
「ブッシュもブレアもマスコミ報道で支持率が急落しています。米誌タイムとＣＮＮ
の世論調査では、ブッシュ支持が５０％と５月調査から６ポイント下落。英デーリー・
テレグラフ紙の調査では『ブレア政権は信頼できない』が７０％近くに達した。議会
の追及も本格化し、２人はアップアップの状態。一気に窮地に追い込まれているので
す」（シンクタンク研究員）
　ところが小泉だけは追及されず政権も安泰。ブレアが「ラッキーマン」と言うのも
うなずける。

              ◆ 憲法違反の「イラク法案」が素通りのデタラメ ◆

　小泉内閣は大マスコミの追及が甘いのをいいことに「イラク特措法」を強行成立さ
せ、自衛隊を派兵する方針だ。
　あす（２４日）、参院の外交防衛委員会を通過させ、２５日には参院本会議で成立
させる算段でいる。イラクにＷＭＤがあったのかなかったのかなど、お構いなしだ。
欧米のマスコミだったら、こんな勝手なことは絶対に許さない。
「イラク特措法は、明らかに憲法違反です。憲法が禁じる集団的自衛権の行使に抵触
するし、侵略戦争に加担することになる。元防衛庁教育訓練局長までが『明確な海外
派兵であり、憲法９条違反』『あんな国会答弁がまかり通るのはおかしい』と廃案を
求めて国会に要望書を出しているほどです。政府は『自衛隊は非戦闘地域に派遣する』
と答弁しているが、米兵が次々に“戦死”しているイラクのどこに非戦闘地域がある
のか。だいたい、首相自ら『自衛隊員が殺すことも、殺されることもある』と明言し
ている。イラクが戦地だと認識している証拠です。それでも与党は数の力で強行採決
に持ち込もうとしている。日本のメディアがだらしないからです」（金子勝氏＝前出）
　日本の平和憲法を踏みにじるこんなムチャクチャな法案が、大マスコミのテイタラ
クで、大した混乱もなく成立しようとしているのである。

                   ◆ 賛否の示さず他人事決め込む無責任 ◆

　もし米英で、政府が法治国家の基礎を崩壊させるデタラメ法案を強行採決しようと
したら、メディアは大騒ぎだ。連日、キャンペーンを張って、政府を徹底追及するの
は間違いない。
　ところが、社会の木鐸であるはずの日本の大新聞・ＴＶは、中立報道を隠れミノに
して「イラク特措法」に賛成なのか反対なのかも明らかにしないのだから、どうしよ
うもない。
「憲法違反の疑いがある法案があすにでも通るというのに、賛否を掲げて論陣を張っ
ている大マスコミは皆無です。この期に及んでまでも『イラク法案　最大のヤマ場』
『与党、きょう中の採決提案』『海外派兵、未知の領域へ』などと他人事を決め込ん
でいる。立場を鮮明にすることで、読者を減らしたくないという“商業主義”もある
のだろうが、権力と対立しても損をするだけと政府批判を控えているのがミエミエで
す。国営放送なのにブレア政権と大ゲンカしている英ＢＢＣテレビとは雲泥の差です」
（評論家・岡本愛彦氏）
　朝日新聞など、わざわざ世論調査を実施して「イラクへの自衛隊派遣」に国民の５
５％が反対していると１面で大きく報じているくせに、それでも自分たちの主張を打
ち出そうとしない。米英メディアとの落差は、ガク然とするほど大きいのである。

              ◆ 大マスコミは役割放棄、野党は無力の末期症状 ◆

　こうなると悪法成立を阻止するためには、野党の徹底抗戦に期待するしかないのだ
が、まったくアテにできない。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「野党第１党の民主党は、イラク特措法を廃案に持ち込む方針を打ち出し、内閣不信
任案や問責決議案を提出しようとしている。しかし、どこまで貫けるかは疑問です。
小泉首相に『廃案にするなら選挙で信を問う』と解散をチラつかされたら、腰砕けに
なるのは目に見えています。かといって護憲平和の社民党や共産党に期待しても、党
首の辞任問題とセクハラ・スキャンダルで身動きがとれない。野党は、まったく当て
にならない状態です」
　大マスコミは社会の木鐸の役割を放棄し、野党は完全に無力化。これでは小泉首相
はトコトン暴走し続けるだけだ。
「小泉政権は、有事立法、テロ特措法、イラク特措法と戦後５０年以上守ってきた平
和主義を、次々にぶっ壊しています。そろそろ止めないと、日本は本当に大変なこと
になる。カギを握るのはやはりマスコミ。メディアが警鐘を鳴らさなくなったら日本
は戦前に逆戻りしてしまう。マトモな言論機関がない国では、健全な野党も育たない
し、民主主義も機能しません」（本澤二郎氏＝前出）
　大新聞・ＴＶと野党が本腰を入れて小泉政権をぶっ潰さなければ、日本はおしまい
だ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月23日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  そこまでやるのかという声も出ている
  寄ってたかって辻元前議員と社民党を叩いているが、
  この逮捕は果たして公正公平なものなのか
  警察情報をたれ流すだけのこの国の大マスコミに要注意

 ■ 道路公団・藤井総裁更迭論　総裁選に利用する小泉首相の厚かましさ
 ■ 九州集中豪雨災害（死者・不明２２人）
    強まる「人災」の声　警報の遅れとオンボロ気象衛星
 ■ 運送会社から土屋前知事に数百万円献金
 ■ 小泉支持率　自衛隊イラク派遣で急落！
 ■ 経産相に再稼動容認伝達　柏崎刈羽原発４号機で新潟知事
 ■ ＜ロト６出目予想＞　４億円狙いのカギは下１ケタ
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 精神分析の専門家がアドバイス
          子供の“異常”を見抜く６つのシグナル
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 第１四半期決算発表ラッシュ　注目企業のチェックポイント
       ・ 会長と社長が米系日本人
          杜の都に“シリコンバレー風”社屋のユニーク企業
       ・ 夏休み中もイマイチ！　ＪＡＬ、ＡＮＡともに予約率は７割未満
       ・ 米ＧＭ、過去最高の値引き


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ そこまでやるのかという声も出ている
■ 寄ってたかって辻元前議員と社民党を叩いているが、
■ この逮捕は果たして公正公平なものなのか
■ 警察情報をたれ流すだけのこの国の大マスコミに要注意
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              ------------------------------------------------
                    恐ろしいことだ、邪魔者を消すためなら
                 何でもありのこの国の権力のやり口に疑惑の目

               警視庁には強い影響力を持つといわれる創価学会・
               公明党の冬柴幹事長が「土井たか子党首は辞めろ」
                  というのも、何か語るに落ちた感じという声
              ------------------------------------------------

　辻元清美・前衆院議員ら４人の秘書給与詐欺容疑の「逮捕」を釈然としない思いで
見ている有権者は多い。
　事件の構図はハッキリしている。政界で横行してきた「秘書の名義貸し」だ。社民
党首の土井たか子の側近秘書・五島昌子を指南役に、勤務実態のない女性２人を政策
秘書に登録。その給与約１９００万円を政治活動資金に流用という単純な事件だ。昨
年３月に発覚した際には「みんなやっていること」といわれ、与党も有識者による秘
書制度調査会を設置せざるを得なかった。
　奇妙なのは辻元逮捕後の大新聞・テレビの報道である。何の裏もない明快な事件な
のに、さも重大事件のように大騒ぎ。寄ってたかって辻元や社民党をブッたたき、次々
と“罪状”を書き立てている。
「事務所経費でなく地元活動費に流用」「名義貸しは土井党首の事務所で協議」「資
金のほぼ全額が急に引き出された」「辻元周辺には日本赤軍関係者がいる」といった
調子。だが、ほとんどが警察情報の無批判なたれ流しだ。
「今回の逮捕劇は職権乱用を問われかねない問題です。メディアは逮捕の是非につい
て徹底検証すべきです。ところが、異議を唱えると捜査情報が取りづらくなるとの理
由からか、捜査批判は社説でちょっと触れているだけで、右へ倣えで警察情報を一方
的に流し、辻元たたきに走っている。あまりの荒廃ぶりに言葉も出ません」（椙山女
学園大教授・川崎泰資氏＝ジャーナリズム論）
　かつて、辻元を「政界のジャンヌ・ダルク」なんて持ち上げてきたマスコミは、逮
捕を機に手のひらを返して、警察サイドに立ち、辻元ら４人を「日本の政治を汚した
極悪非道人」に仕立てているのが現状だ。

               ◆ 辻元は逮捕、他は放置では公正・公平を欠く ◆

　そもそも辻元ら４人の逮捕は公正・公平なものなのか。事件を冷静に見つめれば、
政治的道義的責任は大きいが、刑事事件としては逮捕して身柄を拘束するほどのもの
ではない。
　辻元は「ワークシェアしていた」と詐取を認め、不正に受け取ったカネは法定利息
を付けて国に返納している。政治活動への流用はしても私的流用は確認されていない。
警視庁は「捜査への非協力」を逮捕理由にしているが、関係者は渋々でも任意の聴取
に応じており、露骨な捜査妨害をしたわけではない。
　辻元は次の総選挙に出馬する準備をしており、今さら逃亡や証拠隠滅の恐れはまっ
たくない。しかも、流用金額は２年間で１８８２万円と大した額でなく、疑惑の表面
化から１年４カ月も過ぎている。捜査当局はこの間、一体何をしていたのか。事件の
受け手となる検察は辻元逮捕には慎重だったとされ、元最高検検事の土本武司氏（帝
京大教授）は「捜査に着手して１年以上もかかって時効直前に逮捕したのは不思議だ」
とコメントしている。
　警察の捜査手法に疑問を投げかける者は多い。朝日の投書欄にも〈税金の使い方を
問題にするなら、収賄容疑で拘置所にいるのに多額の歳費を受け取る議員はどうなの
か〉〈もっと巨悪がほかにあるのではないか〉との声が寄せられていた。九大名誉教
授の斎藤文男氏（憲法）が言う。
「秘書給与をめぐっては、辻元氏以外にも疑惑議員はゴマンといます。保守新党の松
浪健四郎氏は暴力団系企業に秘書給与を肩代わりさせても居直っている。似たような
疑惑を指摘されている田中真紀子前外相の方が手が込んでいる分、悪質といえます。
また、後援企業に秘書給与を肩代わりさせたり、親族を秘書にして給与をチョロまか
している議員は後を絶たない。それを見過ごし、辻元氏だけ逮捕では、何らかの意図
がある捜査としか思えません」
　辻元逮捕は明らかに公正・公平を欠いている。

              ◆ １０月解散で短期決着迫られた捜査当局の事情 ◆

　この時期の辻元逮捕は、捜査当局の都合、メンツが深くかかわっているとの見方は
強い。
「警視庁が辻元周辺の人物を呼んで事情聴取を始めたのは、永田町で年内解散が取り
ざたされ始めた今年の４月下旬からです。６月に辻元本人から事情聴取、そして７月
に逮捕というのは、明らかに１０月解散を意識した動きです。捜査が長引いたのは、
警察と検察のスタンスが違っていたためです。検察は９８年に中島洋次郎（自民党）
の秘書給与詐取を立件。この“警告”で名義貸しをやめた議員は立件しない方針で、
辻元もそのケースとしていた。しかし、１０月解散が有力になり、決着を先送りする
時間がなくなった。解散の直前に捜査では選挙妨害の非難を浴び、選挙後では捜査怠
慢になる。もし、当選でもされたら手を出せなくなる。４人を逮捕したのは、短期決
着を迫られた捜査当局のご都合主義、メンツ維持のためです」（捜査事情通）
　それを裏付けるように、マスコミの裏側ではさまざまな情報が流れている。「捜査
当局は辻元に『容疑を認め、次期衆院選への出馬を取りやめれば書類送検にとどめる』
と取引を持ちかけたが、辻元に拒否されたので逮捕した」「辻元は以前、日本赤軍と
かかわりを持っていたとみる公安当局の意向が働いた」といったものだ。
　捜査当局の都合やシナリオ通りに動かない者は即逮捕――辻元逮捕には、弱みを見
せた邪魔者を消すためには何でもありという、公権力の恐ろしさを感じる。

               ◆ 土井社民党の“大ゴケ”で喜ぶのは誰なのか ◆

　辻元の逮捕劇で奇妙な感じがするのは、公明党の対応だ。東京都議会の与党として、
警視庁に強い影響力を持つといわれてきた創価学会・公明党は、辻元とともに土井側
近秘書が逮捕されたことで、声高に「土井辞めろコール」を始めている。
　その急先鋒は冬柴幹事長。与野党幹事長が顔をそろえた２０日のサンデープロジェ
クト（テレビ朝日）でも、ひとり突出していた。野党が「今の段階の情報では軽々に
言えない」（岡田民主党幹事長）と態度を留保。自民党の山拓幹事長さえ「（辞める
辞めないは）土井さんの政治判断。公党の命運にかかわることですから内政干渉はし
ません」と慎重だったのに、冬柴幹事長だけは「辞めるのは当然」と言い切った。神
崎代表も同日、「土井氏は監督責任を明確にすべきだ」と辞任を迫っているから、公
明党の方針なのは明らかだが、「公党の幹部が他党の党首に辞めろと言うのは異様」
（川崎泰資氏＝前出）である。何か決定的な事実でもつかんでいるのか。
　ともあれ、辻元の逮捕で社民党は終わりだ。セクハラでミソをつけた共産党に続き、
「革新勢力」の中心を担ってきた社民党の大ゴケで「保守対革新」がしのぎを削って
きた戦後民主主義の政治体制は完全に崩壊だ。政治評論家の山口朝雄氏がこう危惧す
る。
「今の政治の流れに憲法を中心に据えて抵抗しているのは、社民党と共産党だけです。
民主党が、奥田碩・日本経団連会長から『自民党とどこが違うのか』と言われる現状
で、この２党が消えてしまうとズルズルと改憲に流されていく危険がある。マスコミ
が大悪人のように報じる４人の逮捕を有権者は冷静に見ていく必要があります」
　辻元逮捕の大マスコミ情報には要注意である。



─【竹中・塩ジイだけじゃない　小泉内閣の無能有害大臣たち】─ 連載 ─────
 ▼ 石破　茂（防衛庁長官） ──
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                  ----------------------------------------
                      イラクで自衛隊員の犠牲しかたない
                   論客に見えるが実は「プラモデル防衛論」
                  ----------------------------------------

「軍艦の名前や性能をスラスラ言えるのは恐らく歴代の防衛庁長官の中でも彼だけ」
（防衛庁職員）
　だが、その知識も趣味のプラモデルで学んだものというから笑える。永田町の誰も
が石破を「軍事オタク」と言う。
　国会で「これほど出番が回ってくるとは思わなかった」と石破本人は周囲に漏らし
ている。イラク支援法案審議の答弁のことだ。が、その内容は実にお粗末。軍事アナ
リストが厳しく批判する。
「彼の言っていることはしょせん米軍の下請け話ばかり。日本の安全保障をどう確保
するかというところまで踏み込む理論も度胸もない。アメリカべったりのポチ・コン
サバティブ（ペットの犬のように米保守派についていくだけの意）ですよ」
　石破が防衛庁長官に抜擢されたのは去年９月。若手論客のタカ派起用と話題を集め
た。だが、小泉には別の狙いもあったという。
「アフガニスタンのテロ特措法延長やいずれ来るイラク攻撃などで、自衛隊派遣の問
題が浮上することは分かっていた。そのときディベート好きの石破は使いやすい。し
かも、野党と正面衝突して政権にマイナスが出そうになったら、簡単にクビも切れる。
便利な存在というわけさ」（永田町関係者）
　石破の「議論好き」が空論にすぎないことは、実は過去に証明されている。平成５
年に自民党が分裂したとき、石破は政治改革の急先鋒だった。中選挙区論者を徹底的
に批判し、自民党を離党したまでは潔かった。ところが、新生党、新進党と渡り歩い
たあと、恥も外聞もなく自民党に復党。しかも、中選挙区制にもっともこだわった橋
本派に所属。「相手を論破することにひたすら酔いしれるだけ。要は口ばかり」（森
派幹部）ということなのだ。
　イラクへの自衛隊派遣でもこんなことを漏らす。ある著名な政治評論家と懇談し、
石破はこう言ったという。
「イラクで自衛隊員が犠牲になっても仕方ない。そういう場所だから自衛隊員が行く
んだ」
　その日の国会の特別委員会では、質問に対して「きちんと線引きして派遣は非戦闘
地域に限る」と答弁したが、やはりそれは建前。政治評論家は苦笑する。
「議論が白熱して、熱くなった石破は“死んでも仕方ない”と本音を口にした。危な
いなあ」
　石破が得意げに話すのは、キャンディーズやモーニング娘。の振り付けまで覚えた
ことや、戦艦や戦闘機のプラモデル作り。
「彼の防衛論はプラモデルの世界。イメージの戦争でしかない」（軍事アナリスト＝
前出）
　こんな長官のもとで、自衛隊員たちはイラクに行かされようとしているのだ。


─【矢野絢也の永田町一刀両断】─ 連載 ───────────────────
 ▼ 腰が定まらぬ反小泉勢力
    敵のエラー待ちではすでに「勝負あった」 ──
──────────────────────────────────────

　小泉首相の“舌攻”が快調だ。「再選されれば私の公約が党の公約になる。従って
もらうのは当然だ」「私の政策を支持する人に内閣で働いてもらいたい」などと、総
裁再選後の内閣改造でも小泉流を貫く構えだ。
　これに自民党首脳は怒り狂い、「ヒトラーや北朝鮮みたい」（江藤隆美氏）、「ご
乱行」（中曽根元首相）と反発は党内に渦巻く。小泉支持の森前首相や青木幹雄参院
幹事長もきりきり舞いだ。森氏は、１４日ソウルで「『オレの言うことがすべてだ』
というのは民主主義国家ではあり得ない」と語り、青木氏も「小泉は全然言うことを
聞かない」と側近にこぼす。
　首相は野中広務元幹事長を念頭に「もともと（郵政の）民営化の議論もしちゃいけ
ないという人じゃないか。私を総裁にしなければいい」と直撃。野中氏は「思い上が
りだ。われわれも小泉さんに代わる総裁を考えている」と激しく反発した。追い打ち
をかけるように首相は「ライオンが年取ったときは、群れを追い出されて自然死する」
と憎まれ口をたたく。
　これだけ聞いていると、今にも血の雨が降りそうだが、抵抗派はまだ口先だけだ。
首相への対抗馬が一本化されるどころか、最大派閥の橋本派も各派も総裁候補を擁立
する見通しが立っていない。
　今のところ、首相の再選戦略は順調に見える。首相にとって気がかりな点は、最近
の支持率の低下傾向とイラクでの米兵への攻撃激化だ。時事通信社が１７日まとめた
世論調査では、小泉内閣の支持率は前月比４．１ポイント減の４４．１％で、４カ月
ぶりに減少した。女性は６．２ポイントと大幅減だ。理由は相次ぐ女性蔑視発言と自
衛隊員イラク派遣への懸念。それに「討論拒否の高飛車な首相答弁への反発」との見
方もある。
　イラクでのゲリラ戦はロケット弾まで使用され、米兵の死亡は増加の一途。国際機
関の車が銃撃を受け、今後の人道支援も危険視されている。小泉支持率の低下に自民
党実力者は「良いことだ。少しは首相も反省するだろう」（橋本派長老）と言い、反
小泉派首脳は「イラク派遣前の今ですら、すでに支持率は減少傾向。もっと下がれば
“小泉首相では選挙ができない”と総裁選での空気が一変する」と期待をにじませる。
　これでは全く他人任せの小泉降ろしだ。反小泉派がこんな腰抜けでは再選後の首相
は怖いものなしで、「老いたライオンは追い出され」、ボスたちは一掃されそうだ。
小泉再選の一番の成果は、案外、これかもしれない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月19日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  今イラクでゲリラ戦が始まったと米中央軍司令官が言明
  それでも自衛隊を派遣する憲法違反の法律の審議を続行するのか、
  税金ドロボーの国会議員たち
  完全にベトナム戦争同然に泥沼化したイラク

 ■ 《小６少女４人監禁》ロリータ・ビジネス　闇の実態
 ■ ジャスダックは大ショック　ヤフー東証１部鞍替えの裏舞台
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 「大人が楽しめるドラマがない」と嘆いている人に…
          ＮＨＫ衛星第２で再放送されている７０～９０年代の名作ドラマ
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 赤字続きだったネット証券
          黒字転換（第１四半期）で一気に淘汰が加速！！
       ・ ニッポン放送第２位株主に躍り出た
          Ｍ＆Ａコンサルティング村上世彰氏の本当の狙い
       ・ ゴーン社長　米ビッグスリーに苦言　……他


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 今イラクでゲリラ戦が始まったと米中央軍司令官が言明
■ それでも自衛隊を派遣する憲法違反の法律の審議を続行するのか、
■ 税金ドロボーの国会議員たち
■ 完全にベトナム戦争同然に泥沼化したイラク
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      毎日殺されているアメリカ兵。イラクのゲリラは７～８人のグループに
                 組織的に編成され激しい戦闘を行っているが、
         米兵は厭戦気分で自殺者続出。上官批判をする軍曹まで出ている

                  アメリカ国内も大変なことになっているぞ。
       ここまで来ても小泉ポチ公のやりたい放題を放置していていいのか。
    経済失政から目をそらすための戦争協力法など絶対廃案にしなければダメだ
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　イラクが大変なことになっている。バグダッドを陥落させ全土を占領中の米軍兵士
がバンバン撃ち殺されているのだ。
　米中央軍のアビザイド新司令官は、１６日の会見でこう言っているのだ。
「イラクでは古典的なゲリラ型の戦闘が米軍に対し行われている」「ロケット弾やマ
シンガンで武装した６人から８人のグループが自由に攻撃を仕掛けている」「米軍は
バース党の残党とイラク全土で戦っている。地域的に組織化されており、これは間違
いなく戦争だ」
　ここ２日間に起こった戦闘はこんな具合。旧サダム空港で、着陸しようとした米軍
の輸送機が、地対空ミサイルによって攻撃された。バグダッド郊外を移動中の米軍車
両が爆破され、３人が死傷した。バグダッド北西のハディサ市では親米派とされる市
長と息子が射殺された。
　米軍兵士らの犠牲者は毎日出ていて、５月１日のブッシュ「戦争終結宣言」以降、
戦闘や事故を含めて死者は８０人以上。
「終結宣言」前までの米兵死者が１３９人だったから、戦争は継続中なのである。軍
事ジャーナリストの神浦元彰氏が言う。
「ブッシュの終結宣言で米国政府も日本政府も『予想以上の成果』と言っていました
が、これは表層的な見方です。終結したのはバグダッド空爆と正規軍戦。それ以降は
ゲリラ軍対米軍の“非対称戦”で、米軍はいつどこから攻撃されるか分からない戦闘
を毎日強いられているのです」
　ブッシュは「わが国はまだ戦争状態」「かかってこい」と挑発しているからイラク
全土での戦争は、終息どころかこれからが本番なのである。

                  ▼ 泥沼のベトナム戦争に似てきたイラク ▼

　この“非対称戦”と呼ばれる対ゲリラ戦は、正規軍＝米兵をクタクタに疲れさせる。
イラク正規軍との戦闘ならば、レーダー探知で敵陣を探して空爆でミサイルを撃ち込
み、その後に戦車や歩兵でなだれ込めばＯＫ。ところがゲリラ戦では、見えない敵を
警戒して四六時中緊張を強いられる。銃弾だけでなく地対空ミサイルや偽造爆弾にま
で神経をとがらす。しかも、米軍兵士は自陣にこもっているのではなく、バグダッド
の治安警戒をはじめ、フセインやその息子、バース党の残党組を掃討するために、イ
ラク全土に展開せざるを得ないのだ。
「連日の猛暑で体力が落ちている上に、見えない敵との緊張で米軍兵士の士気はそう
とうに落ちています。上官を批判した軍曹が処分されたり、ゲリラへの恐怖で自殺す
る若い兵士もいる。米政府は兵員の早期交代を検討しています」（事情通）
　ある米兵はＴＶインタビューに「自分の身を守るのが任務だ」と答えていたが、そ
れが現状だろう。前出の神浦元彰氏が言う。
「イラクの現状はいよいよベトナム戦争と似てきました。敵が見えないゲリラ戦、兵
士の厭戦気分、指揮命令系統の乱れ、先の見えない戦い、そして何よりも異教徒によ
る占領に対する国民の反発――。これはすべてベトナム戦争が泥沼化した要素なので
す」
　ブッシュの勝利宣言はウソだった。イラクでは今、展望のない戦争の真っ最中なの
である。

                ▼ ブッシュのウソがバレて米国内もガタガタ ▼

　米国国内もガタガタ。なにしろ、イラク侵攻の大義が崩れてしまったのだ。ブッシ
ュ大統領が今年１月、「イラクが相当量のウランをアフリカから入手しようとした」
と述べた一般教書演説を、ホワイトハウスが“デッチ上げ”と認めたからだ。前代未
聞の政権ぐるみの隠蔽工作に米国民は怒り狂っている。
　ワシントン・ポストとＡＢＣテレビの合同世論調査によると、大統領支持率は２年
前の９・１１テロ発生直前の５９％にまで下落。もはや、来年１１月の次期大統領選
で、ブッシュ再選の目はないと言っていい。国際政治学者の浜田和幸氏がこう言う。
「米国民はブッシュ政権を『すべてがウソで塗り固められたデッチ上げ政権』と疑惑
のまなざしで見始めています。ラムズフェルド国防長官は『大量破壊兵器の存在は推
測だった』と居直り、ウォルフォウィッツ国防副長官は『戦争をするための役所の方
便だった』と言いだしている。つまりは戦争の理由はウソということで、連邦議会や
軍事委員会で、ホワイトハウスへの追及が始まっています。ブッシュ大統領はウォー
ターゲート事件で失脚したニクソン元大統領のような運命をたどるかもしれません」
　まだある。イラク戦争が米国の経済悪化に拍車をかけているのだ。
「これまでにかかった戦費は４８０億ドル（約５兆６６４０億円）。これは当初予定
の２倍です。さらにゲリラ戦でイラク駐留費用毎月３９億ドル（約４６００億円）が
重くのしかかるのだからたまらない。失業率は６％と高止まり。米国民は暴動寸前で
す」（在米ジャーナリスト）
　米国と二人三脚でイラク戦争に突入した英国も似た状況で、ブレア首相は議会やマ
スコミの袋だたき状態。泥沼イラク戦争に本国も大変になってきた。

               ▼ 現実無視のイラク新法で自衛隊は確実に死ぬ ▼

　全土が戦闘地域でベトナム戦争化するイラク。ところが、そこに「戦後復興を支援
しますよー。ただし活動は非戦闘地域ですよー」と自衛隊を派遣するマヌケな法律を
作ろうとしている首相がいる。ブッシュのポチ公・小泉である。いったい、どこが戦
後で、どこが非戦闘地域なのか。評論家の岡本愛彦氏が言う。
「参議院で審議中のイラク特措法は二重の意味で間違っています。まず、憲法違反の
集団的自衛権の行使にあたる法律だということ。もう一つは、政府が説明する『自衛
隊の活動は非戦闘地域だけ』というのは不可能だということです。イラク全土は、連
日、米兵が死んでいる危険地域なのに、米国はその中でも極めて危険な“三角地帯”
と呼ばれる中部バラドを自衛隊の活動場所に指定してきました。『米兵が死んでいる
のだから、自衛隊も血を流せ』というのが米国の本音なのです。それを分かっていて
イラク派兵法を強行する小泉首相はどうかしています」
　福田官房長官は「バラドでの活動は難しい」と及び腰の発言をしているが、イザ派
兵したら、四の五の言えないのだ。政府は自衛隊員の死亡給付を７０００万円から１
億円に引き上げた。ホンネでは「自衛隊員が死ぬ確率が高い」と思っているのだ。
　こんなに現実とかけ離れたイラク特措法は４日に衆議院通過後、参議院で審議中。
ところが、与野党ともにやる気なしで、これじゃあ税金ドロボーだ。
　何度も言う。間違いだらけのイラク戦争には米国の大義もないし勝算もない。そし
てイラン、北朝鮮にも戦争を拡大しようとするブッシュ。そこに忠犬よろしくお供す
る小泉首相を、国民は本当に支持していいのか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月15日号 -1

■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  こうしてずるずると戦前へ回帰
  前回はアメリカの敵国として今回は属国として
  イラク特措法を成立させたあと自衛隊を戦場に派遣し
  本物の軍隊として勝手をやるらしいが、永田町はすでに翼賛体制だし、
  左翼は無力化したこの国の前途は暗黒

 ■ 米国「北朝鮮に核攻撃」の仰天情報
 ■ “土屋埼玉知事疑惑”資金団体の会計責任者　長女の運営組織でも監査担当
 ■ 効果あるの？　イラク国民に「復興支援」アピール
 ■ 土屋ファミリーが業界からせしめた凄まじい裏金
 ■ ＜ロト６出目予想＞　“逆完全ミニロト状態”の狙い目
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 警世の書「裁判官が日本を滅ぼす」が暴き出した
          トンデモ裁判官たちの恐るべき行状
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 飲酒運転罰則強化から１年　客離れ激しい郊外型外食産業大ピンチ
       ・ 「無法外資」の著者が警告　“ハイエナ外資”との賢い付き合い方
       ・ ２４時間放送ＴＶショッピングが大ウケ


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ こうしてずるずると戦前へ回帰
■ 前回はアメリカの敵国として今回は属国として
■ イラク特措法を成立させたあと自衛隊を戦場に派遣し
■ 本物の軍隊として勝手をやるらしいが、永田町はすでに翼賛体制だし、
■ 左翼は無力化したこの国の前途は暗黒
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   ----------------------------------------------------------------------
    明治以来、お上のいいなりに、いいように振り回されてきたこの国の庶民。
        個人としての自覚もなく長いものに巻かれてきたお人好しの愚民。
              それに乗じて社会の木鐸としての責務を一切放棄して
           権力に癒着し営利追求第一の大新聞ＴＶ。この国はもう一度
           悪夢を見るしか道はないらしいという心ある識者の嘆きの声
   ----------------------------------------------------------------------

　イラク特措法の成立が確実だ。戦後初めて自衛隊を戦地に送る重要法案なのに、議
員たちは解散・総選挙で浮足立って、まともな国会審議はナシ。２３日にも参院本会
議で採決され、賛成多数で可決となる。
　しかし、ちょっと待ってもらいたい。そもそもこの特措法の前提は崩れている。
　政府は「自衛隊が活動するのは非戦闘地域」と説明するが、今のイラクに非戦闘地
域などあるのか。ブッシュは「わが国はまだ戦争状態」「かかってこい」と戦争を終
わらすつもりがない。おかげで命を落とす米兵は増えるばかり。５月１日のブッシュ
「戦闘終結宣言」以降も８０人以上が死亡し、宣言前の１３９人を超えるのは時間の
問題だ。
　イラク戦争の正当性もなくなってしまった。米英では、政府がデマ情報でイラクの
脅威をあおった疑惑が噴出。ＣＩＡのテネット長官は「私の責任」と調査のデッチ上
げを認め、ラムズフェルド米国防長官も「新たな劇的証拠はなかった」と推測で戦争
を始めたことを認めた。戦争に大義などなかったのだ。
　世界中の国が米国にダマされていたわけだ。だから過去３６回、国連の要請で海外
派兵したインドは、米国にあきれて派兵を保留した。それでも日本は自衛隊をイラク
に送り込もうとしているのだからデタラメだ。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「日本の国会はまともじゃなくなっています。小泉首相がウソつきブッシュに約束し
た憲法無視の法案に対し、野党も体を張って阻止するような姿勢をみせない。成り行
き任せで時間の経過を待っているだけです。国会は完全に空洞化しています」

                ▼ イラク特措法の次が何かはサルでも分かる ▼

　しかも政府は、自衛隊派兵の恒久法をつくろうとしている。自衛隊をノーズロで海
外に送れるようにするつもりなのだ。立正大教授の金子勝氏（政治学）が言う。
「恒久法ができれば、内閣の一存で、いつでも、どこにでも自衛隊を出せるようにな
ります。戦争が起きるたびに国会での審議も必要なくなるから、国民が批判しようが、
正当性が疑われようがおかまいなし。米国の要請があれば、自動的に自衛隊を戦場に
送るようになるのです。いわば“戦争の無政府主義”による“戦争やりたい放題法”。
戦前の日本の軍国主義と同じになります」
　小泉政権が成立してから２年で、日本は一気に軍国化した。１０年前、ＰＫＯ法で
自衛隊を派遣したのが第一歩。テロ特措法で米軍支援に乗り出し、有事法制で国内戦
争体制が完成した。イラク新法では自衛隊を戦地に派遣する。この次に何が待ってい
るかはサルでも分かる。自衛隊が海外で戦争する軍隊に“昇格”するのだ。そのため
の恒久法が来年実現するのである。

                      --------------------------------
                       戦前の大政翼賛会に似てきた国会
                      --------------------------------

　海外で戦争できる軍隊を持つ国家――第２次世界大戦の敗北を機に、憲法で否定し
たはずのものが復活しようとしている。戦前は米国を敵国にしたが、今回は米国の言
いなりの属国。その違いはあるもののズルズルと戦前の国家体制に回帰しつつあるこ
とは間違いない。
　しかも、そんな重大な転換がロクな国会審議もないままに進められている。事実、
国会も戦前の大政翼賛会に似てきているのだ。九大名誉教授の斎藤文男氏（憲法）が
言う。
「イラク特措法は日米安保条約だけでなく、政府見解でも否定されている憲法違反の
集団的自衛権の行使にあたる法律です。本来なら解散・総選挙で信を問うか、政権が
吹っ飛ぶような問題なのに、国会ではさしたる反対もなく決まるというのは異常です。
有事立法も議員の９割の賛成で成立しているのですから、もはや言論の府としての機
能は失われていますよ」
　本来なら政権与党をチェックし、暴走にブレーキをかけるべき野党が、小泉政権と
一緒にアクセルを踏み続けているのだからどうしようもない。とりわけ軍事問題では、
与野党若手が「タブーに挑戦」とかなんとか言って「新国防族」（自民党６６人、民
主党３２人）をつくり、集団的自衛権の実現を目指して動いているのだから、チェッ
クなど期待できない。
　日本軍国主義が太平洋戦争に突入した前年の昭和１５年、帝国議会は反軍演説をし
た斎藤隆夫議員を除名し、戦争遂行のために野党をはじめ政党全部が解党して大政翼
賛会を結成した。そして議会は軍部の言いなりの事後承認機関に成り下がり勝算のな
い戦争に突っ込んでいったのである。
　まともな審議もなく与野党議員の９割が法案に賛成する今の国会は戦前の大政翼賛
会と似てきた。なんだかんだと批判があったものの、横暴な法案には審議拒否で対抗
した自社対決の５５年体制のほうがまだマシな国会だったのである。

                    ▼ 明治以来、常に犠牲になった庶民 ▼

　戦争国家の中で最大の犠牲を強いられるのは国民である。明治以来、庶民は国家に
よっていいように支配され、戦争に駆り出されてきた。赤紙の召集令状一枚で一家の
大黒柱や跡継ぎを兵隊に取られて殺された。戦費捻出のために苦しい生活を強いられ
た揚げ句、戦時国債を買わされて敗戦と同時に紙くずにされた。
「勝った、勝った、また勝った」という大本営発表のニセ情報を信じていたら、いき
なり本土空襲で焼け死んだのも庶民だ。沖縄県民は米軍の盾として日本兵の前に立た
され、１２万人が殺された。日本兵の死者が６万５０００人だったからひどい話であ
る。戦争になれば、国家は国民をそんな扱いしかしないのだ。
　こうした反省から戦後の憲法では「すべての国民は個人として尊重される」（１３
条）と、国家からの相対的自立が明記されているのだが、今これが崩されつつある。
一見すると、戦争とは無関係に見える自民党幹部や閣僚の発言である。森喜朗の「子
供をたくさん産んだ女性に、国がご苦労さんといって年金をあげるのが本来の福祉。
子供を産まない女性は、好きなことをして人生を謳歌しているから、税金で面倒を見
るのはおかしい」とか、鴻池祥肇防災担当相の「長崎市の男児殺人犯の親は、市中引
き回しの上、打ち首にすればいい」という発言である。これこそ個人よりも国家を重
視する彼らのホンネなのである。評論家の室伏哲郎氏が言う。
「まさに戦前の国家主義です。森発言は『産めよ増やせよ』という戦前のスローガン
そのままで、産まない女は非国民ということ。また鴻池発言は連帯責任論で、戦時中
の相互監視、相互責任の『隣組』の発想です。マスコミは暴言と報じましたが、これ
が彼らのホンネ。“個人は国に従う存在だ”と明言しているのです」
　文科省は新教育指導要領に「愛国心教育」を盛り込もうとしている。個よりも公を
優先する国家政策が森や鴻池みたいな考えの連中によって復活するのだ。かつて詩人
の故・寺山修司は「身捨つるほどの祖国はありや」と詠んだが、腐敗政治と対米追従
のこの国に「身をささげよ」と強制するほうがどうかしている。

                 ------------------------------------------
                  国民は再び戦禍にあわないと目覚めないのか
                 ------------------------------------------

　そんな自民党政府の暴走をいさめるべきマスコミが無批判というか腑抜けだからど
うしようもない。
「早くイラクに自衛隊を出せ」とせっつく読売や産経は論外としても、比較的マトモ
といわれた朝日まで「有事立法に賛成」の論調だ。
「露骨な政府批判はマズイ」とか「保守的な読者が離れる」という商業主義なんだろ
うが、社会の木鐸であるマスコミがこれでは政治家はやりたい放題である。
　国会は翼賛体制だし、マスコミは腑抜け――となると国民がしっかりするしかない
のだが、これが心もとない。前出の室伏哲郎氏が言う。
「戦後占領したマッカーサーが『日本人の精神年齢は１２歳』と言いましたが、現在
は１４歳程度でしょうか。戦争の反省から個人の尊厳を守る憲法があるのに、相変わ
らず『長いものには巻かれろ』という考えしかない。自民党政治のどうしようもなさ
や、戦争の危険性を知りながら、投票となると集団回帰で自民党を勝たせてしまう。
日本を変えるには革命など必要ではなく投票で変わるのに“一票一揆”すら起こさな
い。だから『痛みに耐えろ』と言われても支持するし、軍拡と国家主義の小泉首相が
再選確実と言われるのです。日本人はもう一度戦争の悪夢を経験しないと変わらない
のでしょうかね」
　再び戦争で思い知る――。わが国の国民はそれほど愚かなのか……。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月10日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  それみろ、いいようにアメリカになめられている小泉政権下の日本
  沖縄での強姦致傷容疑者の日本への引き渡し拒否やイランの
  油田開発へ干渉。ブッシュにシッポばかり振っている見返りがこれだ
  それにしてもこの国の国民の小泉支持は異常だ

 ■ 竹中サン　だからアンタは「改革者」じゃない
 ■ 小泉再選構想の貧しい中身　〈月刊誌インタビュー〉
 ■ 株価１万円相場の行方　４つのハードルと怪しい内幕
 ■ 山拓「１１月９日投票」発言の真意
 ■ 東証、小幅高　ＮＹ市場も続伸
 ■ 「フセインがウラン入手計画」はウソ情報
 ■ タイガース定期預金「まさかの優勝」で金利負担７億円
 ■ 【話題の焦点】
       ・ これだけは知っておきたい　お墓の基礎知識
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ りそな「再生チーム」酷評の内情
       ・ 「巨竜」にのみ込まれる！
          中国・三九が《富山》東亜製薬“買収”の衝撃
       ・ 大阪空港でスッチーがビラ配り
       ・ 関西経済　阪神にマジック点灯で有頂天
       ・ ハウステンボスのスポンサー選び　野村系投資会社が急浮上


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ それみろ、いいようにアメリカになめられている小泉政権下の日本
■ 沖縄での強姦致傷容疑者の日本への引き渡し拒否やイランの
■ 油田開発へ干渉。ブッシュにシッポばかり振っている見返りがこれだ
■ それにしてもこの国の国民の小泉支持は異常だ
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    --------------------------------------------------------------------
       民主主義の先進国イギリスではイラク戦争に参加したブレア首相への
       批判が急増、支持率が急落という国民の政治意識水準の高さ正しさを
     実証しているが、日本では狂気のブッシュの忠犬ポチ公のデタラメ政治を
      圧倒的に支持というお粗末。小泉純一郎のアメリカ属国政権をこのまま
         続けさせたら日本の国益などふっ飛んでしまうがそれでいいのか
    --------------------------------------------------------------------

　多くの庶民は、アメリカの属国になりたいと考えているのか。そう思えてくるのは、
米国になめられ放題の小泉首相を、有権者の半数近くが支持しているからだ。
　小泉は忠犬・ポチ公とヤユされながら、ブッシュ米大統領に目いっぱいシッポを振
ってきた。とりわけ安保・防衛問題では、米国の要求丸のみ。アフガン戦争で「ショー・
ザ・フラッグ」と言われれば、インド洋に自衛艦を派遣。ブッシュが「イラクの大量
破壊兵器は世界の脅威」と叫べば、「その通りだ」と先頭を切って戦争を支持。「有
事法制を急げ」にもホイホイ応じ、イラク占領の米軍支援に自衛隊を出すために新法
までつくってみせる忠犬ぶりだ。
　そんな小泉にブッシュが与えた見返りは何か。国内で凶悪犯罪を犯した在日米軍兵
士の「身柄引き渡し拒否」であり、国策である「イラン油田開発」への横ヤリだ。
　米兵の凶悪事件が起きるたびにモメてきた身柄引き渡し問題では、新ルールづくり
が実務者レベルで進められている。
「協議のきっかけは、沖縄・金武町で５月に起きた海兵隊員の強姦致傷事件です。今
回も身柄引き渡しで長引き、逮捕まで３週間以上かかっている。そのため米国が新ルー
ルづくりを持ち掛けてきたが、協議は難航している。米側が『取り調べ段階での米政
府関係者・通訳の立ち会い』という独立国ではのめない条件を持ち出しているからで
す。日本側が渋っているため、米側は『好意的配慮』で認めている『起訴前の身柄引
き渡し』も拒否すると恫喝しているのです」（政府関係者）
　日本がイランで進めている油田開発の撤退要求もメチャクチャだ。
「イランのアザデガン油田の開発は、０１年７月に平沼通産相がテヘランに乗り込み、
ハタミ大統領と直談判して決めた国策です。契約調印の寸前に、イランの核開発疑惑
を理由に撤退を迫っているのは、中東石油支配のシナリオが崩れるからです」（石油
会社幹部）
　小泉流の対米ゴマスリ外交は、ブッシュ政権の思い上がりを助長しているだけなの
である。

               ◆ ブッシュの忠犬への要求は際限なく拡大する ◆

　小泉がブッシュの忠犬になり、いくら頭をなでられても、国や国民のプラスは何も
ない。国連も国際世論も無視し、「大量破壊兵器」という大ウソをデッチ上げてイラ
ク戦争を仕組んだネオコン（新保守主義者）が牛耳る狂気のブッシュ政権は、小泉が
考えるほど甘くはない。政治評論家・山口朝雄氏が言う。
「自分にシッポを振ってくる者はかわいがられるが、心の底では軽蔑され、軽くあし
らわれるのは外交の世界でも同じです。ましてや、小泉首相の場合は、ブッシュの後
ろ盾を得て政権維持を図る意図がミエミエ。かつての中曽根時代の“ロン・ヤス関係”
のように、個人的関係を売り物にする手法で、ブッシュと関係を悪くするわけにはい
かない。言いなりになるしかないのです」
　米国側もそうした事情を承知しているから、小泉内閣への要求は際限がない。イラ
クへの自衛隊派遣要求が実現すると今度は、「武器・弾薬を陸上輸送するための大型
ヘリ派遣」を求めてきたのがいい証拠だ。どんな理不尽な要求にも小泉は抵抗できな
いとナメられているのだ。
「主張すべきことを主張し、対立点を話し合うのが外交の基本です。言いなりになる
だけでは外交をゆがめ、国益を損なうだけです。世論調査では、内政はダメだが外交
はいい、という小泉評価が定着している。見栄えのいいパフォーマンスに惑わされて
いるのです」（山口朝雄氏＝前出）
　国民は小泉に高支持率を与えていいのか。真剣に考え直した方がいい。

                ◆ イラク戦争の片棒担いだブレアは政権危機 ◆

　ブッシュと二人三脚でイラク戦争に突入した英国のブレア首相は今、政治的危機に
さらされている。根拠のない情報でイラクの脅威をあおり、国民を戦争に誘導した疑
惑で支持率が急降下しているのだ。
　英政府が昨年９月に発表した報告書には、「イラクは命令から４５分以内に大量破
壊兵器を配備・使用できる」という記述が４カ所ある。ブレアは、この「４５分配備」
を何度も引用し、国民を説得する材料に使ってきた。
　ところがＢＢＣが、「４５分はデッチ上げ」とスッパ抜き、ブレアへの国民の怒り
に火が付いた。ガーディアン紙調査では、ブレアに対する国民の満足度は４月以降、
１０ポイントも下落。与党・労働党の支持も急落で、デーリー・テレグラフ紙の調査
では、保守党と逆転。英下院の外交委員会は７日、「脅威を歪曲した事実は認められ
なかった」とする報告書を出したが、国民は納得していない。民主主義の先進国では、
ウソツキ政権は風前のともしびだ。
　英国事情に詳しい同志社大教授の浜矩子氏（国際経済学）がこう言う。
「英国では、国民が政治にかかわる度合いが大きく、政治家の考えや姿勢を真っ正面
から受け止めます。当然、政治家にも真剣勝負が求められ、不正や背信が明らかにな
ったときの怒りは大きい。イラク開戦前、ブレアが小さなコミュニティーにまで出か
けて国民の説得を試みたのも、筋を通して自分の考えを開示しなければならない風土
があるからです。国会でノラリクラリと答弁、筋も通さなければ理念もないリーダー
を支持している日本とは、えらい違いです」
　大量破壊兵器が見つからず、戦争の大義名分が崩れても、内閣支持率は５０％前後
で高止まりの日本と英国の政治水準は、あまりにも違いすぎる。

                ◆ 小泉再選支持は米国の属国化望むのと同じ ◆

　小泉政権がこの先も続けば、日本は米国の５１番目の州になってしまう。自衛隊は
米軍の下請け軍隊になり、アジアでコトが起きれば最前線部隊だ。
「小泉首相は独自性、自主性という言葉を好んで使っていますが、とんでもない。米
国に頭が上がらなかった歴代首相の中でも、服従ぶりは突出しています。ブッシュに
肩を抱かれたり、背中に手を回されたりすると、見るに堪えないだらしない笑顔を見
せる。まるで主人に腹を見せてシッポを振るペット犬です。米軍と行動するようにな
れば、多数の自衛隊員が命を落とす危険性が高い。それで隊員不足になれば、米国に
徴兵制のための改憲を求められかねない。そんな国が独立国家といえるでしょうか」
（評論家・岡本愛彦氏）
　米国は経済にも容赦なく介入してくる。すでに日本はグローバルスタンダードの押
し付けでグチャグチャ。小泉失政も重なり、日本企業は米系ハゲタカファンドの食い
物にされている。ダイエー球団の買収でも、浮上してくるのはハゲタカの名前ばかり
だ。
「小泉首相にとってグローバルスタンダードとは、アメリカンスタンダードであり、
ブッシュスタンダードです。日本経済は今、理由のない株高が起き、デフレ下のミニ
バブルになっています。資金の流れがおかしくなっているのです。それなのに、小泉
政権は独自の視点で自発的に対策を打とうとしていない。この期に及んでも米国の肩
越しに経済運営を考えるような態度です。このままでは日本経済はもちろん、世界経
済もメチャクチャにする危険性があります」（浜矩子氏＝前出）
　小泉再選支持は米国の属国化を望んでいるのと同じ。５０％の支持を与える日本人
はどうかしている。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月 7日号 -1

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              ☆ 明日の『日刊ゲンダイ Dailymail』は休刊です ☆

 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  正気なのか狂気なのか小泉首相の目つき顔つき
  その時、小泉首相は不気味な薄ら笑いを浮かべた
  憲法違反のイラクへの自衛隊派遣法衆院通過の瞬間のテレビ画面

 ■ 本当に実現するのか　株価１万２０００円の仰天シナリオ
 ■ 衆院岡山１区から民主党公認で出馬する
    菅直人の長男（３０歳）の異色の経歴と評判
 ■ ＴＯＷＮ　ＷＡＴＣＨＩＮＧ
       ・ ケータイ、ペットも売っている　六本木ユニーク深夜営業店
 ■ 何でも出口調査隊
       ・ ＯＬに聞く「もしレイプされたらどうする」
 ■ 街中の疑問
       ・ ペットボトルの口径が飲料によって違うのはなぜ？


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 正気なのか狂気なのか小泉首相の目つき顔つき
■ その時、小泉首相は不気味な薄ら笑いを浮かべた
■ 憲法違反のイラクへの自衛隊派遣法衆院通過の瞬間のテレビ画面
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　衆院はきのう（４日）午後の本会議で、イラク特措法を与党３党などの賛成多数で
可決した。
　席を立って一礼した小泉首相は薄ら笑いを浮かべて、近くにいた閣僚らと握手をし
ていた。
　この笑顔は何なのか――。ＴＶで見て、ギョッとした人もいるのではないか。
　衆院を通過したのは、初めて自衛隊の地上軍を戦闘地域に派遣する危険法だ。そこ
には自衛隊を派遣する大義名分もないし、憲法違反の疑いもある。法案のあいまいさ、
修正を見越して作った原案をそのまま強行採決したデタラメ、あまりに短い審議日程
と、問題点を挙げていけばきりがない。
　そうしたことをすべてぬぐって、危険法案を強行突破し、恥じらいもなく笑える神
経――。これにはゾッとしてしまう。
　自由党の藤井裕久幹事長は法案通過について、真顔で「戦前回帰の恐れ」を語って
いた。法案に反対票を投じた自民党の稲葉大和元科学技術政務次官は「集団的自衛権
行使につながる恐れがある」と明言した。野中広務元幹事長、古賀誠前幹事長、西田
司元自治相の３人は採決の際に退席した。野中氏は「国の運命を決める重要法案だ。
自衛隊の死傷者、イラク国民の命を奪うようなことを思うと、政治家が責任を持つ記
名投票でないと納得できない」と真剣な表情で語っていた。
　これがマトモな神経ではないか。
　米英兵が６０人も死んでいる戦闘地域に自衛隊を派遣し、ブッシュに褒められるこ
とがうれしいのか、大笑いしている小泉首相はトチ狂っているとしか思えない。

         ▼ 憲法違反のデタラメ法で自衛隊員が何人死んでもいいのか ▼

　本紙は何度も指摘してきたが、本当にこの法案の危険性を挙げていけばきりがない
のだ。
　パキスタンのメディアが自国のイラク派兵に「パキスタン軍が侵略軍になってしま
う」「誰もパキスタン兵に対するイラク兵の攻撃を阻止できない」と批判していたが、
これはソックリ、自衛隊に当てはまる。政府は「自衛隊が行くのは非戦闘地域だ」と
いうが、「イラク全土が戦闘地域」と米英軍のマキャナン現地司令官は明言している。
もちろん、本当は危ない任務であることを政府はよく知っているから、「持っていく
武器に法的制限はない」（石破茂防衛庁長官）などと言っているのだ。イラク人にし
てみれば侵略軍にしか見えない自衛隊が攻撃を受けるのは火を見るよりも明らかだし、
その瞬間、おぞましい戦闘行為が始まることになる。
「それなのに、法案通過の瞬間に薄ら笑いを浮かべていた小泉首相は、とても正気と
は思えません。おそらく、会期内での法案成立が確実になり、ブッシュ大統領との約
束を果たせることで、万々歳なのでしょうが、そのために日本はブッシュ大統領の世
界戦略をアシストする軍事化路線を突き進む運命になった。よくぞ、笑っていられる
ものです。最近の小泉首相を見ていると、独裁者ヒトラーと重なって見えます」（政
治評論家・本澤二郎氏）

               ▼ ブッシュにほめられることしかない頭にない ▼

　おそらく、この首相は今や、ブッシュと一心同体くらいのつもりになっているのか
もしれない。だから、誰が見てもいい加減な法案をいい加減な審議で通して、自衛隊
が何人死のうが、集団的自衛権に抵触しようが、お構いなし。要はブッシュ・米国に
協力できればいいのである。
　そういえば、小泉首相は国会で「大量破壊兵器がないじゃないか」と問われ、「フ
セインだって見つかっていないじゃないか。だからいないのか？」とメチャクチャな
論法で居直っていた。一事が万事で国会をなめているとしか思えない。こんな首相だ
から、民主主義を踏みにじり、憲法をないがしろにしても、痛痒を感じないのである。
評論家の岡本愛彦氏はこう言う。
「まさに戦後最悪最低の首相です。この人には平和を守ろうという哲学、理念すらな
いのでしょう。今度の法案はテロ特措法やＰＫＯ法と全く違う。戦場のド真ん中に日
本の自衛隊を送り出そうという法律です。本当にイラクが安全だと言うなら、まず自
分で行ってみろと言いたい。そうすれば、笑ってなんかいられないはずなんです」
　多くの識者が小泉首相の笑いに驚き、「こんな首相に任せていたら？」と慄然とし
たのである。

        ▼ 戦争法案に退席している野中元幹事長の方がはるかにマトモ ▼

　こうなると、抵抗勢力の代表にされ、改革潰しの悪役にされている野中広務元幹事
長の方がはるかにマトモに見えてくる。
　イラク特措法をめぐってはこんなエピソードもある。
　小泉・自民にスリ寄って、ダブル選挙を回避してほしい一心の公明党が、早々と特
措法提出に賛成の意向を決めた時だ。冬柴幹事長に「本気か」と詰め寄り、冬柴氏が
「考えているのはイラク周辺国だ」と答えると、「神崎代表が言っていることと違う」
と噛みついたという。かと思うと「あんたらが山崎幹事長の言うままに賛成に回ると
は思わなかった」と吐き捨てた場面もあったそうだ。
　野中氏といえば、沖縄米軍基地の特措法が９割の賛成で可決された時にも、「大政
翼賛会的にならないように若い人にお願いしたい」「沖縄県民を軍靴で踏みにじる結
果にならないように」と右傾化に釘を刺している。０１年１０月のテロ対策特措法の
時も退席している。ブッシュにシッポを振ることしか考えていない狂気の首相よりよ
っぽど芯が通っているし、見ていて安心できるのである。
「戦前の日本は、政治家が軍部の暴走にストップを掛けられずに国を破滅させました。
政治家が主体的な判断力を失ったときに悲劇は訪れるのです。与党の政治家を見て、
マトモな判断力を持ち合わせているのは野中元幹事長くらいかもしれません。少なく
とも、野中さんは戦争の悲惨さを肌身で知っている。小泉首相と比べれば、はるかに
バランスのとれた常識人です。戦争を知らない小泉首相や石破防衛庁長官の暴走を何
とか食い止めなければ、戦前の二の舞いになってしまいます」（岡本愛彦氏＝前出）
　ＴＢＳの世論調査ではイラク特措法に約８割の国民が反対していた。それなのに、
強行採決で薄ら笑いの狂気の首相。
　この首相を一刻も早く引きずり降ろさないと、次は笑って徴兵制を強行し、その次
は笑って戦争をおっ始めることになる。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 7月 5日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  再びやってきた「君死にたまうことなかれ」の時代
  このまま法案が成立し自衛隊がイラクに派遣された後、
  確実にやってくる自衛隊の国軍化、そして若者への徴兵制兵役義務
  これから先はどうなるのか識者に聞いてみた

 ■ 「年金権夫婦分割」の衝撃！！　夫に三行半の妻が急増する
 ■ レイプ容認　シラジラしいおとぼけ答弁
    何を言っているのか福田長官ドノ
 ■ 国債投げ売り　長期金利１．３％に上昇
    デフレ下の株高のツケが出てきた
 ■ りそな監査の食い違いめぐり紛糾
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 「クビ切りしか能がない日本企業の経営者はまず自分のハラを切れ！」
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 《産業再生機構》第１号案件ズレ込みの舞台裏
       ・ ヨーカ堂・井坂社長が宣戦布告！　イオンに対抗深夜営業に本格参入
       ・ 中元商戦でも阪神グッズが大人気！　早期割引やネット受注が好調
       ・ 今、一番会いたいのは両親（住友生命「七夕」調査）


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 再びやってきた「君死にたまうことなかれ」の時代
■ このまま法案が成立し自衛隊がイラクに派遣された後、
■ 確実にやってくる自衛隊の国軍化、そして若者への徴兵制兵役義務
■ これから先はどうなるのか識者に聞いてみた
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              ------------------------------------------------
               明白な憲法違反の法律を詐欺師同然の手口を使って
                 次々に成立させている自公保ファッショ政権の
                やりたい放題で国と国民の将来は真っ暗闇の中へ
              ------------------------------------------------

　きょう（４日）、イラク復興支援特別措置法案が衆院で可決し参院に送られた。参
院でも与党３党は多数決で押し切るから法案成立は確実である。
　大新聞・ＴＶはこの法案をめぐる与野党の駆け引きや、それぞれの党内事情は報じ
ているものの、肝心の法案の危険性や問題点をまともに取り上げた報道はほとんどな
い。イラク特措法こそ憲法を踏みにじり、自衛隊を海外で戦争ができる軍隊にするた
めの突破口なのである。評論家の岡本愛彦氏が言う。
「これほどズサンで憲法をないがしろにした法案はありません。自衛隊派遣の根拠を
一連の国連決議にしていますが、そもそも国連決議には米国の武力侵攻を認める文章
は１行もない。また自衛隊の活動内容に『米英軍の支援』を挙げていますが、武器・
弾薬・兵員輸送は明確な軍事行動で、これは憲法に違反するもの。さらに『活動は非
戦闘地域で実施』というが、現在のイラクは全土で戦闘が行われ、５月のブッシュ勝
利宣言以降６０人もの米英軍兵士が死んでいます。これほど実態とかけ離れた法案は
珍しいですよ」
　しかも、国会での審議はいい加減極まりないものだった。衆院に特別委員会をつく
りながら初日の審議だけで与党幹部は「論点は出尽くした」などとうそぶいた。野党・
民主党は党内で賛成・反対の意見がまとまらず、ロクな質問もできずじまい。結局、
与野党の国対や水面下の交渉で妥協したのである。
「政府・自民党は法案内容の譲歩をチラつかせ、解散の脅しをかけながら民主党を取
りこもうとし、一方の民主党は総選挙間近を意識して対決ポーズを取りつづけて審議
はお座なりのまま。与党は単独強行採決はイメージが悪いと、結局、イラク特措法と
一緒に成立させるつもりだったテロ特措法改正（期間延長）を引っ込めて民主党の採
決出席の了解を取り付けたのです」（事情通）
　きのう、福田官房長官は「自衛隊の安全性確保の観点から本格調査をしたい」と言
っていたが、何の調査もせずにこの法案を作ったことを自己暴露した。実質審議ナシ
で与野党双方がメンツを立てる談合採決――。そんな詐欺的手口で重要法案が成立す
るのである。

                ▼ 「イラク特措法」の次は「集団的自衛権」 ▼

　小泉首相や自民党が何を狙っているかは明白だ。ズバリ、自衛隊を米国と一緒に海
外で戦える軍隊にすることである。この１０年、政府がなし崩し的に自衛隊を軍隊化
してきた経緯を振り返れば一目瞭然だ。
　カンボジアなどに出かけたＰＫＯ法はとにかく自衛隊を海外に出すことが目的だっ
たし、アフガン戦争で米国から「ショー・ザ・フラッグ」と言われて作ったテロ特措
法で自衛隊の米軍支援を既成事実化した。そして今回のイラク特措法は、米国に「ブー
ツ・オン・ザ・グラウンド」とせかされ、とにかく戦場に自衛隊を派遣することが目
的である。
　このように見ていけば、自衛隊に次に何をさせようとしているのかは自明だ。
　東京国際大の前田哲男教授（軍縮論）が言う。「政府の最終的な狙いは自衛隊を米
軍と一緒に戦闘できる軍隊に仕立てあげることです。政府は『活動は非戦闘地域だけ』
と説明していますが、ゴマカシです。米兵が何人も死んでいる危険地域で米英軍の支
援をするのですから、自衛隊員も命を落とす確率が高い。しかし、死者が出ても撤退
はありえず、『もっと武器を重装備にしろ』『自衛隊の増派が必要』とエスカレート
して、本格的な戦闘行為に発展する可能性も否定できません」
　自衛隊の軍隊化への布石は着々と進んでいる。自民党が作った改憲要綱案には、自
衛隊を「国防軍」に改称し、集団的自衛権の行使も盛り込んでいる。しかも、石破防
衛庁長官や民主党の前原誠司氏ら超党派で、集団的自衛権を見直す議員連盟まででき
つつある。
　日本の軍事費は軍事超大国の米国、ロシアに次ぐ世界３位。これが米軍と一緒に世
界中に派遣されることになる。完全な軍国・ニッポンの始動だ。

                       ▼ 徴兵制の復活は時間の問題 ▼

　北朝鮮、イラン、シリア、リビア……。米国が攻撃を仕掛けそうな国は山ほどあり、
自衛隊が米軍にくっついて行動すれば、犠牲者は激増する。命の危険にさらされるこ
とが分かれば、自衛隊を辞める者が出てくるし、入隊希望者も減るはずだ。となると
兵隊確保のためには徴兵制復活か兵役義務の強制しかない。
　評論家の茶本繁正氏が言う。
「集団的自衛権を認めれば、米国の日本に対する派兵要請がやむことはない。窮した
政府が画策するのが徴兵制や兵役義務の復活です。今国会で成立した有事法制は実質
“国家総動員法”です。徴兵制も確実に実施しますよ」
「いつか来た道」にまっしぐらに突き進んでいるのが、小泉政権下の日本なのである。

                  ▼ 自公保ファッショ政治の先にあるもの ▼

「君死にたまうことなかれ」――。これは与謝野晶子が日露戦争に出征した弟の無事
を祈って詠んだ詩（明治３７年）だが、そんな時代が確実に再来する。徴兵制で駆り
出された日本軍が海外で戦争し、国内は有事体制で基本的人権すら制限されるのだか
ら、これは戦前の暗黒時代そのままだ。
　それもこれも、すべてブッシュの忠犬・小泉首相と自公保ファッショ政権がやりた
い放題の政治を行っているからである。前出の岡本愛彦氏が言う。
「国民が政府にやってほしいことは景気対策です。経済苦で年間１万人もの自殺者が
出ているというのに、自公保政権は経済対策はほったらかしのまま米国の言いなりに
軍拡を進めている。自民党のタカ派国防族もさることながら、公明党は与党にいたい
ために党是だった平和と護憲まで捨ててしまったのですからひどいものです」
　与党議員がそんなに自衛隊によるイラク支援が大事というなら「隗より始めよ」で
ある。まず、自分の息子を自衛隊に入れてイラクに行かせるべきだ。小泉首相も長男・
孝太郎を売れないタレントなんかにしておかないで、入隊させればいい。「息子も国
のために派遣した」と言うなら、少しは説得力もあろうというものだ。
　自分と家族は戦争から遠ざけておいて、国民には「戦地へ行け」だの「自衛隊に入
れ」などと言うのはムシがよすぎる。国民は戦争国家になって戦地に送られるのが嫌
なら、即刻、この自公保政権を倒すべきである。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 6月27日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  トンデモナイ男が国会議員になり大臣をやっている恐ろしさ
  この難局を任せていたらこの国は一体どうなるか分からない
  国会審議が始まったイラク特措法、
  野党はまずこの問題発言の徹底追及が絶対必要
  この国の防衛庁長官はバッカじゃないの

 ■ １株８８５０円で７６万株　ダスキン役員保有株売り抜け疑惑浮上
 ■ 公明党　同日選回避の露骨な手口
 ■ 破局の前兆？　デフレ下のカネ余りで異常現象続々
 ■ 焼け太り！　“独立”国立大に大量の官僚天下り
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 役場ロビーの片隅で執務する静岡県吉田町長の“超・開かれた行政”
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 大手生保マッ青！　〈ＡＩＧ〉ＧＥエジソン買収の衝撃
       ・ 北京ツアーも再開！　“ＳＡＲＳ”旅行業界の“乾坤一擲”巻き返し策
       ・ 「全員が戦前生まれ！」　〈日立〉取締役へのキビシ～イ意見　……他

 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】
        阪神「日産」方式のチーム再建に落とし穴 ──


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ トンデモナイ男が国会議員になり大臣をやっている恐ろしさ
■ この難局を任せていたらこの国は一体どうなるか分からない
■ 国会審議が始まったイラク特措法、
■ 野党はまずこの問題発言の徹底追及が絶対必要
■ この国の防衛庁長官はバッカじゃないの
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 地方紙のインタビューで石破防衛庁長官がこういったそうだ。「国民が戦闘場面に
   いたために沖縄戦や東京大空襲でたくさん人が死にました。戦闘要員は残して
 みんな疎開していなければいけない。敵の侵害排除のために自衛隊がすべての力を
   使える状況をつくっておくために、国、都道府県、市町村、警察、消防がどう
   役割分担するか。一番大事なのは迅速性です」。全くなんという発言だろう。
              この発言だけで長官はクビ、有事法は廃止が当たり前
 --------------------------------------------------------------------------

「正体見たり」という言葉がピッタリくる。石破茂防衛庁長官が地方紙のインタビュー
でとんでもない発言を口にしていた。
　問題の記事は６月１４日付の北海道新聞。有事３法成立を受けて、こう言ったのだ。
「（第２次大戦当時は）国民が戦闘場面にいたために沖縄戦や東京大空襲でたくさん
の人が死にました。戦闘要員は残してみんな疎開していなければいけない。敵の侵害
排除のために自衛隊がすべての力を使える状況をつくっておくために、国、都道府県、
市町村、警察、消防がどう役割分担するか。一番大事なのは迅速性です」
　先の大戦では、疎開すべき国民が戦闘場面にいたから多くの犠牲者が出た。有事法
制を整備して、国民を排除しておけば、自衛隊も存分に力を出し切れる、という趣旨
である。
　耳を疑うセリフではないか。このインタビュー記事を読んだ朝日新聞の読者が投書
欄に「何という発言であろう。沖縄戦でたくさんの民間人が死んだのは兵士も民間人
も捨て石のように戦争に動員されたためではなかったか」とかみついていたが、その
通りだ。石破長官は歴史の教科書を開いたことがあるのか。

                   ▼ ボンボンの２世大臣が「キレイ事」 ▼

　１９３８年、日本は「戦時に際し、国防目的のため、国の全力を最も有効に発揮せ
しむるよう人的及び物的資源を統制、運用する」国家総動員法を制定した。有事立法
とソックリの趣旨だが、それはさておき、この国家総動員法にもとづき、３９年には
国民徴用令、４５年には「義勇兵役法」が施行され、男子は１５歳から６０歳まで、
女子は１７歳から４０歳まで戦争に駆り出されたのである。
　沖縄はもっとひどくて「超法規的に、事実上、年齢にほとんど関係なく根こそぎ動
員されて戦場に投入された」と元沖縄県知事で参院議員の大田昌秀氏は著書「有事法
制は、怖い」で書いている。それを言うに事欠いて、防衛庁長官が「国民は疎開して
いなければいけない」とはあきれてしまう。戦争を何だと思っているのか。そんなキ
レイ事で済むと考えているのか。正しい歴史認識を持っていれば、決して出てこない
セリフで、こんな人物が国防のリーダーでは困るのだ。
　大田昌秀氏があらためて言う。
「石破茂長官がそんなことを言っているとは驚きましたね。当時の沖縄県民は疎開し
ようにも軍が許さなかったのです。島から出ることさえ禁じられていた。そして、島
民は本土決戦の盾として駆り出されたのです。国務大臣として国を引っ張る人がこん
な歴史認識では困ります」
　もっとも、石破茂という政治家を見ていると、歴史認識の問題だけでなく、もっと
危険なにおいがプンプンする。戦後生まれのボンボン２世議員が戦争の現実を何も知
らないくせに「安全保障のエキスパート」を気取り、「国防」「国民保護」を免罪符
に有事法制を推し進めている姿はゾッとするのだ。イザ戦争になれば、国民保護も何
もないし、すべてに軍が優先するのは戦中、戦前派ならば誰もが知っている。彼らに
してみれば弱冠４６歳の青二才大臣が、シレッと国民保護を口にして、国民を欺くこ
とに何の痛痒も感じないのか、ウオーゲーム感覚で有事法制を急いでいる。
　こんな無知で危険な防衛庁長官を野放しにしていたら、とんでもないことになりそ
うだ。

           ◆ 過去にも問題発言のオンパレード、筋金入りのタカ派 ◆ 

　大体、石破氏の暴言、問題発言は新聞のインタビューだけではない。例えば、昨年
５月１６日の衆院有事法制特別委員会でこうブチ上げている。
「座して死を待つことが日本国憲法の予定するところではない。ほかに何も打つ手が
なければ先制攻撃も憲法上、法理論上はあり得る」
　こりゃ、ヒドイ暴言だ。
「自衛隊は専守防衛、国土防衛が前提で、先制攻撃はできません。とんでもない発言
ですよ」（東京国際大教授・前田哲男氏＝軍縮論）
　ところが、石破氏はこの発言を引っ込めるどころか、１週間後にもまた爆弾発言を
している。
「国を守ることが意に反した奴隷的な苦役だというような国は、国家の名に値しない。
徴兵制が憲法違反であるという議論には賛成しかねる」
　と公然と徴兵制合憲論を展開したのだ。１９８０年の政府答弁書にこんな一節があ
る。
「徴兵制度は公共の福祉に照らし当然に負担すべきものとして社会的に認められるよ
うなものではない。平時であると有事であるとを問わず、憲法第１３条、第１８条な
どの規定の趣旨からみて、許容されるものではない」
　野党はあらためて徴兵制についての見解を石破長官に問いただせばいい。前言を撤
回しないのなら、即刻、辞任を求めるべきだ。

                  ▼ 憲法９条の歴史的意義も認めないのか ▼

　防衛庁長官になってからも問題発言は続いている。「第２の対人地雷」と国際的に
批判されているクラスター爆弾の購入について「敵の侵攻でやむを得ず日本で使う際
は、住民に避難していただく」とサラリと答弁。自衛隊に他国の基地を攻撃する能力
を持たせることについても「検討に値する」と言い放ち、長距離ミサイルや戦略爆撃
機の保有に踏み込もうとしている。イラク新法では、武器・弾薬の輸送について「現
場のニーズで判断する」と答弁。武器・弾薬輸送は、米英軍との武力行使の一体化と
解釈することもできるから、憲法の集団的自衛権に抵触するのに、お構いなしだから
驚いてしまう。そして極め付きはホームページ。堂々とこう記している。
「憲法９条さえあれば平和が得られるのなら、各国こぞって採用しそうなものだが、
そのような例は寡聞にして聞いたことがない」
　前出の前田哲男氏が言う。
「閣僚には憲法順守義務があるのに、石破さんは集団的自衛権や専守防衛の検討に踏
み込んでいます。憲法無視も甚だしい。糸の切れたタコで、放っておいたら風の向く
ままに飛んでいく。風が米国であることは間違いない。要するに石破さんは、いかに
米国の計画通りに自衛隊を派遣するかが関心事で、自衛隊員の安全や憲法との整合性
などはどうでもいいように見えます」
　あらためてトンデモナイ男が大臣になってしまったものではないか。

               ◆ 野党は即刻、石破長官の辞任を求めるべきだ ◆

　こんな防衛庁長官が有事３法を成立させ、イラク特措法、テロ特措法改正、有事法
制に絡む国民保護法など次々に「戦争準備法案」を整えようとしている。つい最近は
弾道ミサイル防衛システムの導入を鮮明にしたし、恐らく「いまから防衛網を準備し
ても北朝鮮危機には間に合わない」とか何とか言って、同時並行で巡航ミサイル、ト
マホークの導入も急ぐのだろう。
　この間、憲法はドンドンないがしろにされていく。野党は北海道新聞の問題発言を
徹底追及し、即刻“フダツキ”防衛庁長官の辞任を求めるべきだ。
　政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「地方紙のインタビューで露呈したように、石破茂長官がマトモな歴史認識を持って
いるようには見えません。そんな政治家が防衛庁長官の要職にあり、膨大なインテリ
ジェンスも牛耳っている。極端な話、“武力攻撃の恐れ”があるかどうかも、防衛庁
の情報などが決め手になって、日本の軍事行動が始まる恐れがあるのです。野党は問
題発言を取り上げ、国会で徹底追及しなければウソだし、いい加減な答弁でゴマカそ
うとすれば、審議を止めればいいんです。イラク特措法が通らなければ政局になる。
野党は解散を恐れず、防衛庁長官のクビを取りに行くべきです」
　さもないと、軍事オタクの防衛庁長官が、あの不気味な無表情で、日本を根本から
ひっくり返してしまう恐れがある。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 6月21日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  案の定、疑惑の民主党がまた裏切り
  野党が一致して審議拒否を貫けば小泉ファッショ内閣の暴走を
  ストップさせることも可能な事態もあり得るという声の中で
  果たしてどうなるのか　どうするのか

 ■ うらやましい～ッ　《日産》役員報酬平均１億４６００万円の１人勝ち
 ■ 市場騒然　国債バブル崩壊　もう秒読み
 ■ サラリーマン、怒れ！
    ＥＴＣ補助金１台５０００円　先着１０万台のデタラメ
 ■ 石原都知事　後楽園競輪復活へ検討チーム
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 「天皇家の財布」の気になる中身
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 株主総会スタート
       ・ 仰天　“住友商事”役員賞与ゼロの狙い


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 案の定、疑惑の民主党がまた裏切り
■ 野党が一致して審議拒否を貫けば小泉ファッショ内閣の暴走を
■ ストップさせることも可能な事態もあり得るという声の中で
■ 果たしてどうなるのか　どうするのか
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     ▼ 希代の悪法イラク特措法の成立に最後には手を貸すことがわかった ▼

　与党３党がイラク特措法成立のために、会期４０日延長を決める衆院本会議を強行。
民主党など野党がこれに反発し、審議拒否していたが、きのう（１９日）、自民・民
主両党で来週月曜日からの“正常化”を合意し、国会空転は今週いっぱいで終わりと
なった。民主党の腰砕けは情けない限りだが、与党のやり方はメチャクチャだ。
「延長の採決では小泉本人が欠席したうえ、法案を審議する衆院特別委員会の設置を
決めて、野党に相談なく、高村正彦元外相を委員長に内定した。しかも、参院では毎
日審議できる特別委員会は設置せず、週２日しか開かれない外交・防衛委員会で議論
する。自衛隊の海外派兵に道を開く重要法案なのに、おざなり審議で済まそうという
のですからヒドすぎます」（事情通）

                    ▼ ブッシュに忠誠を示す希代の悪法 ▼

　法案の中身も納得できない。さすがに原案にあった「大量破壊兵器の収集・処分」
は引っ込めたものの、自衛隊が「米英軍の武器・弾薬・兵員の輸送などの支援活動」
を行うことが明記されている。また、人道支援活動の中には「行政事務に関する助言・
指導」も義務付けられている。
「武器・弾薬の輸送」は、憲法と政府見解で禁じている集団的自衛権の行使にあたり、
米軍が攻撃された場合には自衛隊も標的にされることは間違いない。また「行政への
助言・事務」を行えばイラク人は自衛隊を米軍と同じ占領軍とみなすから反日感情が
高まるだけである。
　国会関係者が言う。
「法案では自衛隊の支援活動を『非戦闘地域』に限定していますが、戦闘地域とどう
やって線引きするのか。イラクではいまだに戦闘状態が続き、しかもこれは米英軍へ
のゲリラ攻撃が大半です。となると武器・弾薬の補給や輸送活動を非戦闘地域でやる
ということ自体が矛盾しているのです。イラク国民が望んでいるのはＪＩＣＡやＮＧ
Ｏなどの民間のボランティア活動で、米軍と一緒に動く自衛隊派遣は不必要なのです」
　小泉首相がひそかにイラク特措法の準備作業を始めたのは４月中旬。これは米国の
強い要請によるものだった。
「イラク侵攻が始まった直後、ブッシュは戦争支持を出した各国に文書で、戦後のイ
ラクの治安警戒部隊の派遣を要請し、４月初めにはベーカー駐日大使が政府に『ブー
ツ・オン・ザ・グラウンド』（地上部隊を出せ）と迫ったのです。そこで小泉首相が
ブッシュへの忠誠心を示すために特措法の成立を目指したのです」（外交事情通）
　イラク国民のためではなくブッシュのためのイラク特措法。こんなデタラメな法案
を与党は強行しようとしているのだから、野党の審議拒否は当然だった。もう寝返っ
た民主党には本当にガックリだ。

                 ▼ 「民主党は最後に妥協する」という疑惑 ▼

　イラク特措法の審議に応じる民主党だが、今のところ法案そのものには反対してい
る。しかし、このまま会期末までその方針を貫けるかどうか。早くも「希代の悪法の
成立に最後は手を貸すんじゃないか」という疑惑が出ている。法案提出前から、自民
党サイドによる懐柔策や、誘い水をかけられているだけに、はなはだ不安だ。
　例えば１８日に民主党イラク問題プロジェクトが出した見解（中間報告）である。
「復興のためには民間やＮＧＯの活用、失業中のイラク国民を雇用するほうが効率的」
とする一方、「自衛隊派遣が米軍などに間接的に貢献できる可能性は否定し得ない」
と書いている。アイマイで持って回った言い方だが、自衛隊派遣を全面否定していな
い。「これは民主党内の日米関係重視派が主張したため書き加えられた」（事情通）
というが、そこに自民党が付け入るスキがある。
　関係者が言う。
「法案には譲歩可能な“つりダマ”が隠されているのです。法案は４年間の時限立法
にしてあるが、これは民主党が『２年でいいじゃないか』と言ってきたら応じるため
のノリシロです。また『国会の事前承認』も『事後承認』でかまわない。さらに『非
戦闘地域』の問題でモメたら、法案に『自衛隊派遣は戦闘状態終了後』という付帯条
件を付けてもかまわないと考えている。自民党幹部はそんな誘い水に民主党が乗って
くるだろうと見ているのです」

                 ▼ 「政権担当能力を示す」というクセモノ ▼

　実際、民主党には“前科”がある。最初は「反対」と言いながら、審議の過程で対
案だの修正案だのを出して、最後は政府与党案に賛成した経緯が山のようにあるのだ。
テロ特措法では自衛隊派遣承認案に賛成（０１年１０月）したし、ＰＫＯ法案も部分
修正に乗って賛成（０１年１２月）している。今年６月の有事法案では修正案を出し
て自民党と合意、賛成に回った。与党側の修正案に乗るだけでなく、「政権担当能力
があることを示す」と独自の対案を出して合意するケースが多いのである。政治評論
家の本澤二郎氏が言う。
「この“政権担当能力”というのがクセモノです。民主党の若手は『何でも反対では
ダメ。いつでも政権が担えるように法案や政策を出す』と言いますが、政権が取れる
展望も議席数もないのに対案を出していれば、手練手管にたけた与党に利用されるだ
けですよ」
　こうした“対案ゴッコ”がどれだけ自民党政権を助けてきたか分からない。
　さらに、“解散怖さ”で腰砕けになる可能性もある。総選挙に向けた民主党の３０
０小選挙区の立候補予定者はまだ２２９人。前回選挙で“反自民の風”で当選した現
職議員も多いから、「小泉支持率５割台」での総選挙は不利。そこで「イラク新法で
突っ張って、小泉首相が逆切れ解散でもやられたらタマラン」と考えている議員も少
なくないのである。
　となると民主党はソコソコの抵抗をした後に妥協するという事態もあり得る。違憲
の新法より自分の議員バッジのほうが大切というのでは話にならない。

                   ▼ 野党の徹底抗戦が小泉退陣の引き金 ▼

　このまま民主党が腰砕けになったらどうなるのか。結論は見えている。民主党が、
米国追随の小泉自民党の補完勢力であることが白日の下にさらされ、国民から完全に
そっぽを向かれる。立正大教授の金子勝氏（政治学）が言う。
「イラク特措法は有事体制の具体化で、自衛隊が米軍にくっついて世界中どこでも戦
争協力をする法律です。そんな法案を許せば、民主党はこの先政府が出すどんな戦争
法にも反対できません。国民はそんな民主党を見限るのは当然で、間違いなく衰退、
分裂です」
　逆に民主党が審議をストップさせたり、徹底抗戦すれば、永田町政局は一変し、小
泉の命運は尽きる可能性大だ。
　テロ特措法、有事法制と対米従属の軍国化路線を推し進めてきた小泉だが、最後の
着地に失敗すればブッシュから「口ほどにもないヤツだ」と見捨てられるのがオチだ。
「小泉首相がいくらブッシュ大統領との友情をアピールしても、しょせんは使用人。
使いっ走りにすぎないので、役に立たないと判断すれば、牧場招待などの特別扱いは
終わります」（金子勝氏＝前出）
　もちろん、小泉首相が描いていた再選戦略も頓挫する。自民党内の反小泉派が勢い
づき、亀井静香元政調会長らが倒閣運動を本格化させるのは間違いない。
「国会延長までした政府提出法案が頓挫すれば、自民党内の小泉批判が高まり、首相
と抵抗勢力との調整役を務めてきた森前首相や青木参院幹事長も阻止するのは不可能
です。もともと数で劣る小泉は秋の総裁選で敗北するのは間違いありません」（事情
通）
　経済無策、軍拡で日本をメチャクチャにする小泉。それを阻止し、停滞気味の民主
党を盛り返すためにも、民主党は野党と一致団結して闘うべきだ。
　イラク特措法ではいささかの譲歩も一歩の後退も許されない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 6月18日号 -1

■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  国民をなめ切っている小泉自公政権
  アメリカいいなりの小泉首相ひとりの思うがままに
  この国の政治をやられていたら、やがてこの国はいつか来た道必至
  政権延命のためなら亡国も辞さずの構え

 ■ ゴーン社長は話題作りがうまい　《日産》役員給与３億円！　の波紋
 ■ もう再選したつもり？　小泉首相にナメられた自民党と国民
 ■ 小泉大増税プラン　消費税２ケタに所得税も大幅アップ
 ■ ３万９０００円の部屋が１万円　あの超高級ホテルまでダンピングの嵐
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 「羽田空港国際化」で首都圏住民大迷惑
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 阪神独走で優勝をアテ込む関西企業のソロバン勘定
       ・ “流通激変”
          小売業世界ナンバー２仏カルフール　ダイエー獲りの可能性
       ・ 《サントリー白州蒸留所》シングルカスク３種を限定販売
       ・ 《東京スター銀行》タッド・バッジ次期頭取
          「日本のマーケットに変化もたらしたい」
       ・ 今年最大規模の上場（２４日）《エプソン》公募価格は２６００円！
       ・ 《ヤマハ発》東急ハンズ、ダイエーでスクーター販売


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 国民をなめ切っている小泉自公政権
■ アメリカいいなりの小泉首相ひとりの思うがままに
■ この国の政治をやられていたら、やがてこの国はいつか来た道必至
■ 政権延命のためなら亡国も辞さずの構え
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          --------------------------------------------------------
           自衛隊をイラクの戦場に派遣し、対北朝鮮戦争の軍事訓練を
              予行しようという狙いも疑われているイラク特措法の
              成立強行にまで動き出したデタラメ政権の驕りと独善

           国民の生命と財産の安全など頭から無視している小泉首相の
           暴政を傍観する大マスコミと無気力な野党、そして高支持を
              与えているお人好しの庶民。もう取り返しのつかない
              ところまできてしまったと嘆く巷の有識層の声もある
          --------------------------------------------------------

　小泉首相の政権亡者ぶりを余すことなく暴露したのが、イラクに自衛隊を送り込む
ためのイラク特措法案の強行だ。イラクの戦後復興への協力を口実に、イラクに自衛
隊を派遣して米英軍の支援をやらせようというのだ。
　小泉が法案成立にシャカリキになっている理由は、「ブッシュ米大統領へのごます
り以外の何物でもない」と自民党元閣僚が言う通りだ。ブッシュの忠犬になり、米国
の後ろ盾で政権延命を図ろうとしているのだ。
　イラク新法を通すためにはウソ、ペテン、スリカエ、ゴマカシなど何でもアリだ。
イラクの大量破壊兵器が発見されず戦争の大義名分が崩れても「そのうち見つかる」
で片付ける。
　米軍の現地司令官が「全土が戦闘状態」と述べているのに、戦闘行為の定義を勝手
にデッチ上げ、「非戦闘地域の区別は可能だ」と強弁する。アフガン戦争時のテロ特
措法で「武力行使と一体化する可能性がある」と削除した武器・弾薬輸送もＯＫ。
「いちいち積み荷を調べて輸送するわけにはいかない」と居直っている。軍事評論家
の藤井治夫氏が言う。
「アメリカが求める陸上自衛隊のイラク派遣を何が何でも実現させようとしているの
です。そのためには、憲法など安全保障に関する法体系との整合性、自衛隊を派遣す
ることの合理性は度外視し、とにかく突っ走ろうという姿勢です」
　小泉の頭にあるのは、ブッシュとの密約を守ることだけで、まともな議論に耳を貸
そうという気はまったくない。

            ◆ 自衛隊の戦場派遣は米国の北朝鮮攻撃の軍事訓練か ◆

　アメリカの言いなりに有事法制を整備し、今度はイラク新法を強行しようという小
泉には、憲法無視や自衛隊の“私兵化”に何のためらいもない。そうでなければ、反
米ゲリラに襲われる危険の高い米英軍の後方支援に自衛隊を送り出すことはできない
はず。なぜ、こんな無謀なイラク派兵をしようとしているのか。
「これまでの自民党政権は、小泉内閣のような乱暴な軍隊の動かし方をしていません。
『初めに自衛隊派遣ありき』のやり方を見ると、日米の政府間で日米共同の軍事作戦
をゴールに置いた詳細な詰めが行われているとしか思えない。自衛隊の海外派遣を既
成事実化して、世論に集団自衛権を求めさせる。要するに、自衛隊を『普通の軍隊』
にして米国戦略に従わせようとしているのです」（藤井治夫氏＝前出）
　自衛隊のイラク派遣の隠された狙いは、米国の北朝鮮攻撃に備えた日米軍事作戦の
予行演習との疑惑も浮上している。自衛隊がイラクで戦闘に巻き込まれれば、米軍と
共同対処。期せずして実戦訓練になるからだ。
「来年秋には大統領選挙があるが、この先、米国景気は落ち込む一方で、再選を狙う
ブッシュは経済問題で窮地に立たされる確率が高い。そのためブッシュは選挙前に、
核兵器開発の危険を事前に除去するとして北朝鮮攻撃を仕掛ける可能性がある。自衛
隊のイラク派遣には実戦訓練の意味合いがあるのは間違いありません」（外交事情通）
　小泉のイラク新法の強行は、政権延命のために自衛隊をブッシュに差し出すことに
あるのだ。

        ◆ 小泉を増長させる傍観マスコミ、無気力野党、お人好し庶民 ◆

　小泉首相が白昼堂々、「イラク新法」を強行しようというのは、国民をなめ切って
いる証拠だ。国民世論を恐れる気が少しでもあれば、こんな欠陥法案を出せるはずが
ない。先週末の財界人との会合では「なぜ、支持率が高いのかね」とわざわざ内閣支
持率の話題を持ち出してハシャイでみせた。人気者の自分なら、何をやっても許され
ると完全に調子づいている。
　ここまで小泉首相を増長させ、驕りと独善を許している責任は野党、大マスコミ、
そしてお人好しの庶民にある。
　九大名誉教授の斎藤文男氏（憲法）が言う。
「野党とマスコミの最大の責務は、政権の暴走にストップをかけることです。ところ
が、野党第１党の民主党は“小泉暴政”を止めるどころか『政権担当能力を示す』な
どと利いたふうなことを言って、後押しをしている始末です。有事法制にも賛成した。
小泉首相は内心、『民主党など軽い軽い』とバカにしているはずです。野党が無力な
ら、せめて大マスコミが論陣を張って暴走を食い止めるべきなのに、朝日新聞を筆頭
に悪政・暴政を傍観している。首相がやりたい放題になるのは当然です」
　さらに、見え透いた小泉パフォーマンスにまんまとだまされるお人好しの国民。タ
カ派の本性をムキ出しにして国民の生命と財産を危機にさらそうとしているのに、６
０％前後の支持率を与え続けている。首相の暴走を助けているのだから、ノーテンキ
にもほどがある。

          ◆ すでに取り返しのつかない所まで来ていると懸念する声 ◆

　これ以上、小泉首相に勝手放題をやらせておけば、日本はいつか来た“亡国の道”
に逆戻りだ。
「イラク新法」を成立させて自衛隊を海外派兵させた後は、ブッシュ大統領の言いな
りに、憲法９条を放棄する“改憲”に突っ走るのは目に見えている。
「戦争状態の続くイラクに派遣される軽武装の自衛隊は、危なくてじっとしているし
かない。逆に果敢に活動したら、数百人の犠牲者が出かねません。いまの形での自衛
隊派遣では、国内外から批判が噴出するのは避けられない。問題は、その時です。
　小泉首相が『だから、重火器を持たせる必要がある』『自衛隊の手足を縛るべきじ
ゃない』『正式の軍隊と認めるべきだ』と言い出す可能性が高い。同時に北朝鮮危機
をあおり、一気に日本を“戦争をする国”につくり変えようとする。戦前の軍隊は、
勝手に危機をデッチ上げ、それを口実に戦争に突入していった。小泉首相のヤリ口も
同じになるはずです」（評論家・岡本愛彦氏）
　国民の多くは「日本が戦争なんてするはずがない」「小泉首相も改憲まではやらな
いだろう」とタカをくくっているが甘すぎる。
　ほんの１０年前、一体誰が「自衛隊が海外の米軍支援に駆り出される」ことを想像
したか。
「小泉首相は“有事法制”“イラク新法”と着々と日本を軍事大国化させています。
次は防衛庁を国防省に昇格させ、自衛隊を軍隊にするはずです。軍国化の動きは、野
党や大マスコミが無力なだけにアッと言う間に加速しかねない。戦前の日本もそうだ
った。もはや取り返しのつかないところまで来てしまっている不安を感じます」（岡
本愛彦氏＝前出）
　いつまでもナメられっぱなしでは、小泉政権延命のために亡国の道に引きずり込ま
れるだけだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 6月14日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  イラク新法という自衛隊海外出兵法の正体
  この法案が成立してイラクの戦場で自衛隊員の戦死は必至だが、
  一体どんなことになるのか
  政局の道具にする疑惑の噂も出ているぞ

 ■ １００万円→７０万円→５０万円
    「予定利率引き下げ」だけでない保険業法改正の重大ペテン
 ■ 旧あさひ銀行員は怒り心頭　りそな「社友」伊藤龍郎元頭取ちゃっかり再就職
 ■ “株”“債券”“円”トリプル高　日米マネー絡んだ異常現象
 ■ 読売新聞が１２億５０００万円申告漏れ
 ■ 定年６５歳へ引き上げを検討（経財会議）
 ■ 「フセインは国内に潜伏している」
    チャラビ氏が米国外交評議会で爆弾発言
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 家電量販店や専門店が続々発売
          「激安パソコン」使い勝手を徹底チェック
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ イオン・岡田社長の野望　スーパー分捕り合戦が本格化する
       ・ “近ツー”“ＨＩＳ”合併の可能性
       ・ 阪神Ｖ経済効果１１３３億円！！　……他


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ イラク新法という自衛隊海外出兵法の正体
■ この法案が成立してイラクの戦場で自衛隊員の戦死は必至だが、
■ 一体どんなことになるのか
■ 政局の道具にする疑惑の噂も出ているぞ
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               ----------------------------------------------
                アメリカ追従一辺倒で国内の景気対策や内政には
                見向きもしない小泉政権の手によるこんな暴政を
                  いつまでもやられていたら大変なことになる
               ----------------------------------------------

　数ある小泉内閣の法案の中でもこれほどデタラメで欠陥だらけの法案もないんじゃ
ないのか。国会を延長してまで成立を狙うイラク復興特措法案である。しかし、イラ
クの現状を見れば自衛隊派遣の必要性はゼロ。民間ボランティアをサポートすること
で十分だ。
　法案要綱によると現地での自衛隊の仕事は（１）イラク国民への人道支援（２）治
安維持にあたる米英軍の後方支援（３）大量破壊兵器の処理支援活動の３つ。しかし、
閣議決定の前に早くもボロが出ている。
　１１日の党首討論で、小泉は「大量破壊兵器が発見されなかったら責任を取るのか」
と聞かれると「いずれ発見される。フセインも見つかっていないから、フセインが存
在しなかったといえるのか」と居直った。大量破壊兵器の存在は米英軍のイラク侵攻
の大義名分だったが、バグダッド陥落から２カ月たっても影も形も出てこない。戦争
当事国の英米の議会でも「そもそもあったのか」と厳しい追及が始まっている。なの
に小泉首相はアイマイな根拠で自衛隊を送り込もうとしているのだ。
　その他の活動目的についてもイラク国民にはハタ迷惑なものばかりだ。イラク現地
調査を行った民主党の首藤信彦議員が言う。
「イラク国民は軍事占領をしている米英軍に総反発している。その米英軍に武器弾薬
も含めて支援するとなると、国民感情を逆なでするだけです。
　法案では活動は非戦闘地域に限定するとありますが、そんな線引きは誰もできない。
いまイラクに必要なのはＪＩＣＡやＮＰＯなどの非武装の民間団体のボランティアな
のです」
　現在も続いている米英軍兵士への攻撃は、一般民衆の暴動ではなくフセイン残党に
よるもの。つまり、異国の軍服をターゲットにしたものだから米英軍を支援する自衛
隊も、当然ターゲットになる。攻撃された自衛隊員に死傷者が出るのは確実で、そう
なれば今国会で成立した有事立法の第２条２項の「武力攻撃が発生した事態」となり、
大量の自衛隊が投入されかねない。
　支援活動なら民間のボランティアで済むのに、自衛隊を派遣することでとんでもな
い事態を引き起こすのである。

                     ▼ イラク新法はブッシュ忠誠の証 ▼

　雑駁でデキの悪い法案には、野党だけでなく与党も非難ゴウゴウだ。自民党内では
「最初から自衛隊派遣ありきの法案は非常に不思議。後世の批判に堪えぬ」（野中広
務元幹事長）、「新法はよほど慎重であるべきだ」（古賀誠前幹事長）といった批判
が続出。きのう（１２日）の臨時総務会では、法案提出の了承を先送りした。
　そんな逆風にあっても、小泉が新法を強行したいのは、ブッシュに忠誠心を示した
いからだ。ブッシュ牧場の会談でも、自衛隊のイラク派遣について「帰国後、相談し
て考える」と言い、“ホームパーティー”直後のサミットでも、肩を抱きながら声を
かけてくれたご主人に、気に入られようと必死だった。まるで信長の草履をフトコロ
で温めた木下藤吉郎である。評論家の茶本繁正氏が言う。
「小泉首相の対米追従ぶりにはあきれるばかりです。米国は、先制攻撃戦略に自衛隊
も参加させたい。それには集団的自衛権の行使禁止を取り払わなければならない。イ
ラク新法は、周辺事態法から続く米国の戦略に沿ったもので、戦闘地域への自衛隊派
兵まで続く政策のワンステップ。小泉首相はブッシュの言いなりになって、日本をお
かしな方向に持っていこうとしているのです」
　米国務副長官のアーミテージは「湾岸戦争では、日本は野球を観客席で見ただけだ
った。今度は野球場に出てプレーすべきだ」などと言っているが、とんでもない。イ
ラク復興の軍隊派遣で、フランス、ドイツは観戦チケットも買っていない。フィール
ドを埋めているのは、米国から恩恵を授かりたい東欧諸国や発展途上国が中心だ。小
泉は、そこまでしてブッシュのご機嫌を取りたいのか。

                      ▼ 法案を政局の道具にする悪辣 ▼

　対米追従の小泉は「国際協調」とかなんとか言いながら、腹の中ではドス黒い野望
を抱いている。この法案を政局の道具にして首相再選を画策しているのだ。そんな魂
胆がはしなくも出たのが先月末。道路公団民営化推進委メンバーとの懇談でこう言っ
たのだ。
「オレは百パーセント再選される。面白いから見ててごらん」
　政治評論家の本澤二郎氏がこう解説する。
「国会延長によって反小泉勢力を封じ込める作戦です。国会は今月１８日で会期末を
迎えるので、イラク特措法の審議をやるには３０～４０日の延長が必要です。国会開
会中はいつでも解散権を行使できますから、その間は反小泉グループは表立って逆ら
えない。と同時に反主流派が主張する『会期末後に内閣改造をやれ』という動きを封
じ込めることもできるのです」
　７月いっぱい国会を開いておいて、８月夏休みを挟んで９月の早い段階で総裁選を
実施すれば、反主流派は候補を立てる時間がない。たとえ亀井静香や河野洋平が総裁
選に手を挙げても、地方票を固める選挙運動は難しくなる。
　しかも、民主党などの野党はイラク特措法に反対の立場だから国会が荒れるのは必
至。小泉サイドは「法案を上げるためには与党として結束しなければならない。小泉
降ろしなどやっている場合か」と脅すことも可能だ。
　イラク特措法のための国会延長は反小泉勢力を封じ込めるための手段。だから「面
白いから見ててごらん」となるわけだ。権力維持のためなら危険な法律でも平気で作
る。まったく姑息極まりない首相である。

                    ▼ 小泉政権がやるべきことはこれだ ▼

　イラク特措法の成立を目指す小泉の思惑はハッキリした。対米追従と再選戦略のた
めである。最近多発する「遊ぶカネ欲しさ」で人を殺す凶悪犯もビックリの自己チュー
である。まがりなりにも首相のイスに座っているのだから、自らのエゴを満たす前に
果たすべき仕事があるのではないか。ズバリ、景気対策である。
　４月の失業率は５．４％と高止まりのままで、完全失業者数は４８５万人と２カ月
連続で過去最悪を記録している。昨年度の上場企業の倒産件数は過去最悪。デフレ傾
向は拍車がかかるばかりで、４月の東京都区部の消費者物価は前年比０．４％下落し
た。サラリーマンは生活防衛に四苦八苦で、世論調査でも「やってほしい政策」のト
ップは常に経済問題だ。
　それなのに小泉は、景気対策を求める声に耳を貸そうとしない。こんな無責任首相
も珍しい。同志社大教授の浜矩子氏（国際経済学）が言う。
「小泉政権の経済・金融対策は“もぐらたたき”を繰り返すだけで、抜本的な処理を
してこなかった。そのツケがあらゆるところで噴出し、日本経済はどん底まで落ち込
んでいます。りそな問題では、ＳＡＲＳの“隔離作戦”よろしくクサイものにフタを
しただけ。問題が起きた感染ルートを特定し、確実に処理していかなければ、日本経
済をむしばんでいるウイルスは突然変異し、さらに強力になっていきます。経済が合
併症や副作用で倒れる前に、血も肉も通った包括的な再生策、景気対策を打ち出す時
期にきています」
　米国ベッタリの軍国主義で、経済はメタメタ。こんな暴政下で、サラリーマンが生
活を維持できるなんて奇跡である。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 6月13日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  ここまできたらもう狂気の沙汰
  小泉・山崎コンビが進めるイラク新法と、その成立のためと称する
  国会会期延長の謀略。そんな暴走を許しては駄目だ
  そこまでやるなら国民の信を問えという声

 ■ 監査法人「税効果３年ルール」定着で９月に再び金融危機
 ■ 《国立大の独立法人化法案》国会でも大モメ、審議ストップ
 ■ 政局最大の焦点になってきた　竹中金融相不信任案
 ■ 《ダスキン事件拡大》中央政界に「飛び火」の情報
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 「夏休み海外旅行」ユニークでお得なツアー
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 鳥取県知事ＶＳ東芝会長
          “不買”騒動エスカレートに困惑する東芝・大企業
       ・ テスコ日本進出の裏で欧米の投資銀行が暗躍！？
       ・ “スタバ”メニューに酒類　深夜営業の一部店舗　……他

 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】
        嘘だったイラク「大量破壊兵器」
        それでもブッシュに尾を振る小泉首相の恥さらし ──


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ ここまできたらもう狂気の沙汰
■ 小泉・山崎コンビが進めるイラク新法と、その成立のためと称する
■ 国会会期延長の謀略。そんな暴走を許しては駄目だ
■ そこまでやるなら国民の信を問えという声
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       アメリカに頼っていれば政権安泰というブッシュのいいなり政権が、
         一方では北朝鮮の脅威を煽り、イラク復興への国際貢献を名目に
       禁じ手の自衛隊の戦場派遣へ動き出したが、小泉の手によるこの国の
                    軍事大国化は一体どこまで拡大するのか

       選挙の公約もなしに悪政暴政のやりたい放題の小泉ファッショ内閣の
               亡国政治はもはや民主主義を完全に否定している。
      すべての選挙で自民党・公明党を大敗させないと、この国は戦前並みの
    天皇制ファッショ国家に逆戻り必至の危機にあるという良識層の深刻な懸念
  ------------------------------------------------------------------------

　小泉首相が今国会成立にしゃかりきになっている「イラク新法」は狂気の沙汰だ。
５月の日米首脳会談で小泉は「国力にふさわしい貢献」とブッシュ大統領に自衛隊派
遣を約束。来日したアーミテージ米国務副長官に「観客でなくグラウンドに下りてプ
レーしろ」とダメを押され、米国のご機嫌を損ねたくない一心でメチャクチャやって
いるのだ。東京国際大教授の前田哲男氏（軍縮論）が言う。
「イラク新法のデタラメを挙げればきりがありません。どんな理屈をつけようとも、
専守防衛、国土防衛が任務の自衛隊をイラクに派遣するのは明白な憲法違反です。
　米英軍の後方支援として『米兵や武器・弾薬』を陸上輸送するのは集団的自衛権に
抵触する憲法違反。さらに恐ろしいのは、成立したばかりの有事法制が発動される危
険です。イラクで自衛隊が攻撃を受ければ立派な“武力攻撃事態”。日航や全日空に
業務従事命令が発動され、動員される初のケースになるかもしれません」
　小泉は「戦闘に行くのではない」と問題をスリ替え、「非戦闘地域にしか行かない」
と強弁しているがこれもウソ。酒井啓子アジア経済研究所主任は「現在のイラクを戦
闘地域と非戦闘地域に区分するのは不可能」と断言している。
　明大名誉教授・岡野加穂留氏（政治学）が言う。
「有事法制に続いてイラク新法をつくり自衛隊を武装地域に送り込むなどとんでもな
い話です。小泉首相はこれだけ憲法破り法案を国会に出すのなら一刻も早く解散して
国民に信を問うべきです。イギリスなど議院内閣制の国では、重要法案は選挙公約に
掲げ、勝利した後で審議入りします。小泉政権は民主主義のイロハを無視しています」
　自民党内からさえ異論続出の悪法を、今国会をちょっと延長して処理とは言語道断
だ。

                ◆ イラク新法を政略に使う小泉・山拓の悪辣 ◆

　許しがたいのは、この国の安保防衛政策の根幹にかかわるイラク新法を小泉・山崎
コンビは政略に利用していることだ。１０日の自民党総務会で山崎幹事長は「外交政
策を政局の道具にするな」と面罵されている。
　イラク新法は、４月の戦闘終結直後から小泉周辺で用意されていた。親分のブッシ
ュから自衛隊派遣を求められることを見越してのことだ。５月の訪米後、小泉は「イ
ラク支援は与党と相談して決める」と言い続けてきた。それを今月７日になって法案
提出を表明。今国会中に成立させるとして「４０日」という会期の大幅延長を持ち出
している。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「イラク新法は小泉・山拓コンビが政争に絡めたため冷静な議論ができなくなってい
ます。小泉首相が大幅な会期延長を狙っているのは、反小泉勢力が求める『９月の総
裁選前の内閣改造』を封じ込める思惑からです。『総裁選前の改造はしない』と繰り
返し述べてきた手前、改造に応じれば抵抗勢力の言いなりになったことになり、支持
率が下がりかねない。また、党三役人事も一緒にやってしまえということになって、
盟友の山崎拓幹事長がポストから外される可能性があるのです」
　小泉は政権延命のためには何でもアリなのだ。

                ◆ 自衛隊は小泉政権延命のための道具なのか ◆

　小泉首相は、アメリカのお気に入りでいる限り政権は安泰と、何から何までブッシ
ュの言いなりだ。
「小泉首相はホワイトハウスのメッセンジャーボーイというか“出前持ち”です。憲
法違反を次々にやりながら平然としているのですから、国民への裏切りもいいところ。
小泉首相をいさめようとしない閣僚も同罪です」（岡野加穂留氏＝前出）
　小泉のブッシュの茶坊主ぶりは度が過ぎる。アフガン戦争ではインド洋に補給艦を
出して、米艦船に燃料補給。イラク戦争では諸外国に先駆けて「支持」を表明。戦争
中はイージス艦を派遣して米軍の代理を務め、イラクに向かう空母の燃料を補給する
脱法行為もやってのけた。日米共同作戦に欠かせない有事法制のゴリ押しの後にはイ
ラク新法だ。北朝鮮の脅威をあおりながら「ミサイル防衛（ＭＤ）構想」への協力も
約束。ブッシュの軍事的要求は何でもＯＫだ。
「日本は新ガイドライン、周辺事態法、テロ特措法と米国にベッタリで、禁じ手だっ
た自衛隊の海外派遣で既成事実を次々と積み重ねてきました。小泉首相はブッシュ大
統領の歓心を買うためなら、何でもありという感じです。『自衛隊は実質的には軍隊』
と平気で国会で答弁する姿を見ていると、アッという間に憲法改正まで突き進むので
はないかと危惧しています」（前田哲男氏＝前出）
　権力亡者の小泉にとって自衛隊は政権延命のための道具。米国の世界戦略を支える
ための下請け軍隊として差し出そうとしているのだ。

                ◆ あらゆる選挙で自公を惨敗させるしかない ◆

　選挙で約束した「構造改革」「景気回復」にまともに取り組もうとせず、米国の言
いなりに、公約していない有事法制、自衛隊の海外派兵をゴリ押しする。そして改革・
外交パフォーマンスの目くらましで支持率を稼ぎ、悪政のやりたい放題が小泉政治の
正体だ。立正大教授の金子勝氏（憲法・政治学）が言う。
「今の状況はまともな民主主義国の政治ではありませんよ。イラク戦争は大量破壊兵
器が発見できず、戦争の大義名分そのものに疑義が生じ、米国や英国では大きな政治
問題になっています。ところが日本の国会では追及はおざなり。自民党だけでなく、
『平和と人権』を掲げる公明党も自衛隊のイラク派遣に賛成で、野党第１党の民主党
は態度を決めかねている。有事立法が衆院で９０％、参院で８６％の賛成で成立した
ように、今の国会は太平洋戦争前の翼賛議会と変わらない。こんな政治を来年６月の
衆院議員の任期切れまで放置できない。小泉ファッショ政治にブレーキをかけるには、
イラク新法に賛成した政党にはどんな選挙でも票を入れないことです」
　衆院選の前に首長選や市町村議選挙があったら、自民、公明両党を惨敗させる――
戦前の天皇制ファッショ国家への逆戻りを狙う小泉暴政を止めるには、その手しか残
されていない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 6月10日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  また亡国の道へまっしぐら
  小泉ファッショ首相と腐敗堕落の与野党国会議員の手で戦前戦中への
  日本回帰の悪法が次々成立。暗黒の歴史を忘れた大マスコミの罪も重大
  なぜこんな悪法成立を賛美・承認するのか大新聞ＴＶの歴史的犯罪

 ■ 《札幌市長選》公明党大ショック　野中・藤井コンビ投入でまさかの敗北
 ■ 「万景峰号」入港中止　“事前の大騒ぎ”政府はなぜ抜き打ち検査をしない
 ■ 怒れサラリーマン！！　黙っていれば大増税を押しつけられるゾ
    扶養控除、社会保険料控除も廃止・縮小狙う財務省シナリオ
 ■ 《ダスキン疑惑》土屋埼玉県知事長女「１５００万円」の１０カ月後に退任
 ■ 防衛庁　自衛隊派遣、９月以降に
 ■ 福島県議会、原発運転再開で意見集約へ
 ■ トヨタ方式　銀行でも通用するのか
 ■ ＜ロト６出目予想＞　同色の「１０・２４」がアベック出現
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 市場規模１兆２０００億円　ペットビジネス大繁盛の裏側
       ・ １６社中半数が赤字　外資系生保のお寒い内情
       ・ 《アオキ》トリイを子会社化


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ また亡国の道へまっしぐら
■ 小泉ファッショ首相と腐敗堕落の与野党国会議員の手で戦前戦中への
■ 日本回帰の悪法が次々成立。暗黒の歴史を忘れた大マスコミの罪も重大
■ なぜこんな悪法成立を賛美・承認するのか大新聞ＴＶの歴史的犯罪
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                      過ちをまた繰り返しているこの国の
          大新聞ＴＶの戦争参加法賛成の報道姿勢に有識層から憤激の声

           ５８年前、戦争突入から敗戦までの報道姿勢に反省したのは
        上辺だけの真っ赤なウソだったことを今回の報道姿勢で自ら暴露。
    この国の大新聞ＴＶは常に権力者の御用機関という呆れ返った恐るべき実情
   ----------------------------------------------------------------------

　先週６日、有事立法が成立した。これで自衛隊は戦争前から戦闘準備をして、米軍
と一体になって戦争に出かけることが可能となったのである。
　小泉首相はブッシュへの忠誠が示せたとご満悦で「野党の協力に感謝する」と与野
党ナレ合い談合をありがたがっているが、形だけの国会審議によって日本はどんどん
キナ臭い軍事国家へと突き進んでいる。
　有事立法だけではない。このところの一連の軍事関連法の成立は２つの共通点があ
る。それは（１）米国の圧力を利用して（２）ドサクサ紛れに成立させるというパター
ンだ。「周辺事態法」は米国から突き付けられた「日米ガイドライン」への付け焼き
刃立法だったし、「テロ特措法」は９・１１ショックでアフガン侵攻するブッシュか
ら「テロを許すのか」「ショー・ザ・フラッグ」との恫喝をこれ幸いとドタバタ決め
てしまった。そして「有事立法」は、米国が北朝鮮を「悪の枢軸国」と名指しし圧力
をかけ始めたから「テポドンが飛んでくるぞ」と危機感をあおって成立させたものだ。
　そうやって小泉自民党政権は着実に日本の軍国化を進めてきたのである。
　評論家の岡本愛彦氏が言う。
「一連の法律で見えてきたのは、この国を軍事国家にしようとする改憲派勢力が思い
通りに事を進めていることです。戦後の平和主義が彼らによって崩され、日本は米国
に追随する戦争国家になったということです」

                     ▼ 歴史を逆戻りさせる自民党政権 ▼

　自民党の連中は「日本をいつでも戦争ができる国」にしたくて仕方がなかった。も
ちろん戦前の侵略戦争に対する反省もない。そのいい例が麻生太郎・政調会長の「創
氏改名は韓国・朝鮮人が望んだから」という発言だ。
　この問題が自民党総務会で取り上げられると、奥野誠亮（８８）が「改名は日本の
強制ではなかった」と言い、山中貞則（８０）が「台湾の人も名前が変わったが何の
抵抗もない」と弁護。総務会長の堀内光雄（７２）が「麻生会長（６１）は将来ある
人だから」と不問にしている。還暦過ぎの政治家に“将来”を期待する戦前の亡霊み
たいな連中が政権与党を牛耳り、「戦争責任なんて知らないよ」と言わんばかりのプ
ラモデルオタクの防衛庁長官が戦争法案を作る。それを国会で歴史知らずの頭でっか
ち野党議員が賛成する。そんな理念のない連中が「金正日が攻めてくるから」と作っ
たのが有事立法なのである。

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                      戦争法成立に手を貸した大マスコミ
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　与野党談合で危険な戦争参加法が成立した原因には、マスコミの無定見で無批判な
報道がある。国会審議中もキチンとした法案批判はなく、成立翌日の新聞各紙は悪法
賛美のオンパレードだ。
「法治国家の体裁がやっと整った」（読売）、「普通の国への第一歩」（産経）と自
民党ベッタリの御用新聞は論外としても、これまで自民党政権をチェックしてきた新
聞までも法案成立を容認している。審議中でも「万一に備える法律がない」と政府の
“宣伝”に乗った弱腰の論調しか書いてこなかった。
　とりわけ朝日の責任は見逃せない。有事法制については「どうしちゃったの」とい
う論評ぶりだった。
　与野党の修正協議が始まる前から「民主党案は土台になる」（４月２７日付）と与
野党妥協での成立を提案。５月１２日付の社説では批判の投書に答えるかたちで、
「何の決まりもないままでは政府の勝手次第になる」と居直った。そして成立の翌々
日に「米国の戦争に自衛隊が協力するためにこの法制が使われるのではないか、とい
う疑念をぬぐえぬまま終わった」なんて腰の引けたことを書いていた。だったら最初
からキチンと批判すればいいじゃないか。
　しかも成立翌日（７日）には、弁護士の中坊公平あたりに「また亡国の道を歩むの
か」と書かせてお茶を濁している。完全なアリバイ報道である。評論家の茶本繁正氏
が言う。
「政府案にしろ、民主党案にしろ、有事法制が国家総動員体制であることに変わりは
ない。それを良しとし、結果的に法案成立の後押しをしたのですから歴史的犯罪を犯
したに等しい。有事法制をめぐる報道では『どうせ国会の賛成多数で決まるだろう』
とあきらめの論調ばかりが目立つ。今のマスコミは現実を追随するだけで、権力のチ
ェック機関としての使命を失っているのです」

               ▼ テレビがこれでもかと煽る「朝鮮半島危機」 ▼

　テレビはもっとひどい。有事法制をマトモに取り上げることなく、ひたすら朝鮮半
島危機を煽ってきた。
　特にオバサン相手のワイドショーはどうしようもない。確かに金正日が危険な独裁
者であることは事実だが「核」だ「ミサイル」だというのは、“貧者の脅し”で交渉
の方便にすぎないことは明らかだ。
　なのにテレビは朝っぱらから視聴率目当てで、「喜び組」のケツ振りダンスや元組
員の証言、そして金正日の悪相とテポドン発射の映像をこれでもかとタレ流している。
そんな映像を見続ければ、「金正日は何をするか分からない」「あんなヒドイ国は潰
してしまえ」と視聴者が考えるのも当然だ。立大教授の門奈直樹氏（ジャーナリズム
論）が言う。
「必要以上に北朝鮮危機を煽ったことで、テレビは有事法制成立に手を貸した。かつ
て日本政治思想史研究家の丸山真男氏は日本人のあしき現実主義の特徴として『物事
の一面だけを誇張してとらえ、それを既成事実化し、情勢認識の妥当性を問い直すこ
とができない』と鋭く批判していました。今のテレビ報道はあしき現実主義そのもの
です」
　新聞・テレビがこの体たらく。小泉首相の高笑いが聞こえてきそうだ。

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                    大新聞ＴＶは再び歴史的過ちを犯すのか
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　悪政と不即不離で、政権ベッタリのマスコミだが、そもそも戦後の日本の報道機関
は、戦前の大政翼賛報道の反省の上に立って再出発したはずだ。戦前はさんざっぱら
国民を戦争へと駆り出すために協力し、戦時中は「勝った勝った、また勝った」との
大本営発表のインチキ戦果を流し、国民にウソをつき続けたのが新聞とラジオだった。
　だからこそ、例えば朝日新聞は、敗戦直後の社説で「みずからを罪するの弁」と反
省文を載せ、「国民とともに立たん」と読者に新たな決意を示したのである。
　それなのに、今の有事法制賛成の報道ぶりは何なのか。戦前の暗黒の歴史に協力し
た過去を忘れてしまったのか。前出の岡本愛彦氏が言う。
「敗戦後のマスコミの反省は、ＧＨＱに取り入るためのポーズ。上辺だけだったので
はないのか――。最近のメディアの論調を見ていてそんな疑問を持っています。例え
ばドイツでは戦争に協力したメディアはすべて潰れたし、戦勝国のフランスでも、存
続したのは戦争に批判的だった５紙だけです。権力へのチェックを控えて真実を伝え
ず、御用機関になっているとしたら、読者・国民への裏切り行為です」
　作家の野坂昭如氏は雑誌の対談で、こんなことを言っている。
「新聞社の社屋、あれは国有地だったのを田中角栄が払い下げしたんだよね。そうい
うところから権力との結合が始まっちゃってる。商業新聞だから政府とケンカしたく
ない。本来ならば反権力であることがアイデンティティーの基本だけど、権力に尾を
振っていないとダメという状況になってしまった」
　残念ながらマスコミは野坂氏の指摘通りに動いている。大新聞・ＴＶは再び歴史的
過ちを犯すつもりなのか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2003年 5月15日号 -1

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  有事法案が成立したら大変なことになるぞ
  微兵制が強行され若い人は想像を
  絶する酷い目にあうことになる

 ■ 人生設計狂わす生保「予定利率引き下げ」の衝撃度
 ■ 大銀行買収工作か　金融界が注目した小泉・シティ会長会談の中身
 ■ アフガンとイラク潰してもアルカイダの米国テロ消えず
 ■ 《青森県知事》下半身スキャンダルで失職へ　山拓幹事長に飛び火
 ■ 【話題の焦点】
       ・ これは首都圏大地震の前兆なのか
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 早くも取り沙汰される　産業再生機構の「不協和音」
       ・ 低迷ニコン　復活の可能性
       ・ 《仰天！》タイガース応援プラン
       ・ おなかにたまらない発泡酒！
       ・ ユニクロ野菜１４日からデパ地下に登場
       ・ ＳＡＲＳビジネス事情　街角景況感３カ月ぶりに悪化


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 有事法案が成立したら大変なことになるぞ
■ 微兵制が強行され若い人は想像を
■ 絶する酷い目にあうことになる
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 微兵制の施行されている国でなぜ若者たちが微兵逃れを必死に企むのかご存知か。
 軍隊とはシャバでは想像できない過酷で耐え難い地獄のようなところだからなのだ
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　与党と民主党がきのう（１３日）、有事関連法案で合意したことで、明日（１５日）
にも戦争法案が衆院を通過する運びとなった。
　大新聞・ＴＶは「与党が大幅譲歩」などと書いているが、とんでもない話だ。民主
党が要求していた修正案は枝葉末節で、この法案が「憲法違反の戦争法案」である本
質は変わらない。民主党の抵抗は国民向けのポーズにすぎず、与野党が一緒になって、
日本を「戦争する国」に変貌させたわけである。民主党の「与党スリ寄り」は万死に
値するし、国民に対する重大な裏切りと言うしかない。評論家の茶本繁正氏が言う。
「民主党の修正案によって、有事法制には人権尊重が明記され、私権制限に対して、
国民保護法を速やかに成立させることも合意事項に盛り込まれました。しかし、イザ、
戦争になれば、基本的人権も財産権も何もないのは過去の戦争が証明している。有事
に至らないようにする努力が必要なのに、今度の法案で日本は世界中で武力行使がで
きるようになった。米軍の先制攻撃に対して、後方支援する自衛隊が『攻撃される恐
れ』があるだけで、武力攻撃事態となり、有事法制が発動され、攻撃が可能になった
のです」
　自民党は二言目には北朝鮮有事をにおわせているが、１３日付の朝日の天声人語は
こう書いている。
「日本が一方的な侵略を受けたのははるか昔、１３世紀の蒙古襲来が唯一かもしれな
い」「歴史を見渡すと、これ以外の有事はほとんど日本から仕掛けたか、日本の軍隊
が外に出かけていた時に起きた有事だった」
　歴史が示しているように島国の日本がいきなり攻め込まれることはまずない。それ
なのに、わざわざ戦争法案を作り、あえて外に出かけて、「有事」をつくろうとして
いるのが小泉政権なのである。

                 ◆ アノ手コノ手で事実上の微兵制が始まる ◆

　このまま、自動的に有事法制が成立したら、日本はどうなるのか。
　今の若者は無関心だが、徴兵制まで一瀉千里と覚悟した方がいい。世界中のアチコ
チで米軍と一緒になって戦争するようになれば、自衛隊に入る人材はいなくなる。必
然的に何らかの“強制的な手法”によって、自衛隊員をかき集めるしかなくなるのだ。
「徴兵制という言葉を使えば、国民から大反発を食らう。だから、政府は巧妙に言い
回しを変えてくるでしょうね。しかし、あの手この手で自衛隊員を確保してくるのは
間違いない。個人情報をデータベース化し、学歴や職歴、経済力などを調べ上げて、
リクルーティングするのは当たり前。教育基本法の改正案には愛国心がうたわれてい
るから、志願兵には成績を優遇し、資格を与えるなどの“アメ”も用意するのでしょ
う。気がついたら、自衛隊に志願しないと、社会生活でとんでもない不利益を被るよ
うな事態になっている可能性があります。結局、若者は兵役を志願するしかなく、事
実上の徴兵制になるわけです」（法大教授・五十嵐仁氏＝政治学）
　有事法制をめぐる議論とは、つまるところ、徴兵制を容認するのか、否か、という
問いかけなのである。

          ◆ 今の若者には想像もつかないだろう微兵制の悲惨と地獄 ◆

　悪夢のような徴兵制が復活したら、どんな目に遭うのか。若い人たちは、悲惨な現
実を知っておいたほうがいい。
　例えば、隣の韓国では、高校卒業後に徴兵検査を受け、普通の健康状態と認められ
れば、２７歳までに入隊し兵役をこなさなければならない。その期間は、陸軍で２６
カ月間、海軍で２８カ月間、空軍で３０カ月間だ。
　スイスでは１９～２０歳の間に１５週間の基礎軍事訓練を受ける義務がある。その
後も４２歳まで３週間の再訓練を１０回受けなければならない。スウェーデンも徴兵
期間は７カ月半～１７カ月半だが、その後、４年ごとに３週間の再訓練がある。
　米国では徴兵制は７３年に廃止され、軍隊は志願兵で構成されるようになった。し
かし、その多くはマイノリティーと呼ばれる少数民族だ。例えば米軍の兵・下士官に
占める黒人の割合は２２％で、総人口に占める黒人の割合（１２％）の倍である。ヒ
スパニックやアジア系、アメリカ先住民系を含めると、米軍の３８％がマイノリティー。
ブッシュのように中産階級以上の白人は軍隊に入ろうとしないのだ。
「米国はマイノリティーに戦争の犠牲を押しつけているのです。マイノリティーは米
国社会の中で多くの差別を受けていて、ロクな暮らしが送れない。まともな働き口が
ない彼らにしてみれば、軍隊なら食いぶちに困らないし、付随する特典も魅力的。一
定期間、軍務につけば除隊後には大学進学のための資金がもらえ、移民には市民権も
与えられる。実際、イラク戦争に参加した米兵のうち、３万７０００人は市民権を持
たない“グリーンカード兵士”でした」（在米ジャーナリスト）
　いざ戦争になった時、犠牲になるのは若者と弱者なのである。

                  ◆ 理由もなくボカスカ殴られ、最前線へ ◆

　軍隊生活は、もちろん地獄だ。徴兵された人たちには基本的人権などない。軍事ジ
ャーナリストの世良光弘氏がこう言う。
「兵役期間中は刑務所にいるのと同じです。入隊時には、まず全員が素っ裸にされ、
シリの穴まで検査されます。訓練も人格など無視。２４時間、ずっとプールで潜らさ
れ、頭を出すと上官がモグラたたきのように棒で小突く訓練をやっている国もある。
人間に対する行為とは思えません。上官によるイジメ、イビリも横行していて、兵士
の自殺も絶えません。最近は刑務所でのリンチや不審死が問題になっていますが、軍
隊ではそんなことなど日常茶飯事なのです」
　徴兵された兵隊が、理由もなく上官にブン殴られることは万国共通。「気合を入れ
てやる」という説明だけで、何発も殴られる。夜中にたたき起こされ、パンツ一丁で
立たされたり、グラウンドを走らされたりもする。自衛隊でも、朝６時に起床し、点
呼のためにダッシュと、刑務所のような生活スケジュールが決まっている。
　もちろん戦争になれば、最前線に送り込まれ、死を覚悟しなければならない。理不
尽だが、逃げれば軍法会議である。殺されるから殺す。それがトラウマになるケース
も多い。徴兵制の弊害は多くの国で噴出している。だから兵役逃れが後を絶たないの
だ。
「インクを飲んだり視力が悪いフリをして、身体検査で不合格になろうとしたり、徴
兵制度がなくなることを期待してギリギリまで兵役を遅らせたりしている。韓国では、
検査で落ちるために、整形外科医でヒザの軟骨を除去する手術を受ける若者が急増し、
社会問題になったこともありました」（軍事関係者）
　日本も間違いなく、そんな社会になるのである。

          ◆ 若者だけが死に国会で審議している議員は安全の理不尽 ◆

　有事法制が現実になり、兵役を義務付けられれば、若者はひどい目に遭うことにな
る。しかし、今、国会で有事法制を論じているのは絶対に戦場には行かない連中だ。
自らを安全地帯に置いて、若者の命を危険にさらそうとしているのだから、最低であ
る。月刊誌「世界」６月号で、沖縄県知事だった大田昌秀氏はこう書いている。
「一部の国民を犠牲にして国や特権階級を守る、それが軍隊の本質です。いざ戦争に
なると、日頃『愛国心』とか『国家のため』などと言っている特権階級は、安全な場
所に潜んで絶対出てきません。米国でもベトナム戦争などで兵役を忌避した人たちが、
イラクに対して最も好戦的な立場をとっているそうです。有事法制をつくるというな
ら、第１条に『この法律をつくった人たちは、戦争が起きたら真っ先に戦場に行く』
と規定すべきではないでしょうか」
　大田氏は戦争中、沖縄本島の激戦で地獄を見た。それだけに、この指摘は生々しい。
実際、先の大戦でも一部のエリートは徴兵を逃れていたのである。
　有事法制が通り、いざ戦争になれば、犠牲になるのは、フツーの若者だ。政治にあ
きらめ、傍観している場合なのかどうか。真剣に問いかけてみるべきである。