■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年12月2日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年12月 2日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  結局大儲けしたのは誰なのか
  ダイエーやミサワなど潰れている大企業を産業再生機構なる
  奇怪な公的機関に預けて経営再建する計画が最終局面を迎えている
  というが税金を払っている庶民として納得できるものなのか
  デタラメ経営者の刑事責任追及はどうなのか

 ■ 外務省「スパイ大作戦」失敗　めぐみさん夫の指紋・ＤＮＡはパー
 ■ 橋龍も案の定セーフ　「政倫審はザル組織」設置した当事者・平野貞夫氏が断言
 ■ きょう解禁　銀行「証券仲介」への皮算用
 ■ 《ＵＦＪ検査妨害》岡崎元副頭取らに出頭要請
 ■ 「酒気帯び運転」でほじくり出されたＴＢＳアナの「恥ずかしい過去」
 ■ 多機能化のウラに潜む“携帯ウイルス”被害
 ■ 《次世代ＤＶＤ規格争い》〈松下電器〉思わぬ誤算
 ■ 〈阪神電鉄〉経常利益　過去最高を喜べない事情
 ■ 〈モスフード〉ＩＣタグで牛肉の履歴追跡
 ■ 〈花やしき〉芸能学校を開校（０５年４月）
 ■ 〈三菱自〉京都への本社移転を白紙に
 ■ 〈オリンパス〉カプセル内視鏡を実用化
 ■ 〈住友金属〉供給逼迫で自動車鋼板設備を新設
 ■ 〈ローソン〉ワンコイン弁当「ごはん亭」
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 引きこもり１６０万人　ニート６０万人　予備軍５００万人
          なぜ生まれるか


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 結局大儲けしたのは誰なのか
■ ダイエーやミサワなど潰れている大企業を産業再生機構なる
■ 奇怪な公的機関に預けて経営再建する計画が最終局面を迎えている
■ というが税金を払っている庶民として納得できるものなのか
■ デタラメ経営者の刑事責任追及はどうなのか
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      ダイエーにしろミサワにしろ莫大な個人資産を持ち続けている創業者を
        そのままにして一時的にせよ公的資金（税金）を投入して再建では
        潰れて自殺した中小経営者はいつまでも浮かばれないという巷の声
     ------------------------------------------------------------------

「ウチの会社も産業再生機構に引き取ってもらいたいものだ」
　いま、巷の零細企業の間から、冗談ともつかぬこんな言葉が漏れているそうだ。
　そりゃあ、そうだろう。倒産状態に追い込まれ、ニッチもサッチもいかなくなった
大手流通の「ダイエー」や住宅メーカーの「ミサワホーム」が次々と産業再生機構に
預けられ、再生されようとしているからだ。再生される過程では、一時的に公的資金
が投入され、国が新しいスポンサーまで探してくれる。
　潰れたはずなのに、まさに至れり尽くせりだ。長期デフレ不況の中、青息吐息の中
小経営者から「大企業はいいよな」の恨み節が出るのも当然だ。
「産業再生機構は昨年３月に鳴り物入りで設立された公的機関で、資金は１０兆円。
すでにカネボウ、三井鉱山など２０社を上回る破綻企業を引き受け、さらに最初から
の狙いだったダイエーが入ったことで最終局面を迎えています。再生機構は、銀行が
持っていた不良債権を買い取り、その分の株を保有する。将来、その企業が新スポン
サーの手で生まれ変わり、再上場し、株で利益が出れば、つぎ込んだ公的資金は戻っ
てきます。でも、再生がうまくいかなければ、二次損失が出て、税金で穴埋めという
ことになります。ダメだった大企業を簡単に再生できるものなのか、それは専門家に
も判断がつきません」（民間信用調査機関）
　だが、庶民にとってさらに不可解なことがある。
　国ぐるみの世話になるダイエーなどの破綻企業の経営責任はどうなっているのか
　ダイエーやミサワ、大京が再生されるなら、それはそれでいいが、重大な問題が放
置されたままなのだ。
　中内功元オーナーなどが今もって莫大な個人資産を持っているのは有名で、国が回
収したという話は聞かない。デタラメ経営で刑事責任を追及されたという話も聞かな
い。
　これでは、小泉不況で夜逃げや自殺にまで追い込まれている中小零細の経営者は浮
かばれない。不平等極まりないというものだ。

             ◆ 中小企業の死屍累々の上に成り立つ不良債権処理 ◆

　銀行の不良債権処理の過程を振り返れば、どれだけ不平等でいいかげんかが一発で
分かる。
　帝国データバンクによると、今年も企業倒産は優に年間１万件を突破。「今も中小・
零細企業は引き続き厳しい状況にある」と分析している通り、毎日３５件以上の中小
企業がバタバタ倒産している計算だ。
「中小の倒産ラッシュの原因は、銀行が不良債権処理のなかで行った血も涙もない貸
し渋りや貸しはがし、いわゆる選別融資にあります。経営は順調なのに、設備投資な
どで資金繰りに詰まって黒字倒産した例なんて数え切れないくらい。貸し渋りで資金
繰りに困った中小企業の社長３人が１本のヒモを分けあって首をつり、遺書に『保険
金で会社を再建してくれ』と書いたとか、一家心中や水中ダイブと、経済苦による自
殺は年間約１万人。多くは働き盛りの４０～５０代で、残された家族は悲惨なんても
んじゃありません」（経済ジャーナリスト）
　一方で、個人資産２００億円（０２年当時）といわれるダイエー創業者の中内氏は
今も田園調布の１２億円の豪邸に住み、芦屋に大豪邸も持ち、悠々自適の暮らしを続
けている。機構入りが濃厚なミサワの三沢千代治前名誉会長は筆頭株主で機構入り後
も手放さない可能性がある。
　実際、カネボウの伊藤淳二元会長も自社株１４０万株を持ちつづけたままだ。大京
の創業者・横山修二氏も社長職を退任しただけである。
　税金を投入しながら刑事責任も問わないでは、倒産した中小企業の経営者でなくて
も「ふざけんな！」と怒りたくなる。
　帝京大教授の降旗節雄氏（経済学）はこう言う。
「強い者は助け、弱い者は死んでも構わないというのが小泉政権の基本理念です。小
泉内閣前は、旧長銀に公的資金を投入したときのように、少なくともトップの刑事責
任を追及するのが当たり前でした。特別背任で逮捕された銀行経営者、自宅を競売に
かけられたバブル企業社長もいた。ところが小泉政権は日本をごく一部の勝ち組と負
け組の二重社会につくりかえ、一部の大企業だけを優遇している。結局、多くの中小
企業が潰れたり売り飛ばされた一方で、大企業のデタラメ経営者だけが大儲けという
わけです」

             ◆ 再生機構シナリオ狂うから経営者責任を追及せず ◆

　こんなデタラメまでやって、小泉内閣が産業再生機構を利用する魂胆は何か。当然、
あこぎなカラクリが隠されている。
「小泉内閣は、『来年３月までに不良債権を半減させる』と大ミエを切ってしまった。
でも、本当に大企業を潰して不良債権を処理したら、引き当ての足りないＵＦＪなど
大銀行も共倒れになるし、それをきっかけに大不況が加速されてしまう。拓銀が潰れ、
金融不安、連鎖倒産が起きた９７年の二の舞いです。そこで再生機構という“クッシ
ョン機関”を使って、時間稼ぎ、目くらましをやっているのです。不良債権を再生機
構に移し替えれば、銀行の帳簿はきれいになって不良債権半減をＰＲできる。景気回
復感も出るという計算です。でも、不良債権の実態は何も変わらないわけです」（経
済アナリスト・吉見俊彦氏）
　専門家の間では、日本の不良債権は「相変わらず１００兆円レベル」と語られてい
る。
　こうなると小泉内閣や金融庁が、デタラメ経営者たちの刑事責任追及や資産没収に
消極的なワケもミエミエだ。「創業者にゴネられたら、再生機構活用のシナリオ通り
にいかなくなる」（事情通）から、ウヤムヤなのである。まさにペテンのオンパレー
ドだ。竹中大臣が「大手銀行は限りなく健康体に近づいている」と言えば、銀行サイ
ドも「不良債権問題は終息した」（みずほの前田社長）と楽観論を振りまいているが、
国民は百パーセント信用しない方がいい。国際大名誉教授の宍戸駿太郎氏がこう言う。
「株価が森内閣時代の水準にさえ戻らず、地価も下落したままの中で、不良債権を急
減させるのは無理な話です。不良債権を処理したいのなら、世間が驚くような超大型
補正予算を組んだり、大減税をしてデフレをストップさせ景気を回復させるしかあり
ません。しかし、小泉内閣は逆なことをやって増税不況を引き起こそうとしている。
この調子では、不良債権問題は２、３年後に元の木阿弥になりますよ」
　庶民は、小泉政権が続く限り苦しめられ、バカを見る運命のようだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年11月25日号

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  なぜあれほど偉そうに威張っているのか
  とにかくムカつく小泉首相のやること、いうこと、
  国内外での立ち居振る舞いのこれだけの落差
  外国ではこんなに卑屈で国辱もの

 ■ 《排ガスデータ捏造》
      またも企業不祥事！！　ウソにウソを重ねてドツボにはまった三井物産
 ■ 小田急経営陣が「堤、許さん！」　西武株購入で関係悪化
 ■ 空々しい外務省　今ごろ「横田めぐみさん・遺骨の鑑定はムリそう…」だって
 ■ 急増スキミング被害者“見殺し”　銀行の冷酷、無責任
 ■ 〈トヨタ〉世界戦略に黄信号？　急激な円高で１ドル９０円台も
 ■ 「日銀券」著者・幸田真音直撃インタビュー
 ■ 「冬ソナ景気」はいつまで…
 ■ 〈Ｇ・サックス〉初の高級旅館を支援へ
 ■ 今冬のおしゃれ　セレブ気分で襟元に高級感
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 人気のお見合いツアー参加女性が感じたギャップ
          韓国オトコ意外（？）に不人気


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ なぜあれほど偉そうに威張っているのか
■ とにかくムカつく小泉首相のやること、いうこと、
■ 国内外での立ち居振る舞いのこれだけの落差
■ 外国ではこんなに卑屈で国辱もの
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       国内では不利になるとすぐカッとなって居直り、失言を追及されると
 詭弁を強弁、突っ張りだが、外国に行くとブッシュにおべっかばかりの意気地なし

       来年からは大増税を強行して国家破産を逃れようと画策しているが、
         もう手の打ちようのないところに来た小泉政権下の日本の現状を
                      マトモなマスコミとして改めて警告
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　内弁慶――広辞苑を引くと「外では意気地がないのに家の中では威張り散らすこと。
または、そういう人」とある。これって小泉首相そのものじゃないのか。
　アジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）での小泉は全く意気地がなかった。ブッシ
ュに会うと「大統領選の結果を見るため、午前２時まで起きていた」と卑屈なヨイシ
ョ。イラク自衛隊派遣では、まだ閣議で決まっていないのに「復興協力を継続。内容
は日本に任せてほしい」と約束した。日本経済を左右する為替問題でも、ブッシュの
根拠のない「ドル高政策」にご意見拝聴だけで引き下がっている。
　ブッシュだけではない。中国・胡錦涛から「靖国参拝が日中間の障害だ」と中止を
求められるとタジタジ。記者団に今後の参拝予定を聞かれても「何も言わないことに
した」とダンマリだ。北方領土問題がテーマの日ロ会談でも、プーチンの２島返還論
には反論せずじまい。要するに自分の主張を引っ込めて儀礼会談に終始したのである。
「各国の首脳会談はそれぞれ丁々発止でした。胡錦涛はブッシュから『一つの中国論』
の言質を取って台湾の独立派を牽制することに成功したし、プーチンはブッシュがロ
シアの中央集権化を懸念すると、『多民族と広大な国土をまとめるロシアの特殊事情』
と歴史をさかのぼって説明し、やり込めていました」（外交関係者）
　それが首脳外交のやり方。強いものにシッポを振り、まともな議論を避ける意気地
ない小泉は国辱ものである。

                   ▼ 内弁慶首相は詭弁強弁キレる居直る ▼

　外ではからっきしの小泉首相。ところが“家の中”ではエラソーに威張り散らして
いる。
　国会では「自衛隊が活動するところが非戦闘地域」と法律無視の詭弁を弄し、それ
を批判されると「いい答弁だった」と強弁して居直る。質問に追い詰められると「人
生いろいろ」だの「議員もそれぞれ」と訳の分からない答弁で逃げる。道路公団改革
や郵政民営化の骨抜き・インチキを指摘されるとキレてしまい「誰が改革に手をつけ
たのか。小泉内閣だからこそできたんじゃないか」と開き直る。まるで子供だ。国内
と国外で百八十度違う立ち居振る舞いはなぜなのか。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「文字通りの内弁慶首相です。もともと確固たる信念がないから、外交で堂々と自説
を主張できない。だから一番強いものにくっついていれば何とかなると、ブッシュに
シッポを振るのです。その一方、国内で強気なのは、マスコミ操作で支持率が高いか
らです。改革を叫んでいれば国民はついてくるし、自分を批判するのは抵抗勢力で嫌
われると思い込んでいる。だから行き当たりバッタリの政治でも政権が維持できるの
です」
　まったくどうしようもない首相だ。

                   ◆ 小泉失政で財政は打つ手なしの惨状 ◆

　そんな小泉政権の３年半で日本は絶望的な状況になっている。まずは天文学的な数
字に膨れ上がった国家財政の赤字だ。
　就任時の公約だった新規国債発行３０兆円枠は「大したことではない」とあっさり
破られ、今年度の発行額は３６兆円に達する見込みだ。６月末現在の残高は史上最高
の５７１兆円。これに借入金や政府短期証券、政府保証債を加えた国の負債は７８７
兆円に上る。そのうえ地方自治体の債務は今年度末に２００兆円突破が確実というか
ら、日本の借金はあっという間に１０００兆円だ。
「これが先進国の財政状況とは信じがたいです。ユーロ圏では財政赤字がＧＤＰの６
０％を超えてはならないという規定があります。日本は、この規定を１００％近く超
えている。健全性のカケラもありません。国債を日本国内で消化できるうちはいいで
すが、外国人頼みになると、すぐに暴落して紙クズになる恐れも強い。財政は危機的
レベルです」（同志社大教授・浜矩子氏＝国際経済学）

                      ▼ 追い打ちをかける景気の悪化 ▼

　老後の安心を託す年金もデタラメ改革でボロボロだ。国民に保険料アップ、給付金
ダウンを押しつけ、インチキの出生率を前提にした「１００年安心プラン」のバケの
皮はすっかりはげた。今のペースで少子高齢化が進んでいくと、数年もたたずに保険
料アップ、給付金ダウンを押しつけられるのは確実だ。受け取れるアテのないカネを
払わされ続ける国民は、不安を抱えて生きていくしかない。
　追い打ちをかけるように景気も悪化してきた。明大教授の高木勝氏（現代経済）が
言う。
「政府も日銀もいまだに景気は回復を続けていると言っていますが、甚だ疑問です。
実質ＧＤＰを新方式で算定したところ今年４―６月期は前期比０．０％で７―９月期
はマイナス０．１％でした。昨年１０―１２月期は１．４％、今年１―３月期は１．
３％ですから、急減速は明らか。４月以降、日本経済の成長はピタリと止まっていた
のです」
　政府は今年度の経済成長率を実質３．５％と見通しているが、民間シンクタンクで
政府見通しを上回るところはない。
　小泉政権は３年半前から「改革なくして成長なし」と繰り返し、回復局面に突入す
ると「改革の成果だ」と自賛してきた。しかし、専門筋の間では、景気循環の谷間に
「改革」を連呼し、上向いたときに「成果」をアピールしただけのマジックにすぎな
いともっぱらだ。むしろ、おかしな改革が景気の足を引っ張り、回復を滞らせていた
というのが真相だ。

                    ◆ 国家破産を大増税で乗り切る魂胆 ◆

　破綻国家のツケは間違いなく国民に押しつけられる。すでに年金保険料は引き上げ
られ、配偶者特別控除の上乗せ分廃止も決まっている。給与がダラダラと減り続けて
いるところに負担増大だから、サラリーマン家庭の可処分所得は減る一方だ。
　しかし、政府はこれでもイジメ足りないらしい。０６年には定率減税は廃止が既定
路線だ。そうなると、年収８００万円の夫婦と子供２人のモデル世帯で年間１０万円
近い負担増になる。
　その翌年の０７年からは消費税増税だ。１０年後のプライマリーバランス黒字化に
は消費税を２１％にする必要があると脅している。
　ムダな公共事業や天下り先への補助金など、政治家や役人が自分たちのために野放
図にカネを使ってきた揚げ句、金庫がカラになったから「もっと出せ」とすごんでい
る。まるでヤクザのやり口だ。
「借金が増えたから増税で是正するとは実に安直。ムダな歳出を徹底的に洗い出すの
が先決です。三位一体改革で中央省庁が抵抗しているのは、地方への既得権益を奪わ
れるからで、それだけ国民からすればムダなモノがたくさんあるのです。彼らの既得
権を国民の負担で支える必要はこれっぽちもありません。小泉政権が目指す増税、負
担増の政策はナンセンスですよ」（浜矩子氏＝前出）
　それでも国民の４割以上が小泉を支持している。日本人は底抜けのお人よしなのか、
それともマゾヒストなのか。

20041116ゲンダイ 米軍がファルージャでやっているのは大虐殺ではないか？！

◆ どれだけの犠牲者が出るのか分からない ◆

日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年11月16日号 -1

これは紛れもない虐殺ではないのか。米軍によるイラクのファルージャ総攻撃だ。イラク暫定政府の「ダウド国家安全保障担当相」は「制圧作戦は終わりを迎えている」と言い、これまでに１０００人を超える武装勢力を殺害し、２００人以上を拘束したと発表した。１０００人という数字には驚くが、これだって当局発表。本当はもっと犠牲者が出ている。民間人も殺されている。こんなことが許されるのか。

「米軍は４月にも総攻撃を仕掛けて、この時は民間人が６００人も殺された。世界中から非難を浴びた米軍は、今回の作戦では作戦のごく一部だけをメディアに伝えさせて、すべてをベールに包もうとしている。真っ先にファルージャ総合病院を制圧し、死者やけが人の数を情報統制しているのがいい例です。ＴＶに映らないところで何が行われているのか。事態は地獄絵だと思います」（事情通）

今年の７月、ファルージャに行ったジャーナリストの志葉玲氏はこう言う。「現地からの情報では米軍がやっているのは紛れもない無差別殺害です。これまで米軍と武装勢力の仲介役を務めていたイラク・イスラム党のオフィスまで破壊され、その裏手の病院も粉々になって、多くの医療関係者が死亡したと聞きました。市民の８割が脱出しているなんて報道がありましたが、ウソです。１８～４５歳の成人男子は町を包囲している米軍のチェックポイントを抜けられないし、そのため、家族ごと町に残っている人々が大勢いる。人口３０万人のファルージャで１５万人くらいが残っていると思います。そこに無差別空爆が繰り返されているんです。それも米軍が使っているのは化学薬品が飛び散る爆弾で、薬が体に付着すると燃える。水をかけると毒ガスが発生するという兵器です」

アルジャジーラはファルージャから脱出した女性の証言で、「路上に転がる死体の上を米軍車両が走っている。死体が川に捨てられている」と報じた。市内は米軍が封鎖しているため、食料、水、医薬品が届かない。イラク赤新月社によると「餓死者がでている」という。

「過去最悪の惨事になると思います。治安悪化で現地のＮＧＯが激減し、わずかに残る人道支援者も病院が破壊されているため、負傷した人の治療ができないんです」（ボランティア活動家の高遠菜穂子さん）

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年11月05日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年11月 5日号 -1

 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  世界はますます暗黒の闇の中へ
  米大統領選結果に日欧米有識者が深刻な懸念
  愚か者・ブッシュ勝利でどういうことになる

 ■ ダウ急反発　原油続落
 ■ フランス　ブッシュ再選の失望感広がる
    ドイツも複雑な受け止め方
 ■ ダイエー球団保有断念　ホークス株８割をソフトバンクに売却へ
 ■ 《ブッシュ再選》日本企業めぐる不安
 ■ 来春８１５人採用　強気戦略ＵＦＪ内部で進む荒廃
 ■ 〈楽天〉プロ野球参入セール実施中
 ■ 価格下落が拍車　“薄型テレビ”年末商戦に突入
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 野菜高騰でＧＤＰマイナス５０００億円

 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】
        どこが地方分権か！　“三位一体改革”で逆に肥大化を狙う財務省 ──


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 世界はますます暗黒の闇の中へ
■ 米大統領選結果に日欧米有識者が深刻な懸念
■ 愚か者・ブッシュ勝利でどういうことになる
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       --------------------------------------------------------------
               アメリカ世論は二分され、ヨーロッパは反米化し、
         小泉日本はますますブッシュに隷属化されるという見通しの中で
       --------------------------------------------------------------

　世界中が注目した米国の大統領選挙は３日（日本時間４日未明）、ケリー上院議員
が敗北宣言し、ブッシュ大統領の再選が決まった。これを受けて、ブッシュ大統領は
ワシントン市内で支持者を前に「われわれは圧倒的な勝利を収めた」と“勝利宣言”
を行った。
　ブッシュ陣営は激戦州３州のうち、フロリダ、オハイオを制し、過半数を超える２
７９人の選挙人を獲得。１億４０００万人を超す一般投票でもケリーに３００万票以
上の差をつけた。オハイオについては暫定票が１７万５０００票も残っていたことか
ら、ケリー陣営は一時、「すべての票が確定するまで待つ」（エドワーズ副大統領候
補）と宣言したが、最終的に逆転は無理とあきらめた。
　ブッシュは早くも対テロ戦争の継続を宣言し、戦争屋の再選には世界中から落胆の
声が上がっている。

       ◆ “ビンラディンのビデオ”と“疑惑選挙”で“ブッシュ勝利” ◆

　過去５０年間で現職大統領の落選は３人しかいない。しかし、今度のブッシュ再選
には驚いてしまう。
　今回、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなど主要メディアはこぞって
反ブッシュに回った。当たり前の話で、これ以上、戦争屋・ブッシュに政権を任せた
ら、世界中がきな臭くなってしまう。
　そんなブッシュが選挙戦終盤のＴＶ討論では大ポカを連発。アホさを「これでもか」
と露呈した。それでも再選とは何なのか。
「ブッシュはこの４年間、再選のためにありとあらゆる手段を弄してきたんです。２
年前に電子投票導入の法案を可決させたかと思うと、ブッシュ寄りの業者が次々に自
治体に納入した。こうした電子投票システムには選挙前から信頼性に疑問の声が出て
いました。激戦区では共和党系の司法長官や選挙管理人が就任。民主党寄りの有権者
に不利があったのではないか、ともささやかれている。その他にも、電話を使った詐
欺投票とか、サブリミナル効果を使ったコマーシャル、ネガティブキャンペーンの数々
など、ブッシュ陣営のダーティートリックを挙げていけばきりがないんです」（国際
問題評論家・浜田和幸氏）
　今度の選挙には世界三十数カ国から選挙監視団が送り込まれている。まるで発展途
上国だが、これだけ見ても、いかに米国の大統領選挙が怪しげなものかがよく分かる。
　中でも極め付きが投票日４日前に流されたビンラディン映像ではないか。
「フランスのＴＶは専門家による音声解析の結果、９５％の確率でニセモノと断じて
いた。ＣＩＡもホワイトハウスも映像が本物かどうかの発表をしていない。万が一、
本物だとしても投票日４日前に流れるのは明らかに意図的。テロをあおれば、現職の
ブッシュ有利だし、実際、この映像でブッシュ支持率は跳ね上がった。あまりにも露
骨なトリックです」（在米ジャーナリスト）
　事実だとすれば、ブッシュは９・１１の惨劇をあらためて政治利用したことになる。
こんな薄汚い大統領は初めてじゃないか。

                 ------------------------------------------
                   ブッシュ再選でどうなる日本と世界の今後
                 ------------------------------------------

             ◆ 国際情勢知らない田舎者が世界の指導者選ぶ怖さ ◆

　他にもブッシュの勝因はいくつかある。「ケリーがあまりにもだらしなかった」
「テレーザ夫人の税金逃れスキャンダルをブッシュ陣営に握られた」「４年後を狙う
ヒラリーが本気で応援に動かなかった」などなどだ。
　しかし、「決定的なのは米国民の政治意識の低さ」という声もある。今度の選挙の
争点は、イラク戦争イケイケドンドンのブッシュか、国際協調路線のケリーかという
選択だった。しかし、有権者がこうした国際情勢を考えていたかどうかは甚だ疑問だ。
「ブッシュが取った“赤い州”はみんな内陸部。ケリーの“青い州”は海に面してい
る。内陸部の米国民は国際問題にはほとんど関心がありません。酪農や農業従事者が
多く、『米国は一番強い』『だから、米国が世界を引っ張るのは当然』という独善的
な考えの人が多いのです。こうした有権者がブッシュを支持し、米国の世界戦略が決
まっていく。これはちょっと恐ろしいことだと思いますね」（フォーブス誌アジア大
洋州支局長・ベンジャミン・フルフォード氏）
　今度の選挙では同性愛の結婚を憲法で禁止するかどうかも問われたが、こっちの方
が関心が高かった州もあるほどだ。
「投票所に長い列ができていましたが、これは投票項目が多岐にわたり、混乱する人
が多いからです。大統領選挙だけでなく、下院議員、州によっては上院議員、郡の委
員などの投票もある。よく分からない人もいるんですね」（在米ジャーナリスト・堀
田佳男氏）
　かくして、日本では考えられないようないい加減な選挙で、ブッシュの再選が決ま
ってしまった。この結果が世界史を左右するのだからゾッとする。

              ◆ 日米景気は赤字膨張とドル安で来年から急失速 ◆

　ブッシュ再選で、世界と日本はどうなるのか。いいことは何一つない。
「気になるのは景気問題ですが、大統領選後の米国は大変です。イラク戦争と後始末
に２０００億ドルもつぎ込んだことで米国の財政赤字は４２００億ドルまで膨らみ、
さらに経常収支も６０００億ドルの大赤字です。選挙が終われば、ブッシュも赤字解
消に乗り出さざるを得ない。そうなると国内的には歳出削減、減税打ち切り。対外的
にはドル防衛、要するにドルの切り下げです。これによって米景気は来年から一気に
失速するとみていいでしょう」（経済評論家・広瀬嘉夫氏）
　米景気の低迷とドル安は、モロに日本経済直撃だ。
「株式市場には、ひとまずブッシュが再選されて『ひと安心』というムードが漂って
います。しかし、これは大間違いです。これから日本は株安・円高に見舞われ、１ド
ル＝１００円突破は時間の問題です。日本の輸出メーカーの採算レートは１０６円。
急速な円高で、また輸出業者は泣かされ、リストラ、賃下げが始まる。輸出が頼りの
日本経済は一段と沈み込むと覚悟すべきです。おまけに原油高騰もイラク情勢不安と
供給不足で、１バレル＝５０ドル前後の高止まりが続く。日本経済の先行きは真っ暗
です」（広瀬嘉夫氏＝前出）
　もともと経済が苦手なブッシュは、再選に向けて必死に「好景気」を演出しようと
してきた。しかし、ＮＹダウは４年前を超えられず、今年４月からは景気後退が始ま
っている。選挙が終わったブッシュの本心は「もう経済はどうでもいい」だけに、間
違っても日米経済に上がり目はないということだ。

            ◆ 日本の“米軍基地化”進み改憲と北の暴発が焦点に ◆

　在日米軍が一気に強化拡大されるのも確実だ。いよいよ日本列島は、米国の世界戦
略のための“出撃基地”にされる。
　すでに米国は、ワシントン州にある米陸軍第１軍団の司令部を神奈川県の「キャン
プ座間」に移すことを日本に提案。極東からアジア、中東、さらに東アフリカまでの
地域をカバーする司令塔を日本に移転させる構想だが、ブッシュ再選でそれが現実に
なるのだ。
「日米安保条約は、米軍が日本の基地を使えるのは、日本と極東の防衛のためと限定
しています。中東や東アフリカまで出撃するのは、明らかに条約に違反している。そ
れでも再選されたブッシュ大統領は、強引に進めるはず。当然、日本もそれに合わせ
て負担と協力を強いられる。かつて中曽根首相は『日本を不沈空母にする』と言い放
ったが、今度は日本列島全体が米軍に提供されることになります」（立正大教授・金
子勝氏＝憲法）
　小泉ポチ公首相の残り任期２年で憲法９条の改悪まで進んでおかしくない。
　朝鮮半島も、急速にきな臭くなる。ケリー候補は、６カ国協議を継続しながら、米
朝２国間の直接対話も行うと明言していた。
　ところがブッシュ再選で、「悪の枢軸」の金正日総書記は、これからも「ならず者」
扱いだ。戦争バカのブッシュ大統領が、北を挑発するのは目に見えている。北朝鮮も
対抗せざるを得ないから、朝鮮半島は再び緊張激化だ。日本は「いつテポドンが飛ん
でくるか」とまたハラハラドキドキだからたまったものじゃない。
　そんな朝鮮半島の緊張に乗じて、小泉隷属首相が日本の軍事化を進めるという最悪
のシナリオがミエミエなのだ。

             ◆ 米軍と一蓮托生のサマワ自衛隊も今度こそ正念場 ◆

　イラクのドロ沼とテロ激化も決定的だ。中東の衛星ＴＶアルジャジーラは「ブッシ
ュ再選はアルカイダの思うツボ」と解説している。
　ケリー候補は選挙中、イラク戦争を「大義がなかった」と批判し、就任半年以内で
の米軍削減開始を打ち出していた。ケリー“大統領”なら「米国は間違っていた」と
認め、軌道修正を図れたかもしれない。
　しかし、「テロとの対決」を売りにし、「フセイン拘束で世界は安全になった」と
言い張るブッシュ大統領では、さらに力での制圧を強めるのは確実。イラク国内はま
すます混乱拡大である。
「テロリストが困るのは、テロの大義名分を失うことです。もし、米国が“単独行動
主義”を改め、イラク統治を民主的に行ったら、テロリストはお手上げです。だから、
ブッシュ大統領が再選されて内心ニンマリしていますよ。再選で強気になったブッシ
ュ大統領は、来年１月に予定されている『暫定国民会議選挙』を何がなんでも実施し
ようとするだろうが、逆に反米勢力は死に物狂いで選挙を潰しにかかる。これから３
カ月、イラク国内は非常事態になるとみています」（国際問題評論家・角間隆氏）
　それでなくても、イラク国内は治安が一気に悪化している。日本の大マスコミは報
じないが、約４０の町で米軍の管理が不可能になっている。警備が堅固なはずの、米
大使館などがあるバグダッドの「グリーン・ベルト」でさえ攻撃を受けているありさ
まだ。つい最近、米国人ら９人が拉致される事件も起きている。ブッシュ再選で反米
勢力が勢いづくのは必至だ。ブッシュの忠犬、小泉日本も格好の標的だ。
「小泉首相は『テロに屈しない』と自衛隊派兵を延長しようとしているが、このまま
ではいずれ狙われる。拉致、殺害された香田さんが星条旗に包まれていたのは、日本
をブッシュ大統領の協力者とみているためです。これまで自衛隊の宿営地に撃ち込ま
れたミサイルは牽制の不発弾だったが、この次は分かりません」（自衛隊事情通）
　日本人がゲリラの血祭りにされることが、この先４年間、日常茶飯事になりそうだ。

            ◆ 世界から相手にされない再選ブッシュはどこへ行く ◆

　戦争屋ブッシュの登場以来、世界中が戦争とテロの不安におびえ続け、ヘトヘトだ。
それが、あと４年も続くのだから、絶望的な気持ちになってくる。
「世界中の知識層がブッシュ再選にあきれ、失望しています。この男ほど世界の平和
と秩序をムチャクチャにした指導者はいない。ヨーロッパのメディアはこぞって批判
的だし、有権者の７割近くが“ブッシュＮＯ”です。米国以外で選挙をしていたら、
ブッシュは間違いなく完敗だったはずです。そんな男がしぶとく生き残ってしまった。
アメリカのブッシュ支持層というのは、本当に国際的な常識が通じない罪深い連中で
す」（国際問題評論家・山岡清二氏）
　ブッシュの暴走を蔑視してきたフランスやドイツはさらにブッシュ離れを進めよう
としている。ブレア首相以外にブッシュ支持者がいない英国でだって、来年の総選挙
で同盟関係がどうなるか分からない。子分は小泉くらいなものだが、ブッシュはへい
ちゃらだ。
「ブッシュが急に国際協調を唱えたり、方向転換することはあり得ません。頭の悪さ
や、話し合いが通じない独善的・好戦的な資質は変えようがない。孤立すればするほ
ど、スリ寄ってくる小泉首相のような男をかわいがり、従わない国は遠ざけたり武力
で潰す。それだけに、この先も、世界中で物騒な衝突と荒廃が続くことは間違いあり
ません」（山岡清二氏＝前出）
「ブッシュは米国を狂わせてしまった」――マイケル・ムーア監督が最後に行った演
説である。米国だけでなく、世界中がますます狂わされることになった。返す返すも
米国民はとんでもない選択をしたものだ。


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■ フランス　ブッシュ再選の失望感広がる
   ドイツも複雑な受け止め方
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                          ◆ 戦略練り直しは必至 ◆

　ブッシュ大統領が再選を果たしたことに関し、ケリー候補への支持の声が強かった
フランスでは失望感が広がっている。
　ケリー氏が敗北を認め、ブッシュ大統領の勝利が確定したとのニュースは３日、Ｌ
ＣＩなど仏のニュース専門テレビやルモンド紙の電子版などが一斉に伝えた。オハイ
オ州の「暫定票」をめぐる混乱で結果判明が先送りされるとみられていただけに、一
転して勝敗が決着したことが驚きをもって受け止められている。
　仏政府としては当面、２期目のブッシュ政権の陣容と外交政策、特に一国主義的な
傾向が続くのか多極主義的な方向にかじを切るのかなどを慎重に見極める方針とみら
れる。

                         ＊          ＊          ＊

　ドイツのシュレーダー首相はブッシュ大統領の勝利を受け、「われわれのさらなる
協力を大いに期待している」との祝電を送った。しかし、こちらも本音はガックリだ。
　シュレーダーは０２年の総選挙でイラク戦争反対を唱えて勝利。その後、米独関係
は冷却化しているだけにケリー上院議員の方があつれきがなく望ましいとの見方があ
り、与党・社会民主党内でもケリー氏を期待する声があった。各種世論調査でも国民
は圧倒的にケリー氏を好感していた。




─【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】─ 連載 ───────────────
 ▼ どこが地方分権か！　“三位一体改革”で逆に肥大化を狙う財務省 ──
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　前回のコラムでは、金融庁が巨大権力を握り始めていることを取り上げた。もう一
つの権力肥大化が起きている。
　小泉内閣は「三位一体改革」を政権公約にしたが、この「三位一体改革」を逆手に
とって、財務省が一気に自らの権限を肥大化させようとしているのだ。
　本来、「三位一体改革」は、地方分権を目的にして中央主導の非効率な“補助金”
を削り、代わりに地方に税源を移譲するというものだったはずだ。それによって、地
方は自主税源の比率が高くなるので、より地域の実情にあった効率的な事業が行える
ようになる。その一方で“地方交付税”を財政力の弱い自治体に重点的に配分してい
くはずだった。
　ところが、財務省は「財政赤字削減」を自己目的化して、一気に中央集権国家をつ
くろうとしている。まず財務省は、“力の源泉”である補助金を削られたくない自民
党の族議員を利用した。彼らは権限を削られたくない各省庁と一緒になって「三位一
体改革」つぶしにかかった。
「地方６団体」が３兆円の補助金カットを打ち出したのに対し、各省庁が提案したの
は１兆円足らず。しかも内容は“生活保護費”や“健康保険の国庫負担分”などであ
った。生活保護費や健康保険は、補助金を削られても自治体は支出を削れない。しか
も法律の縛りが強いから、中央官庁の権限は残ったまま。結局、負担だけを地方に押
し付けることになる。
　つぎに、財務省が言い出したのが“地方交付税”の大幅カットだ。なんと平成１７、
１８の２年間で８兆円も削るという。そんなことをしたら、地方自治体は予算も組め
なくなる。実際、地方交付税を約３兆円も削った今年がそうだった。
　自民党はそれが原因で参議院選に負けたというのに、まんまと財務省に乗せられて
いる族議員のおバカぶりには本当にあきれる。来年には景気は下降局面に入る可能性
が高い。自治体財政は破綻し地域経済は苦境に陥るだろう。
　そんな中で、財務省の権限だけが絶大になる。なぜなら“地方交付税”を大幅カッ
トされて税収不足に陥った地方自治体は、“補助金”に頼るしかなくなるからだ。そ
の時、補助金を出す、出さないを最終判断するのは財務省主計局だ。金融庁が金融機
関と企業の生殺与奪の権を握ったように、今度は財務省が地方自治体の生殺与奪の権
限を一手に握ることになるのだ。これで“地方分権”とはチャンチャラおかしい。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年9月30日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 9月30日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  世論にも挑戦し勝手気ままのやりたい放題
  この国は民主主義国ではないのか、大マスコミも野党も黙って
  見ているだけでは大変なことになることを歴史は教えている
  独裁者を気取る小泉純一郎をこのまま首相にしておいていいのか

 ■ 日本一ムダな「武部勤道路」の交通量
 ■ 小泉改造内閣もう内輪モメ
 ■ どうする山拓！　国政復帰は許さない　補選は女性包囲網
 ■ 小泉改造内閣は評価も期待もされず　「顔ぶれに不満」が半数以上（世論調査）
 ■ 〈ヤマト運輸〉ＶＳ．〈日本郵政公社〉ケンカの行方
 ■ 〈社保庁〉袋だたきの最中にわいろ
 ■ 初の１バレル＝５０ドル突破　日本企業の原油高対策
 ■ 〈ＵＦＪ〉グループ企業の間に広がる「ボーナス大幅カット」の恐怖
 ■ 双日役員報酬カット　社長６割副社長５割
 ■ 〈ＮＴＴ東西〉固定電話で対抗値下げ
 ■ 〈産業再生機構〉大京支援決定　出資ではなく債権買い取り方式で
 ■ 〈エイベックス〉筆頭株主に有線ブロードネットワークス
 ■ 〈三菱ふそう〉新型車販売再開へ
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 《米大統領選》意外なジンクス


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 世論にも挑戦し勝手気ままのやりたい放題
■ この国は民主主義国ではないのか、大マスコミも野党も黙って
■ 見ているだけでは大変なことになることを歴史は教えている
■ 独裁者を気取る小泉純一郎をこのまま首相にしておいていいのか
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           ナチスのヒトラーも戦争中の東条英機も有識層が小バカにし
                  傍観している間に巨大な怪物に成り上がった

    あと２年の任期中、選挙が無いことを悪用して平和憲法や議会制民主主義を
           無視し憲法違反の独裁を暴走する野望を許しては絶対ダメだ
   ----------------------------------------------------------------------

　小泉首相の感覚は、やはり世間とずれている。内閣改造・自民党三役人事を「適材
適所」と自画自賛だからあきれてしまう。どう見たって顔見知りとイエスマンを集め
た偏向人事じゃないか。
　身内の森派から５人も登用し、幹事長には“隠れ森派”の武部元農水相を起用した。
森派幹部でさえ「ちょっと多すぎる」と戸惑ったくらいだから異常である。一方で、
「踏み絵」を踏んで郵政民営化の基本方針を取りまとめた経済財政諮問会議の閣僚メ
ンバーは全員残留だから分かりやすい。亀井元政調会長が「挙党態勢ではないことは
確か」と不満をぶちまけるのも当然だ。
　そのうえ愛人スキャンダルで落選した山拓元幹事長を首相補佐官に任命である。有
権者が「代議士失格」と判断した人物を重用とは、世論、民主主義への挑戦だ。独裁
者気取りもいいかげんにしてほしい。
　トップが好き嫌いで人事をやれば、組織はガタガタになる。企業社会じゃ常識だ。
久間総務会長は小泉に「会社の人事でも半分が満足すれば合格ですよ」とゴマをすっ
ていたが、とんでもない。東京女学館大教授の西山昭彦氏（経営学）が言う。
「小泉首相の発想は中小企業の社長レベルです。草創期ならオーナー経営者が自分の
意に沿った連中を集めて成果を上げることも可能でしょう。しかし規模が大きくなる
と、ワンマン経営は限界。いろんな人材を登用し多様な意見を吸い上げていかないと、
市場と乖離してダメになってしまうのです。周囲を身内で固める小泉首相のやり方で
は、企業は潰れます」
　小泉は人事が“大好物”だそうだが、国会便覧片手に鉛筆ナメナメで勝手気ままに
やるのが好きなだけ。どういう人材を配置すれば国民生活が豊かになるかなんて、こ
れっぽっちも考えちゃいないのだ。ほっておけば、この国は潰れてしまう。

                   ◆ 変わり者があれよあれよと化け物に ◆

　こんな男を首相にしておいて、大丈夫だろうか。マスコミも野党もだまって傍観し
ている場合じゃない。このまま小泉を野放しにしていたら、どうなるかは、歴史が証
明している。かつて、独裁者と呼ばれた指導者たちは、有識者がタカをくくっている
うちに怪物に成長していったのだ。
　例えば、世界最悪の指導者ヒトラーだ。当初は、彼のエキセントリックな主張をマ
トモにとりあう国民はいなかった。ところが、政権維持が危うくなった当時の保守勢
力が、新興のナチスと結び付き、気が付けば巨大な化け物に育っていた。日本を戦火
の渦に導いた東条英機もそうだ。“忠実な軍人”と周囲に小バカにされていたが、首
相になった途端、戦争遂行責任者として権力を強化。独裁者への道を走り始めていっ
た。九大名誉教授の斎藤文男氏（憲法）が言う。
「小泉首相も同じ道を歩んでいます。ＹＫＫトリオではドン尻扱い。政界では“変人”
とからかわれ、だれも総理になるとは思っていなかった。そんな人物が大番狂わせで
総理に就任して以来、米軍のアフガン攻撃支援、イラク派兵、多国籍軍参加など、歴
代の自民党政権が何十年かかってもできなかったことを、あれよあれよと実行してし
まった。今後は改憲論者の山拓氏を従え、自衛隊海外派遣の恒久法制定や集団的自衛
権行使の解釈変更と、一気に改憲に向けた“既成事実化”を強める構えだから恐ろし
い」
　早速、小泉のイエスマン連中は「衆参両院の憲法調査会で十分に論議し、集団的自
衛権を行使できるようきちんと解釈を明らかにしていただきたい」（大野防衛庁長官）、
「常任理事国になったときに紛れのない形の憲法にしておいた方がいい」（町村外相）
なんて言い出している。平和憲法はもはや風前のともしびだ。

                     ▼ 野望実現のためには何でもアリ ▼

　そのうえ、仲良しブッシュのためには喜んで日本を差し出すハラだ。在日米軍の再
編問題では、日本を“出撃拠点”にしたい米軍の意向を受け入れ、“米国票”を増や
すために常任理事国入りを果たそうとしている。
「この２つは従来の日米安保や憲法解釈の枠を超える問題です。こうした難問にどう
対応するのか、小泉首相の口から聞いたことはありません。国民になんら説明もなく、
国民的議論もないまま国家の命運を左右する問題が動き出しているのは、極めて異常
です」（東京国際大教授・前田哲男氏＝安全保障論）
　しかも小泉は、あと２年の任期中は国政選挙がないのを悪用し、ムチャクチャ、デ
タラメ、インチキなどなど、なんでもやる気だ。
　１２月には期限が切れる自衛隊のイラク派兵を１年延長する。同じサマワに駐留す
るオランダ軍は来年３月で完全撤退でも、軍国化路線まっしぐらの小泉はお構いなし
だ。「中国は角栄、北朝鮮は小泉」とばかりに野望は止まらない。歴史に名を残すた
めなら拉致被害者やその家族、支援者の願いも無視。サッサと日朝正常化交渉を再開
し、悪名高い金正日とガッチリ手を握りかねない。

                     ◆ 改革連呼でも具体的な政策なし ◆

　国民生活もグチャグチャにされる。１０月から引き上げられる厚生年金保険料を皮
切りに、この先家計の負担はどんどん増える。１２月には配偶者特別控除が廃止され
るし、来年早々には老年者控除も廃止だ。あれやこれやで今後１年間の負担増は総額
１兆３０００億円。しかも、それだけじゃすまない。小泉は、その何倍もの負担を国
民に押しつけようとしているのだ。
「まずは定率減税の廃止です。これだけで総額３兆２０００億円規模の大増税になり
ます。消費税アップもある。首相は自分の任期中は上げないと言っていますが、『大
したことではない』と平然と公約を破った前科がある。信用できませんよ」（政界関
係者）
　民間企業の給与は６年連続でダウンしていて、賞与はバブル前の８４年水準まで逆
戻り。家庭の金融資産は平均４７万円も減少し、借金は３８万円増えた。国民は預金
を取り崩したり、借金をしたりとひいひい言いながら生きている。
　そこに大増税ではやっていけない。
「小泉首相は国民生活にとって本当に必要な政策をやろうとしません。聞こえのいい
『改革』という言葉を連呼して煙幕を張り、無策を隠している。しかも、その改革さ
えマトモにできないのですから、さっさとお引き取り願いたい」（斎藤文男氏＝前出）
　小泉の野望を許していると、とんでもない事態を招いてしまう。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年9月27日号

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              ☆ 明日の『日刊ゲンダイ Dailymail』は休刊です ☆

 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  史上最悪最低内閣の出現か
  こんな政権が続いたらと深刻な懸念

 ■ 小野清子《国家公安委員長》の秘書疑惑　司法当局なぜ追及しないのか
 ■ 内閣改造前夜　永田町駆け巡る怪情報　幹事長に石原伸晃、麻生太郎
 ■ ＪＵＮＧＬＥ　ｒｅｐｏｒｔ
    “ジャナイカ人”“３Ｔ”“￥ジェル”…
    オジさんも使える《最新版》便利な若者言葉はこれだ！
 ■ スカイバス東京で空を見ながら皇居を一周してみた
 ■ 静かなブーム　デザート酢に「おかわり！」


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 史上最悪最低内閣の出現か
■ こんな政権が続いたらと深刻な懸念
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           ------------------------------------------------------
            偏執狂首相の改造新内閣の顔ぶれ、どう転んでも末期症状

                   マスコミに名の出た人事は消える闇の中で
                 操られる自民党役員・内閣閣僚という独裁体制
           ------------------------------------------------------

　安倍晋三幹事長の退任が決まり、今度の内閣改造は党三役も含めて、大改造になる。
　すでに額賀福志郎幹事長だとか、目玉大臣は小渕優子だとか、さまざまな情報が飛
び交っているが、えげつないのが小泉首相のやり方だ。
　派閥に相談しない小泉は、一本釣りで電話をかける。聞くのは「小泉改革に協力し
てくれるか」という一点だ。ポストも明かさず、言質を取る。そこで、「派閥に相談
する」とかムニャムニャ言うと、二度と電話はかかってこない。大臣ポストをエサに
協力者を取り込み、歯向かうものは徹底して干し上げてしまう。ま、「歴代首相も多
かれ少なかれやってきたこと」といえばそれまでだが、これほど「露骨」な首相も珍
しいのだ。政治評論家の山口朝雄氏もこう言う。
「しかも、今回はもっとあからさまで、郵政民営化を“踏み絵”にすると公言し、つ
いこの間も『改革への情熱の持ち主』と入閣の条件を付けていた。どんな内閣も、首
相が自分に協力してくれる人を閣僚に選ぶ。しかし、小泉さんはそれを外に向かって
何度も公言し、暗に『協力しなければ、干すぞ』というわけです。そこが歴代首相と
大きく違うし、あざといところなんですね」

                     ▼ 好き嫌いで選んでいるのと一緒 ▼

　かと思うと、ポスト小泉をうかがう平沼赳夫元経産相や古賀誠元幹事長らを「改革
の意欲が足りない中２階」と切り捨て、挑発したりする。その一方で、マスコミを使
って、人事情報を流したりして、大臣待望組を“その気”にさせて黙らせる。
　マスコミの人事情報なんて、出た瞬間、潰れるものだが、党内は浮足立っている。
ホント、あざとい手口なのだ。
　しかも、踏み絵になっている「改革」も中身はカラッポだから、要するに「オレに
スリ寄れ」と言っているのと同じだ。どの会社にも好き嫌いで部下を評価する上司が
いるもので、こういう手合いに限って、人事権をチラつかせたりするが、小泉首相も
一緒なのだ。
「おそらく、首相は今度もアッと驚く若手を重要ポストに据えるんじゃないか。その
一方で大臣候補といわれる当選５、６回組をまたまた干すかもしれない。そうやって、
味方を増やす。イエスマンで固めようというわけです」（永田町事情通）
　こんな男が最高権力を握り、のさばっているのだから、国民は絶望的になってくる。

              ▼ 小泉独裁に「待った」をかけるのはいないのか ▼

　自民党内は小泉首相の“踏み絵”人事に対し、情けないことに沈黙している。
　反小泉勢力の筆頭、古賀誠までが「今度は入閣要請を受ける」とわざわざ首相に聞
こえるように漏らすありさま。大臣ポストをチラつかされて、そろってシッポを振っ
ているのだから世話はない。
「もっと気骨のあるのはいないのか」と言いたくなるが、だからといって、小泉流が
うまくいくとは思えない。政治評論家の矢野絢也氏は「内閣改造でポストを得る人は
ごく一部。多くの人は外れ、失望し、反小泉に動く」と断言していたが、その通りだ。
　内閣改造が終われば「もう怖いものはない」と“打倒小泉”の動きが強まる。干さ
れた連中は恨み百倍で党内はグチャグチャになる。小泉首相は独裁者気取りだが、そ
うは問屋が卸さないのだ。

                 ▼ 下馬評に上っている入閣候補者は絶望的 ▼

　それでなくても、下馬評に上っている入閣候補にはロクなのがいない。森前首相、
青木参院議員会長が推薦している党三役は「額賀幹事長、亀井総務会長、中川政調会
長」という、とんでもない顔触れだ。政治評論家の有馬晴海氏はこう言う。
「今回の“入閣基準”も、やはり“サプライズ”でしょう。そこで浮上しているのが、
舛添要一、塩崎恭久、逢沢一郎といった若手や、拉致問題の中山恭子参与、猪口邦子
上智大教授、経済評論家の田中直毅などの民間人です。政界の一部では、話題性を狙
って女優の水野真紀と結婚した後藤田正純や、最大の目玉として小渕優子の名前も取
りざたされている。しかし、そんな奇をてらった人事でマトモな政治がやれるのか疑
問です」
　竹中大臣の“お声掛かり”で、伊藤達也副内閣相や、学者出身の大田弘子内閣府統
括官など「竹中ファミリー」が有力という声もある。首相にケンカを売った野田聖子
も「外相ならやりたい」と入閣を期待しているらしい。下馬評通りなら、素人同然内
閣になる。
「本来ならば、有能な人材を党内外から集めるのが当然です。ところが首相は、見栄
えの良さとか、好き嫌いで選ぼうとしている。これでは、きちんとした仕事ができる
内閣にはなりません」（政治評論家・本澤二郎氏）
“オレ流”の限界はもう露呈されつつある。

               ▼ 参議院は青木に一任、公明党にも重要ポスト ▼

　さすがに小泉首相も、このままでは政権がもたないと分かっているのか、参院枠は
青木議員会長に一任し、公明党にも「人選は尊重する」と言っている。
「これから来年にかけて、郵政法案など自民党と対立する難問が山積しています。人
気取りの閣僚メンバーだけでは、とても乗り切れない。そこで首相は、最大の実力者
である青木会長と、政権の後ろ盾である公明党に最大限の恩を売って、イザという時
に、助けてもらう算段です」（有馬晴海氏＝前出）
　そのおかげで、参院は典型的な“滞貨一掃組”の尾辻秀久や西田吉宏あたりが入閣
確実。
　公明党からは、北側一雄政調会長の経産相か国土交通相での入閣が決定している。
連立維持のために重要ポストを“売る”なんて、ますます絶望的な人選だ。

                 ▼ 人気取り内閣で瀬戸際の景気はどうなる ▼

　前出の本澤二郎氏はこう言う。
「今度の改造は、おそらく史上最低の顔触れになるんじゃないですか。入閣するのは、
ポスト欲しさに小泉改革に擦り寄った連中か、ただのお飾り。さもなくば、反小泉勢
力を抑えるために入閣させた“取り込み組”になる。本気で仕事をやるための適材適
所の人事ではなくて、政権延命だけを目的にした政治的改造だからです。しかし、こ
うしたメンバーで難題山積の日本を引っ張っていけるのか。すぐに底が割れるような
見てくれだけの閣僚は本当に勘弁してほしいと思います」
　民間企業は次の金融相や経済関係閣僚の名前に注目している。もうメッキがはがれ
てきた景気は今が正念場だからだ。それなのに、わけのわからない大臣ばかりでは困
るのだ。いずれにしても、改革偏執狂の首相がやりたい放題の人事を断行し、パフォー
マンスだけのイカサマ政権が続いたら、日本は確実に干上がってしまう。


──────────────────────────────────────
■ 小野清子《国家公安委員長》の秘書疑惑　司法当局なぜ追及しないのか
──────────────────────────────────────

                    ▼ 「辻元事件と比べて不公平」の声 ▼

　内閣改造や自民党人事の騒ぎの中で、重大な事件が見逃されようとしている。「家
政婦を１０年間公設第１秘書」にしていた、小泉内閣の大臣である小野清子国家公安
委員長（６８）の問題だ。
　本人は「勤務実態があった」と言い張っているが、４０年前にいわゆる「お手伝い
さん」として採用され、小野家で食事の支度や掃除をしている女性がなんで第１秘書
なのか。非常識、まったく正当性がない。しかも、この１０年間、家政婦としての給
料は支払われず、税金である秘書給与の一部が渡されていた。「税金で家政婦を雇っ
ていたのか」と多くの国民は思っている。
「これは犯罪ですよ。第１秘書なら最低７３０万円の年収が国から支払われている。
それが小野大臣の個人的生活費に使われていたのだから、公私混同。秘書給与の流用
やピンハネにあたる。秘書給与問題では、辻元元衆院議員などが議員辞職に追い込ま
れ起訴されている。辻元氏だって、事務所を手伝ってもらっていたと主張したが、聞
いてもらえませんでした」（野党関係者）
　しかも、一介の参院議員ならともかく、小野議員は警察のトップに立つ国家公安委
員長だ。責任の重さは過去の同問題では最高だ。司法当局が、「内閣改造で大臣を辞
める人だから」と、小野議員の問題を放置してウヤムヤにするなら、「身びいき」
「えこひいき」「不公平」以外の何ものでもない。


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■ 内閣改造前夜　永田町駆け巡る怪情報　幹事長に石原伸晃、麻生太郎
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　自民党の三役人事と内閣改造をめぐって、永田町では怪情報が駆け巡っている。そ
の多くは「先に名前を出して潰してしまえ」という思惑情報だが、ビックリ仰天の政
治家名が浮上してきた。

     ▼ 古賀誠、野田聖子、河野太郎入閣！？　意外な民間人女性の名前も ▼

「新しい幹事長は石原伸晃、政調会長は茂木敏充、総務会長は谷垣禎一か亀井静香」
――安倍幹事長の正式辞任発表と同時に流れたのは、こんな三役の顔ぶれだった。発
信源は「官邸」とも「野中元幹事長サイド」とも言われ、「石原幹事長説は、来年の
都議選対策」という解説までついている。石原幹事長（４７）、茂木政調会長（４８）
なら確かに“サプライズ”だが、党内が収まるわけがない。“中２階”以上は反乱だ。
「中川秀直幹事長」説も流されている。これは狙いがミエミエで、「せめて政調会長
か総務会長に押し込みたい森前首相サイドの牽制」（事情通）ともっぱらだ。
　他に幹事長で有力なのは「麻生太郎か額賀福志郎」。麻生は総務相として郵政民営
化の閣議決定に従ったことが評価され、額賀は政調会長として閣議決定に反対しなか
ったことで「合格点」だとか。
　内閣改造情報もすごい。
「目玉はどうも古賀誠の入閣のようです。赤坂でニコニコして飲んでいるのが目撃さ
れ、『これは財務相内定か』とささやかれています。若手では河野太郎。最近、官邸
にちょくちょく顔を出しています。来年の郵政国会が混乱したとき、父親の河野洋平
議長がベルを鳴らさない危険もあるので“人質入閣”という見方です」（永田町関係
者）
　他には、女性検事、国連職員の肩書を持ち、７月まで参院議員だった佐々木知子
（４９）の外相説が浮上中。「かなり色っぽくて首相好み」（事情通）だそうな。
「国会便覧」を片手に、エンピツなめなめの首相は、どこまで参考にするだろうか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年9月14日号

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  １０００兆円の国の借金　来年はもっと増える
  その返済に大増税必至だが、こんな将来に希望のない国にした責任者は誰なのか
  恐らく役人に操られている今の小泉政治では国は闇の中

 ■ ボーナス８割減　年収２割カット　ＵＦＪ行員２万人これから始まる貧乏物語
 ■ 直径４キロのきのこ雲！　“北朝鮮”大爆発の正体
 ■ 〈日歯連〉幕引きはおかしいゾ　迂回献金に新事実
 ■ “幹事長”“官房長官”の後任も決まらず小泉「月末内閣改造」の超難航
 ■ ジェンキンス特別扱いのナゾ　脱走兵になぜ月給（３６万円）まで払うの？
 ■ 西川三井住友　ＴＯＢ阻止（三菱東京　ＵＦＪ）の巻き返し策
 ■ 〈トヨタ〉ロシア本格進出の賭け
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 「不健全図書条例」のおかげ？！　“アダルト雑誌”部数増でウハウハ


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ １０００兆円の国の借金　来年はもっと増える
■ その返済に大増税必至だが、こんな将来に希望のない国にした責任者は誰なのか
■ 恐らく役人に操られている今の小泉政治では国は闇の中
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             --------------------------------------------------
                   小泉さんの改革ではこの国は救われない。
                   ムダな道路を造り続ける道路公団民営化。
              巨大会社となって民業を圧迫、抹殺する郵政民営化。
                 増え続ける国の借金。一向に回復しない景気…
             --------------------------------------------------

　先週末（１０日）、郵政民営化の基本方針が閣議決定されたが、その中身にはギョ
ッとする。この調子だと、０７年４月には化け物のような巨大会社ができあがってい
るのではないか。しかも、民営化は名ばかり。持ち株会社の株は１００％政府が保有
し、２０１７年とか言っている完全民営化後も３分の１超の株を持ち続ける。
　懸案だった地域分割も見送り。さすがに、郵便、郵貯、保険はそれぞれ独立した別
会社になるが、クセモノは窓口ネットワーク会社だ。ここが従来の郵便局の局舎を使
い、郵便や貯金、保険の窓口業務や集金を一手に引き受けるというのである。
「おいおい、ちょっと待てよ」ではないか。
「いくら、郵便、郵貯、保険を別会社にしても窓口が一緒では分けた意味がありませ
ん。全国２万４０００郵便局が政府出資という国の信用をバックにさまざまな金融商
品を売ることができるわけです。しかも、民営化までの移行期間中に商品の拡大やサー
ビスの充実、新分野への進出も行う。基本計画には『郵便局のコンビニ化も進め、国
際物流にも進出する』などと書いてある。民営化前にこんなことされたら、民間企業
は競争になりませんよ」（大手銀行アナリスト）
　郵政民営化の目的の一つは「民業圧迫の解消」だったのに、全然、話が違うのだ。

                    ▼ 財政改革も手つかずのいい加減さ ▼

　郵政民営化のもう一つの目的だった「財投改革」も手つかずだ。基本方針には、わ
ざわざ「移行期間中、郵貯、保険事業は国債市場への影響を考慮した適切な資産運用
を行う」などと書いてある。移行期間の完了は２０１７年だから、それまで郵貯、簡
保資金は従来通り財投債などを引き受け、特殊法人に金をタレ流すわけである。
　元ゴールドマン・サックス投信社長の山崎養世氏は、「郵政民営化は財投廃止が第
一義であるはずなのに、まったく手をつけていない。実態としては肥大化した半官半
民の特殊会社ができてしまう」（毎日新聞９月１１日）と書いていたが、その通りだ
ろう。
　こうなると、一体、何のための民営化なのか。法大教授の五十嵐仁氏は「小泉さん
のための民営化」と言い、「２０１７年に完全民営化したら、今度は外資が乗っ取り
にくるんじゃないか」と皮肉っていたが、笑えない話だ。

                   --------------------------------------
                    道路公団と同じで役人に丸投げの無責任
                   --------------------------------------

　それにしても、郵政民営化といえば、小泉改革の目玉だ。それが「たたき台」の基
本方針でこのザマだから、情けなくなる。
「結局、小泉さんにはどういう民営化をしたいのかというビジョンがまったくないん
です。ただ民営化したいだけ。だから、今度もこだわっていたのは『職員の身分は非
公務員にしろ』という一点だけ。あとは丸投げ。で、『これ幸い』と、総務官僚が郵
政公社とタッグで焼け太りのシナリオを描いたのが真相です。公社の生田総裁は『民
営化』を逆手にとって、『だったら、もっと業務拡大させろ』と迫ってきた。中途半
端な民営化で業務拡大の実はタップリだから、舌を出しているんじゃないですか」
（霞が関事情通）
　さらに暗躍したのが金融庁と財務省だ。郵政民営化準備室には前金融庁長官の高木
祥吉副室長、元理財局次長で「ミスター国債」といわれた竹内洋審議官らが陣取る。
官邸には大蔵出身で小泉の知恵袋である丹呉泰健首相秘書官。
　旧大蔵官僚は０１年の財投改革以後も「財投債」という国債をつくって、財務官僚
の案配で特殊法人に金を流すシステムを温存させた。今度も一緒で、郵貯、簡保資金
でなるべく国債を買わせようと動き回っている。
　何だか、道路公団改革とソックリではないか。
「道路公団民営化の場合、民営化推進委員会を隠れミノにして、法案化の作業で国交
省の官僚が暗躍。すべての改革を骨抜きにしました。小泉首相は、民営化という看板
だけでいいのか、国交省のやりたい放題を黙認した。その結果、借金返済が最優先さ
れるはずが、４５年ローンになり、無駄な道路が造り続けられることになった。郵政
民営化は、法案化の前の段階でヘナヘナになっている。先が思いやられますよ」（ジ
ャーナリストの横田一氏）
　キャッチフレーズを吠えるだけで、あとは官僚に丸投げの小泉首相は、役人にとっ
て、「最高の操り人形」なんじゃないか。

                 ------------------------------------------
                  改革をやらずに大増税のデタラメを許すのか
                 ------------------------------------------

　小泉政権がこうしたインチキ、デタラメ改革をやってる間に、国の借金は雪ダルマ
式に１０００兆円まで膨らんでしまった。内訳は国と地方の長期債務７１９兆円、政
府短期証券（ＦＢ）残高８６兆円、財投債残高９１兆円など。ＧＤＰの２倍、年間税
収の２５倍だから絶望的だ。
　ここまで借金まみれになってしまったのは歴代自民党政権のせいだが、小泉首相も
ムチャクチャだ。今年度の新規国債発行額は過去最大の３６兆円以上。来年度の概算
要求は今年度比７．８％増で、来年度は新発国債を４０兆円以上出す。もう国債市場
はパンク寸前なのである。
　で、今後は国民に個人向け国債を買わせる。ゆるやかにこちらにシフトさせる。こ
れが財務省の作戦で、ペイオフだとか、郵政民営化による政府保証外しは、そのため
の仕掛けという側面もあるのである。
　それでも財政破綻は必至だから、あとは国民に負担を押し付ける。すでに年金保険
料アップで実質毎年１兆円の増税が決まっているのも同然だが、さらに定率減税廃止
や消費税アップなど、増税プランがめじろ押しだ。
　国民にここまで痛みを強いるなら「構造改革」が大前提なのに、小泉インチキ首相
はゴマカしている。本気で構造改革を進めなければ歳出タレ流しも止まらないし、本
当の景気回復もない。それなのに、この期に及んで民業圧迫の“郵政改革”をゴリ押
しだから、絶句である。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。
「財政再建の第一歩はムダな歳出のカットしかありません。政府は国民に負担を押し
付ける前に、みずから余計な公共事業費や軍事費、公務員の人件費カットをすべきな
のに、一切ノータッチ。その一方で、この国の役人は相変わらず予算ブン捕り合戦、
出世競争に明け暮れている。国をどうつくるかという志がないんです。自分の任期中
だけゴマカし、省益を確保すればいいという浅ましい考えの連中ばかりだからイヤに
なります」
　だから役人に丸投げではダメなのに小泉首相は分かっていない。この時期にこの首
相というのは日本の悲劇だ。この国の行方は闇の中である。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年9月2日号

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  改めて問う　小泉さんは一体どこの国の首相なのか
  傲慢すぎる在日米軍と米国に何一つ抗議することもなく
  未だに何の手も打たない小泉首相は、まさにブッシュの奴隷を証明
  “戦後６０年”日本はまだ米軍の占領国なのか

 ■ 野口みずき　報奨金も“金メダル”断トツの７０００万円
 ■ 《「日歯連」捜査》自民党本部にもガサ入れはあるか
 ■ 本気？　ポーズ？　〈三井住友〉「ＴＯＢ開始は今月１０日」と英紙
 ■ 巨人のパ移籍阻止　「ライブドア」参入を容認
 ■ 《欠陥ハブ裁判》三菱ふそう前会長　罪状を全面否認
 ■ 各地でテロ報復
 ■ 都内パチンコ店騒然　「紙切れ」が両替機素通り
 ■ 〈ダイエー〉高木社長邸（千葉・ユーカリが丘）取材騒動の凄まじさ
 ■ 〈三井住友銀〉高木説得で直談判申し入れ
 ■ 〈松竹〉業績予想を上方修正
 ■ 〈マツダ〉デミオも美咲！　ピンクの特別仕様車再発売
 ■ 〈トヨタ〉３１００万株自社株買い　取得額１３３９億円
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 喜べない「高速料金値下げ」


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 改めて問う　小泉さんは一体どこの国の首相なのか
■ 傲慢すぎる在日米軍と米国に何一つ抗議することもなく
■ 未だに何の手も打たない小泉首相は、まさにブッシュの奴隷を証明
■ “戦後６０年”日本はまだ米軍の占領国なのか
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         ----------------------------------------------------------
           巷に巻き上がっている怒りと疑問の声にただひたすら沈黙を
          決め込んで物見遊山に明け暮れている小泉という売国首相を、
                あと２年も権力の椅子に座らせていてはダメだ。
            反ブッシュデモ以上の反小泉闘争が絶対必要になってきた
         ----------------------------------------------------------

　マスコミはキチンと報じていないが、２６日、沖縄・宜野湾市で大型ヘリを墜落さ
せた在日米軍のワスコー司令官が会見をしたが、その内容はまったく日本をナメ切っ
たものだった。
「ヘリのクルーは、被害を最小限に食い止めようと精いっぱい努めた。彼らには大変
すばらしい功績があった」「なぜ飛行訓練をするのか。これはアテネ五輪の日本体操
選手と同じだ。個人がチームのために難しい演技を選んで金メダルを取った。その心
意気は在日米軍の隊員すべてが持っている」――危ない訓練をやっていたが、隊員の
努力で犠牲者は出ていない。文句があるのか、という態度だ。
　在日米海兵隊のフロック副司令官も「墜落」とは認めずに「緊急着陸を行った」と
強弁。謝罪の言葉は一切なしだ。
　先月１３日の事故発生から今までの米国の対応は常軌を逸している。
　九大名誉教授の斎藤文男氏（憲法）が言う。
「在日米軍は勝手に事故現場を封鎖して日本の警察を閉め出し、現場検証もさせず、
さっさと機体を回収してしまった。あれだけの大惨事なのに日米地位協定を盾に日本
の主権を侵害し、好き放題やっています。墜落したヘリに劣化ウラン弾が積まれてい
た可能性があると報じられ、放射能汚染の危険までささやかれているのに、すべてが
米軍の手で隠蔽されてウヤムヤになろうとしている。これでは日本が独立国家とはと
ても思えない。言語道断ですよ」
　それなのに小泉首相は知らんふり。「夏休み」を理由に稲嶺沖縄県知事と会わず、
ようやく会談が実現したのは事故後１０日以上たってからだ。
　小泉は沖縄県民の怒りの声に耳を貸そうともせず、米国に何の注文もつけていない。
やったことといえば、せいぜい川口外相がパウエル米国務長官に電話して「事故原因
の早期究明」をお願いしたぐらいである。
　ニューズウィーク誌のジェームズ・ワグナー副編集長は９月１日号の同誌で「（日
本政府は）在日米軍の傲慢さに耐えるのがアメリカの庇護を受ける代償と考えている
らしい」と書いていた。ズバリ、言い当てているのではないか。

                 ◆ 「米軍が日本を守ってくれる」は幻想だ ◆

　在日米軍について日本人は大きな誤解をしている。自衛隊は弱体で、いざ日本が攻
撃されたら米軍が守ってくれるという幻想だ。だから日本は基地を提供して、「思い
やり予算」も出していると信じ込んでいる。
　小泉首相はイラクに自衛隊を派遣する際、「日本の安全を守ってくれている米国に
協力するのは当然だ」と言っていたが、そんなスリ込みの結果、在日米軍やイラク派
兵を容認する国民が多いのだ。
　しかしこれは大間違い。在日米軍の兵力、装備を見れば一目瞭然だ。軍事ジャーナ
リストの田岡俊次氏が言う。
「米軍は陸海空とも日本を守る体制を取っていません。米空軍戦闘機は８４機しかな
いうえ、日本の迎撃管制用のバッジシステムの受信機も搭載していない。日本にいる
陸軍地上部隊１６００人の任務は補給および情報収集で、電話や通信を傍受して日本
経済などのリポートを本国に送っているようです。沖縄にいる海兵隊も砲１８門、戦
車ゼロ、装甲車十数台の装備。歩兵１個連隊２０００人余いたが、これもイラクに派
遣され、戦力はゼロです」
　日米防衛協力のための指針（ガイドライン）でも、米軍の日本防衛義務は書かれて
いない。武力攻撃に対する防空作戦や、本土への着上陸阻止、さらに周辺船舶の保護
は「自衛隊が一義的な責任（プライマリー・レスポンシビリティー）を負う」と明記
されている。しかし、外務省は日本語訳ではこれらの作戦を“自衛隊が主体的に実施
する”として、意図的に自衛隊の防衛責任をアイマイにしているのだ。「何のために
米軍を駐留させているか」の論議を避けたいホンネがミエミエである。
「在日米軍が日本を守ってくれる」というのはまったくの幻想。そんなことを言う政
治家はペテン師である。

                   ◆ わが国は占領国以外の何物でもない ◆

　では、なぜ米国は日本に軍隊を自由勝手に置くことができるのか。それは日本をい
まだに占領国だと思っているからである。そして歴代の自民党政権はそのことに文句
一つ言わず唯々諾々と従ってきた。とりわけ小泉首相は従うだけでなく積極的に受け
入れているのである。
　現在、ブッシュが進めている在外米軍の再編計画は「日本集中計画」といってもい
い。欧州からは撤退なのに、日本には続々と増強している。米西海岸にある陸軍第１
軍団司令部をキャンプ座間に移転し、グアムにある第１３空軍司令部を横田基地の第
５空軍司令部と統合する。さらに府中にある航空自衛隊の総隊司令部を横田基地に移
転、沖縄の海兵隊の一部を自衛隊の北海道や富士山の演習場に移す計画だ。
「外務省は昨年暮れから４回にわたって米国側と協議して、難色を示すポーズを取っ
ていますが、米軍はすでに引っ越し準備を行っていて、最終的には押し切られるでし
ょうね」（関係者）
　基地提供だけでなく、ついに自衛隊の米軍下請け化だ。占領国というより、もう従
属国である。軍事ジャーナリストの神浦元彰氏が言う。
「米国のシアトルやサンディエゴの海軍基地の艦船修理・補給能力は日本の横須賀・
佐世保基地よりはるかに劣っています。こうした基地の便宜だけでなく、日本は思い
やり予算を含めて総額６６００億円もの援助を行っている。基地を提供した上に駐留
経費まで払う国はどこにもなく、フィリピンは『使用料をよこせ』と要求したため米
軍は撤退しています。在外米軍が日本に集中するのは当然ですよ」
　カネや基地だけでなく、ついには自衛隊も差し出す。日本は米国の占領国以外の何
物でもない。

                    ◆ いったい、どこの国の首相なのか ◆

　小泉は一体どこの国の首相なのか。
　米軍ヘリが墜落したら、イの一番に現場に行き、“仲良し”のブッシュに抗議の一
つもすべきだった。
　ところが、激怒する沖縄県民の声はまるで無視して夏休み。しかも、予定の夏休み
を延長して、３０日には都内のクラシックコンサートに出かけている。８月はたった
の１週間しか働いていないのだ。
　こんなグータラ首相があと２年も政権に居座るのだから、属国化はますます進むこ
とになる。
「小泉首相は今月の国連総会で『常任理事国入りを目指す』と演説するつもりでいま
す。『国連に外交は制限されず、米軍も指揮下に入らない』と明言している米国ブッ
シュの後押しで常任理事国入りしても、米国の“賛成票”を１票増やすだけ。米国に
反対する決議に拒否権を発動するだけです。さらに国内では、常任理事国入りの障害
になっている『集団的自衛権の行使を認めるべきだ』と一気に改憲に突っ走るつもり
でしょうね」（斎藤文男氏＝前出）
　そんな米国ベッタリの首相をそのままにしておいていいのか。
　ニューヨークでは５０万人規模の反ブッシュ・デモが起き、「戦争屋ブッシュを再
選させるな」「イラク戦争は間違いだ」という世論が盛り上がっている。
　日本でもＮＹを超える反小泉の世論をつくらないと、とんでもない地獄を見ること
になる。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年8月21日号

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  これほど露骨な売国政治は戦後初めて
  この国の“米国ベッタリ”経済・軍事・外交の異様な現状実情とこれから
  歴代自民党政権の中で現在の小泉内閣ほどアメリカに屈従し
  米軍の利益のために働く政権はこれまでなかった

 ■ メダルラッシュに兜町も浮かれる
    柔道、体操選手の所属企業は軒並み株価アップ
 ■ ダイエーＶＳ産業再生機構　最終攻防
 ■ ひょっとしたらひょっとする　ライブドアの新球団構想
 ■ 存亡の危機を迎えてもこの程度　社会保険庁改革のしょぼい中身
 ■ 民主代表選　岡田再選に横ヤリ入れる小沢の“狙い”
 ■ ドイツ銀大量放出ショック　武富士株急落大騒動
 ■ ダイエー再建　今度は「債権一括買い取り案」が浮上
 ■ アプラス買収　“ケンカ”に勝つのは新生銀行か英ＨＳＢＣか
 ■ 担保は著作権！　アニメ産業向け新融資方式
 ■ 安全宣言「まだできぬ」（古川三菱自副会長）
 ■ 《ドン・キホーテ》医薬品、全店で取り扱い
 ■ 《ソニー》高級液晶ＴＶで「薄型戦争」巻き返し
 ■ 《あおば生命》本社ビルを住友不に売却


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ これほど露骨な売国政治は戦後初めて
■ この国の“米国ベッタリ”経済・軍事・外交の異様な現状実情とこれから
■ 歴代自民党政権の中で現在の小泉内閣ほどアメリカに屈従し
■ 米軍の利益のために働く政権はこれまでなかった
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       沖縄の米軍ヘリ墜落事件もアメリカの在外米軍再編への対応を見ても
              一体どこの国の内閣なのかとアキレ怒る巷の庶民の声

         アメリカ一辺倒にすがっていれば政権をいつまでも維持できると
                 小泉売国首相は計算しているようだが果たして
      １１月の米大統領選の結果次第ではどうなるか分からないこの国の前途
     ------------------------------------------------------------------

　歴代の自民党政権の中でも、これほど米国にベッタリの首相はいなかった。ベッタ
リというより従属。小泉首相は文句一つ言わずブッシュにわが国土と国民を差し出し
ている。それを端的に証明したのが沖縄で起きた米軍ヘリ墜落事件である。
　１３日午後、普天間基地所属のヘリが演習中に宜野湾市の沖縄国際大学の構内に墜
落・炎上。幸い夏休み中だったため被害者は出なかったが、本来なら大惨事になると
ころだった。ところがいきなり海兵隊員が敷地内にやってきて、消防員や警察官を実
力で排除して立ち入り禁止。厳重警戒の中で勝手に現場検証して、ヘリや炎上した立
ち木まで根こそぎ運び出してしまったのである。これは明らかに違法だ。
「地位協定で『警護や管理などの措置』が取れ、警察権を行使できるのは、日本が提
供した『施設及び区域内』（同３条）のみです。立ち入り禁止などの措置を基地の外
で行うことは日本の主権の侵害であり、沖縄国際大学への住居侵入に当たる可能性も
あります」（軍事ジャーナリストの田岡俊次氏）
　実際、これまで基地以外で起きた米軍機事故はすべて日本の警察が扱ってきた。宜
野湾市のようなケースは初めてである。
　そんな主権侵害に、驚くべきは小泉首相の対応である。抗議と要請に訪れた稲嶺県
知事を「夏休みだから」と門前払いしたのである。高級ホテルで静養し、歌舞伎や映
画三昧。金メダルを取った柔道の谷亮子や野村忠宏と国際電話で「感動した！」など
と言っているのに、沖縄県民の命が脅かされた重大事には知らんぷりだ。

                 ▼ ブッシュの戦争のために着々と国内整備 ▼

　そのブッシュは世界に展開する米軍の再編成を行う計画で、日本とも協議に入った。
「冷戦後の新たな脅威に備える」というが、これは（１）泥沼イラクへの兵力増強
（２）財政負担の軽減が目的。欧州駐留米軍を４万人前後減らし、在韓米軍も全体の
３分の１にあたる１万２５００人を撤退させる予定だ。ところが日本は逆に増強であ
る。ワシントン州にある陸軍第１軍司令部をキャンプ座間に移し、グアムの空軍司令
部を横田の空軍司令部に統合。さらに沖縄の海兵隊を北海道や富士山の自衛隊演習場
に移し、調布にある航空自衛隊の司令部を米軍横田基地に移転させる案も出ている。
　在日米軍の増強と自衛隊との連携強化――。小泉政権になってからこんなキナ臭い
事態が、一挙に進んでいるのだ。前出の田岡俊次氏が言う。
「その理由は簡単。世界でこれほどお人よしの国はないからです。日本が米軍に出し
ている“思いやり予算”は２４００億円の沖縄の地代負担や国有地の推定地代などを
合わせると６５００億円。実に米兵１人あたり１６５０万円の補助金を出している。
まったく法外な負担ですよ」

                ▼ 日本企業を米国資本に叩き売る小泉・竹中 ▼

　小泉内閣の“米国服従”は、経済政策でも同じだ。日本の国益は二の次、三の次。
米国の国益を最優先である。日本の大新聞・ＴＶはなぜか報じないが、竹中大臣は先
週末（１３日）訪問先の米国の講演でとんでもないことを言っている。
「外資が邦銀買収に乗り出しても、政府は外資を差別しない！」
　この発言の意味は重大だ。政府は８兆円の税金をつぎ込んだ旧長銀を、米リップル
ウッドに廉価で売却し、濡れ手で粟で１兆円も儲けさせた“前科”がある。もっと米
系企業にボロ儲けさせようというのである。経済ジャーナリストの小泉深氏が言う。
「竹中大臣は、金融機関にむちゃな不良債権処理を迫って、中小企業を５万社以上も
潰し、不況を悪化させた。その結果、外資は日本の優良企業を次々に安値で手にして
います。いまや西友もシーガイアも外資のもの。ＵＦＪ案件では米ウォルマートがダ
イエーを、英ＨＳＢＣがアプラスを手にしようとしている。竹中大臣は日本の資産を、
外資にたたき売ろうとしているとしか思えません」
　まだある。小泉内閣は、損を承知で「米国債」を必死になって買い続けている。そ
れもこれも、米国経済を下支えするためだ。
「巨額の財政赤字を抱える米国にとって、米国債の暴落は命取り。それを日本１国で
防いでいる構図です。日本が保有する米国債は、ついに７０兆円に膨れ上がっている。
なぜ、損失を出してまで外国を支える必要があるのか疑問です」（小泉深氏＝前出）

                   ▼ 国民よりブッシュの方が大事らしい ▼

　その一方で小泉内閣は、世界中で孤立したブッシュ大統領を助けるために、どの国
よりも早く「イラク戦争支持」を表明。国民の８割の反対を押し切って「イラク特措
法」をゴリ押しして、自衛隊を派遣した。
　そのうえ、世界各国にイラク戦争を支持するように働きかけるありさまだ。
　沖縄県民のためには、まったく動かないくせに、ブッシュ大統領のためなら寝食を
忘れて働くのだから、どうかしている。その揚げ句、国民より先に自衛隊の「多国籍
軍参加」をブッシュ大統領に報告する始末だ。一体、どこの国の首相なのか。

                  ▼ “ブッシュの忠犬”を首相に持つ不幸 ▼

　軍事、外交、経済。あらゆる面で米国に従属する小泉。戦後の自民党政権は米国と
不即不離の関係できた。１９６０年代には自民党に米国の秘密資金が入っていたこと
もあるし、ＣＩＡがこの政権党を操ってきたことも事実である。しかし、こんなに米
国にのめり込んでいる首相は前代未聞である。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「３０年以上、政界を見てきましたが、これほど日本を危うくする対米従属首相はい
ません。かつてレーガンとの個人的関係を誇示していた中曽根氏も『日本を米国の浮
沈空母にする』というオフレコ話が表ざたになると大慌てで弁明していました。とこ
ろが小泉首相はブッシュがイラク戦争を開始すると公然と支持表明しました。これは
非戦をうたった憲法に違反するものですが、そんなことはお構いなし。憲法よりブッ
シュを大事にする首相ですから、とんでもないことです。小泉氏は最強国・米国に従
っていれば、政権は安泰だと思っているのでしょうが、このままでは日本は米国の属
国になり戦争の先兵にされてしまいますよ」
　もっともそのブッシュは１１月の大統領選で民主党のケリー候補に敗れる可能性が
出てきた。米国で政権交代が起きれば当然、対日政策も転換するから日本は大混乱だ。
ブッシュの忠犬のような首相がいることこそ、この国の最大の不幸である。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年8月13日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 8月13日号 -1
■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  それが事実なら小泉首相はイロ気違い
  週刊誌に書かれている日本国総理大臣の余りに下劣なワイ談に
  国民として恥ずかしい
  一日も早く退陣させないとこの国が危ない

 ■ 《日朝協議》斎木審議官手ぶら帰国！？
      ５２億円も払って１人の安否情報も取れない無能外務省
 ■ 《民主党代表選》岡田再選に小沢一郎が「待った」
 ■ 逆転勝訴　ＵＦＪ地獄から天国
 ■ 朝日新聞記者　道交法違反で起訴　違反キップを意固地に拒否
 ■ ＮＨＫまたも不祥事　甲府放送局で備品がネットオークション流出
 ■ 細田官房長官危機一髪　交通事故セーフもスキャンダル告発
 ■ サマワ地元ＴＶ局に外務省が４７３０万円も寄付
 ■ 〈三井住友〉「ＵＦＪ統合」大ピンチ！　西川社長の反撃
 ■ 再生機構入り断固拒否　ダイエー・高木社長懐柔の決め手
 ■ 〈ヤフーＢＢ〉新規加入が減少　情報漏洩で解約も続く
 ■ 〈ソニー〉ハイビジョンで新技術
 ■ 火災保険好調で３社が増収（大手損保６社の決算）
 ■ 〈カネボウ〉４─６月の売上高２６．８％減　化粧品分離響く
 ■ 下着川柳にも「冬ソナ」

 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【メガバンク統合狂騒曲　行員たちの暑い夏】
        三菱東京グループ ──


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ それが事実なら小泉首相はイロ気違い
■ 週刊誌に書かれている日本国総理大臣の余りに下劣なワイ談に
■ 国民として恥ずかしい
■ 一日も早く退陣させないとこの国が危ない
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      ----------------------------------------------------------------
        少しでも理性があればそんな事は人前では口に出さないのが常識。
             この男はやっぱり、異常な狂人といわれても仕方がない
      ----------------------------------------------------------------

                 ◆ 水野真紀の結婚式でも仰天の下ネタ発言 ◆

　小泉首相の頭の中は、一体どうなっているのか。ここまでくると、単なる「猥談好
き」というレベルじゃない。
　大新聞・ＴＶはまったく報じていないが、小泉首相が聞くに堪えない下劣な“下ネ
タ”“猥談”を連発しているのだ。週刊誌が一斉に報じている。
　自民ＶＳ民主が死闘を演じた参院選の真っ最中から首相のエロトークは全開。体調
を気遣う自民党スタッフに対し、満面の笑みを浮かべ、こう切り返したという。
「疲れマラよろしくで、ピンピンだよ！　ピンピン！」
　その参院選が惨敗に終わると、「萎えるよなあ。これで朝ダチしなくなったら、オ
レも終わりだよ」と周囲にグチったらしい。
　４月に開いた自民党幹部との酒の席では、おもむろにこう切り出している。
「オレ最近、夢精しちゃうんだよね」「しかも、それが相当濃いんだよ」
　イヤハヤだ――。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「とにかく会う人、会う人、誰かれ構わずエロ話に興じています。昔から猥談、下ネ
タ話が大好きだったが、首相になってからも、まったく自重する気配はない。とくに
酒が入るとブレーキが利かない。延々３０分以上も話し続けています。さすがに聞か
された方は、絶句し、あきれています。こんな下半身の話ばかりする首相は歴代初め
てです」
　マスコミ相手の懇談の席では「一人寝が寂しくて、寂しくて。しばらくは右手が恋
人かな」と“自慰”していることまで自らバクロ。
　とうとう、自民党代議士の夫婦生活まで口にする始末だ。後藤田正純代議士と女優
の水野真紀の結婚式に出席した後のこと。
「いいなあ、あんな美人の嫁サンと毎日やれて。オレも精力は負けないんだけどな」
　頭の中は“夜の営み”のことしかないのか。

              ◆ 「冬ソナ」のチェ・ジウを温泉旅行に誘う！？ ◆

　小泉首相の猥談連発は、相手が海外の要人でもお構いナシである。
　英国政府の首脳との食事の席上。首相はワインのピッチが進んだ勢いで「私はかつ
てイギリス人女性とお付き合いしていた。相性はバッチリだった。実に良かった！
素晴らしかった！」と例の調子で絶叫したのだ。相手は仰天したという。
　信じ難いが、韓国の観光広報大使として官邸を訪れた「冬ソナ」のヒロイン、チェ・
ジウには、セクハラ紛いのことまでしていた。チェ・ジウ本人が「日本の女優とはわ
ずか２秒程度の簡単な握手だったのに、私とは１０秒近くも握った手を離さず、『い
い温泉があるので一緒に行かないか』と誘われた」とＨＰ上で明かしている。これが
本当なら、国民として恥ずかしい。
「総理になる前は、赤坂界隈で芸者をあげて、派手に遊んでいましたよ。純チャンの
すごいところは、必ず“最後”までいっちゃうこと。首相就任から３年余り。衆人環
視の禁欲生活で、爆発寸前なのでしょう」（政界関係者）
　これでは“色キチガイ”と言われても仕方がない。

                 ◆ 「いろいろ発言」を問題と思わない神経 ◆

　もし、小泉首相に少しでも理性があれば、こんな破廉恥なことは絶対に人前では口
にしないはずだ。
　もちろん、男だったら酔っ払えば猥談の一つや二つはするだろう。しかし、一国の
トップとなれば話は別だ。しかも小泉首相は“公式”の場でも、平気で下ネタを連発
している。いずれ、国民の耳に届くのは明らかなのに“我慢”できずにベラベラしゃ
べっているのは、やはり尋常じゃない。
「正常な判断能力があれば、話す場所、相手、リアクションを計算して、話をするも
のです。とくに“公人”である首相は、漏らした一言が重大な事態を引き起こしかね
ないだけに、細心の注意を払うのが当然です。ところが、小泉首相は言っていいこと
と、悪いことの区別もつかなくなっている。下ネタの内容も、ジョークの範疇を超え
ています。首相が自分で自分を抑えられない。これは大変なことです」（本澤二郎氏＝
前出）
　常軌を逸した言動は、酒席に限らず日常的になっている。ブレア英首相に向かって
「アナタはブッシュのプードル犬と呼ばれているが、私はもっとシッポを振っている」
と話したと得意げに披歴したこともある。
　苦し紛れに「人生いろいろ」と口走り、参院選惨敗の要因になったのに、その後も
「いろいろ」を連発、撤回するどころか、とうとう意地で「閣議決定」してしまった。
並大抵の神経ではない。
　民主党の小沢一郎が「小泉は変人じゃない。常識が通じない異常人だ」と漏らした
というが、この男はどう考えても狂っている。

                 ◆ 性欲だけでなく、いずれ政治で爆発する ◆

　こんな理性の欠けたおかしな男をいつまでも首相に就けていたら、この国は大変な
ことになる。狂った指導者を持った国民の末路がどうなるかは、ヒトラーのドイツや、
戦前の日本を見れば明らかだ。
「指導者にとって一番大切なのは、常に冷静で適切な判断を下せることです。トップ
が狂って暴走したら、国民は路頭に迷わされる。小泉首相は、その正常な判断力を完
全に失っているのです。そんな首相に任せていたら“経済政策”も“郵政改革”も、
絶対に国民の利益につながらない。『改革だ！』とか絶叫して勝手に突っ走り、グチ
ャグチャにされるだけです」（立正大教授・金子勝氏＝憲法）
　国民もいい加減に小泉首相の異常さに気づくべきだ。一日も早く退陣させないと取
り返しのつかないことになる。
「支持率が急落し始めた小泉首相は、心理的に相当追い詰められているはず。それだ
けに、この先さらに暴走する恐れがあります。しかも、これまた“普通じゃない”ブ
ッシュ大統領との二人三脚を強めている。ブッシュ大統領に従って、日本を本格的に
戦争をやれる国につくりかえる危険がある。すでに米軍の言われるままに、在日米軍
の強化拡大を推し進めています」（金子勝氏＝前出）
　小泉首相の異常な猥談、下ネタ連発は、笑い事では済まされる問題じゃない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年7月30日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 7月30日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  いよいよご臨終の小泉自民党
  青木さんの識見、手腕、人物は順当だと小泉さんはいっているが、
  ますます狂っている感じ
  近い将来、若手が脱党　自民党は消えて無くなりそう

 ■ 政府が囃し立てる　“薄型ＴＶ”“ＤＶＤ”景気は蜃気楼
 ■ 永田町に飛び交う野田聖子、小渕優子、山崎拓…　「内閣改造」名簿の末期症状
 ■ 来年１０月の新会社発足は到底ムリ　三菱東京ＦＧ統合に尻込み
 ■ 《日歯連１億円小切手》橋龍元首相絶体絶命
 ■ 金融庁に全面謝罪　ボロボロＵＦＪの内部崩壊
 ■ 三菱・ＵＦＪ統合騒動尻目に三井住友が狙う再編の標的
 ■ ソニー、シャープ、三菱電機、ＮＥＣ
    “好決算ラッシュ”薄型テレビ、エアコンで大儲け
 ■ 〈キヤノン〉デジカメ好調で増収増益
 ■ 〈りそな銀〉競馬場にＡＴＭ
 ■ アジア・欧州が好調　売上高、最終益とも過去最高（ホンダ４─６月期）
 ■ 伊藤園、通信販売事業に参入　健康食品取り扱い
 ■ 〈ジャルパック〉上半期の旅行者６５％増


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ いよいよご臨終の小泉自民党
■ 青木さんの識見、手腕、人物は順当だと小泉さんはいっているが、
■ ますます狂っている感じ
■ 近い将来、若手が脱党　自民党は消えて無くなりそう
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      ----------------------------------------------------------------
        まるでヤクザさながらの青木さんを参院会長にした今回の一件を、
                    選挙民はどう見ているか承知の上なのか
      ----------------------------------------------------------------

　自民党のある幹部が先の参院選の敗因について「今回はあまりにもタマ（候補者）
が悪すぎた」と言っていた。
　党の会議でも「高齢の現職を引きずり降ろせなかったのが敗因」などという声が噴
出したらしく、選挙の総括文書では「魅力あふれる候補者の擁立」を“今後の対策”
に掲げていた。
　あらためて、どうしようもない大バカ政党ではないか。今度の選挙の敗因が候補者
以前の問題なのはハッキリしている。比例候補に業界団体の代表者をズラリと並べ、
利益誘導を恥じない金権腐敗堕落体質。それを「ぶっ壊す」と言って裏切り、口先で
ごまかしている小泉首相への猛烈な有権者の怒り。
　自民党の敗北は構造問題なのに、てんで分かっちゃいないのだ。政治ジャーナリス
トの山村明義氏はこう言う。
「取材していて『候補者を若返らせれば勝てる』と思っている幹部が多いのには驚き
ました。木を見て森を見ていないというか、自民党という組織自体がドロ舟化し、沈
没の瀬戸際なのに、小手先の対応でどうにかなると思い込んでいるのです。誰もが希
望的観測で物を言い、抜本対策を先送りしているのが自民党の現状です。これは末期
症状ですよ。自民党を見ていると、三菱自動車やＵＦＪを連想します」
　組織が腐り切り、破滅に向かって突き進んでいるのに、当事者は気づかず、だから、
何もしようとしない。気づいた時は手遅れで、あとの祭り………。
　どうやら自民党も同じように破滅への道をたどりつつあるようだ。

              ◆ 日本中のサラリーマンがア然とした青木の昇格 ◆

　そんな自民党の凋落を象徴していたのが、参院のドン、青木幹雄の昇格人事ではな
かったか。
　選挙前は「５１議席を割ったら真っ先に責任を取る」と豪語していたのに、辞める
どころか、参院幹事長から議員会長に出世し、シレッと「反省を生かして党運営に努
めたい」とかうそぶいていた。
　民間企業では考えられないような人事で、日本中のサラリーマンがア然としたので
はないか。経済評論家の財部誠一氏が言う。
「どこの世界でも上に立つ者が責任をとらなくなったら、その組織は終わりです。裏
を返すと、責任を取り、世代交代が行われるから、組織は緊張感を維持できるのです。
その機能が失われ、無責任な老人が居座っている自民党という組織はどうしようもな
いし、絶望的です」
　辞めない青木もヒドいが、こんな人事を唯々諾々と了承した自民党という組織は芯
まで腐り切っている。それも、自分も選挙の責任を取りたくない小泉がまず「辞める
な」と慰留し、「森派、堀内派、亀井派など各派が推薦人を出し合って、会長に担い
だ」（自民党関係者）というから、あきれる。これじゃあ、企業不祥事を起こした会
社がみんなでかばいあっているみたいだ。小泉首相は今度の人事を「識見、手腕、人
物とも順当」とホザいていた。国民からすれば、絶句である。

                   ▼ 竹下の秘書上がりのタナボタ政治屋 ▼

　青木は島根県議から国会議員に転じて１８年、やってきたのは派閥内抗争と利権確
保だけという政治屋だ。
「青木氏が『参院のドン』などと言われるようになったのは、小渕元首相が脳梗塞に
倒れた００年春のこと。『万事よろしく頼む』というメッセージを受けたと言って首
相臨時代理に座り、森政権誕生の密室談議を仕切ったことで、旧経世会（橋本派）の
金脈をタナボタで引き継いだからです。この件がなければ、単なる竹下元首相の秘書
上がりで、今のポジションはなかった。政治的手腕も政策もビジョンもない政治屋で
すから、とても党の顔になる資質があるとは思えません」（政治アナリスト・伊藤惇
夫氏）
　薄汚い話もワンサカで、道路公団問題では地元・島根の仏経山トンネルの工事凍結
に激怒、藤井総裁（当時）をドーカツしてひっくり返したし、他にも国交省次官人事
をゴリ押ししたり、参院の比例区改正では参院議長を辞任に追い込み、強行突破。最
近では橋龍１億円小切手受領の現場に同席したことが明らかになっている。
　今度の参院選敗北はこんなドス黒いチンピラ政治屋を切る絶好のチャンスだったの
に、執行部は「みんなでほおかむり」を決め込み、またまた青木をのさばらせてしま
った。あらためて、この組織は「オシマイ」だ。

               ◆ 時間の問題になってきた自民党の分裂、消滅 ◆

　この調子だと、自民党はいずれ分裂、消滅の運命ではないか。青木昇格を決めた執
行部に対し、党内の一部若手・中堅議員がＨＰで批判しているが、内部崩壊の萌芽で
ある。
　森派の若手・山本一太参院議員は「参議院選挙の最高指揮官である青木氏が、何の
責任も取らずに参院自民党のトップである議員会長に就任する。これはどう考えても
おかしい」と書いていたし、野田聖子衆院議員も「参院選の結果は巷で言われるよう
な“小泉政権の終わりの始まり”にとどまらず、“自民党の終わりの始まり”にまで
行き着きかねない」と記していた。河野太郎衆院議員は参院選を「極敗」と位置付け、
「このままなら衰弱死する」と訴えている。
　ま、自民党の若手は口だけで、だから青木が会長に昇格したのだが、今後さらに小
泉政治の支持率が下降し、選挙が近づいてくれば、党内はざわつき出す。選挙に弱い
議員から浮足立ち、そんなところに誰かが新党を旗揚げすれば、生き残りをかけた離
党組が相次ぐかもしれない。
「選挙で負けながら、国民の『ノー』を無視して政権に居座った首相は１年以内に失
脚しています。小泉政権も例外ではないでしょう。しかし、ポスト小泉がいないから、
自民党はジリ貧です。選挙で勝てなければ一気に離党や新党立ち上げの動きが出てき
ます。３年前に『自民党をぶっ壊す』と叫んだ小泉首相は、青木サンを延命させたこ
とで、皮肉にも本当に自民党をぶっ壊すきっかけをつくってしまった。９月の内閣改
造でサプライズ人事をやっても、流れは変えられないと思います。安倍幹事長が辞め
れば、残った小泉―青木コンビはますます国民から見放されそうです」（政治評論家・
本澤二郎氏）
　青木と組んで国民を裏切った小泉首相は、自民党ともども、ご臨終を覚悟した方が
いい。


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■ 永田町に飛び交う野田聖子、小渕優子、山崎拓…　「内閣改造」名簿の末期症状
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「９月に大幅人事をやる」――。参院選で大敗した小泉首相が、求心力維持のために
内閣改造をブチ上げたことで、早くも党内は人事一色。仰天の人事情報が飛び交って
いる。
「ポイントは、首相が抵抗勢力に屈して『派閥順送り』をのむか、それとも支持率ア
ップを狙って『サプライズ』人事を断行するかです。恐らく何人か目玉大臣をつくっ
て、あとは派閥の意向に従うのではないか。とくに参院は青木幹事長の注文通りにす
るでしょう」（自民党事情通）
　最大の「サプライズ」人事は女性の大量活用。野田聖子、浜四津敏子、さらに小渕
優子の名前まで浮上している。
「郵政民営化反対の野田聖子を総務大臣に就けるアイデアです。抵抗勢力の実力者、
古賀誠の愛弟子を取り込むことで、執行部批判を抑え込む計算もあります。小渕優子
を入閣させれば、ワイドショーが騒ぐのは間違いない。拉致担当の中山恭子参与の入
閣も取りざたされています」（政界関係者）
　あっと驚くのは、舛添要一の外相就任。知名度抜群だから話題になるし、国際政治
学者だけに批判も出ない。田中真紀子に小泉批判をやらせないために、夫の直紀の登
用もささやかれている。
　別の意味で「サプライズ」なのが、山崎拓の入閣。山拓本人が「夏過ぎには、永田
町の中枢に戻る」と漏らしているという。福田康夫が閣内から去って、首相を本気で
支える議員がいないため、小泉首相は山拓入閣を考えているらしい。
　もはや人気取りだけの小泉首相、９月人事もメチャクチャになりかねない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年7月26日号

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              ☆ 明日の『日刊ゲンダイ Dailymail』は休刊です ☆

 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  小泉には首相の資格がない
  ポスト小泉が不在なら民主党に政権を

 ■ 自殺者３万４０００人突破　これは国家犯罪じゃないのか
 ■ 三菱東京・ＵＦＪ統合人事　新持ち株会社トップは三菱独占


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 小泉には首相の資格がない
■ ポスト小泉が不在なら民主党に政権を
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            まず国政選挙で大敗したこと、第２にすべての世論調査で
                       不支持が支持を上回っていること

   それでも権力の椅子にしがみつくこの男は北朝鮮の金正日と同じ独裁者だが、
              国会はこのまま小泉を首相にさせておくつもりなのか

    この国が民主主義国なら国民に支持されていない首相が居座り続けることは
     許されない。一刻も早い内閣総辞職か衆院の解散総選挙が絶対必要である
  ------------------------------------------------------------------------

　小泉首相が政権の延命に必死だ。お得意の“サプライズ”は、なりふり構わぬ参院
選で使い果たした。それでも手の内には「内閣改造」という人事カードがある。
「郵政民営化に協力するかどうか、よく見極めて人事に生かしたい」と郵政族を刺激
し、小泉ＶＳ．自民党を演出する。その一方で、安倍幹事長に「フレッシュな人材に
活躍する場を与える必要がある」と言わせ、若手の登用をにおわせることではねっ返
りを抑える腹づもりだ。
　しかし、そもそも小泉に首相を続ける資格はあるのか。「政権の実績を問う」との
重大テーマを掲げた参院選で、小泉は大敗したのである。「過半数を与えてくれた」
なんてシレッと分析していたが、非改選議員がそっくり残っているからにすぎない。
「小泉首相は、あたかも自公与党が勝ったかのような傲慢な発言をしていましたが、
両党の獲得議席を足しても過半数に届かない惨敗だったのです。小泉自民党は、昨年
の衆院選でも獲得議席が改選議席を下回った。この２回の国政選挙の結果を振り返れ
ば、国民が小泉政権に“ノー”を突き付けているのは明白です」（政治評論家・山口
朝雄氏）
　最近の世論調査では、軒並み「不支持」が「支持」を上回っている。きのう（２３
日）明らかになった時事通信の調査では、４３．６％の不支持率に対して、支持率は
３８．８％だった。朝日新聞の調査では不支持が４８％で支持が３６％、毎日も４４％
と４０％で、読売は４６％対４３％という具合だ。ＮＨＫの調査でも不支持が支持を
２ポイント上回った。これにも「小泉に首相の資格なし」との民意が鮮明に表れてい
る。
「首相周辺は“５ポイント程度の差だから再逆転できる”と強気です。しかし、内容
を吟味すると“政策に期待が持てない”“首相を信頼できない”といった声が増えて
いる。内閣に対する不信の根は深く、少々のサプライズでは挽回できそうもありませ
ん」（政界関係者）
　こんな支持ナシ政権が、これからも続いていいわけがない。

                   ▼ 自民党の人材枯渇が招いた小泉続投 ▼

　それでも小泉政権がダラダラと続こうとしているのは、自民党内にちゃんとした後
釜がいないからだ。９８年に橋龍政権が参院選で惨敗した時は、ポスト橋本に小渕恵
三、梶山静六、小泉純一郎の３人が名乗りを上げた。それぞれが積極財政、金融再生、
郵政改革を掲げて政権を手にしようとしたのだ。
　あれから６年。自民党はすっかり落ちぶれた。この党の人材枯渇ぶりには目も当て
られない。平沼前経産相ら「志士の会」メンバーや、谷垣財務相、福田前官房長官と
いった名前が挙がっているが、どいつもこいつも力不足だ。
「平沼氏は参院選で公明党・創価学会に泣きついて応援要請したにもかかわらず、地
元・岡山で同じ亀井派の現職議員を大敗させる醜態をさらしてしまった。麻生氏は金
持ちのくせに『子分の面倒見が悪い』ともっぱらです。高村氏は資金力も求心力もな
い。能力的な評価は高い谷垣氏も、加藤の乱で涙を流したことで『甘チャン』とバカ
にされています。福田氏は辛気臭くプライドが高いので、担ごうという仲間がいませ
ん」（自民党事情通）
“最終兵器は野田聖子”なんてウワサもあるが、有権者は小泉首相の３年間でミエミ
エの人気取りには懲りている。そもそも、こうした連中は国のトップに立って何をし
たいのか、どんな考えを持っているのかもサッパリ伝わってこない。安倍幹事長は
「今は手を挙げていないだけで、（人材は）たくさんいる」と強がっているが、内実
はお寒い限りなのである。

                  ▼ 国民は民主党政権の誕生を望んでいる ▼

　自民党内に受け皿がないのなら、いっそ政権を民主党に譲り渡せばいい。実際、朝
日新聞の世論調査でも民主党の支持率は自民党を上回ったではないか。学習院大教授
の河合秀和氏（政治学）がこう言う。
「有権者が政権交代を求めていることは地球が回っているのと同じくらい明白。こう
なった以上、早く実現すべきです。民主党の能力・人材不足を指摘する声があります
が、杞憂ですよ。官僚や弁護士、医者など各界で実績を残した人物が少なくないから
です。少なくとも、３年間で何ら改革の成果を残せない小泉首相に代わる人材がいな
い自民党に政権を預けておくよりもマシでしょう」
　たしかに民主党を見渡せば人材はいる。岡田代表は「国会質問が趣味」というほど
政治に対してマジメだ。厚相として薬害エイズ問題の資料隠しを暴いた菅直人前代表
の下で修業を積んできた枝野幸男前政調会長や、安保政策に明るい前原誠司だって捨
てたもんじゃない。
「若手の上には政局を読むのに長けた仙谷由人政調会長や、故・金丸信が『乱世の小
沢』と評した小沢一郎氏、与党でもまれてきた藤井幹事長らベテランもいる。小泉首
相も人事のポイントに“老壮青のバランス”を挙げていましたが、民主党の方がバラ
ンスがとれているかもしれません」（政界関係者）
「小泉が気に食わない」といった感情論を抜きにしても、業界団体の代表や族議員が
役人と一緒になって利権を維持しようと必死になっている自民党より、民主党の方が
何百倍もマシなのである。ここは思い切って、民主党に政権を任せるべきだ。

                 ▼ 内閣不信任案の可決が民意の反映になる ▼

　日本は民主主義国家のはずだ。国民の意見を無視して、権力のイスにしがみつくこ
とは許されない。毎日新聞の調査では、今後の小泉首相がやるべきこととして、「解
散・総選挙で民意を問うべき」が過半数を占めていた。もちろん小泉サンに内閣総辞
職を選んでもらっても結構だ。とにかく国民は、このインチキ政権を一度、ご破算に
してもらいたいのだ。
　それでも小泉が、北朝鮮の金正日と同じ独裁者のようにノウノウと居座り続けるな
ら、国会が国民の声をしっかり吸い上げて、政権から引きずり降ろすしかない。
「小泉首相はパフォーマンスで目先を変えて、政権を永らえようとするでしょう。し
かし国民はそれを望んでいない。衆院で内閣不信任案を提出し、これを可決させる。
国会の場で民意を実現させるには、これしかありません」（山口朝雄氏＝前出）
　どうせ選挙で負けた政権は「死に体」だし、続投しても１年足らずで辞任に追い込
まれるケースがほとんどだ。放っておけば、改革を食い散らかせるだけ食い散らかし
た揚げ句に退陣という最悪の事態を迎える。
　一刻も早く、この政権にピリオドを打たなければ、日本の構造改革は何年遅れるこ
とになるか分からない。


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■ 自殺者３万４０００人突破　これは国家犯罪じゃないのか
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　警察庁によれば、昨年１年間で自殺した人は３万４４２７人。しかも、経営難やリ
ストラを苦にして命を絶つ中高年は８０００人を超えた。日本が世界一の自殺大国に
なった原因は小泉首相の経済無策。これは“国家犯罪”じゃないのか。

              ▼ 小泉無能首相が毎年１万世帯の母子家庭を作る ▼

　生活苦で自殺した中高年は８８９７人、２年前が７９４０人、３年前が６８４１人
だったから毎年１０００人ずつ増えている。
「９０年代に３０００人台だった生活苦自殺者は、山一証券、北海道拓銀が倒産した
９８年に６０００人を突破。ここ３年は急カーブで増えています。中小企業主が不況
と銀行の貸しはがしにあって『生命保険で借金を返し、残ったら従業員に分けてくれ』
という遺書を残して首をつるというのが典型例。残された家族が世間体を考えて自殺
ではなく“病死”扱いにしているケースも多いから、実際の経済苦自殺は１万人を超
えているでしょう」（関係者）
　別の見方をすれば、一家の大黒柱を失った母子家庭が毎年１万世帯ずつ増えている
ということだ。これは自民党の経済無策、とりわけ優勝劣敗の小泉・竹中路線の犠牲
者と言っていい。しかも、こうした母子家庭に国は何のケアもしていない。
　米国史の汚点と言われるベトナム戦争で戦死した米軍兵士は５万３０００人。一方、
ここ１０年の不況で自殺した日本の企業戦士はこれをはるかに超えるから、これは立
派な“国家犯罪”である。ノー天気首相がいる限りこの先も犠牲者が増え続けるのは
確実である。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年7月16日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 7月16日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  小泉さんにはもう飽きた
  世論調査の内閣支持率、軒並み大幅下落でも
  まだ政権にしがみついている小泉首相の女々しい正体
  政権を投げ出したらどうなのか、小泉さん

 ■ 神取　忍“明”“暗”辻元清美
 ■ 北朝鮮大使が暴露　８人死亡・１人不明「安否リスト」が出てきた真相
 ■ 周到に準備された〈金融庁〉ＵＦＪ・三菱東京統合シナリオ
 ■ 《日歯連疑惑》橋龍に「１億円小切手」
 ■ 《捜査急展開》きょうにも吉田前議員を強制捜査
 ■ 社会保険庁が消える　小泉自公「廃止」大合唱の狙い
 ■ ＵＦＪ・三菱東京電撃統合の不安（上）
       ・ 格の違いは歴然！！　沖原頭取がトップに残れるかどうかも疑問
 ■ コケにされた“住信”の猛反撃
 ■ 〈ダイエー〉売上高「計画通り」を強調
 ■ 夏休み　空の便は好調！
 ■ 〈日本マクドナルド〉３３周年の無料キャンペーン
 ■ 〈サントリー〉「伊右衛門」バカ売れ
 ■ 〈シャープ〉２０１０年には液晶「脱国産」へ


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 小泉さんにはもう飽きた
■ 世論調査の内閣支持率、軒並み大幅下落でも
■ まだ政権にしがみついている小泉首相の女々しい正体
■ 政権を投げ出したらどうなのか、小泉さん
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         このままではあなたの唱える改革などウソ八百だと見抜いている
               国民の支持は得られないし、自民党内でも見放され
           何よりも国と国民にとってマイナスばかりの野垂れ死に必至
       --------------------------------------------------------------

　小泉政権はもう死んでいる――。
　だってそうだろう。参院選の結果、自民党は議席数（４９）で民主党系（５５）に
６議席も負け、得票数（比例区）でも１６７９万票と、野党・民主党の２１１３万票
に４３４万票も引き離された。
　きのう（１４日）発表の各社世論調査でも、朝日は「小泉支持率３９％に急落。民
主党支持２９％、自民党支持２７％」、読売は「自民党２８．７％、民主党３０．２％」
と５５年体制発足以来、初めて自民党が他党を下回る結果が出た。３年前の政権発足
時の“超人気”は見る影もなく、国民は「小泉さん、アンタには飽きたよ」と言って
いるのだ。
　だから「死に体政権」。青木幹雄参院幹事長は選挙前に「改選議席の５１を割った
ら、小泉内閣は死に体だわな」と言っていたが、選挙結果が出ると「死に体にならな
いよう挙党態勢が必要だ」と言い直した。自民党のドンが「死に体内閣」であること
を認めているのだ。
　今回の選挙では小泉自民党は考えつくあらゆる奇策、奇手を繰り出した。曽我・ジ
ェンキンス再会、社保庁長官に民間人登用、高速道路料金の値下げ……。さらに優勢
の民主党には「ウソツキ」「一貫性がない」と批判し、新聞に意見広告まで出した。
もう茶碗でも皿でもなんでも投げつけての選挙だったが、結果は負け。マスコミは
「有権者はお灸をすえた」なんて書いているが、そんなレベルではない。国民は「こ
んな首相は要らない」と言っているのだ。

                     ▼ 「死に体」首相が死なない理由 ▼

　しかし、負け将軍の小泉は責任を取ろうとしない。会見では「野党にも耳を傾けて、
改革を推進しろという声と受け止める」と我田引水の解釈で居直っているのだ。小泉
首相が責任を取らない理由は２つ。
「第１に党内に責任追及の声やポスト小泉で手を挙げる者がいないからです。平沼赳
夫は地元・岡山の候補が落選して大慌てだし、麻生太郎や高村正彦では党内がまとま
らない。
　安倍幹事長も開票前に引責辞任をにおわせたが小泉自身が説得して、９月の任期ま
で続投となった。党内から小泉批判が出ないのをいいことに、敗北の責任問題はウヤ
ムヤになっているのです。派閥均衡人事で不満分子を抑え込み、党内融和を図れば政
権維持ができると踏んでいるのです」（政治評論家・有馬晴海氏）
　第２が創価学会・公明党の存在だ。参院選の選挙区で自民候補に流れた学会票は約
４００万票。このサポートがなければ自民党は２０議席も取れなかったが、公明と連
立を組んでいる限りは、有権者が離れても政権維持は可能とみているのだ。
　国民が失望しようが「ノー」と言おうが、お構いなし。とにかく政権にしがみつく。
まったくジコチュウな男である。

                   ◆ 小泉首相に「政権放棄」を勧告する ◆

「死に体」の小泉首相に申し上げる。もう政権を投げ出してはいかがだろうか。もと
もと「辞めろと言われれば、いつでも辞める」とおっしゃっていたではないか。
　今度の選挙は「小泉改革３年間の実績を評価してほしい」と勝負を挑んだはずだ。
そして国民はキチンと評価した。「小泉政権に改革などできない」「自公与党は信用
できない」と。国民は明確に「小泉辞めろ」と要求しているのだ。
　このまま政権にしがみついてもロクなことはない。００年総選挙で負けた森も、９
５年の参院選に敗れた村山も、その後１年足らずで政権から引きずり降ろされた。
「自民党をぶっ壊す」「改革に反対するのは抵抗勢力」の掛け声がすっかり色あせて
しまった小泉政権が、先輩政権と同じ末路をたどるのは目に見えている。
「小泉首相は“あと２年”と言っていますが、持ちませんよ。政権運営を間違えば党
内から反発を食らうし、米大統領選でブッシュが負けるとドミノ現象が起きる可能性
もある」（明大名誉教授・岡野加穂留氏＝政治学）
　それなら、いっそ、スパッと辞めた方が「変人」らしいじゃないか。
　ハッキリ言えば、小泉にもう改革はできない。自民党の参院比例区で当選したのは、
業界団体の代理人ばかりである。２８万票を集めた長谷川憲正は“郵政一家”の代表
で、２５万票の脇雅史は建設業。医師会や農村の土地改良団体をバックに当選したの
もいる。そんな利権議員だらけの自民党に支えられ、既得権益を死守する官僚に法案
を作らせて、改革なんてできるわけがない。小泉改革は、まるでタコが自分の足を食
うようなものだ。
　早くもきのう（１４日）、郵政族の連中は「党と政府のあり方は、今のままじゃい
けない」（橋本元首相）、「政府は党の意見を集約し方向を決めなければ」（青木参
院幹事長）と気勢を上げている。「選挙期間中、小泉首相は『改革を続ける』『成果
は出ている』と強調していました。しかし有権者は自民党に票を投じなかった。小泉
首相が街頭で、どんなにがんばって説明しようが、国民は『何もやってない』『信用
できない』と判断したのです」（有馬晴海氏＝前出）
　改革を叫びながら、机の下で守旧派と手を握っている政権の姿など、国民はすっか
り見透かしたのだ。

                  ▼ 小泉退陣が改革実現のカギという逆説 ▼

　小泉純一郎ドノ。あなたが政権を放り出せば、国民が望む念願の改革が一挙に進む
のをご存じか。
　そもそも改革の足かせとなる族議員がバッコできるのは、自民党が予算編成権を握
っているからだ。その特権を奪えば“ナメクジに塩”状態になる。長年続いてきた官
僚と族議員の関係にメスを入れ、利権政治屋が予算編成に口を挟めないようにするに
は、自民党を政権から引きはがすしかない。
「族議員が幅を利かせる自民党政権が続けば、官僚支配は強まるばかりです。小泉首
相の一枚看板である郵政民営化も絵に描いたモチ。郵政民営化の準備室には７０人も
の官僚が出向していますが、その半分以上が総務省や郵政公社から来ている。ハナか
ら族議員や役人に都合がいい形で決着することは目に見えています」（霞が関事情通）
　道路公団改革でも、首相に丸投げされた国土交通省の官僚が、自民党道路族といい
ように法案を作った。これで未完成部分の着工が可能になり、４０兆円の借金を４５
年間もかけて返すという気の遠くなる代物が出来上がった。約束が反故にされても、
みんな死んでいるのだから無責任極まりない。
　民間人を強調する社会保険庁のトップ人事にしても、そもそも社保庁の年金流用を
黙認してきたのは歴代の自民党政権だ。民間人をトップに据えたくらいで体質が改善
できるなら、とっくに良くなっているはずだ。
　思い出してほしい。薬害エイズ問題が浮上したときに「ない、ない」と言われ続け
た資料が出てきたのは、役人とナレ合わない菅直人が厚相になったからだ。役人とベ
ッタリの自民党に改革なんてできないのである。

                 ◆ 居座る小泉によって国民生活はボロボロ ◆

　小泉首相は自民党族議員と創価学会・公明党の操り人形。インチキ改革を叫び続け
るピエロと化したが、それでも本人は辞めるつもりはない。０６年９月の任期いっぱ
いまで首相でいるつもりだ。
　その結果、国民生活はメチャメチャにされる。ただでさえ不況による給与カットや
年金保険料アップで苦しいのに、まだ小泉・竹中路線による大打撃を受けるのだ。帝
京大教授の降旗節雄氏（経済学）が言う。
「竹中金融相は金融グローバリズムの名目で、国内を優勝劣敗、弱肉強食の社会に変
えていくでしょう。競争力がある一握りの大企業と負け組の地方と中小企業の二極分
化ですから大半のサラリーマンの生活は苦しくなる。それに加えて隠れ借金も含めた
１０００兆円の財政赤字をどうするかです。通常の経済政策では解決しないので、残
る手立ては消費税２０％前後のアップか、ハイパーインフレを起こして借金をチャラ
にすることです。このいずれの方法も庶民のささやかな蓄えを奪うものですから生活
は確実に苦しくなります」
　そんな事態を引き起こす小泉首相には即刻辞めていただきたい。これが参院選で明
らかになった民意だ。それでも小泉が政権に居座るというなら一日も早く倒閣の世論
を巻き起こすべきである。


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■ 神取　忍“明”“暗”辻元清美
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                    ◆ ウソだろ！？　繰り上げ当選の目 ◆

「いずれ彼女が繰り上げ当選するんじゃないか」――。ナント女子プロレスラーの神
取忍が議員バッジをつける可能性がささやかれ始めている。神取は１２万票という予
想以上の票を集め次点になった。自民党の参院比例議員が１人でも辞職したり、死亡
すると自動的に繰り上げ当選する。
「６年間も任期があれば、１人や２人の欠員が出るのは自然です。３年前に行われた
選挙では、公選法違反で陣営が摘発された高祖憲治が選挙直後に辞職するなどして、
すでに２人が繰り上げられている。今度もそうなる可能性があって、実は比例２位で
当選した自民党候補の事務所が、運動員の違法文書郵送の疑いで警視庁から家宅捜索
を受けているのです。選挙違反があったのかどうか、連座制につながるのかどうか。
こうしたケースはまだまだ出てくるはず。神取候補が参院議員になる可能性はかなり
あります」（政界関係者）
　ギョッとする話だ。

               ◆ 落選の仰天真相　土壇場公明・学会票が暗躍 ◆

　先日の参院選、わずか１万７０００票差で次点に泣いた辻元清美（４４）。当初は
「当選圏内に滑り込んだ」と伝えられていたのに、なぜ、無名の自民候補に逆転され
たのか。案の定、ウラで創価学会・公明党のとんでもない暗躍があった。
　今回の大阪選挙区では実に不可解な現象が起きている。前回９８年の参院選で８７
万２２９４票を集めた公明現職の山下栄一が、今回は７９万５２５６票と７万７００
０票余りも得票数を減らしているのだ。ガチガチの組織選挙の公明にしては考えられ
ないことだ。
「実は、山下が減らした票の多くが自民候補の北川イッセイに流れたんです。公明は
今回“時間差投票”作戦をとった。学会など９０万の基礎票の大半は早々と山下に投
票させ当選圏内に入れたが、かなりの人数を自民のために“足止め”させていた。マ
スコミ各社の出口調査などから“辻元優勢”の情報を入手するや『自民の北川に入れ
ろ！』と指令。午後７時頃から車をかき集め一斉に投票所へ行かせた。その結果、夜
１１時半になって、ようやく北川が最後の議席に滑り込んだわけです」（地元の自民
関係者）
　参院選直前、自民の青木参院幹事長や安倍幹事長が臆面もなく、学会の秋谷会長や
公明・冬柴幹事長にテコ入れを要請したのは有名な話だが、大阪でも自民は学会・公
明に泣きつき“密約”を交わしていたようだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月30日号

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  この重大な現状を知ったら小泉自民には投票できない
  争点として国の膨大な借金が浮上
  小泉自民は、もし勝ったら解決策として
  国民個人資産の強奪を必ず強行してくるという専門筋の声

 ■ 東証２部の宮入バルブ　“世界的数学者”広中平祐が企業乗っ取り
 ■ イラク主権移譲でいよいよ多国籍軍参加　犠牲は不可避の自衛隊
 ■ 佐藤会長「１０００万円着服」に特別監査　拉致被害者「救う会」
 ■ ５月の失業率、４．６％　３年９カ月前水準に改善（総務省）
 ■ 株主総会ピーク１６８０社が開催
 ■ 〈三菱自〉金融支援拡大でも消えない不安
 ■ 〈ＵＦＪ〉部次長クラス大量パージ　“行き先”はどうなるか
 ■ 〈イオン〉カード枠拡大で売り上げ増狙い
 ■ 〈マツダ〉「ベリーサ」新発売
 ■ 〈日産〉来夏からエジプトで生産　１億ドル投資「サニー」など


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ この重大な現状を知ったら小泉自民には投票できない
■ 争点として国の膨大な借金が浮上
■ 小泉自民は、もし勝ったら解決策として
■ 国民個人資産の強奪を必ず強行してくるという専門筋の声
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               彼のデタラメ経済政策のために国の借金は増え続け
           １０００兆円を超えてしまったが、彼がこのままあと３年も
                  政権を続けたらこの国は確実に借金で倒れる

    ２年間に１００兆円ずつ増えている国の借金。その上、不景気の税収不足で
     国債発行、借金の穴埋めにも国債発行、為替介入資金のために国債発行。
    そして年金資金も郵便貯金もすでに空っぽという背筋も凍る国家経済の実情
   ----------------------------------------------------------------------

　財務省が先週末（２５日）驚愕データを発表した。国と地方を合わせた借金が、２
００３年度末、ついに１０００兆円に膨らんだというのだ。
　その内訳は、国債残高５５６兆円、政府短期証券（ＦＢ）残高８６兆円、借入金６
０兆円、政府保証債務５８兆円、地方の長期債務が２００兆円――。総額９６０兆円
超である。特別会計からの借り入れなど“隠れ借金”を含めれば、１０００兆円を優
に超す。
　小泉内閣の発足後、国の借金は毎年５０兆円ずつ増え続け、この３年間で１６５兆
円も膨らんだという。
「国の借金だけを見ても、前年度比３４兆円増（５．１％）で初めて７００兆円を突
破しました。生まれたばかりの赤ん坊も含めて、国民１人あたり５５０万円の借金で
す。今年度の税収見通し（４１兆円）の、実に２５倍。年収４００万円のサラリーマ
ンが、積もり積もって１億円の借金を抱えたようなもので、どう転んでも返済は絶望
的です。しかも政府は、今年度も過去最大の３６兆円の新規国債を発行する予定。小
泉首相は『財政再建』を最重要公約に掲げてきたが、やっていることはアベコベ。
『借金王』と自嘲した小渕元首相を上回る借金を重ねている。小泉内閣の３年間で、
国の財政はドロ沼に突入してしまいました」（帝京大教授・降旗節雄氏＝財政学）
　いまや国債費（利払いと償還）は１７兆円に達している。４１兆円の税収のうち、
４割以上が借金返済に消えている。日本の財政は、紛れもなく破産状態で、参院選の
新たな争点になってきた。

         ◆ 小泉政権の赤字国債タレ流しは「世界の借金王」を抜いた ◆

　なぜ、ここまで借金が膨らんだのか。答えはハッキリしている。すべて小泉首相の
デタラメな経済政策のせいだ。
「国債増発の大きな理由は、小泉内閣になってから税収が減り続けたためです。景気
対策に取り組んで税収増を図るべきところを『構造改革だ。痛みに耐えろ』とか言っ
て、デフレ不況を悪化させた。その結果、森内閣時代に５０兆円を超えていた税収は、
４７兆円、４３兆円、４１兆円と減少の一途。税収不足の穴埋めに、赤字国債の大量
発行を余儀なくされたのです。そのトータルが、３年間で１６５兆円の借金です」
（民間シンクタンク研究員）
　ＦＢ残高が過去最悪の８６兆円まで膨張したのも、小手先の景気下支えに走ったた
めだ。政府・日銀は、円高進行→景気底割れを恐れ、円安にするために巨額の「為替
介入」を実施。この資金調達のためにＦＢを乱発した。しかし、米国に「やり過ぎ」
と批判され、介入をやめた途端に円高に戻った。まったくの無駄ガネになっているあ
りさまだ。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「財政再建の第一歩は、無駄な歳出のカットに尽きます。４０兆円しか税収がないの
だから、８０兆円の予算を大胆に削減するしかない。ところが小泉首相は、公共事業
など自民党の利権になっている分野にはほとんど手をつけなかった。削ったのは医療
費、教育費など社会保障関連だけです。削るべきを削らないのでは、借金が増え続け
るのも当然です」

            ◆ 庶民の蓄えも老後資金も勝手に使われ金庫は空っぽ ◆

　小泉首相の経済失政がもたらしたのは、財政の破綻だけじゃない。背筋を凍らせる、
さらに恐ろしい事実がある。
　政府は隠し続けているが、国民の老後を支える「年金資金」も、コツコツ積み立て
た「郵貯」も、政府が好き勝手に使ってしまい、金庫は空っぽになっている。
「年金の積立金１４７兆円と、郵貯・簡保３５０兆円の計約５００兆円のうち、ざっ
と７割、約３５０兆円が財政投融資として８０以上の特殊法人につぎ込まれてきた。
このうちの５割とか６割が、焦げ付いているとみられているのです。４０兆円の借金
を抱えてニッチもサッチも行かなくなった道路公団のような“破産”した特殊法人に
巨額の融資が行われている。国民金融公庫、中小企業金融公庫など大量の不良債権を
抱えているところも多く、返済不能になっている額は１５０兆円は下らないはずです」
（前出のシンクタンク研究員）
　国家財政は破綻、国民の財産もボロボロで、日本という国は、土台から崩れてしま
っているのである。

           ◆ 郵貯の政府保証を外して国債を買わせる悪辣な仕掛け ◆

　小泉政権は、国の巨額借金、食い散らかされた国民の蓄えをどうするつもりなのか。
この先も赤字国債を発行してボロを取り繕うため、財務省と結託して１４００兆円の
個人金融資産を強奪するシナリオを描いている。小泉が、郵政民営化に絡めて言い出
した「郵貯・簡保の政府保証廃止」がその仕掛けである。
「郵貯・簡保は３５０兆円あり、今や個人金融資産の４分の１を占めています。財務
省はこの先、国債の消化が難しくなるとみて、この巨額マネーで国債を買わせること
を考えている。そのため郵貯・簡保の政府保証を取っ払い、国債を唯一のリスク・ゼ
ロ商品にして郵貯マネーを国債にシフトさせる思惑です。段階的に政府保証を打ち切
っていくどころか、郵貯そのものを自動的に『個人向け国債』に振り替える案まで検
討しています」（財務省関係者）
　小泉が「政府保証廃止」を言い出したのは、財務省の研究会がブチ上げ、経財諮問
会議で追認したのを受けてのことだ。郵政民営化の本当の狙いは、郵貯マネーで国債
を買わせることにあるのだ。
「財務省は国債の消化に危機感を持ってます。日銀も銀行も各７０兆円も持ち、金利
が上昇する中で、１００兆円以上の国債を消化するのは難しくなっている。そのため
政府は、金利連動のインフレ対応型の個人向け国債を発行し、国民に肩代わりさせよ
うとしている。政府が勧める金融商品で、国民が得した例はありません」（経済アナ
リスト・吉見俊彦氏）
　損を出した国民の不満を抑える方策も用意している。「金融所得の一本化」がそれ。
国債での損失を株式などの利益と相殺し、納税額を減らせる制度だ。国民の金融資産
を強奪するための仕掛けにダマされたら大変だ。

            ◆ 大増税の揚げ句、ハイパーインフレで国債は紙くず ◆

　国民資産強奪のシナリオはまだ先がある。「財政再建」を口実に、扶養控除など税
制の各種控除を次々に撤廃し、所得税増税を強行。並行して年金・医療・介護の「保
険料アップ、給付ダウン」で庶民を搾り上げ、最後は消費税の大幅アップを実現させ
る。その揚げ句、ハイパーインフレを仕掛けて、政府の借金をチャラにしてしまうと
いう恐怖のシナリオだ。
「この先、１０００兆円を優に超す財政赤字の解消ができるとは財務省でも考えてい
ないでしょう。仮に財政再建がうまくいったとしても、１年で返せるのは４兆～５兆
円で、１００年かけても全部返せない。結局、インフレを待って、借金を目減りさせ
るしかありません」（吉見俊彦氏＝前出）
「ここまで悪化した財政を立て直すには、大増税とハイパーインフレの組み合わせし
かありません。消費税率を上げられるところまでアップして税収増を図る一方で、日
銀法を改正し、禁じられている国債の直接買い入れを行う。日銀の直接引き受けが実
現すれば、国債をいくらでも発行できるようになる。市中にカネがあふれ、いや応な
くハイパーインフレになる。日本は第２次大戦後、ハイパーインフレで乱発した戦時
国債を紙クズにした。それと同じやり方です」（降旗節雄氏＝前出）
　かくして、国民の資産はすべて消滅だ。有権者は、こんなメチャクチャをたくらむ
小泉自民党に本当に投票するのか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月26日号

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  この国をアメリカに捧げる小泉政権でいいのかという選択
  全国の選挙民にもしこれほどの決意があれば…
  朝日新聞が投書欄に掲載した７９歳主婦の声に希望も期待も出てきた
  参院選は低投票率で自民が大勝という予想をひっくり返すハプニングはあるか

 ■ 出生率調査はねつ造　ついに出てきた内部告発
 ■ 小泉首相にまたスキャンダル　地元の「選対本部長」は元マル暴関係者？
 ■ ７．１１参院選　５１議席も危ない　最新の独自世論調査に自民党幹部マッ青
 ■ 小泉内閣　投票日前に最高値演出
 ■ 「竹中を落とす会結成を」野中広務
    「たたかれ過ぎて太った」竹中大臣
 ■ 「自民」「民主」並ぶ　参院比例区「投票したい政党」調べ
 ■ サマワ現地リポート　自衛隊の人道復興支援　住民の声を聞いて驚いた
 ■ 《ＵＦＪ》止まらない　大量パージの戦慄
 ■ 《ソフトバンク株主総会》
      「ホラ吹き孫になって」の要望に大風呂敷で応えた孫社長
 ■ 《再生機構》スカイネット支援　数十億円出資で路線拡大というが…
 ■ 《ＪＴＢ》五輪サッカー０泊４日ツアー
 ■ 《プランタン銀座》「雨の日割引」で売り上げアップ
 ■ 《百貨店・スーパー》売上高３カ月連続で減
 ■ 日立とＮＥＣが１０月に共同出資会社
 ■ 【話題の焦点】
       ・ サラリーマン改造講座でイメージアップ！


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ この国をアメリカに捧げる小泉政権でいいのかという選択
■ 全国の選挙民にもしこれほどの決意があれば…
■ 朝日新聞が投書欄に掲載した７９歳主婦の声に希望も期待も出てきた
■ 参院選は低投票率で自民が大勝という予想をひっくり返すハプニングはあるか
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                        小泉自民党の選挙コマーシャル
                      「この国を想い、この国を創る」は
                    「この国を滅ぼし、アメリカに捧げる」
                 ではないのかと皮肉る声に同感とも書いてある
                --------------------------------------------

　参院選がスタートした。自民党は小泉首相を前面に出しての作戦だが、内心ヒヤヒ
ヤだという。
　その根拠の第１が支持率の急落だ。年金問題をきっかけに朝日５４％→４０％、毎
日５８％→４６％と軒並み１０ポイント以上下げていて、「もう小泉人気はアテにで
きない」からだ。そして第２が自民党独自で行った当落予想調査で「改選５１議席確
保がやっと」という結果が出たことだ。
「幹部は大慌て。しかし、ホッとしたのは読売（２３日）の世論調査結果です。『参
院選に関心がある』と答えた人が３年前の７１％から５６％に下がり、『必ず投票に
行く』という人も６７％から６１％に低下していた。前回参院選の投票率は５６．４
４％でしたから今回は５０％ちょっととみられる。無党派層がシラケて選挙に行かず
に低投票率なら、業界団体や後援会をフル稼働させて組織票を固めれば十分に勝てる、
と踏んでいるのです」（関係者）
　選挙の焦点になる「自衛隊の多国籍軍参加」と「年金問題」をボカした選挙戦をや
れば、有権者はシラケて投票しないだろうということだ。
　しかし、国民は本当にシラケているのか。朝日新聞（１８日）の「声」欄に７９歳
の主婦がこんな投書を寄せている。
〈小泉首相は最近、テレビコマーシャルで「この国を想い、この国を創る」と盛んに
言っています。が、ある政治評論家が「この国を滅ぼし、アメリカに捧げるではない
のか」と皮肉っているのを読みました。同感です。米国一辺倒の小泉首相の下では、
容易に「事が進められている」と素人目にも映ります。戦中に青春を過ごした私は言
うべき言葉さえありません。来る参院選に望みをつなぎたい。無力な私の一票でも、
集まれば大きな力になります〉

                      ▼ 始まった自衛隊の米軍従属化 ▼

　投書によればこの主婦が危機感を覚えたのは、米国が「米軍と自衛隊との一体化」
を進めているという記事を読んだからだという。
　ラムズフェルド国防長官が構想する極東米軍の再編はこうだ。
（１）沖縄海兵隊を座間基地に移し、演習は北海道の陸自矢臼別演習場で行う
（２）在日米軍司令部がある横田基地に自衛隊航空総司令部を移す
（３）ワシントン州にある陸軍第１軍団司令部を神奈川県の座間基地に移転する
――というもの。どう見ても日米軍事一体化である。軍事ジャーナリストの神浦元彰
氏が言う。
「第１軍団司令部は朝鮮半島を中心にした司令部で、これをワシントン州から横田に
移すのは、フロリダにある中央軍司令部がイラク戦争のためにカタールに移されたの
と同じ。朝鮮有事のためのシフトです。これまで海だけだった自衛隊との連携を陸・
空３軍まで広げるのが目的ですから、これは日米連携というより自衛隊の米軍への従
属。実現すれば日本防衛の独自性は完全に失われるでしょう」
　まさに日本を米国に売り渡す構想。投書の主婦が危機感を覚えるのは当然である。

           ▼ 「説明不足」ではなく「説明できない」多国籍軍参加 ▼

　イラク多国籍軍への参加だって同じだ。自衛隊が参加するのは多国籍軍ではなく米
軍部隊というのが真相だ。政府は今月２２日の閣議で「参加とは司令官の指揮下に入
り、その一員として行動するという限定された意味」とする答弁書を発表した。司令
官は実質的に米軍だから、自衛隊がその指揮下に置かれることを認めたわけだ。米軍
から「行け！」と命令されれば、ドンパチは不可避なのだ。法大教授の五十嵐仁氏
（政治学）が言う。
「小泉首相は、いまだに『多国籍軍の指揮下には入らない。米英政府との了解がある』
と強弁していますが、大新聞が書き立てている説明不足というのは違う。実際は説明
しようにもできないのです。対外的には多国籍軍参加の３２カ国と『一緒にやる』と
宣言しながら、国内向けには『一緒にやらない』と二枚舌をつかっているのですから、
論理矛盾は明らか。日本だけ武力行使をしないなんて特別待遇になるわけがないし、
人道支援に限定と言いながら、米兵輸送はやるというのだから、すでに憲法が禁じる
集団的自衛権の行使、武力行使に当たるのは間違いない。それを説明すれば猛反発さ
れるから、得意のワンフレーズで押し切ろうというのです。国民をあざむくペテンで
すよ」
　田中康夫長野県知事は本紙コラムで「米国追従確信犯として多国籍軍参加→集団的
自衛権→平成の盧溝橋事件→徴兵制ベクトルの下、（自身ならぬ国民に）命を捨てさ
せる欲望を行使する小泉ワンワン」と書いていたが、その通りだ。小泉は「自衛隊は
軍隊」の答弁通り、日本と自衛隊をアメリカに捧げて、自衛隊を海外で戦える軍隊に
するのが狙いだ。“軍隊もいろいろ、指揮権もいろいろ”ですむ話じゃない。

                     ▼ 参院選に勝てば一気に軍事国家 ▼

　政権発足から３年、小泉政権は日本の軍事化を急ピッチで進めてきた。成立させた
軍事関連法案はテロ特措法、周辺事態法、武力攻撃事態法、イラク特措法、有事法制
と、数え切れないほど。
　できそこないの博多ニワカみたいな顔の石破防衛庁長官は、イラクの自衛隊派遣に
ついて「テロと戦争の区別が難しい今日では、軍事力の警察的な利用という考えを進
めるべきだ」などと武力行使の“変則容認”を口にしている。さらに、日本を攻撃し
たか分からない上昇中の弾道ミサイルを迎撃するミサイル防衛（ＭＤ）システムまで
「導入を検討する」と言い出した。集団的自衛権の行使どころか、先制攻撃の恐れま
である。憲法を変えずに“何でもアリ”状態だ。
　もちろん小泉自民が選挙で勝てば、あと２年もやりたい放題。日本と自衛隊を米国
に売り渡す軍国化を一気呵成にやってしまう魂胆だ。

                ▼ “大河の一滴”が集まれば小泉を押し流す ▼

　そんな売国首相を止められるのは国民の意思だ。
　朝日に投書した主婦は「無力な私の一票でも集まれば大きな力になる」と書いてい
たが、まったくその通り。小泉軍国化に危うさを感じている国民は多いはずだから、
「小泉ノー」の“大河の一滴”が集まれば小泉自民党のたくらみを押し流す激流にな
るのだ。
　評論家の室伏哲郎氏が言う。
「先進諸国で半世紀以上もキチンとした政権交代がない国はありません。米英はもち
ろん、イタリア、メキシコ、台湾、韓国、すべて国民が政権を代えダメだったらまた
代えています。そんな政権交代がないから小泉はやりたい放題ができるのです。『今
の野党では頼りない』としたり顔でいう人がいますが、これは間違いです。権力を持
っていない“傘張り浪人”が悪代官よりみすぼらしいのは当たり前でしょう。私は
“一票一揆を起こせ”といいたい。これは暴動を起こせというのではない。ほんの１
時間ほど投票所に行けば、翌日には政治が変わっているのですから」
　来月１１日、有権者は心して投票所に行くべきだ。少なくとも棄権は「売国の小泉」
を承認したことになる。


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■ 出生率調査はねつ造　ついに出てきた内部告発
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                         ▼ 張本人にぶつけてみた ▼

　小泉政権がヒタ隠しにしてきた「出生率１．２９」――。年金法の根拠（試算は１．
３２）を崩すことになっているが、この問題に絡んで、気になる告発文が霞が関に出
回っている。厚労省が出生率の発表を遅らせたどころか、出生率データ自体に問題ア
リというのだ。
「元厚生省職員」という人物の告発文によると、政府・与党の年金法案のベースにな
った国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」はこれまで、実際の少
子化の進行とかけ離れた予測をしてきた。その原因は、社人研の担当者が父親の厚労
省人脈でコネ採用された人物で、同省に都合のいいように改ざんした将来推計人口を
作成するようになったから――というのだ。これは聞き捨てならない。
　もし事実なら、年金法どころか政府がぶっ壊れる話である。文書では社人研の担当
者を名指しで告発しているが、本当なのか。問題の担当者の言い分はこうだ。
「採用については人事院の手続きを踏んだ正式な方法で、事実誤認です。将来推計人
口は、厚労省の審議会で複数の有識者のチェックを受けてから発表するので、出生率
を操作するなんてことはあり得ない。もちろん、厚労省から指示を受けたこともあり
ません。
　それに予測には幅を持たせて、低、中、高位の３種類立てています。０３年の出生
率１．３２は中位予測で、低位では１．２６８、２０５０年までに１．１０程度まで
下がり続けると予測しているのです。出生率１．３２という数字ばかりがクローズア
ップされるので、こうした邪推を生むのではないでしょうか」
　当の厚労省は「中位予測を基に年金財政の見通しを試算したのは、それが全国の生
涯未婚率を基にしたデータだから。年金は全国の制度ですからね。もちろん、東京都
の生涯未婚率を基にした低位予測からはじき出した試算についても、３月の参院予算
委で答弁していますよ」（年金局数理課）とにべもない。
　いずれにせよ、小泉内閣と厚労省が“後出しジャンケン”のようなデタラメばかり
やっているから、こんな告発文が出回るのだ。


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■ 小泉首相にまたスキャンダル　地元の「選対本部長」は元マル暴関係者？
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　また小泉首相にスキャンダル発覚である。なんと「首相の選対本部長は元暴力団員」
だというのだ。きょう（２５日）発売の「ＦＲＩＤＡＹ」がスクープしている。
　この男性（８０）は、７２年の衆院選以来、小泉首相の選挙対策本部長を１０回に
わたって務めた。神奈川県議を５回やり、現在は県選挙管理委員などに就いている。
　その一方で「裏社会」と親交があり、本人が言うには、若い頃はいわゆる「博徒」
で、指定暴力団稲川会の故・石井進前会長とは、ツーカーの間柄だったという。刺青
を入れていたともいう。石井前会長の葬儀も、家族以外では、真っ先に線香をあげた
と本人も認めている。
　初出馬で落選した小泉首相が頼み込んで、２回目の選挙から選対本部長に就いても
らったといい、いまでも首相は「大先生」と呼んで頭が上がらないらしい。
　クリーンイメージで売ってきた首相だが、後援会企業に厚生年金を支払わせていた
など、正体が次々に暴露され始めてきた。


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■ ７．１１参院選　５１議席も危ない　最新の独自世論調査に自民党幹部マッ青
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　参院選の風向きが完全に変わった。自民党はほぼ毎週、党独自の世論調査をしてい
るが、あまりの数字の悪さに青ざめている。調査結果を見た幹部の１人は「５１議席
ギリギリかもしれない。厳しい」と漏らしたという。

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                    １カ月前の調査では６０議席安泰が今や
                     「比例１５＋選挙区３５＝５０」に…
                   --------------------------------------

　小泉首相が勝敗ラインにしている自民党の獲得目標５１議席。１カ月前には「あま
りにハードルが低すぎる」と冗談としか受け取られず、「６０議席は大丈夫」という
森前首相の言葉が党内の常識だった。ところが、ところが、なのである。
「確かに１カ月前の党内の調査では６０議席、大勝間違いなしだったのです。ところ
が、その後、５７議席に減り、５４議席になり、先週末の調査ではプラスマイナスを
抜きにした基数がついに５１議席ギリギリになってしまったのです。そのため、調査
結果は党内でも極秘扱いになっています」（関係者）
　調査によれば、全国４７の選挙区のうち１７の１人区・複数区が大接戦で、３５議
席プラスマイナス５。比例代表は１５議席プラスマイナス２だという。
　もちろん、危機感をあおり、組織のたるみを引き締める思惑も含まれているが、一
時の「小泉人気」が日ごと急落しているのは間違いない。
　党内では、「７月１１日の投票日直前に最後の調査をしたら、５０議席を割ってい
るかもしれない。４７、４８議席も覚悟すべきだ」「“比例は公明党”なんて言って
いる自民党候補者もいるが、それどころじゃないゾ」という声も上がっている。
「５１議席を切れば総理の責任問題」――青木参院幹事長の言葉が、冗談でなくなっ
てきた。


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■ 小泉内閣　投票日前に最高値演出
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                        ▼ 毎度の株価つり上げ作戦 ▼

　参院選で予想外の苦戦となっている小泉内閣が、毎度の票集め作戦を画策している。
７月以降、ＰＫＯで強引に株価を上げ、景気回復を大々的にアピールする作戦だとい
う。
　市場関係者が注目しているのは、６月３０日に開かれる米連邦公開市場委（ＦＯＭ
Ｃ）。ここで４年ぶりに金利が引き上げられるが、利上げ幅が０．５％になるか、０．
２５％になるのか世界中が固唾をのんで見守っている。東証が１万１７００円前後で
もみ合っているのも、投資家が６月３０日まで動きを控えているからだ。
　小泉内閣は、ＦＯＭＣで利上げ幅が決まった後、一気に動き出す方針だという。
「利上げが０．２５％で収まれば、安心感が広がって東証株価は急騰する。政府はこ
のタイミングで、巨額の簡保・年金資金をつぎ込む予定。買いが買いを呼ぶ形にして、
今年の最高値１万２１６３円を上回る、１万３０００円近くまで持っていく気です。
新高値になれば新聞が騒ぎ、景気回復感が出るという計算です。幸い、５兆円の資金
が残っている。６月上旬に『３００億円の年金資金が入ったらしい』とうわさが流れ
ただけで、株価は３００円も上がった。先物を中心に、投票日まで連日１００億円単
位で買っていけば、株価をつり上げることは可能。もっとも、選挙後は一気に急落す
るでしょう」（兜町関係者）
　新たな「サプライズ」も浮かばず、手詰まりの小泉首相、いまや何でもアリだ。


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■ 「竹中を落とす会結成を」野中広務
   「たたかれ過ぎて太った」竹中大臣
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「竹中平蔵を落選させる会をつくる」――。きのう（２４日）夜、京都市内で演説し
た野中広務元幹事長が、痛烈な竹中批判をブチ上げた。
「竹中大臣の政策によって何人の人が職を失い、何人の人の家族が崩壊したか」「そ
んな人を比例の候補に持っていくなんて」「あの人を落とす会をつくってやろうかと
思うくらい腹が立っている」
　その竹中大臣は、批判もどこ吹く風だ。京都市内の街頭演説で「この３年間、政府
で仕事をしてよく分かったことがある。日本には人の悪口ばかり言ってメシを食って
いる人間が何とたくさんいるかということだ」「最近、太ったんじゃないかと言われ
るが、たたかれて腫れているだけだ」と平然と言ってのけた。


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■ 「自民」「民主」並ぶ　参院比例区「投票したい政党」調べ
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　参院選がスタートして自民党と民主党の人気が逆転しそうな形勢だ。
　参院選公示直前の２２、２３日に朝日新聞が行った世論調査で、比例代表で「どの
政党に投票したいか」の回答が、自民党、民主党ともに２３％で並んだ。一時は２倍
近くも水をあけていた自民を民主が急速に追い上げている。前回調査では自民２１％、
民主１７％で、１割台を推移していた民主が今回初めて２割を超えた。無党派層の動
きをみても自民は６％→８％だが、民主は９％→１５％と増加。また参院選に「大い
に関心がある」と答えた人も特に民主支持層に限れば５５％と際立って高い。
　さらに小泉政権の存続についても「続けてほしくない」と答えた人が３１％と４月
下旬以来５回の調査で初めて３割を超え、小泉内閣の評価も「悪くなった」が３９％
で、「良くなった」の９％を大きく上回った。


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■ サマワ現地リポート　自衛隊の人道復興支援　住民の声を聞いて驚いた
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　４月に起きた日本人拉致事件を機に、サマワの日本人ジャーナリストは一斉退去し
てしまったから、自衛隊がどんな活動をしているのか、サッパリ伝わってこない。今
月からサマワで取材しているジャーナリストの志葉玲氏の報告にはビックリ仰天だ。
「鳴り物入りで始まった自衛隊の給水活動はもはや完全に滞っています。ちょっと離
れた村だと月に１、２回しか自衛隊から給水を受けていない。宿営地から北に１．５
キロのアル・シナティ村の住民たちは『宿営地はすぐそばで、軍用車が毎日、通行し
ているのに、給水車が来ないとはどういうことだ。汚い川の水を飲んでいるせいで、
子供たちが何人も病気になっているのに自衛隊は何もしてくれない』と怒りをぶちま
けていました。宿営地付近の水の需要すらロクに満たせていないのです」
　日本の大新聞がこぞって報じた老朽化した学校の「修復」についても、お寒い状況
だという。
「先日、サマワ中心から北約２０キロのアル・アドバ小学校を『自衛隊が修復してい
る』というので見学に行ったのですが、現場で作業しているのはすべてイラク人。こ
の学校の管理人は『自衛隊が手伝いに来るのは週４日だけ。しかも現場にいるのは１
０分だけだから、工事はサッパリはかどらない』と困り果てていました。これはあく
まで一例。サマワには米軍の空爆で破壊された学校はいくつもあるのに、自衛隊は放
置したまま。監視する人がいないからサボリ放題がまかり通っています」
　参院選で、小泉首相が自衛隊の活躍をアピールしないのも当然か。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月22日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月22日号 -1
■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  この国に今なぜ独裁政権が居座っているのか
  参院選が終われば小泉独裁ファシストは憲法改正、
  徴兵制施行に必ず動き出すがそれを阻む力は最早どこにもなさそう
  独裁を支える創価学会・公明党と大マスコミの罪は重大

 ■ 仰天！！　参院議長レース
    扇千景ＶＳ山東昭子　選挙応援でドン・青木にアピール
 ■ 《「ホームオブハート」虐待疑惑》売れっ子弁護士　対立
 ■ 《三菱総研シミュレーション》財政赤字１０００兆円突破の恐怖
 ■ 《東商議員選挙》東急エージェンシーが偽装投票
 ■ 女性合格者、初の３００人台に（国家公務員Ｉ種試験）
 ■ 景気回復の兆しは？　’０４夏　大手企業ボーナス相場
 ■ 三菱車事故を再調査へ（損保各社）
 ■ この夏はギリシャワインがブレーク？
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 自宅で注文ポストに返却　ＤＶＤオンラインレンタルの便利度


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ この国に今なぜ独裁政権が居座っているのか
■ 参院選が終われば小泉独裁ファシストは憲法改正、
■ 徴兵制施行に必ず動き出すがそれを阻む力は最早どこにもなさそう
■ 独裁を支える創価学会・公明党と大マスコミの罪は重大
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        多国籍軍参加を独断で決定した小泉政権に対し、なぜか批判追及の
            声があがらないフシギな議会制民主主義を標榜するこの国

              アメリカではブッシュ大統領デタラメ政権への批判が
            いよいよ高まって、民主主義の機能が働き始めているが、
          日本では参院選でも小泉メチャクチャ政権が支持されるという
                        恐ろしい結末が予想されている
       --------------------------------------------------------------

　小泉首相が自分を「純ちゃんではなく、純さまと呼んでほしい」と言い出した。い
ったい「何さまか」と言いたいが、この独善首相は増長するばかりだ。
　小泉がデカイ顔して居座っていられる根拠は何か。ズバリ、公明党と大マスコミで
ある。昨年秋の総選挙では、小選挙区で当選した自民党議員１６８人のうち、実に８
１人が公明党の支持母体・創価学会票のゲタを履かせてもらって当選した。学会票が
なければ２００議席を割って今ごろは下野していたはずだ。今回も学会票なしで戦え
ば政権維持すら危ういのが実情なのだ。
　そんな公明党に支えられて政権発足から３年、国会審議を無視して自衛隊の多国籍
軍参加を決めた小泉の暴政はとどまるところを知らない。それでもまだ支持率４０％
台をキープしていられるのは、大マスコミが小泉政治の正体を暴かないからだ。しか
も、参院選に向けた報道では自民優位の雰囲気をつくりだしているのだから、まさに
小泉応援団である。新聞・ＴＶが真相を伝えれば、小泉自民は政権の座を追われて当
然なのに、である。

                  ▼ 打算の野合をした公明が小泉を支える ▼

　それにしても、公明党の変節には驚くばかりだ。「平和と福祉」が二枚看板だった
はずが、９９年に与党入りしてからは自民追随の一辺倒。小泉政権では自衛隊のイラ
ク派兵、多国籍軍参加を真っ先に容認し、内政では増税ラッシュの片棒をかつぐで、
今や「戦争と庶民イジメ」の党になりさがった。評論家の丸山照雄氏はこう見る。
「公明党の中道主義とは、右にも左にも寄らないのではなく、左右をてんびんにかけ、
自分たちに利益があればどちらにでも傾くという意味です。平和と福祉の二枚看板を
あっさり捨てて、路線が正反対の小泉路線にくっついているのは、政権与党は自分た
ちの利益になるとソロバンをはじいたからです。小泉追随によって日本が間違った方
向に進もうと、自分たちさえ良ければ関係ないという考えです」
　公明党にとって、政権与党の利益とは権力だ。
「公明党は野党の新進党に加わっていた当時、自民党から池田大作・創価学会名誉会
長の証人喚問を求められた苦い経験がある。しかし、与党にいれば、そうした問題を
追及されることはないし、自民の６分の１の弱小勢力でも選挙では自民党議員の生殺
与奪は思うまま。国会では自分たちの利権最優先の法案をゴリ押しすることができる。
そのうえ予算委で巨額なカネを動かせるのだから、わが世の春なのです」（事情通）
　こうした公明党に対する小泉の気の使いようは常軌を逸している。公明党大会で池
田名誉会長の写真を「不動心ってのは大事だなと思う」とベタボメし、公明党全国女
性議員大会では「お花畑に来たようだ」とヨイショ。学会票を回してもらえるなら、
なんでもしますの態度だ。
「自民執行部が勝敗ラインを現状維持の５１議席としているのも、選挙情勢が楽観で
きないからではありません。単独過半数に必要な５６議席を目指す方針を明らかにす
れば、数の上では連立は不要となる。それが公明党を刺激しかねないとの配慮がある
からです」（永田町関係者）
　自公は政策が一致したから連立を組んだのではない。お互いの利害が一致した打算
の野合。おかげで小泉は好き勝手ができるのだ。

                ▼ 何を恐れているのかマスコミの及び腰報道 ▼

　小泉をやりたい放題にさせ、さらにこれを助長しているのが大新聞・ＴＶである。
小泉パフォーマンスはマスコミが伝えてナンボだから、一切報じなければいいものを、
とりわけテレビは「面白い映像だから」と何回でも流す。新聞も解説面で「軽い」だ
の「不誠実だ」と書くだけで、結局、引き立て役になっている。何よりも自衛隊の多
国籍軍参加についての報道はからっきし腰が引けている。積極参加論の読売・産経は
論外だが、朝日・毎日などは何を恐れているのか正面から批判していない。「国際貢
献が歪んでいく」（朝日）とか「なし崩しでことを進めるな」（毎日）と及び腰なの
だ。
　そもそも小泉の多国籍軍参加の理屈は支離滅裂だ。これまでの政府見解の「武力行
使を伴う多国籍軍への参加は認められない」に対して「多国籍軍の指揮下には入らな
い」から憲法上認められ「人道支援だけをやる」。そのことは「米英両政府との了解
がある」と言う。しかし、マクレラン大統領報道官は「多国籍軍全体は米軍司令部の
指揮下にある」と明言しているし、「米英の了解」も確認文書はなく、大使よりも格
下の公使が口頭で伝えただけであることがバレた。しかも「人道支援だけ」と言いな
がら「米兵輸送はやる」というからもうメチャクチャ。“人道支援”の自衛隊は確実
に反米武装勢力の標的になり、米兵と共に戦闘に加わることは間違いない。いや、そ
れこそが多国籍軍参加を集団的自衛権の突破口にしたい小泉の狙いで、ブッシュとの
裏約束だろう。にもかかわらず、マスコミはなぜかハッキリと書かない。評論家の室
伏哲郎氏が言う。
「大新聞・ＴＶはまず多国籍軍参加に反対か賛成かをはっきりすべきです。それをあ
いまいにしているから『小泉首相は説明責任を果たしていない』と“逃げの批判”を
する。これでは読者は『小泉さんはもっと説明すればいいのに』くらいにしか思わな
い。そもそも小泉がキチンと説明できないのは当たり前。論理破綻しているのですか
ら。多国籍軍参加だけではない。年金新法もデタラメだったし、ジェンキンスさんに
言った『私が保証する』もウソ。『人生いろいろ』も国民を愚弄しているし、『自民
党をぶっ潰す』もペテンだった。ウソとゴマカシを一つ一つたたいていけば小泉の化
けの皮ははがれるのに、マスコミは一過性の報道しかしない。小泉の思うツボでしょ
う」
　間違いを糾さないマスコミはペテン首相と同罪である。

                ▼ 有権者が怒らないととんでもない事態が… ▼

　政権亡者の公明党とチョウチン・マスコミの協力で、小泉自民党が参院選挙に勝っ
たら、この国はどうなっていくのか。確実なことは、いよいよ憲法改正と軍事大国化
が始まるということだ。自公両党がまとめた“憲法改正についての考え”を見ればそ
の目的は明らかだ。
〈戦後、個人の権利を主張する利己主義がはびこり、家庭や社会が崩壊したから、こ
れからは個人より国家を重視する。歴史や伝統を踏まえた国作りをする〉
「品格ある国作り」をうたい文句に、国民に愛国心を強制し、自衛隊を海外で戦える
軍隊にする計画である。
「家庭や社会のタガが緩んだのは政治が原因です。ワイロ議員が後を絶たないからモ
ラルが低下し、年金や景気対策など社会不安の原因をつくったのは自民党です。それ
を個人に転嫁したうえで、『だから国家中心でゆく』と愛国教育をしながら自衛隊を
米軍と共に海外で戦争できる軍隊に変えていく。自衛隊員が集まらなければ小泉首相
は徴兵制も敷きかねません」（室伏哲郎氏＝前出）
　まったく空恐ろしいことを画策しているファッショ首相だが、残念ながらこれを阻
止する勢力は見当たらない。
「記者クラブでの政府発表を無批判にタレ流す大新聞は、太平洋戦争直前のマスコミ
に似ています。国が戦争に向かうのと同時進行で言論統制が敷かれますから、いまの
ままではマスコミに暴走政権の阻止は期待できません」（明大教授・山田朗氏＝現代
政治）
　米国ではイラク人捕虜虐待が発覚して以来、マスコミは連日、大義のなかったイラ
ク戦争を批判。ブッシュの支持率はイラク開戦時の半分の４２％まで下落し再選は絶
望的という見方が強くなってきた。そんな世論をバックに元ＣＩＡ長官、元駐英大使
や海軍大将などの退役将校ら２７人が外交安保政策の転換を要求する会見を開いてい
る。
　マスコミが健全に機能していれば政策を変えたり、国のトップを交代させることが
できるが、今の日本では期待薄だ。
　連立を組む公明党はもちろんマスコミもアテにならないとなると、小泉暴走を止め
られるのは国民だけだ。来月１１日の参院選に有権者は心して投票しないと、この国
はとんでもない事態へと突入することになる。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月21日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月21日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  景気回復と小泉政策は全く関係ない
  小泉人気　小泉支持の本当の真相

 ■ 「一家の再会」は投票日直前
    曽我ひとみさんを参院選に悪用する小泉首相の卑劣
 ■ グッスリ！　スッキリ！！　快眠サービス＆グッズ最前線


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 景気回復と小泉政策は全く関係ない
■ 小泉人気　小泉支持の本当の真相
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         日本の主要企業の経営者の大多数が朝日新聞のアンケートに回答
    そして巷には小泉首相に即刻辞めてもらいたいと思っている人が増えている
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　来月１１日投票の参院選で、小泉自民党は「３年間の実績」を前面に出して戦う思
惑だ。キャッチフレーズは「さらに進める小泉改革」で、自民党公約の冒頭には「日
本経済・景気のはっきりとした明るさは改革の確かな成果」とある。竹中経財・金融
相を出馬させたのも、選挙期間中に「景気回復は小泉改革の成果」と大々的にＰＲさ
せるためだ。
　しかし、小泉政権は、低迷する日本経済を活性化させ、景気回復につながるような
政策を取ってきたのか。答えは「ノー」。主要企業１００社を対象にした朝日新聞の
調査からも一目瞭然だ。「景気回復は構造改革のプラスの効果が大きかった」と回答
した経営者は、たったの５人。大半が小泉首相の政策と景気回復は無関係と答えてい
るのだ。
「構造改革は何も寄与していない」（金川千尋・信越化学工業社長）というのが、多
くの経営者のホンネではないか。同志社大教授の浜矩子氏（国際経済学）がこう言う。
「今の景気は“中国神風”に救われた回復です。鉄鋼や海運など業績が上向いている
企業は中国との取引で利益を上げている。加えて好調な米国経済の恩恵もあった。景
気回復は外需によるもので、小泉改革とは無関係です。そもそも改革そのものがない。
小泉首相は『改革なくして成長なし』と言い続けてきましたが、現実は『改革なき成
長』となっています。本来なら、思うように改革が進んでいないことを真摯に受け止
め、反省すべきです。そのうえで『幸運にも景気は回復基調にあるから、新しいシナ
リオを用意しました』と国民に提示するのがスジ。悪乗り、便乗で自分の手柄にする
ようでは見識が疑われます」
　ペテン首相の厚顔無恥ぶりは、ここにも出ている。

          ▼ 即刻退陣を求める国民が増えるのは当然のデタラメ政治 ▼

　それでも４０％台の支持率をキープしている小泉首相だが、チマタでは「即刻退陣」
を求める声が増えている。それも当然。やることなすことデタラメばかりだからだ。
　あれほど大騒ぎした道路公団民営化では、無駄な道路を造り放題の法案で決着だ。
野党抜きで強行採決した年金法案は、保険料を引き上げて給付を減らす数字合わせを
やっただけ。「月額保険料の上限は固定」も、「現役世代の所得の５０％給付」も大
ウソだった。自民党の未納・未加入議員のケジメもついてない。
　自民党のタカ派議員たちがためらってきた軍国化政策も一瀉千里で進めてしまった。
自衛隊の海外派兵、有事法制、そのうえ勝手に多国籍軍参加まで決めてしまう。平和
憲法もクソもないのだ。
　マトモな国民なら、こんな政権にあと２年も任せられないと思って当然だ。
「最近の小泉首相はゴマカシばかりで、無責任極まりない。例えば自衛隊は多国籍軍
の指揮下に入らないと弁明していますが、何の担保もありません。しかも国連決議の
『統一された指揮』を『統合された司令部』と訳すなど、二枚舌も甚だしい。かつて
は“聖域なき構造改革”とか“改革なくして成長なし”とか、ワンフレーズにも多少
の方向性やメッセージが込められていた。それが今は“人生いろいろ”という具合で、
はぐらかしのフレーズしか出なくなった。もう限界でしょう」（九大名誉教授・斎藤
文男氏＝憲法）
　内政はムチャクチャ、外交は米国ベッタリで公然と憲法破りをする首相には、即刻、
お引き取り願うのが国のためだ。

        ▼ ４０％台の支持率を支えているのは中高年のオバチャン族だ ▼

　マトモな国民がもう結構と言っている小泉首相が、いまだに４０％台の支持率を維
持しているのはなぜなのか。ズバリ、物事を情緒的にしかとらえない４０代後半から
６０代のオバチャン族が下支えしているからだ。
「小泉人気を支えているのがだれかは、世論調査を分析するとハッキリします。小泉
支持の構造は、７０％台の高支持率だった時代も、４０％台の今も大きく変わってな
い。どの調査でも、２０～３０代では男性の支持率の方が高いが、４０代後半では逆
転し、女性の支持率が男性より５～１０％は高くなっている。７０％台だった時代は、
４０代後半～５０代の男性の支持率は６０％前半だが、同じ世代の女性の支持率は７
０％後半で、全体を押し上げていた。最近の世論調査でも中高年女性の小泉支持は、
同世代の男性ほどは落ち込んでいません」（世論調査の専門家）
　ＴＶのワイドショーが情報源のオバチャン族の支持が衰えていないのが高支持率の
最大要因だ。
　大新聞・ＴＶも小泉人気を支えている。とりわけＴＶは、小泉にいいように利用さ
れている。
　たとえば、小泉の歌舞伎趣味だ。１１代目・海老蔵の襲名披露公演に出掛ければマ
イクを向け、「心のこもった『勧進帳』ですばらしかった」と感動した様子を映し出
す。海老蔵の父親の団十郎が倒れれば、官邸記者がわざわざ質問して、「早く元気に
なってほしい」と言わせる。小泉のイメージアップに協力するだけで、「自殺者が過
去最悪の３万２０００人を超える社会になっているのに、歌舞伎だ、オペラだと浮か
れている場合か」と詰め寄る記者はいない。
　大マスコミは、一事が万事、この調子だ。小泉が年金問題でウソ八百を並べようが、
屁理屈をこねて自衛隊を多国籍軍に参加させようが、オバチャンたちを「何なの、あ
の男は」と怒らせるような真相は報じない。今の大マスコミは、小泉応援団そのもの
なのだ。

          ▼ 参院選で小泉政権を存続させるのは百害あって一利なし ▼

「とりあえずは食えないわけじゃない。他に適当な人もいないし、小泉でいいんじゃ
ない」――株価が上がり、失業率が下げ止まっていることも、小泉支持率が大きく下
がらない原因だ。
　景気は最悪期は脱したが、株価も失業率も小泉政権発足前のレベルに戻っているわ
けじゃない。ましてや年金、介護の保険料は引き上げられ、消費税の大幅アップも既
定路線になっている。目先の景気に惑わされていることも、小泉支持が大きく落ち込
まない原因だ。
　即刻退陣を求める国民が増えているのに、オバチャン人気で生き延びている小泉を
放置しておいていいのか。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「個々の政策は支持されていないのに、小泉首相の支持率が４割台を維持しているの
は、独特のパフォーマンス、突然の訪朝といったサプライズに振り回されているため
でしょう。年金改革にしても、自衛隊の多国籍軍参加にしても、やり方はめちゃくち
ゃ。とんでもない政治状況になっている。懸念されるのは、小泉内閣の無責任政治で
政治不信が強まり、参院選が低投票率になること。そうなれば業界団体、創価学会な
どの組織票を持つ自民党、公明党が有利になる。小泉政権は信任され、デタラメ政治
が続くことになります」
　マトモな人間に相手にされない小泉を国政の最高責任者にしておくことは、この国
を滅亡に追いやることに等しい。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月18日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月18日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  小泉首相は独裁者なのか
  念のため東条英機の時代を調べてみた
  太平洋戦争を知らないこの国の９０％の国民が
  １９４５年に破滅するまでの歴史から学ぶべき最重要事とは

 ■ 「１００万票」取らせて郵政担当相　“竹中担ぎ出し”思惑と打算
 ■ 裏技使って…　〈みずほ〉退職金１００人に２０億円？
 ■ メリットあるのは多額の預貯金大量の株持つ者だけ
    来年にも導入？　納税者番号は損か得か
 ■ 〈三菱自〉若手はトヨタへ　中高年は愛着…
 ■ 〈金融庁〉ＵＦＪを「検査忌避」で処分
 ■ 便宜供与の「念書」で告発された安藤（宮崎）県知事地元の評判
 ■ 発覚！！　〈三菱自〉リコール隠しの仰天手口
 ■ サッポロ「ドラフトワン」バカ売れ「ビール風味」飲料で新バトル勃発か
 ■ 〈ダイエー〉「捨て身」の大安売りスタート


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 小泉首相は独裁者なのか
■ 念のため東条英機の時代を調べてみた
■ 太平洋戦争を知らないこの国の９０％の国民が
■ １９４５年に破滅するまでの歴史から学ぶべき最重要事とは
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           ------------------------------------------------------
                    憲法も重視しまともな国会審議もなく、
             何から何まで一人で強行することを許していては駄目だ

              自衛隊の多国籍軍参加にまで至った狂気の独裁政治を
              一刻も早く打倒しないと、国民生活は大変な事になる
           ------------------------------------------------------

　きのう閉会した通常国会は、何から何までメチャクチャだった。自民党の安倍晋三
幹事長は「大変実り多い国会だった」と悦に入っていたが、ロクな審議もせずに、よ
くも言えたものだ。
　今国会はイラク、年金問題など重要法案がめじろ押しだった。まともな国民は、国
会で議論が深まることを期待した。ところが小泉内閣は採決を急ぐばかりで、国民の
声にはちっとも耳を傾けようとしなかった。金融２法では委員会採決をすっ飛ばし、
イラク派兵も年金法案も、野党を追い出しまんまと単独採決である。
　北朝鮮の脅威をあおって有事法制を成立させ、平和憲法にまでインチキで汚れた手
を伸ばそうとしている。その揚げ句、だれに相談することもなく多国籍軍参加を決め
てしまうのだから、狂気の独裁政治というしかない。この勢いで、北朝鮮と一戦交え
るつもりなのだろうか。
「最近の小泉首相の独断専行ぶりには、かなりの人が疑問を持っていると思います。
しかし、まとまった大きな声にならない。多国籍軍への参加は、集団的自衛権の行使
を禁じた憲法に違反する疑いがあります。日本の安全保障政策の基本方針を大転換す
ることにもなる。そんな重大な問題を国会での論議もなしに日米首脳会談で勝手に約
束したのです。ところが、国民も野党も無気力になっているのか、するすると認めら
れそうだから怖い。年金もイラクも有事法制もそう。国会には健全な批判をしたりチ
ェックする機能がなくなり、デモや集会で批判の声を上げる国民もいない。結果とし
て首相独裁体制を黙認する世の中になっています」（九大名誉教授・斎藤文男氏＝憲
法）
　希代の独裁者は、どんどん増長してしまう。

                ◆ 世相もマスコミも日米開戦前夜にそっくり ◆

　今や世相も経済も太平洋戦争突入前の雰囲気にそっくりだ。歴史は繰り返すという
が、日本史上最悪の宰相・東条英機の独裁下に置かれた、あの時代である。茨城大名
誉教授の大江志乃夫氏（日本現代史）が言う。
「東条英機の暴走によって３００万人もの日本人が命を落としました。それと同じ国
民が日の丸を振って自衛隊を見送る。その光景は、かつてとダブって見えます。東条
が『大東亜新秩序建設のため』との大義名分で日米開戦を決定した昭和１６年、国民
のほとんどは戦争に反対しないどころか、むしろ喜んだ。大本営発表と、それをタレ
流すマスコミに踊らされていたのです。今の状況は当時と驚くほど似ている。小泉首
相がありもしない“非戦闘地域論”でイラク派兵を強行し、自衛隊を多国籍軍に入れ
て米軍の傭兵部隊にしようとしているのに、多くの国民は『自衛隊がイラクに行った
のは復興支援のためだ』と支持しているのですからね」
　イラクでの人質事件や北朝鮮による拉致事件の被害家族は、小泉を批判してネット
上で袋だたきにされた。東条の時代も、国民一人ひとりが政府に批判的な国民をあぶ
り出し、「非国民」「反日分子」とつまはじきにしている。今はまさに戦争に突入し
た当時の風潮と同じじゃないか。

                    ▼ 抵抗をやめた権力を監視する番犬 ▼

　東条は言論出版物臨時取締法などでマスコミを弾圧した。論文「戦時宰相論」で東
条を批判した中野正剛を倒閣容疑で逮捕したし、でっち上げの容疑で検挙、拷問され
たジャーナリストは数知れない。
　小泉政権も訪朝前に２５万トンのコメ支援をスッパ抜いた日本テレビをドーカツだ。
言論の自由を定めた憲法２１条なんておかまいなしである。
　マスコミもマスコミで、例えば有事法制の危険性を理詰めで報じようともしない。
抵抗を見せたのは「国と協力する責務を負う」指定公共機関から民放ＴＶ局と新聞を
除外させたことくらいで、完全に腰が引けている。静岡県立大教授の前坂俊之氏（マ
スコミ論）が言う。
「太平洋戦争当時、政府は新聞を内閣情報局の宣伝機関として位置付けていましたが、
新聞社も内部に検閲の部署をつくって自己検閲していた。軍部の暴力や言論統制法規
で書けなかったと弁明しますが、実際は勇気がなくて書かなかった部分が大きい。
　それは今のマスコミも全く同じです。日テレ問題でも釈明を求めただけで抗議文す
ら出さない。戦時体制下のような記者クラブで政府発表を速報するだけ。結果的に政
府の方針を追認し、既成事実化させているにもかかわらず、発表が事実かどうかとい
う検証も全くしない。メディアは権力を監視する番犬であるべきなのに、これでは主
人（政府）が投げた木切れをシッポを振って拾いにいく愛犬です」
　マスコミが自らタブーをつくり、世の中を戦争に導こうとしているのだ。

                ◆ 戦争のために国民生活を犠牲にする独裁者 ◆

　小泉政権は、景気回復の喧伝に余念がない。しかし、それを実感できる国民はどれ
だけいるだろうか。小泉は「財政が苦しい」と配偶者特別控除や定率減税を廃止し、
住宅減税も縮小した。同時に社会保険料を上げ、医療費負担も５割増やした。苦しい
のは国民生活の方である。それでいてブッシュの戦争の後始末には総額５０億ドル
（約５５００億円）を大盤振る舞いしようというのだから、どうかしている。
「国の一大事」とあおって戦争にはジャブジャブというのも、東条と同じやり口だ。
敬愛大講師の福井紳一氏（日本近代思想史）が言う。
「東条内閣は『欲しがりません、勝つまでは』のスローガンの下で大規模な増税を行
ったばかりか、お国のためには『贅沢は敵だ』と耐乏生活を強要した。小泉内閣も増
税と同時に愛国心とか公共の精神重視の方針を盛んに打ち出しています。戦争ができ
る国家につくり変えるために心まで統制、動員させたがっているとしか思えません」
　戦時下の国民生活は鉄道料金が引き上げられ、コメ、ミソ、しょうゆといった生活
必需品も配給を待たなければならなかった。国民を苦しめる一方で、本人は新設した
軍需相や参謀総長を兼任し、どんどん独裁体制を強化していった。近衛文麿は東条を
極悪独裁者にちなんで「昭和の蘇我入鹿」と評したというが、それなら小泉は「平成
の入鹿」だろう。
　東条の時代を知らない９割の国民は、危機感ゼロで、スポーツやＴＶを見て浮かれ
ている。しかし、そんな場合じゃない。今や独裁者となった狂気の首相を一刻も早く
引きずり降ろさなければ、日本はいつか来た道に逆戻りだ。


■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月18日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】
        小泉首相は新しいタイプの独裁者 ──
  ▼ 【この会社の人と事件（笹子勝哉）】
        「公的資金法」標的は地銀ではなくメガバンク ──
  ▼ 【ＮＹアナリスト  日本株をこう買う】
        米国利上げで高まる日本株の優位性 ──
  ▼ 【耳より情報】
        マンション事業に進出する「サンケイビル」 ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 「５％ルール」で思惑浮上 ──
        ・ 田崎真珠もう一つの輝き ──
  ▼ 【暮らしと仕事の危機管理】
        男の更年期　発病のメカニズムと症状 ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        《職業移動時代》元サラリーマンが選んだもうひとつの人生
          広告代理店勤務→僧侶　横田晴正さん（３２歳） ──
  ▼ 【恐怖の自腹覆面取材！！　友里征耶の行っていい店わるい店】
        隠れ家レストランの割にまとも「ラ　プリムラ」 ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ 《和歌山カレー事件》林真須美の“仰天”ウルトラＣ
   ≫ ついに出現！　パソコンより始末が悪いケータイ感染メールの恐怖
   ≫ 貧富の二極化拡大　日本の億万長者５．８％増の１３１万人
   ≫ 卒業記念の豊胸手術が激増（米女子高校生）

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      ・ ニッポンを斬る！　「ザ・ニュースペーパー」公演にペア１０組
   ≫ プレゼント
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      ・ ソフトクリーム型ネックレスを５人に
      ・ ＰＣは自分で守る時代「ＨＤ革命」を３人に
   ≫ 「ぜーんぶヤングジャパン」を２０人に


─【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】─ 連載 ───────────────
 ▼ 小泉首相は新しいタイプの独裁者 ──
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　小泉首相は、石原慎太郎と比べても決して「独裁者」には見えない。実際、小泉首
相は、清潔なイメージをつくってきた。どす黒い抵抗勢力に取り囲まれながら「孤軍
奮闘」する一方、プレスリーを愛し、歌舞伎やオペラを趣味にする。そして汚職のな
い首相。
　だが、知ってか知らずか、最近の小泉首相は「新しいタイプのアドルフ」になって
いる。独裁者アドルフの振る舞いには、いくつかの特色がある。
　１つは、肝心の情報を国民に隠し、数を背景に強引に物事を運び、既成事実化させ
て「国民」をあきらめさせていく手法だ。
「年金法案」が、まさにそれだった。５割の給付を保証できないことも、「出生率１．
２９」という重大な情報も隠し続けた。そして自らの未加入や閣僚の未納を明らかに
したのも、法案を衆院厚労委で強行採決した後だった。自衛隊の「多国籍軍参加」も、
国内でまったく議論していないのに勝手にブッシュ大統領に約束して、なし崩しで既
成事実化させようとしている。
　２つ目の特色は、派手なパフォーマンスで大衆操作することだ。北朝鮮問題はその
典型である。家族５人の帰国だけなら、いつでも実現できたはず。それを引っ張り続
け、参院選前という絶好のタイミングで訪朝し、国民の関心を集めようと狙った。
　３つ目は、自分が間違っても絶対に謝らず、自分の非は一切認めないこと。そして
詭弁を弄することだ。
　その発言は、前後の文脈さえ除けば一般論としては正しい。
　例えば「フセインが見つからないからといって、フセインがいないことにはならな
い。大量破壊兵器が見つからないといって、ないことにはならない」と開き直った。
一般論としてはその通り。しかし、大量破壊兵器はなかった。「年金未納」や「厚生
年金の違法加入」でも、「学生時代のことなど誰も覚えていない。４０年も前のこと
を問題にする方がおかしい」。たしかに、その通り。だが「年金保険料は支払ってい
る」と言ってきたのはあなただ。「太っ腹な社長だった。人生いろいろ、会社もいろ
いろ、社員もいろいろ」。その通り。でも勤務実態がないのに厚生年金に加入してい
たのは小泉さん、あなただ。「自分は絶対に正しい」と批判を受けつけないのは、独
裁者の際立った特徴である。
　その末期症状は、側近政治に頼って議会や政党を無視し始めることだ。最近、ます
ます飯島秘書官が表に出てくるようになった。
　厳しいお灸を据えないと、アドルフ小泉はどこまで暴走するか分からない。７月の
参院選で「ノン」を突きつけないと、やがて参院選後に「憲法を変えてはいけないと
は憲法に書いていない」と言い出すに違いない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月15日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月15日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  これが小泉デタラメ政治３年間の成果
  景気は回復してきていると言い張り何もしない
  デタラメ政治では、奈落の底へまっしぐら必至
  果たして国民生活はこれからどうなるのか

 ■ 底ナシ〈三菱自〉改修手抜き　欠陥車は今どのくらい走っているのか
 ■ 携帯電話で爆破　金正日暗殺計画
 ■ １リーグ制へ待ったなし
    《近鉄バファローズ消滅》仕掛けた宮内オリックスの狙い
 ■ アルカイダ　また米国人をネット公開処刑
 ■ 小泉首相　多国籍軍参加でドタバタ事後調整
 ■ ついに日本人ＯＬも急死　六本木最新ヤク情報
 ■ 《竹中金融庁・金融再編最終シナリオ》東京三菱・ＵＦＪ合併説再燃
 ■ 〈トヨタ〉〈日産〉〈ホンダ〉中国市場分捕り作戦
 ■ メガバンク明暗！
    〈みずほ〉第２ボーナス　〈ＵＦＪ信託〉黒字なのにボーナスカット
 ■ 〈ランシステム〉複合カフェ　ジャスダック上場
 ■ 【話題の焦点】
       ・ のぞき犯の“気になる”供述
          「名古屋のオンナはカワイイ」は本当なの！？


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ これが小泉デタラメ政治３年間の成果
■ 景気は回復してきていると言い張り何もしない
■ デタラメ政治では、奈落の底へまっしぐら必至
■ 果たして国民生活はこれからどうなるのか
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       --------------------------------------------------------------
              自殺者最多３万２０００人、出生数最少１１２万人、
        サラリーマンの小遣い３万８３００円で昨年より４４００円低下。
                        庶民の暮らしはまさに生き地獄

                この無能有害首相は内政の失敗をごまかすため、
                イラクだ北朝鮮だサミットだロシアだドイツだと
            次々外交に国民の目をそらそうと悪辣な手を使っているが
         いつまでもこんな男を首相にしていたら庶民はみんな殺されるぞ
       --------------------------------------------------------------

　小泉政権になって３年以上。予想をはるかに上回るスピードで、この国の荒廃が進
んでいる。
　それを裏付けたのが、１０日に発表になった出生率と出生数ではなかったか。出生
率は先進国で最低レベル、全国で１．２９、東京で０．９９。出生数は３万人減の１
１２万４０００人で過去最低。
　これらの数字はズバリ、この国に夢も希望もない証拠だ。
　他にもやりきれないような数字がいくつも出てきた。同じ日に発表になった自殺者
は過去最多の３万２０８２人。うち経済苦自殺は１０９５人増の７９４０人。サラリー
マンの１カ月の小遣いは４４００円も減り、２２年ぶりに４万円を切って３万８３０
０円（０４年）までダウンである。
　サービス残業（ただ働き）も増えていて、労働基準監督署による１年間の是正指導
件数（０３年）は過去３０年で最悪の１万８５００件。サラリーマンの平均年収は過
去３年間で４６１万円から４４８万円まで下がっている。
　右も左も真っ暗闇ではないか。
　それなのに、小泉口先首相はインチキで塗り固めたＧＤＰを取り上げて「景気回復」
をＰＲ。大マスコミも高級ブランド品が売れていることなどをバカデカ紹介し、チョー
チン報道だから、どうかしている。
　その結果、大部分のサラリーマン、庶民は「苦しいのはわが家だけか」とあきらめ
ているのではないか。「賃下げは当たり前」「リストラは自己責任」みたいに思って
いないか。おとなしい庶民が何も言わないから、小泉のようなデタラメ無能首相がデ
カイ面でのさばっているのだ。サラリーマンもそろそろ目を覚まさないと、いまに政
府に殺されてしまうことになる。

            ----------------------------------------------------
             年金デフォルトでも怒らない“お人よし”サラリーマン
            ----------------------------------------------------

　この国のサラリーマンイジメがいかにヒドイか。自分の給与明細をじっくり眺めて
みるといい。
　税金と社会保障費で給与の２、３割は吹っ飛んでいる。このうち厚生年金は「将来
の積み立て」と思っていたら、政府が「デフォルト宣言」だ。民間企業だったら、契
約者が押しかけ、「社長出て来い！」になるはずなのに、この国は違う。首相が「人
生イロイロ……」とスットボケ、「保険料は引き上げ、給付はカット」で平然として
いる。こんなのアリか、というデタラメだ。
　サラリーマンの手取りは残り７、８割。ここから住宅ローン、生活費、子供の教育
費、亭主の小遣いなどをひねり出さなくてはならないが、ここでも庶民は小泉無能政
権の直撃を受けてしまう。
「小泉政権の経済無策のせいで、不動産価格が下げ止まったのはごく一部だけ。価格
が１０年で半分以下になったところもあるのです。今後もこの調子で土地が下落し、
建物の減価償却が重なると、ローンを払い終わった頃には不動産価値はゼロでしょう。
給与がてんで上がらないうえに積み立ててきた年金はパー。何百万円もの頭金を払っ
てやっとこさ買った不動産も紙くず必至では、サラリーマンはやってられません。こ
れらは全部、政治の責任ですからね」（経済評論家・広瀬嘉夫氏）

                 ▼ 子供２人、マンション買ったら生き地獄 ▼

　さらに高額の教育費だ。政治の無能無策で学級崩壊は進み、教育現場の荒廃はすさ
まじい。今や子供の塾通いは当たり前で、子供１人を大学まで出すのに、１０００万～
２０００万円のカネが必要とされる。
「すでにお子さんが２人いて、住宅ローンを組んでしまった家庭は悲鳴を上げていま
す。住宅資産が半分になったうえ、教育費という数千万円の負債を抱えているわけで
す。おカネが心配で、子供をつくれないという若い夫婦の声もよく聞きます。ところ
が、小泉政権は何もしないどころではありません。酒税やたばこ税の増税、配偶者特
別控除の廃止、サラリーマンの医療費負担の５割増と、これでもかと負担を押し付け
ている。よくもまあ、こんなおかしな政権を５割近くの人が支持しているものです」
（生活経済ジャーナリストの荻原博子氏）
　これが家計の“実態”だから、サラリーマンは自分の小遣いを切り詰めて、やって
いくしかないのである。小泉政権発足直後、７１０円だった平均昼食代は６５０円ま
で減っている。牛丼屋の行列は必然なのだ。
　もっとも、毎日カツカツでも、暮らしていければ、まだマシかもしれない。給料を
大幅に下げられたり、リストラされれば、サラリーマンは即、路頭に迷ってしまう。
会社にしがみつくには、サービス残業でも何でもやるしかない。ストレスに睡眠不足
が重なり、うつ病などの精神障害に見舞われるサラリーマンも増えている。自殺した
サラリーマンの半数が月１００時間以上の残業をしていたというデータもあるほどだ。
これじゃあ、もう生き地獄だ。

                --------------------------------------------
                 欧米だったら暴動が起きている経済無策の数々
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　出生率１．２９という数字に政府は「どんどん下がるとの認識ではない」（細田官
房長官）、「瞬間風速だ」（坂口厚労相）などとウソブいていたが、よくぞ言えたも
のだ。こんな社会で誰が子供を産もうとするものか。子供を産めば、破産してしまう。
一方、共働きのＤＩＮＫＳなら、とりあえず「今」は楽しく暮らしていける。その日
暮らしの刹那的な快楽主義が横行し、この国は亡国の道を歩みつつある。
　今後の展望も絶望的だ。新年金法は企業と本人が折半で納める年金保険料が１３年
間も上がり続けるシステムだ。負担増に耐え切れない企業は正社員を派遣やパートに
切り替えていく。不安定な雇用形態だから、労働者は企業に逆らえない。薄給、過剰
勤務に耐え続けるしかないのだ。評論家の室伏哲郎氏が言う。
「これだけ国民に負担増を押し付けながら、小泉政権は“景気回復”を強弁し、何一
つ対策を練ろうとしない。年金審議後の“後出しジャンケン”で出生率データを公表
する子供でも分かるルール違反を平気でやってのけ、国民をコケにし、けむに巻くの
が、この政権の正体なのです。今回のサミットでも、国民だましのパフォーマンスに
躍起でした。北朝鮮問題だけでなく、『ロシアと北方領土交渉だ』『年内にドイツと
首脳会談だ』と新たなサプライズ探しに熱を上げていた。山積した内政問題から国民
の目をそらそうとしているのは明白です」
　冗談ではなく、こんな政権を続けさせたら、国民生活は奈落の底にまっしぐらだ。
マジメに働いているサラリーマンが経済苦から命を縮め、子供も産めないような社会
でいいのか。欧米だったら、クーデターか暴動が起こっているはずだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月12日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月12日号 -1
■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  世界に恥をさらしているこの国の首相
  仏独ロ指導者の冷静な対応に比べて余りに卑屈な
  小泉日本国首相のブッシュ米大統領への屈従
  なぜそこまで米国のいいなりになるのか

 ■ 「ネットには“小泉レイプ裁判”の字が躍っている」
    国会でも問題になった　首相の「過去」を取り上げた損害賠償訴訟の中身
 ■ 出生率１．２９と過去最低　初年度から予測大外れ
    １０年後の受取額は４割減も
 ■ 三菱自　口頭で指示、証拠残さず
 ■ 韓国生ごみギョーザ　日本にも流入　すでに食べちゃった！？
 ■ 出資法違反で捕まった　稲垣実男元長官（北海道・沖縄開発庁）の笑えない事情
 ■ ＵＦＪ最終処理　信託銀行・アプラス売却　次の標的は「つばさ証券」！
 ■ 《イオン》《シャープ》台湾製液晶テレビめぐり大ゲンカ勃発
 ■ 安田ＵＦＪ信託社長インタビュー
 ■ シンガポール航空　４００種類の機内エンターテイメント
 ■ 三菱自・ふそう　購入自粛で生産調整へ
 ■ ローソン　豪州肉使い牛丼販売再開


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 世界に恥をさらしているこの国の首相
■ 仏独ロ指導者の冷静な対応に比べて余りに卑屈な
■ 小泉日本国首相のブッシュ米大統領への屈従
■ なぜそこまで米国のいいなりになるのか
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     ------------------------------------------------------------------
          自衛隊は多国籍軍に参加、仏独ロが消極的なイラク債務削減を
      日本は債権放棄、中東支援金の１割を拠出と、何から何までブッシュの
      戦争後始末に隷従している小泉独裁首相の独走をこのまま黙っていて、
            この国は国民主権の民主主義国なのかという巷の怒りの声
     ------------------------------------------------------------------

　８日（現地時間）から始まった「シーアイランド・サミット」が、きょう（１１日）
未明、３日間の日程を終えて閉幕した。
　ぶざまだったのが、小泉首相のブッシュ大統領に対する卑屈な態度だ。
　サミット初日に行われた日米首脳会談。米国が安保理に提出した「イラク国連新決
議」の採択について、得意顔でこう言い放った。
「これは米国の大義の勝利だ！」
　イラク国内は、連日の反米テロで今月末の主権移譲が危ぶまれるほど混乱している。
それなのに、ブッシュ大統領のイラク政策を絶賛するなんて、よくも言えたもの。さ
らに「ぶれない大統領に敬意を表する」と歯の浮くおべんちゃらを連発してみせた。
「本来、小泉首相の役割は、暴走するブッシュ大統領をいさめ、国際協調路線に引き
戻すことだったはず。ところが、３日間、ヨイショに終始です。大統領を喜ばせるた
めに『自衛隊をイラクの多国籍軍に参加させる』と日本国民よりも先に伝え、米国が
求めている『イラク債務の大幅削減』に真っ先に賛同するなど、まるで腰ぎんちゃく。
ブッシュ大統領から『小泉首相と会うたび建設的な話し合いができる』とおほめの言
葉をもらって喜んでいる姿に、さすがに米マスコミもあきれていた」（現地ジャーナ
リスト）
　ブッシュ大統領は、小泉首相のことを陰では「サージェント（軍曹）」と呼んでバ
カにしている。これが、日本のトップなんて本当に情けない。

                ▼ ブッシュと距離をおく仏独ロの指導者たち ▼

　サミットに参加した仏独ロの指導者は、小泉首相とはまったく違う。ブッシュ大統
領に言うべきことを言い、毅然とした態度を貫いた。
「イラク国連新決議」には賛成したが、３カ国とも米国が主導する多国籍軍には参加
しない。しかも、米国に３度も原案を“修正”させたうえでのことだ。
　米国が求めた「イラク債務」の削減もハネつけた。
　ブッシュ大統領は各国が７～９割の大幅削減で協調すべきと説いたが「削減は５割
までだ」と拒否。米国に追随して７割の削減を打ち出した日本とは大違いだ。結局
「議長総括」には具体的な削減率は書き込まれなかった。
「仏独ロの首脳は、国益第一です。ブッシュ大統領と距離を置いた方が得策だと考え
ている。米国とベッタリだと、スペインのように、国内テロを誘発する恐れだってあ
る。ブッシュが勝手に始めたイラク戦争の後始末など、真っ平ゴメンがホンネです」
（駒沢女子大教授・渡辺光一氏＝国際政治）
「仏独ロの首脳は『ブッシュは１１月の大統領選で再選されない』と見ている」とい
う外交評論家の山岡清二氏はこう言う。
「いま、ブッシュ大統領に恩を売っても、得にならないと冷静に計算しているのです。
それどころか、ケリーが就任した時、新政権とギクシャクしかねない。ブッシュ大統
領にひたすら従っていれば安泰と考えている小泉首相とは、発想が百八十度違う。そ
れより何より『ブッシュみたいな男とつるんでいたらロクなことはない』という気持
ちでしょう」
　サミット参加国は、卑屈な小泉首相のことをセセラ笑っていたに違いない。

                ▼ 人気急落の大統領に肩入れする小泉の異常 ▼

　主要国の指導者の中で、卑屈なくらいにゴマをすってブッシュに隷従しているのは
小泉くらいだ。
「ジュンイチローとの昼食会を本当に楽しみにしていた」なんてミエミエの社交辞令
にも、欣喜雀躍だから度し難い。
　そもそもブッシュは世界の知識人からバカにされる存在だ。
　迷言、失言は数知れず。先月末は、虐待で大問題になった刑務所「アブグレイブ」
を演説中に一度もマトモに言えなかった。「アブガロン」「アブガラー」と繰り返し、
参加者の失笑を誘っている。ホワイトハウスの訪問客にフセイン愛用銃を“戦利品”
のごとく見せびらかしてヒンシュクも買った。唯一の超大国のトップにふさわしいか
どうか、適格性が疑われて当然だろう。
　さすがの米国民も、こんな大統領にヘキエキし始めている。
「最新の世論調査では、ブッシュ大統領の支持率は、再選の目安とされる５０％を割
り込んでいます。この時期に支持率が４０％台だった大統領は、パパ・ブッシュ、カー
ターなど、みんな再選に失敗している。ブッシュも再選はかなり厳しい」（在米ジャー
ナリスト）
　それでも小泉はブッシュへの肩入れをやめないのだから、ほっておくと日本は大変
なことになる。
　ブッシュの言いなりでイラクの多国籍軍に自衛隊を参加させるだけじゃ終わらない。
日本全土は米軍の基地になり、世界のどこであろうともブッシュがやる戦争に駆り出
される。ブッシュのためならエンヤーコラだ。
「小泉首相のやり方は度が過ぎています。“人気があるから何をやっても許される”
と思い上がっているのでしょう。日米首脳会談で約束した多国籍軍参加など、日本の
防衛政策だけでなく、憲法にも抵触する疑いがある。そんな重大問題を国民への説明
ナシで、一人で勝手に決めてしまった。これは独裁者の振る舞いです。国民主権の民
主主義国では許されることではありません」（政治評論家・山口朝雄氏）
　それでも独裁首相の独走を許すつもりなら、この国に民主主義などイラナイという
ことだ。


──────────────────────────────────────
■ 「ネットには“小泉レイプ裁判”の字が躍っている」
■ 国会でも問題になった　首相の「過去」を取り上げた損害賠償訴訟の中身
──────────────────────────────────────

                 ▼ 官邸は「私人の問題」で逃げているが… ▼

　まさに前代未聞ではないか。きのう（１０日）の参院有事法制特別委で、質問に立
った民主党の斎藤勁氏が「インターネットでは、“小泉レイプ裁判”という文字が躍
っている」と切り出した。
　小泉首相が過去にレイプ事件を犯したとする疑惑を取り上げた損害賠償裁判につい
て言及したのだ。
　斎藤氏は「一国のリーダーが損害賠償請求されたら、ただちに国民に事情を説明す
るのが官邸のありようではないか」と迫ったが、山崎正昭官房副長官は「訴訟につい
ては、総理が個人で対応している。私人同士の訴訟について官邸はコメントする立場
にない」と答弁。「名誉棄損で訴えるつもりはないのか」とたたみかけられたが、
「何度お聞きになっても私人同士の問題」で逃げてしまった。
　問題の裁判は今年３月、都内の男性が東京地裁に起こしたもの。訴状は、マスコミ
報道を論拠に首相の“レイプ疑惑”を指摘。「首相の地位にありながら（中略）日本
国民である原告に、計りがたい屈辱と苦悩を与えた」（訴状）とし、精神的損害への
慰謝料に１００万円を請求している。
　裁判は５月に初口頭弁論が開かれ、来週１５日には第２回弁論が行われる予定だ。
批判理由が妥当かどうかは別にしても、一国の首相のレイプ疑惑を理由とした損害賠
償請求は異例中の異例だ。
　質問した斎藤氏が言う。
「裁判で事実に反する疑惑を指摘されたら、速やかに対応すべきですよ。それなのに
国会で指摘するまで、提訴の事実すら明かさないのは、国民に疑念を与えるだけです。
首相は靖国参拝問題では『公人も私人もない』と言い切ってきた。今回の訴訟で、公
私を使い分ければ、“都合が悪いから”と国民の疑念を深めかねない。探られてマズ
いハラがないのなら、首相は自ら進んで“火の粉”を払うべきです」
　折から、小泉首相はサミット出張中。民主党は週明けに行われる有事関連７法案の
総括審議で首相本人に直接問いただすとしている。
　会期末の国会の火種となるか。


──────────────────────────────────────
■ 出生率１．２９と過去最低　初年度から予測大外れ
■ １０年後の受取額は４割減も
──────────────────────────────────────

　またまた年金改革で悪質なデータ隠しだ。給付と負担を算出する前提になる出生率
が、実際には大幅ダウンしていたのだ。厚労省はきのう１０日になって、０３年の出
生率が過去最低の１．２９人になったと公表したが、法案成立まで隠していたのはミ
エミエ。庶民の年金はメチャクチャだ。

                ▼ 「マクロ経済スライド」でつじつま合わせ ▼

　年金新法では、出生率は「０３年は１．３２でとどまり、０７年の１．３０で底を
打つ」ことを前提にしている。ところが、０３年の出生率は１．２９。厚労省は、前
提が成り立たないことを知りながら、インチキ法案をゴリ押ししたのだ。
「出生率の発表日は昨年は６月５日、一昨年は６月７日。国会審議中は隠していたの
は明白です」（厚労省事情通）
　厚労省は「出生率低下は一時的」と言い訳しているが、大した問題とは考えてない。
予測が外れても、ツジツマを合わせられる仕組みがあるからだ。小泉首相が「専門的
なことは分からない」と答弁に窮した「マクロ経済スライド」がそれだ。
「今回の改正で導入されたマクロ経済スライドとは、出生率の低下、少子化の進行、
平均寿命の伸び、不況による賃金・物価の低下など経済・社会情勢に応じて、自動的
に給付を削れる仕組みです。そこに出てくる『調整率』がくせもので、現在は人口減
少予想０．６％と、平均余命の伸び予想０．３％を足した０．９％とされている。物
価が２％上昇した場合、従来は月額２０万円の人は２０万４０００円受け取れたが、
マクロ経済スライドで調整率０．９％が引かれて、１．１％の２２００円しか上がら
ない。年金支給額は、新規受給者は〈賃金上昇率マイナス調整率〉、受給中の人は
〈物価上昇率マイナス調整率〉で決まるから、人口減少、平均余命などの予測が外れ
たら、その分だけ調整率を上げれば、給付と保険料のバランスを取れる仕組みになっ
ている。初年度から出生率が０．３ポイントも違い、０７年で底を打つという見通し
も外れれば、調整率が一気にアップする。５年後には保険料の上限固定も、モデル世
帯の給付率５０％も今のままでは維持できなくなる。１０年後の受取額は４割以上ダ
ウンする可能性があります」（年金数理の専門家）
　出生率がさらに下がれば、現役世代は保険料アップ、受取額は５割ダウンは必至。
こんなデタラメ改革法は施行停止とするしかない。


■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月12日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【改悪でさらに仕事が増えた年金徴収員の憂鬱】
        官僚のバカ息子たちは払おうとしない ──
  ▼ 【日本経済一歩先の真相（高橋乗宣・明海大教授）】
        長期金利急上昇で正念場を迎えた金融政策 ──
  ▼ 【この会社の人と事件（伊藤　歩）】
        新生銀ＶＳ「イ・アイ・イ―」和解のウラ ――
  ▼ 【新富八郎の株ズバリ一発】
        インターホンのトップメーカー《アイホン》
        安全神話崩壊で収益拡大基調続く ──
  ▼ 【耳より情報】
        新高値銘柄の「高速」に注目 ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ みずほ株価のナゾ ──
        ・ 大東銀に新生銀の影 ──
  ▼ 【金曜特集】
        あの安売り店“ドン・キホーテ”のディープな１日 ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ Ｒ＆Ｂの大御所　レイ・チャールズ死去
   ≫ 山口千春が１打差２位発進　全米女子プロ選手権
   ≫ 保護後も取り乱さず教諭指示で着替え、手足を洗う（長崎加害女児）
   ≫ 「苺ちゃん」「醍醐くん」ＯＫ　人名漢字に５７８字追加
   ≫ カリスマＡＶ男優チョコボール向井　引退宣言


─【改悪でさらに仕事が増えた年金徴収員の憂鬱】─ 連載 ───────────
 ▼ 官僚のバカ息子たちは払おうとしない ──
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                  ◆ アノ人気女優も、タレントも未納ヨ… ◆

「政治家が払っていないのに、どうしてウチだけが払わなきゃいけないんだ」――続
出した国会議員の年金未納問題で、罵詈雑言を浴びせられたのは、未納者宅を回る国
民年金推進員のオバチャンたちだ。５０代の推進員がこうコボす。
「これまで未納分を分割で払っていた人からも『もう絶対に払わない』とダメを押さ
れてしまったわ。ホント、仕事にならないわよ」
　国民年金の未納率は３７．２％で、実に国民の４割。政治家の未納問題が年金不信
を加速させ、さらなる納付率低下を招く――その現実を肌身で感じている。
「担当地区の未納者のほとんどは、不況に苦しむ中小・零細企業の経営者や個人商店
の店主たち。でも、払えるクセに払おうとしない人がいるのも事実ね。江角マキコさ
んの未納で大騒ぎしたけど、著名人や有名人ほど、年金を支払っていないわよ」
　オバチャンらの口々からは、今をトキメク有名人の名前がいくらでも出てくる。
　オカマキャラが売りの華道家、８頭身が自慢の美人女優……。
「芸能人は皆、『事務所に任せてありますから』の一点張り。自分で払おうという人
は一人もいないわ」
　役人の家庭くらいは年金はキッチリ納めていると思うと大間違い。
　オバチャンたちが公務員官舎に“取り立て”に出向く機会は多いという。
「官僚の道楽息子が年金を払おうとしないの。年金法案をゴリ押しした厚労省の役人
の子供もいるのよ。信じられる？　若いんだから、親が代わりに払ったって誰も文句
言わないじゃない。加入義務も果たしていない子供を放置しておいて、国民に痛みを
押し付けるこの国の官僚はどうかしてるわよ」
　新年金法は納付率８０％回復が大前提。オバチャンらの生の声を聞く限り、「１０
０年安心」なんて夢のまた夢だ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月11日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月11日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  小泉政権下この国の米属国化ドンドン強まる
  ここまで来ると属国というより日本はアメリカの植民地になったも同然
  この恐るべき事態をこのまま許しては駄目だ

 ■ 小泉　あすサマワ入り？　サミット同行大新聞・ＴＶは右往左往
 ■ また腰砕けに終わった審議拒否　これで民主党は参院選に大敗し消滅する
 ■ 〈三井住友ＦＧ〉消費者金融４位・プロミスを横取り
 ■ 「新銀行東京」早くもトラブル？　石原バンク・インコウ行員逮捕
 ■ 足利銀行に公的資金７千億円
 ■ 《参院選》またプロレスラー！　神取忍、自民から出馬
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 竹中・金融庁　日本信販トップ人事に横ヤリ？
       ・ 〈トヨタ〉ＵＦＪ支援の真意と狙い
       ・ 〈ダイエー〉資産切り売り　５月売上高は３％減
       ・ 《アテネ五輪》応援ウエアで稼ぐユニクロ　……他


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 小泉政権下この国の米属国化ドンドン強まる
■ ここまで来ると属国というより日本はアメリカの植民地になったも同然
■ この恐るべき事態をこのまま許しては駄目だ
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         米軍が韓国から撤退し、日本をアジア最大の米軍事基地に再編。
              ワシントン州の米陸軍第１軍団司令部も座間に移転。
                     米軍と自衛隊が一体化するんだって…

    ブッシュの狂気の軍事政策をいち早く支持し協力して政権延命を続けている
    小泉純一郎という売国首相がアメリカいいなりの日本の軍国化を進めている
       現状から恐らく残虐なテロの最大の標的とされる国と国民生活の行方
  ------------------------------------------------------------------------

　きのうから始まったサミット。小泉首相はいきなり、ブッシュ大統領との会談で
「自衛隊の多国籍軍参加」を表明してしまった。
　これには堀内光雄総務会長も腰を抜かしたんじゃないか。サミット前日、堀内はわ
ざわざ安倍幹事長を呼びとめ、「サミットで首相がいきなり参加を明言することはな
いだろうな」とクギを刺していたのである。
　堀内の懸念も当然で、イラクの暫定政府の下、新たに編成される多国籍軍は指揮系
統も活動内容も未定。そんなところに自衛隊を参加させるのは明らかな憲法違反で、
首相の一存で決められる話ではないのである。
　ところが、小泉首相は勝手に自衛隊参加を口約束したうえ、巨額のＯＤＡも表明し、
ブッシュから「マイフレンド」とか呼ばれて、喜々としていた。あらためて、どうし
ようもない首相ではないか。
　ブッシュの前では犬みたいな小泉首相は、ジェンキンス問題でも恩赦を求めるわけ
でもなく「曽我さんの家族は一緒に暮らしたがっている」と遠回しに言っただけ。ブ
ッシュは「彼は脱走など４つの罪で指名手配されている」とピシャリで、曽我さん問
題は進展ゼロ。
　これじゃあ、ご機嫌伺いの参勤交代みたいだ。
　ブッシュとの蜜月を政権延命の武器にしたい小泉は、そのために憲法を無視し、自
衛隊を利用し、カネまで積んでシッポを振っているのだから、浅ましい。首相がこの
ザマでは、日本は米国のいいカモにされてしまう。ブッシュが進める狂気の軍事行動
に巻き込まれ、いいように利用されるだけである。

                ◆ いつの間にか日本が“米軍の前線基地”に ◆

　実際、その布石は着々だから恐ろしい。米国防総省は世界に展開している米軍の再
配備を計画中だが、とりわけアジアは大きく様変わりすることになる。
　約３万７５００人の在韓米軍は３分の１が削減され、沖縄の米軍基地に展開してい
た米海兵隊が北海道の陸自矢臼別演習場に移転する。いくら同盟国とはいえ、同じ国
の軍隊みたいだ。さらにアメリカ本土に展開していた米陸軍第１軍団司令部は座間
（神奈川県）へ。ハワイの米海軍太平洋艦隊哨戒・偵察部隊は青森の三沢基地に移転
する。
「アメリカは、日本と韓国に二分していたアジアの軍事拠点を日本に一極集中させよ
うとしているのです」と、軍事ジャーナリストの世良光弘氏がこう説明する。
「約２万人の米兵を統括、アジア太平洋全域を担当する米軍の第１軍団司令部は、米
ワシントン州にありました。それを座間キャンプに配置するのは、まさに日本を軍事
拠点にし、そこから北朝鮮、中国、台湾、アフガン、ロシアなど各国ににらみを利か
せようということです。電波傍受施設などを備えた青森・三沢基地にハワイから米哨
戒・偵察部隊を移転させるのも象徴的です。最新鋭のＥＰ３電子偵察機を配備するこ
とで、情報収集能力を強化し、青森をアジアのスパイ活動の前線拠点にしようとして
いるのでしょう」

                   ▼ 日米共同軍事訓練も一気に活発化へ ▼

　グレグソン米太平洋海兵隊司令官は「米軍と自衛隊がともに訓練し、ともに迅速展
開し、ともに生活するのが目的」と言っているから、まさしく同じ軍隊だ。今後は、
日本の自衛隊の基地から、米軍がアジアへ、中東へと軍事行動を展開することになる。
もちろん、日本も後方支援し、協力する。やがて、後方支援が軍事支援にエスカレー
トするのは必至で、そのための準備がハード面で整いつつあるということだ。
「日米共同訓練も活発化しています。０２年の陸自、空自の日米共同訓練回数はそれ
ぞれ７回、３７回で、海自の６８回と比べると少なめでした。しかし、今後は回数を
ドンドン増やして『海』だけでなく『陸・空』の連携強化も図ることになるでしょう。
すでに、空自は『専守防衛』に不要とされてきた空中給油の日米共同訓練に励んでい
ます」（防衛庁関係者）
　米国ベッタリ、“ブッシュ命”の小泉首相のせいで、日本はいつのまにか戦争屋・
ブッシュの戦略基地にされてしまったのだ。

                 ◆ あとは憲法改正で軍事化路線は総仕上げ ◆

　ハード面の協力だけでなく、ソフト面の協力も着々だ。今国会で有事法案が通り、
日米物品役務相互協定（ＡＣＳＡ）の改定案も提出される。ミサイル防衛構想は日米
共同で技術研究が進んでいるし、その過程でついに武器輸出三原則もなし崩しになり
つつある。連休中に訪米した与党幹部が「防衛的な武器やミサイル防衛の部品なら
（輸出しても）いいんじゃないか。緩和したい」と、これまた勝手に米高官と口約束
して、三菱重工の部品採用が既成事実化されつつある。
　そんな中、ソマリアでもアフガニスタンでも多国籍軍には参加しなかった自衛隊が、
ついに一線を踏み越えたのである。東京国際大教授の前田哲男氏（軍縮論）は言う。
「それも小泉首相が独断で決めてしまったのだから、ビックリします。日本の軍事化
路線は今に始まったことではないが、ここまで既成事実が積み重ねられると、あとは
憲法改正を残すのみです。こうした既成事実化は小泉政権になってから、さしたる議
論もなく、次から次へと重なった。行き着く先は集団的自衛権の行使でしょう。在韓
米軍が半減しても、在日米軍がいて、これに自衛隊が協力すれば、朝鮮有事に対応で
きる。中東やアフガンにも展開できるので効率がいいのです。日米間の軍事協力は、
日本の憲法なし崩しを前提とした動きで、国民が傍観していたらとんでもないことに
なりますよ」

                ▼ 米国の道連れで国民は殺されてしまうのか ▼

　小泉は二言目には「アメリカは守ってくれる」と言うが、米国の中東政策は誰が見
たって大失敗だ。イスラエルは泥沼化し、イラクの治安回復は絶望。テロは激化する
一方で、日本ではほとんど報じられていないが、米国ではテロ予告で、会社が休みに
なったり、コンサートが中止になるなど日常茶飯事だ。
「ハード、ソフト両面で米軍と一体化したことで、今後は日本もテロの標的になるの
でしょう。ブッシュ米国はここでひるむわけにはいかないから、どれだけ非難を浴び
ようが、軍事力をバックにした一国主義に突き進むしかない。世界中がきな臭くなり、
あちこちで紛争が起きるでしょうね。日本もそれに必然的に巻き込まれていくことに
なるのです」（前田哲男氏＝前出）
　ブッシュのポチ・小泉首相のおかげで、この国と国民生活の行く末は真っ暗闇にな
ってきた。


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■ 小泉　あすサマワ入り？　サミット同行大新聞・ＴＶは右往左往
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「やはりイラクを電撃訪問するのではないか」――。イラク訪問を「まったく予定し
ていない」と否定した小泉首相だが、１０日（米現地時間）に終了する「シーアイラ
ンド・サミット」の帰途、サマワの自衛隊宿営地を訪れるという説が逆に強まってい
る。
　自民党首脳も「７月の参院選前に行くなら、この時期しかない」と周囲に漏らし始
めている。
「サミットに出席する各国首脳は、そのまま１１日に営まれるレーガン元大統領の国
葬に参列する予定です。ところが、小泉首相は参列を見送り、スケジュールを丸１日、
空けている。非礼を覚悟で日程を確保するのは、よほどのこと。それでイラク訪問説
に拍車がかかっているのです」（政界関係者）
　小泉首相がイラク訪問に色気マンマンなのは間違いない。訪朝でアップした支持率
は、デタラメな年金審議で帳消し。イラクを「電撃訪問」することで、再び参院選前
に支持率をアップさせたい思惑だ。
　小泉首相の「イラク訪問説」に右往左往なのが大手マスコミである。新聞・ＴＶは
「サマワは危険」と判断し、すでに駐留記者を全員引き揚げさせてしまっている。突
然、訪問されても十分な報道態勢も整っていない。
「首相のサミット出席には、各社とも数人の記者が同行している。もし首相がサマワ
に行くとなったら、危険を覚悟して一緒に政府専用機に乗り込むことになります。問
題は、現地の不十分な態勢。とくにテレビ各局は、滞りなく生放送できるのか、不安
を抱えている。だから『首相は本当にサマワに行くのか』と必死に情報収集していま
す」（民放関係者）
　支持率アップしか頭にない首相がどうしようと、いっそ無視した方がいいんじゃな
いか。


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■ また腰砕けに終わった審議拒否　これで民主党は参院選に大敗し消滅する
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　また民主党の腰砕けが始まった。「デタラメ年金法案を廃案に追い込む」「国会は
すべて審議拒否だ」と叫んでいたはずなのに、早くも白旗だ。衆参とも国会は正常化
である。一体この野党はどうなっているのか。

  ▼ 結果的に悪政小泉自公政権の助っ人になっている税金ドロボー集団の結末 ▼

　先週末の徹夜の年金国会。牛歩戦法も通じず、自公与党の数の力に押し切られた民
主党だが、それもこれも、「すべてデキレース」という声が強い。
「ハタから見ると、民主党は、とにかく首相のサミット出席まで、年金法案の成立を
遅らせようとしたように映った。そうなれば、廃案の可能性もあった。でも、国対レ
ベルでは最初から話がついていたのです。民主党副議長が『散会』を宣言し、それを
自民党議長がひっくり返す。民主党議員欠席の中で与党が押し切る――そのシナリオ
はできていたのです」（国会関係者）
　なぜ、有権者をバカにするデキレースをしたのか。「解散」が怖かったというから、
どうしようもない。
「民主党は、１６日の国会会期末まで審議拒否を続け、内閣不信任案をぶつけて、そ
の勢いで参院選になだれ込むとみられていた。ところが、小泉サイドが、『それなら
衆院解散・ダブル選挙だ』と威嚇したことで、ヘナヘナになってしまったのです。審
議拒否をやめてしまったのも、解散が怖くなったからなのです」（前出の国会関係者）
　口を開けば、「政権担当能力」と言っているのに、政権交代のチャンスである衆院
の解散から逃げていて、どうするのか。
　衆院どころか、このテイタラクでは来月の参院選も結果は見えた。
「年金法案には、世論の７割が反対している。民主党は、精いっぱい抵抗したから世
論は味方についたと思っているようですが、大いなる勘違いです。法案を廃案に追い
込めず、未納問題では菅代表と小沢代表代行がミソをつけた。自公も野党も、どっち
もどっちと見られています。有権者はシラケてしまい、たぶん、来月の参院選は５０％
台前半の最低の投票率になるでしょう。浮動票頼みの民主党は惨敗です。しかも、余
裕の小泉首相はサマワ電撃訪問、曽我ひとみさんと家族の再会、さらには拉致問題の
ウルトラ進展など、次々と“サプライズ”を狙っている。自民党幹部が、『今度の参
院選で民主党は解体する』と語っていますが、そうなる可能性が大です」（政治評論
家・有馬晴海氏）
　おまけに、岡田新代表の兼業疑惑も飛び出し、プラス材料は何もない。税金だけ食
って、小泉悪玉政権の延命に手を貸している無気力野党は、このまま自滅していくの
か。


■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月11日号 -2
■■■        http://www.ngendai.com
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【改悪でさらに仕事が増えた年金徴収員の憂鬱】
        国会追及以来「使え」ってウルサイの ──
  ▼ 【この会社の人と事件（野村隆夫）】
        六本木ヒルズテナント倒産第１号
        “５店舗一挙オープン”ソーホーズ　話題づくりの名手の皮肉 ──
  ▼ 【ＮＹアナリスト  日本株をこう買う】
        利上げと株高が共存相場へ ──
  ▼ 【耳より情報】
        中部経済をバックに「松坂屋」が好調 ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 三菱重工の“恨み節” ──
        ・ ロプロに株集め？ ──
  ▼ 【暮らしと仕事の危機管理】
        定年後の趣味がない ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        営業マン必見　新・“ヤバイ会社”の見分け方 ──
  ▼ 【恐怖の自腹覆面取材！！　友里征耶の行っていい店わるい店】
        ツマミが充実「天ぷら　深町」 ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ 雅子妃　「本当の病名」は強迫性障害！？
   ≫ 出生率　過去最低の１．２９に
   ≫ 「冬ソナ」のおかげ　ＮＨＫ増収増益
   ≫ 有名ネット闇の職安　強盗を募集４０００万円荒稼ぎ
   ≫ 藤原紀香、アナン国連総長を表敬

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      ・ 東京ドームの「ビアガーデン」にペア５組
      ・ 銀座東武「ランチ・バイキング」にペア３組


─【改悪でさらに仕事が増えた年金徴収員の憂鬱】─ 連載 ───────────
 ▼ 国会追及以来「使え」ってウルサイの ──
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                   ◆ “癒着マシン”に現場はブーイング ◆

「まったく冗談じゃないわよ」――未納世帯を回り、保険料を徴収している「国民年
金推進員」のオバチャンをカンカンに怒らせているのが、今年４月に出された社保庁
の大号令だ。突然、全国の推進員に「金銭登録機」というデジタル機器の携帯を義務
付けたのだ。
　登録機とは、領収書発行機能の付いたハンディタイプのデジタル機器だ。“効率ア
ップ”を名目に、０３年３月から約２５００台を導入。奇妙なことに、納入元は「カ
ワグチ技研」という無名企業１社だけ。総額４億５０００万円の経費は、すべて国民
の年金保険料だ。５０代の推進員はこうボヤく。
「とにかく使い勝手が悪い。厚みがあってカサ張るし、操作は複雑。この年になれば、
みんな老眼でしょ。液晶画面の小さな字が見えないのよ。だから、誰も使ってなかっ
たのに」
　社保庁がホコリをかぶった機械を急に「使え！」とハッパをかけたのにはワケがあ
る。カワグチ技研との「癒着」を国会で野党議員が追及。「ムダ遣いがバレちゃマズ
イ」と大慌てでオバチャンたちに持たせたのだ。
「ムリヤリ使えと言ったって、使い方もロクに知らないじゃない。領収書１枚発行す
るのに５分もかかっちゃう」
　社保庁は未納対策として今後も推進員を大量採用する方針だ。そのたびに登録機が
納入され、カワグチ技研は焼け太りする。これじゃあ、オバチャンらは癒着業者を儲
けさせるために採用されているようなものだ。
「頭にくるのは、社保庁に相談者が殺到してもコンピューターは午後４時半にシャッ
トダウンして５時を過ぎれば、事務所にはだれもいなくなること。未納者の帰宅を狙
って“夜討ち”をかける私らの気持ちなんて分かっちゃいないのよ」
　オバチャンたちのボヤキはおさまらない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月8日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月 8日号 -1
■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  年金国会最後の抵抗　「民主党も悪い」と流す大新聞・ＴＶの怪
  いま大マスコミは小泉デタラメ政権の宣伝機関に成り下がっている
  なぜ政府与党の悪政暴政を批判しないのかできないのか

 ■ 「景気回復」ＰＲもパー　石油高騰の衝撃
 ■ 大ゴトになってきた〈週刊新潮〉ＶＳ〈地村夫妻〉
    帰国した子供の「喫煙習慣」
 ■ どこが改革なのか　もう崩壊しかない“新”年金制度のボロボロ
 ■ 就任１カ月　細田官房長官の薄い存在感
 ■ 菓子、洋酒メーカー　懐メロＣＤをおまけに
 ■ 《小６女児カッター殺害》１５分現場にとどまり「死」を確認
 ■ 高齢のレーガンだけじゃない　若年性アルツハイマーの恐怖
 ■ 「思い出」を刻みませんか
    都内のベンチに１５万円で「プライベート・プレート」
 ■ 【話題の焦点】
       ・ ハゲで悩む１５００万人に朗報！？
          日本解禁！　「飲む育毛剤」の効き目
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ いよいよ始まった　〈ＵＦＪ〉爆弾処理の大障害
       ・ アテネ五輪当て込みデジタル家電ブームに便乗
          〈電機大手〉すさまじい設備投資の内情


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 年金国会最後の抵抗　「民主党も悪い」と流す大新聞・ＴＶの怪
■ いま大マスコミは小泉デタラメ政権の宣伝機関に成り下がっている
■ なぜ政府与党の悪政暴政を批判しないのかできないのか
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                     年金改悪で一番悪質な政党は公明党、
          その票欲しさに強行した小泉自民党という真相を知りながら…

         この大マスコミの腐敗堕落に乗じて、これほどのメチャクチャ、
    デタラメをやりながら選挙になったら小泉デタラメ与党が大勝するという、
           先進国では全く考えられない異様な民主主義国のバカらしさ
   ----------------------------------------------------------------------

　この国の大マスコミは、小泉政権の宣伝機関に成り下がった。大モメしたインチキ
年金改革関連法案の元凶が自民と公明と知りながら、それに抵抗した「民主党も悪い」
と報じ、ケンカ両成敗としていることが何よりの証拠だ。
　最も悪いのが年金改悪法案をまとめた公明党なのは明らか。９９年に与党入りして
以来、なんでも自民追随一本やりで「平和と福祉」の看板は地に落ち、創価学会員の
不満は高まるばかり。そのため夏の参院選でアピールできる手柄欲しさに、年金官僚
と結託して年金改革をデッチ上げた。
「公明党の坂口厚労相がまとめた年金関連法は、サラリーマンと企業に高負担を強い
る一方で、国民年金は負担増をできるだけ抑える内容になっています。年配者、自営
業が多い創価学会向けの配慮がミエミエ。夏の参院選で『比例代表１０００万票』を
達成する起爆剤にする思惑です」（学会ウオッチャー）
　そんな公明党の顔を立て、参院選で学会票をもらうためにゴリ押ししたのが小泉自
民党だ。そんな真相を知りながら、強行採決をめぐる与野党攻防を大マスコミはどう
報じたか。
「牛歩は古い」「野党は守旧派だ」「抜本改革機関をつくる合意を破った」という与
党幹部の民主党攻撃に乗り、「迷走民主、ツケ回る」（朝日）、「民主『散会作戦』
で混乱」（読売）という調子で、抵抗した民主党が混乱の原因をつくったといわんば
かりだった。
　こうした論調に与党は「民主党は牛歩政党になった。時代が変わったことを認識し
てない」（小泉首相）、「先祖返りして旧社会党に戻ってしまった」（神崎・公明党
代表）と調子づいている。
「批判の矛先が逆だ」と政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「数で劣る野党が与党の暴走に抵抗するには、牛歩や問責決議の連発、フィリバスター
（長時間演説）といった奇手しか手がありません。何でもやるのは当然で、与党の横
暴と同じ次元で民主党をたたくのはおかしい。権力側の動きをチェックする本来の使
命を放棄したとしか思えません」
　大マスコミがやってることは、政府・与党を喜ばせただけなのである。

          ▼ 「どっちもどっち」と野党を批判する根拠はまるでなし ▼

　マスコミの「与党も野党も両方悪い」なんて理屈はどこから出てくるのか。法案の
中身を見ても審議プロセスからも「ケンカ両成敗」とする根拠は皆無だ。
　公明党の坂口厚労相は法案提出時、「保険料の上限は厚生年金１８．３０％、国民
年金は１万６９００円に固定する」「給付は現役世代の５０％は確保する」とＰＲし
たが、衆院通過後にウソ八百が続々と発覚。保険料の上限固定は、受給５０％を確保
できなくなれば際限なくアップする。国民年金の保険料も上限１万６９００円はウソ
で、３万円を超えて上がる仕組みだ。
　しかも、５０％が確保されるのは専業主婦世帯の６５歳の受給開始時点だけ。長期
的には４０．２％まで落ち込む。「１００年安心」なんてとんでもないペテンだった。
　そのうえ、推進役の公明党は神崎代表ら党三役が未納で、法案の衆院通過までひた
隠しにしてきた。７人いた未納閣僚のケジメもつけず、自民党は年金加入状況の公開
さえ拒んでいる。小泉には厚生年金加入の詐欺疑惑まであるのに、「社長が太っ腹だ
った。人生いろいろ」とおちゃらけでゴマカしてしまった。
「マスコミも太っ腹すぎます。小泉政権のデタラメを厳しく批判しないから、ますま
す調子づく。やりたい放題の与党と、それに抵抗した野党をミソもクソも一緒にして
『政治不信を助長した』というのは、国民意識を誤らせるだけです」（本澤二郎氏＝
前出）

           ▼ 小泉の高支持率、公明党の連立参加で腰が引けている ▼

　なぜ、大新聞・ＴＶは政府・与党のデタラメを批判しないのか。まず考えられるの
は、５０％を超える小泉支持率に腰が引けていること。歴代首相と違って小泉は、大
衆受けする政治パフォーマンス、ワンフレーズポリティクスで「おもしろい」「わか
りやすい」と高支持率を維持している。そんな首相をコキ下ろせば、小泉ファンの読
者が反発し部数減につながる恐れがあるのだ。
　立教大教授の門奈直樹氏（新聞学）が言う。
「大手メディアが小泉内閣に甘いのは、支持率の高さと、公明党の存在が大きく影響
しているでしょう。支持率の高い小泉内閣を批判すれば、小泉支持者が離れてしまう
かもしれない。また、公明党が参加している連立政権のため、創価学会の読者にも配
慮せざるを得ない。そうした資本の論理の優先が、小泉批判を手控えさせる原因です」
　宅配制度が支える日本の新聞の最も熱心な読者は、主婦など家にいる女性だ。「小
泉は女性に支持されているから、『小泉政権打倒』という論陣はとても張れない」
（業界関係者）ともいわれる。
　現場記者にも問題ありだ。永田町で政治取材をすれば、だれでも「自民党もひどい
が、民主党も頼りない」という実感を抱く。そのため「どっちもどっち」と、ことさ
ら第三者的な立場に身を置き、国会の動きばかりを追う習性が身についてしまう。そ
の結果、今の政治状況で報じる必要のある問題は何か、という肝心な点がスッポリと
抜け落ちてしまう。
「かつての永田町取材には、権力者と対峙する意識があったが、平成に入ってから首
相が１１回も変わる中で、そうした緊張感は失われてしまった。自民党全盛期は『強
い政権を倒すのが仕事』という意識が当たり前だったが、今は逆。小泉は長期政権に
なりそうだから、批判を手控えようという空気です」（ベテラン政治部記者）
　これでは小泉首相は任期いっぱい、政権に居座ることになる。

           ▼ 有権者をシラケさせる報道は、自公を喜ばせるだけだ ▼

　まともな民主主義国なら、与党がこれだけのメチャクチャをやれば、次の国政選挙
で惨敗、政権がひっくり返ってしまう。ところが、わが日本では自公が勝って、民主
党はボロ負けし、小泉政権の存続は確定的だ。自公両党が野党質問中に審議を打ち切
ったのは、民主党に牛歩などの徹底抗戦をやらせ、マスコミに「どっちもどっち」と
書かせて有権者をシラケさせる“陰謀”ではなかったか。
　神奈川大教授の佐藤司氏（憲法）が言う。
「年金改革の中身、審議のやり方を問題にしないで、国会混乱の責任は野党にもある
ように報じるのは、与党の味方をするようなものです。今の報道では国民はシラけ、
参院選の投票に行く人は減ってしまう。投票率が下がって有利になるのは、個人後援
会票と創価学会票という固定票を持つ自民党と公明党です」
　年金国会の混乱のおかげで、７月の参院選は自民党が圧勝。そんな奇妙な結果にな
るのも、大マスコミの報道が、政治意識の低い有権者を惑わすだけだからだ。
「こんなデタラメをやっても参院選で勝てるのなら、何をやっても大丈夫ということ
になり、小泉政権の暴走に歯止めが掛からなくなります。大手マスコミは、小泉内閣
に利用されているどころか、ＮＨＫのように政府のＰＲを買って出るような報道機関
もある。権力の監視役のマスコミが政府・与党追随では、日本の政治はよくなりませ
ん」（佐藤司氏＝前出）
　政府・与党の悪政、暴政と戦おうとしない大マスコミは、社会に害毒を流すだけで
ある。


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■ どこが改革なのか　もう崩壊しかない“新”年金制度のボロボロ
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　年金改革法が自公与党の数の力で成立した。政府は「１００年は安心な制度」とい
うが、国民を待ち受けているのは「年金崩壊」である。

                    ◆ 未加入者急増　納付額固定もウソ ◆

　受給額は現役世代の年収の５０％を確保。保険料は２０１７年度で固定――。これ
が政府の説明だったが、いずれも皮算用でしかない。妻が専業主婦というモデル世帯
でも５０％受給は６５歳時点だけで、あとは下がる一方。１５年後の８０歳時点では
４２％しかもらえない。モデル世帯以外はもっと悲惨だ。共働きは３９．３％、独身
男性は３６％しかもらえない。しかも「マクロ経済調整」なる手法で、今後２０年間
は本来の年金額を毎年０．９％ずつ削減できるというのだから踏んだり蹴ったりだ。
　国民年金の保険料も１７年度に現行の１万３３００円を１万６９００円に上げて固
定するというが、国庫負担分を３分の１から２分の１に上げる財源は決まっていない
し、出生率が現状の１．３２から１．３９に上がるだろうという甘い前提だから、固
定・据え置きの保証はどこにもない。
　しかも、この年金システムは従来の雇用関係を激変させる。
「厚生年金の保険料は現行の１３．５８％（会社と本人が折半）を１７年９月までに
１８．３０％に引き上げることになった。企業は負担増を避けるために正社員をパー
トに切り替えたりアルバイトを増やすことになる。となると若者はなかなか社員にな
れずフリーターが激増するのです」（経営者）
　新年金法では「２０代フリーターの保険料納付を１０年間猶予する」とあるが、こ
れも３０代で安定収入が得られなければ膨大な未払い分を納付することはできない。
　しかも最大の問題は、国会議員の未払い・未加入やデタラメ審議によって、国民が
年金制度への不信を増大させたことだ。経済的に年金保険料を支払えないだけでなく、
「こんなものは頼りにならない」と思う国民が増えているのだ。
　現在の国民年金の未納者は３７．２％。政府は０２年から「国民年金推進員制度」
をつくって全国で１９００人が未納者の取り立てを始めたが、７都府県では推進員の
給与より徴収額が少ないという結果が出た。東京都では１万円分の給与で８２００円
しか徴収できていないのだから、推進員が仕事をすればするほど赤字が増える。しか
もこの給与はわれわれの保険料から支払われているのだから何のための徴収だか分か
らない。
　小泉首相は「改正年金法で大きな一歩を踏み出した」というが、実際は「崩壊への
第一歩」である。



■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月 8日号 -2
■■■        http://www.ngendai.com
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【矢野絢也の永田町一刀両断】
        野党をコケにする小泉首相 ──
  ▼ 【この会社の人と事件（井上　学）】
        〈トヨタ〉高級車「レクサス」投入の皮算用 ──
  ▼ 【新富八郎の株ズバリ一発】
        やはり好業績がキーワード〈大日本スクリーン製造〉 ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ コロムビアＭＥに好材料 ──
        ・ ＴＯＢ銘柄が再浮上 ──
  ▼ 【チャレンジ小遣い銘柄】
        《目標３０００円》ユナイテッドアローズ
        《目標２５万円》オックス情報 ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        あなたの身の回りにも必ずいる「ネット凶暴化症候群」の恐怖 ──
  ▼ 【恐怖の自腹覆面取材！！　友里征耶の行っていい店わるい店】
        「グランド　セントラル　オイスター　バー＆レストラン」（１） ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ 衝動的飛び降りを予兆させる　窪塚洋介の奇妙な言動
   ≫ 「武富士ダンサー」がＡＶ出演
   ≫ 《サッカーＵ２１代表》平山２ゴールも準決勝及ばず
   ≫ 怖ェ～　女ターミネーター強盗出現
   ≫ あこがれの“犬”になったけど…


─【矢野絢也の永田町一刀両断】─ 連載 ───────────────────
 ▼ 野党をコケにする小泉首相 ──
──────────────────────────────────────

                   ◆ 今度は国民の“寛容さ”が問われる ◆

　年金制度改革法案を成立させた小泉首相は「大きな一歩を踏み出した。年金への国
民の信頼確保を重要な課題ととらえる」との談話を発表した。
　だが良識ある与党議員からは「年金への信頼を一番、傷つけたのは、小泉首相や与
党だ」という声がある。また厚生族議員からは「将来の国民生活の基盤になる法律だ。
１年、２年遅れても支障はないから、もっと慎重であるべきだ」という意見もあった。
　だが、そんな声は無視された。与党・政府は「未納で責められ、年金法案のぼろが
次から次と出る。何が何でも成立させて、早く年金問題から逃げ出したい」という作
戦。その背景には「何をやっても小泉首相の高支持率は変わらない」という計算があ
った。
　引退した自民党元幹部は「最近、つくづく“驕る平家は久しからず”かと心配だ」
と嘆く。その一例として、小泉首相が岡田代表との国会対決で厚生年金に加入してい
たことを追及され、「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろだ。３５年前
のことをなぜ謝らないといけないのか」と開き直った答弁をあげる。
　これに岡田代表は「首相と同じように、自営業の人が籍だけ会社において（国民年
金より）有利な厚生年金に入るという人（が出た場合）に、今後ノーと言えるのか」
「それが総理大臣の言うことか」と声を荒らげたが、その引退議員は「古い昔のこと
であっても、違法は違法だ。謝罪するのが法治国家の首相の立場だ、それをふざける
とは何事か」「最近の首相は、驕りと、投げやりが目立つ」ときびしく批判する。
　また岡田氏が「国民年金保険料の上限は１万６９００円と断言しながら、２０１７
年には２万８６０円。給付水準も『５０％保証』といいながら、共働き世帯は３９％
だ。なぜ、最初に言わなかったのか」と隠蔽を追及したのに対し、首相は「民主党も
審議拒否しなければ、そういう点も十分審議できた」と答えている。
　これは、嘘をついておいて、嘘を見破れないお前が悪い、と言っているようなもの
で、その元議員は「こんな横着な答弁がまかり通るようでは、日本の国会は無法地帯
そのもの」と嘆く。
　だが自民党参議院幹部は「議席数がすべて、とは言わないが、野党が抵抗するのな
ら、やむをえない」と異例尽くしのやり方で強行採決を行った。だが、数に驕るもの
は、きっと将来、数で泣くことになる。こういう無道な政治にどこまで寛容なのか、
今度は国民が問われる時期である。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年6月7日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 6月 7日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  真相を果たしてご存じですか
  こんな政治で本当に良いのか選挙民の皆さん

 ■ インチキ年金法案　徹夜国会２０時間　自公ゴリ押し成立
 ■ 映画ファンの著名人５人が告白「私はこの１本に泣きました」


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 真相を果たしてご存じですか
■ こんな政治で本当に良いのか選挙民の皆さん
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                年金強行採決のデタラメ国会を見せつけられても
             それでも自民党・公明党に投票する人が圧倒的に多い、
                       この国の庶民の絶望的な政治水準
            ----------------------------------------------------

　こんなズサンな法案を、これほど乱暴に成立させたのは、憲政史上初めてではない
か。最後は数の力で押し切るにしても、これまでは少数派が反対意見を述べる機会は
あったし、重要法案に不可欠な公聴会も開かれていた。ところが小泉与党はこうした
国会手続きを完全に無視。議会制民主主義の精神はカケラもない。
　おととい（３日）の参院厚生労働委でも、突然、質疑を打ち切り強行採決。民主党
が午後４時の採決を想定して構えていたから、与党はそのウラをかいて３時に暴挙に
出た。委員長に詰め寄る３野党議員を力ずくで押し返し、混乱のドサクサに成立させ
たのである。
　明大名誉教授の岡野加穂留氏（政治学）が言う。
「欧米議会では、野党側の言い分をよく聞き、譲歩するのが常識。野党の質問封じは、
議会制民主主義のルールを破ったばかりか、国会答弁を求められた首相・閣僚は説明
義務があると定めた憲法の国政調査権にも違反している。野党議員の質問封じは主権
者である国民をアタマから無視したことになり、断じて許せません」

                  ▼ ゴリ押し採決を強行した真相はこれだ ▼

　小泉与党がこれほどメチャクチャをやる真相は明らかだ。
（１）８日から米ジョージア州で開かれるサミットと日米首脳会談前に国会のケリを
つける（２）これ以上野党に質問させたら法案のボロや、未納議員が追及されて成立
が危うくなる（３）法案を強行採決しても国民は７月の参院選までに忘れるとタカを
くくった……からである。つまりは党利党略、小泉のエゴだ。
　国会審議がズサンなら、法案の中身も最悪だ。一言でいえば、年金保険料が上がり、
受給額は減る庶民イジメだ。
　サラリーマンが加入する厚生年金の保険料（現行１３．５８％＝労使折半）は１７
年度で１８．３０％に。国民年金の月額保険料（１万３３００円）も１万６９００円
になる。一方、受給額はダウン。
「基礎年金の国庫負担割合を現行の３分の１から２分の１に引き上げるというのも、
その分の財源２兆７０００億円なんてどこにもない。消費税などの増税で賄おうとい
うのはミエミエだし、引き上げを先送りすれば、政府案で約束された給付水準は確保
できない。どっちにしろ、痛みはすべて庶民へというシロモノです」（年金ジャーナ
リスト）
　だいたい小泉はじめ６閣僚が年金未納という連中に年金法案を出す資格はない。自
分たちは１０年払えば死ぬまで毎月４０万円ももらえる特権的な議員年金制度を手放
さず、国民には負担だけを強いる。こんな悪法を国民の誰が喜ぶというのか。

                ▼ マスコミは小泉政治の正体を伝えていない ▼

　年金法案はそんな利己的で国民とは無関係な理由で強行採決されたが、大新聞・Ｔ
Ｖは小泉・自民党の思惑をキチッと報じていない。「年金法案　質疑残したまま」と
か、「抜本改革を誰に託す」などと傍観者的な解説ばかりだ。
　年金採決だけではない。小泉首相と民主党の岡田克也代表との初対決も、小泉が
「人生いろいろ、社員もいろいろ」などと国民を小バカにした答弁をしたのに、翌日
の新聞は「岡田流追及、勝算は『？』」などとまるで評論家。野党側に問題があるよ
うな書きぶりだ。
　評論家の茶本繁正氏がこう怒る。
「各紙の世論調査では国民の７割が政府案に反対しているのに、マスコミは国民の不
満や不信に道筋をつける報道をしていません。その結果、年金への怒りは一過性のも
のになり、そのフラストレーションが娯楽やスポーツ記事で解消されてしまうのです」
　だから小泉首相が「年金議論が深まらないのは野党が審議拒否しているからだ」と
言えば、国民は「そうかもしれない」と思ってしまう。道路公団改革もしかり。成立
した道路公団民営化法は、族議員と役人によって見るも無残に骨抜きになり、今後も
ムダな道路は造り放題となったが、マスコミはその内容をほとんど報じなかった。そ
して残ったのは「改革の小泉」というイメージだけだ。
　小泉は一昨日、アジア各国の国際交流会議でこんな軽口をたたいていた。
「『冬のソナタ』のペ・ヨンジュンさんが日本の女性にヨン様ヨン様と、純様以上の
大人気です」
　一体ナニ様のつもりだと言いたいが、本人が増長する理由はある。
　国民が小泉を政策よりもパフォーマンスで評価するから、常に自分をどう売り込め
ば人気が取れるかを考えているのである。

                ▼ 国民はまた自民・公明候補に投票するのか ▼

　今は年金法案に不信を持つ有権者も７月の参院選では相変わらず自民党と公明党に
投票するはずだ。マスコミが系統的にこの悪法の実態を暴かないので、小泉の「人の
ウワサも７５日」の作戦通りになるからだ。
「それが日本の政治水準、国民の民度だと言えばそれまでですが、その後に押しつけ
られるツケは恐ろしいものがあります。『１００年安心の年金制度』どころか、厚生
年金の負担を免れたい企業は正社員を取らなくなり若者はフリーターをやるしかなく
なる。国民年金の財源として消費税も上がる。老後の年金はドンドン減らされ、社会
の不安はさらに増すのです」（茶本繁正氏＝前出）
　英国の格言に「国民は自らのレベル以上の政治家を持つことはできない」というの
がある。口先だけの無責任首相は、有権者の政治水準の“合わせ鏡”でもある。
　有権者が自公の与党候補に投票し続ける限りは、この国の政治は良くならないし、
小泉的政治は半永久的に続くということだ。


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■ インチキ年金法案　徹夜国会２０時間　自公ゴリ押し成立
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                      ▼ 憲政史上初、議長ＶＳ副議長 ▼

「年金法案」の採決をめぐって徹夜国会となった与野党の攻防は、けさ（５日）も紛
糾が続いた末、法案は午前９時３０分すぎ与党単独で採決され、成立した。
　自民・公明の「強行採決」に抵抗する野党はきのう、国井正幸参院厚労委員長の解
任決議案を提出。長時間の演説や牛歩戦術を断行したが、きょう午前１時４０分過ぎ
に与党が否決した。
　野党は未明に、倉田参院議長や坂口厚労相、未納閣僚など１１人の問責・不信任決
議案を提出。その後、倉田議長、坂口厚労相の２人以外は取り下げた。
　しかし、午前４時２０分過ぎ、憲政史上例のない異常事態になった。倉田議長に対
する不信任決議案審議の際、倉田議長に代わって議長席に座った民主党出身の本岡副
議長が、時間引き延ばしを狙って直ちに「散会」を宣言して退席。それに対して、倉
田議長が同宣言を「無効」とする前代未聞の事態になり、一時、騒然となった。
　本会議は４時３０分過ぎにいったん休憩。民主、社民は本岡副議長が宣言した「散
会」は有効だとして本会議を欠席したが、与党は７時３０分に単独で再開し、８時す
ぎに与党の反対多数で議長不信任案を否決した。「年金法案」の採決を急ぐ与党は、
直ちに年金法案を採決し、成立させた。
　国民の７割が反対する年金法案は、自民・公明のゴリ押しで決まった。

                         ▽ これだけある重大欠陥 ▽

　自公が数の力でゴリ押しした「年金法案」には、とんでもない「欠陥」と「落とし
穴」が隠されている。後から気づいた国民が「だまされた！」と怒るのは確実だ。

                          ▼ マクロ経済スライド ▼

　政府は「厚生年金の保険料率の上限は１８．３０％、給付水準の下限は５０％」――
などと負担の上限、給付の下限を定めると説明してきた。だが、少子高齢化を見込ん
で年金額を決める「マクロ経済スライド」を導入したことにより、保険料は上がり続
け、給付額は下がり続けることになる。
　例えば、夫が現在４６歳のモデル世帯（夫が４０年加入、妻が専業主婦）では、受
給開始の６５歳は月２０万円だが、７５歳で１８万円、８５歳で１６万１０００円に
減っていく。
　国民年金も保険料を１万６９００円で固定するとしていたが、実際は３万１６１０
円まで上がり続ける。
　国民に不利なシステムは衆院でも議論されず、小泉首相もこの仕組みについて質問
され、「それは専門家に聞いてください」とまったく理解していないありさまだ。

                               ▼ 議員年金 ▼

　法案が成立すれば「議員年金」廃止も棚上げになりそうだ。
「国民年金は保険料を４０年間納めても年７９万円しかもらえないのに、議員年金は
在職１０年での最低支給額が年４１２万円と優遇されている。自公議員は何が何でも
議員年金を存続させるつもりです」（永田町関係者）
　さらに自民党は、このまま未納議員を公表せずに逃げ切るつもりだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年5月17日号

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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  年金未納６年１１カ月発覚
  何やらウサン臭い男だったがついに詐欺師の正体暴露
  こんなイカサマ男をこのまま首相にしておいていいのか？
  国会解散・総選挙で出直すのは当たり前

 ■ 衛藤晟一　衆院厚生労働委員長も１２年間未納のデタラメ
 ■ その狂人首相が強行する目くらまし訪朝の見透かされている裏側
 ■ 小沢新生民主党は果たして小泉デタラメ政権への大型爆弾と成り得る
 ■ サマワ市内でサドル師支持者とオランダ軍が本格戦闘
 ■ 飲んだ後に食べるならヘルシーラーメン
    もう生活習慣病やダイエットを気にする必要なし！


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 年金未納６年１１カ月発覚
■ 何やらウサン臭い男だったがついに詐欺師の正体暴露
■ こんなイカサマ男をこのまま首相にしておいていいのか？
■ 国会解散・総選挙で出直すのは当たり前
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           ------------------------------------------------------
            小泉首相大ウソつきの果ての断末魔総辞職が当たり前
                   ウソがバレても薄ら笑いを浮かべて居直る
               ハレンチ首相をこれ以上のさばらせたら絶対ダメだ
           ------------------------------------------------------

         ▼ 「払っています」が一転、「覚えてないよ」でシラを切る ▼

　小泉首相の年金未納がきのう（１４日）、明らかになったが、記者会見での言い草、
態度には、さしもの国民もあきれたんじゃないか。
「４０年も前のことですよ。問題にするほうがおかしい」「学生時代のことまで覚え
てないよ。よく調べた人がいるもんだな」
　こう言うと、希代の大ウソツキ首相は薄ら笑いを浮かべたのである。もう絶句のず
うずうしさ、厚顔、ハレンチではないか。
　これまで小泉首相は「（未納期間は）ありません」と言い切り、「衆院議員当選前
も含めて未納はないか」とあらためて聞かれても「ありません」と自信マンマンに答
えてきた。福田官房長官が辞任したときも、公明党の神崎代表や民主党の菅直人前代
表の未納が発覚したときも、「意図的じゃないんでしょ」などと言い、他人事のよう
にトボけてきた。
　ところが、未納期間は６年１１カ月間にも及び、福田官房長官や神崎代表よりもは
るかに悪質だったのだ。
「しかも、この期に及んで、国民に謝罪の一言もない。きのうの会見では『国民年金
が強制加入になった８６年４月以降は払っている』として、『未納と未加入は違う』
『（政治責任は）まったくないです』と居直っていた。首相会見に先立ち、飯島勲秘
書官は記者にペーパーを配り、『未納』『未加入』の用語説明をして、責任逃れにシ
ャカリキでした」（官邸関係者）
　国民にシャーシャーとウソをついた道義的責任、首相の未納をひた隠しにして年金
改悪法案をゴリ押し衆院通過させた政治的責任が問われているのに、「未納と未加入
は違う」なんて屁理屈をよくもまあ、コネられるものだ。民主党はさっそく「許し難
いウソ、辞任に値する」（岡田克也幹事長）と辞職要求を突き付けていたが、当然で
ある。

           ▼ 妄言、虚言のオンパレードの小泉語録とデマカセ政治 ▼

　それにしてもあらためて、ゾッとするのが小泉首相の異常としかいいようのない神
経だ。周りの閣僚が批判の火ダルマになり、女房役の官房長官が辞任に追い込まれ、
野党の代表も辞めたのに、この間、シラを切り通してきた。政治は国民の信頼の上に
成り立っているのに、平然とウソをつき、悪びれもしない感覚はどうかしている。
「これぞ、ペテン首相の正体でしょう。これまでも小泉首相の発言は、妄言、虚言の
オンパレードだった。『自民党をぶっ壊す』もウソ、『イラクに大量破壊兵器がある』
もウソ、『５年間で５３０万人の雇用』もウソ。しかも、追及されると『公約違反は
大したことではない』と居直ってしまう。もともと虚偽答弁なんて屁とも思っていな
いんです。こんな首相だから年金未納問題も政治圧力で社会保険庁のコンピューター
アクセスを制限して、どうせバレないとタカをくくっていたフシがある。だから“払
っています”と大ウソをついてきたんです。ところが、週明けの週刊ポストがスッパ
抜くことになって、慌てて未納を認め、屁理屈をコネクリ回したのです」（政治ジャー
ナリスト）
　平気でウソをつくだけでなく、ウソがバレれば、質問をまぜっ返してゴマカし、逆
ギレするのが小泉首相の常套手段だ。きのうも「国民が納得すると思うのか」と突っ
込まれると、「複雑な制度と思っているでしょうね～」と制度問題にスリ替え、あげ
くは「個人情報が本人の承諾なく週刊誌に載るのはどうか」などとメディアにイチャ
モンをつけていた。言語道断のハレンチ首相と言うしかない。
「政治家にとって『言葉』とは政治信条や政治に対する姿勢を表すリトマス試験紙の
ようなもので、命を懸けるほど大切なものであるはず。ところが小泉首相は思慮に欠
けた誇大、不誠実、軽薄な発言が多い。為政者として何も考えていないし、国民への
説明責任などどーでもいいと考えている証拠です。今回の年金未納発覚で、これまで
国民に分かりづらかった小泉首相の『口からでまかせ政治』が白日の下にさらされま
したね」（国際基督教大教授・千葉眞氏＝政治思想）
　今度こそ、国民も目が覚めたのではないか。

            ▼ 首相は辞任、内閣は総辞職、年金法案は廃案がスジ ▼

　先に年金未納の責任を取って辞任した福田官房長官は「内閣提出法案のとりまとめ
役として政治不信を増幅させてしまった」と言って、官邸を去った。年金改革法案の
責任者なのに、未払いの事実を“ひた隠し”にしてきた責任を取ったのである。だっ
たら、小泉首相も同罪。即刻、辞めるべきだろう。福田官房長官の場合、辞任の引き
金になったのは小泉首相が「任意加入だから払わなくていい」と居直った８６年以前
の未払いだった。小泉首相だけが「セーフ」はどう考えたっておかしいのだ。
「この間、年金未納の国会議員が相次ぎ、国民の政治不信は頂点に達していました。
首相はいくらでも説明するチャンスがあったのに平然とウソを言ってゴマカしてきた。
小泉首相も辞任すべきで、内閣は総辞職が当然です」（法大教授・五十嵐仁氏＝政治
学）
　百歩譲って、「国会議員が任意加入とされていた８６年までの未納は問題なし」と
居直るなら、８６年以降の未納が発覚した閣僚６人は全員クビにすべきだ。そのうえ
で、首相が大ウソをついて衆院をゴリ押し通過させた年金法案は、廃案にするのがス
ジである。
「今度の年金法案は１４年連続で庶民に負担増を求めるというとんでもないシロモノ。
そんな法案が、年金未納の内閣から提出され、これまた年金未納の国会議員によって
成立しようとしているのです。多くの政治家が年金を払ってこなかったのは、彼らは
大金持ちで年金なんかもらわなくていいからでしょう。そんな無責任で庶民の痛みが
分からない政治家に年金法案を審議する資格はありません」（五十嵐仁氏＝前出）
　年金問題のデタラメは、これまで週刊誌が追及してきた。江角マキコの未納は週刊
現代、福田官房長官は週刊文春、そして、小泉首相は週刊ポストである。この間、大
マスコミは小泉ベッタリ報道を続けてきたのだからヒドイ。今度こそ、大新聞・ＴＶ
も小泉大ウソツキ政権を引きずり降ろすキャンペーンを張らなければウソである。


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■ 衛藤晟一　衆院厚生労働委員長も１２年間未納のデタラメ
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                         ▼ ゴリ押し採決の張本人 ▼

　デタラメ年金法案にかかわった政治家連中は、み～んな未納・未加入問題を抱えて
いた。
　年金の主管官庁である厚生労働省の森英介、谷畑孝の両副大臣（いずれも自民党）
の未納が発覚したと思ったら、今度は自民党の衛藤晟一厚生労働委員長が初当選の９
０年２月以来、まったく払っていなかったことが発覚したのだ。最近になって追納可
能な２年分を納めたというが、それでも未納期間は１１年１１カ月にも及ぶ。こんな
ヤツがエラソーに法案の審議を仕切っていたのかと思うと余計にハラが立つ。
「衛藤委員長は、年金法案を与党で単独採決した張本人です。採決当日の委員会では、
約束していた閣僚の年金納付状況公表を政府がホゴにしようとして大混乱。野党の委
員は『話が違う』と質問を拒否したが、衛藤委員長は『質疑を続けてください』と５
０回以上も繰り返した。これで野党は退席。自公小泉政権は、まんまと強行採決にこ
ぎつけたのです」（政界関係者）
　衛藤は未納３兄弟が発覚した直後、読売新聞の調査に「未納は当然ない」と答えて
いた。デタラメ法案をゴリ押しするだけでなく、ウソまでついていたのだから重罪だ。
　自民党では厚生族の橋龍元首相や丹羽元厚相にも未納が発覚。これだけでも、自民
党による年金行政が、いかにテキトーでインチキなものだったのか、歴然と浮かび上
がってくる。


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■ その狂人首相が強行する目くらまし訪朝の見透かされている裏側
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                       屈辱・売国外交の非難を全く無視
     政権維持のためにカネで被害者家族を連れ戻す小泉再訪朝のあざとい計算

   巨額の税金を崩壊寸前の金正日独裁政権の救済延命のために持参する暴挙に、
          選挙民も年金疑惑目くらましを見抜いて、驚き呆れて怒りの声
  ------------------------------------------------------------------------

            ▼ ２０００億円？　８人帰国の“持参金”はいくらか ▼

　自分の「年金未納」がバレて絶体絶命の小泉首相。世論の批判をかわす“目くらま
し”のためにブチ上げたのが、今回の突然の再訪朝だ。
「当初、小泉首相の訪朝は、国会が終わる６月１６日から、参院選が公示される同２
４日までの間で２日間という日程で調整が進んでいました。参院選前にお得意のサプ
ライズを演出して圧勝というシナリオでしたが、マスコミに自分の未納問題を暴露さ
れると知り、大慌てで前倒ししたのです。総辞職逃れ、参院選への失点をカバーする
ために、焦って“最後のカード”を切ってしまったわけです。魂胆がミエミエですよ」
（官邸事情通）
　こんな保身のためのヨコシマな訪朝がうまくいくわけがない。
　小泉は「局面を打開する必要がある」「日朝交渉全体が進展する可能性が高いと判
断した」とうそぶくが、弱り目の小泉が訪朝に救いを求めることは、北朝鮮にとって
みれば「飛んで火に入る夏の虫」（外務省関係者）だ。国際交渉で弱みを握られるの
は下の下。日本政府が強く出られないまま、金正日ペースでいいようにやられること
は目に見えている。
　それが分かっているから、関係者からは早くも警戒する声が上がっている。支援団
体「救う会」会長の佐藤勝巳氏はきのう（１４日）の会見でこう指摘していた。
「家族８人の帰国で幕引きというのが、北朝鮮の一貫した態度です。果たして日帰り
訪朝で、安否不明の１０人を含めたその他の被害者を取り返す道筋をつけることがで
きるのか？　非常に短い期間で訪朝を決め、実務的な細かい詰めはほとんどなされて
いないはず。それなのになぜ、急いで小泉首相が訪朝しなければならないのか？　７
月の参院選に向けたパフォーマンスだとしたら、党利党略に他なりません。この点に
ついては、クギを刺しておきたい」
　小泉政権は、一方では特定船舶入港禁止法案、再入国禁止法案など、北への経済制
裁法案を推し進めている。北朝鮮がそれに屈して「参りました」と被害者家族を戻す
ならともかく、強気な態度を変えない犯罪国家の北朝鮮へ、なぜ拉致された国の首相
が２度も頭を下げに行くのか。とても正気じゃない。
「傷だらけになってやって来る小泉首相に対して、金正日は８人の被害者家族を差し
出し、最大限の恩を売るでしょう。しかし、一昨年９月の平壌宣言で、死んだことに
され、墓も流されたとされる横田めぐみさんなど１０人について、北朝鮮は新しい情
報を出さない。ましてや警察幹部も認めている数百人ともいわれる特定失踪者の消息
情報なんて、何の期待も持てない。中途半端に終わるのは目に見えています」（永田
町関係者）
　それなのに小泉は、私的政略のためだけに大慌てで訪朝を強行しようとしている。
“狂人首相”としか思えない。
　この突然の小泉再訪朝には、大マスコミが報じない、もう一つの大問題が隠されて
いる。巨額の経済支援だ。
「小泉訪朝の話がポンポンと進んだのは、４月に中国で“地ならし”をした山拓元副
総裁が具体的な援助額を提示したからでしょう。北は見返りなしに子供たちを返すこ
とはあり得ない。首相の特使を名乗った山拓は“拉致被害者の子供たちを返してくれ
るなら、これだけ出す”と交換条件を出して、北側ものんだそうです。それからは、
小泉訪朝はいつでもオーケーの状態だった。新潟・柏崎の蓮池さん夫婦が最近引っ越
したのも内密に教えられていたからです」（外交事情通）
　その援助の金額だが、関係者の間では「２０００億円」と言われている。こんな声
もある。
「億の単位は、とりあえず家族８人分。国交正常化交渉が成功したあかつきには、兆
の単位の経済援助をすることが決まっている。最終的には２兆円か３兆円になるし、
それは米国も了承済みですよ」（事情通）
　まったくフザケた話ではないか。これではカネで拉致家族８人を買うのと同じだ。
帰ってくる蓮池さんや地村さんの子供たちだって“人身売買”みたいでは幸せにはな
れない。
　ましてや、北朝鮮はブッシュや小泉首相が「テロ国家」「悪の枢軸」とののしった
独裁国である。そんな相手に２兆円も３兆円もくれてやり、経済崩壊寸前の北朝鮮を
助けるばかりか、自分の急場しのぎ、選挙対策に利用する。狂気のさただ。
　断っておくが、２兆、３兆は国民の税金である。この苦しい国家財政の中で、どこ
にそんな余裕があるのか。あるのなら、年金保険料の値上げをする必要もない。
　テレビなどは早くも、小泉再訪朝をはやしたてているが、小泉のやろうとしている
ことは売国奴外交、土下座外交だ。
「救う会」の佐藤勝巳会長はこう言っている。
「被害者家族の帰国と経済支援がバーターになっているとしたら、由々しきこと。残
る１０人についても、身代金を払うことになる。そんなことは絶対に許されません」
　この警告を、小泉首相はどう聞くのか。拉致問題で一躍“人気者”になった安倍幹
事長は周辺にこう漏らしている。
「私は小泉総理の訪朝に絶対反対だ。誘拐犯の国に、なんで総理が呼びつけられなけ
ればならないんだ」
　その通りだ。安倍幹事長はここは体を張ってでも、小泉訪朝を阻止すべきだろう。
やらなかったら、そろって口先だけの売国奴コンビだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月29日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月29日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  いつか来た道を歩んでいる国と国民
  そして完全に政権の宣伝媒体に成り下がった大多数のマスコミ
  狡猾かつ危険な小泉首相の意のままに踊らされているマスコミの実情

 ■ 人質を「反日分子」と罵倒した自民党・柏村武昭ってどんな男
 ■ 衆院厚労委　小泉首相の「年金納付」で最終攻防
 ■ 金融庁・特別検査　破綻懸念先「危ない２２社」はどこなのか
 ■ 竹中「新型検査」の狙い
 ■ 《牛肉偽装事件》戦々恐々の“スネ傷”農水官僚たち
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 高橋伸夫東大教授インタビュー　“成果主義”是非論その後
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 〈ソニー〉意外なトップ候補が急浮上
       ・ 〈武富士〉創業者一族株の気になる売却先
       ・ 売上高、利益とも最高　更新したホンダの不安
       ・ 〈日興コーディアル〉大和証券抜いて２位
       ・ 〈ドトールコーヒー〉創業者・鳥羽博道社長退任表明
       ・ 〈キッコーマン〉創業家以外から初の社長（牛久常務）
       ・ 〈キヤノン〉０４年最終利益　初の３０００億円に


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ いつか来た道を歩んでいる国と国民
■ そして完全に政権の宣伝媒体に成り下がった大多数のマスコミ
■ 狡猾かつ危険な小泉首相の意のままに踊らされているマスコミの実情
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        外国のメディアが報じる日本の現在の危険を引用紹介するだけで、
              自らの手で真相を語らない大マスコミの報道姿勢は、
                    まるで検閲統制下の戦前戦中と全く同じ

  そして真相を知らずにファッショ政権を支持し生活を破壊されていくお人好しの
    庶民、恐らく気が付いた時には取り返しのつかないことになっているだろう
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「ＪＩＫＯＳＥＫＩＮＩＮ（自己責任）」「ＯＫＡＭＩ（お上）」――米国の主要紙
が先週、一斉にこんな言葉を取り上げて、日本の異常さを特集していた。イラクで拉
致された人質に対する常軌を逸したバッシングのことである。たとえば、ロサンゼル
ス・タイムズは「敵意の渦中への帰還」という見出しで、小泉首相が政府の待避勧告
を無視してイラク入りした人質を非難したことを特集した。ニューヨーク・タイムズ
は「日本では政府に背き、個人の目的を追求することが許されない」と断じていた。
　そういえば、きのう（２７日）、人質になったジャーナリスト、安田純平さんとＮ
ＧＯ活動家の渡辺修孝さんが日本外国特派員協会に招かれたが、ここでも「なぜ、あ
なたたちはバッシングを受けると思うか」という質問が集中していた。
　劣化ウランの被害状況や戦争の悲惨さを伝えようとしたボランティアやジャーナリ
ストがなぜ、これほど非難されなければならないのか。「お上」に逆らってイラク入
りし、「お上」に逆らって、自衛隊撤退を訴えたからで、今、国会で問題になってい
る「そんな反日的分子のために血税を使うのは不快だ」（柏村武昭参院議員）という
発言こそ、政府の本音なのである。
　日本人の生命、財産を守るのは政府の最低限の義務だ。ところが、この国では恩着
せがましく「助けてやったんだからお上に逆らうな」などと言われてしまう。外国メ
ディアが驚き、特集を組むのも当たり前で、この国は完全にトチ狂っている。

                 ▼ 自分の手は汚さない大マスコミのズルさ ▼

　ところが、日本の大メディアは、ちっとも、こうした政府の異常を報じない。「外
国メディアがこう非難していた」とか「特派員協会ではこんなやりとりがあった」と
か、一応、小さく載せているが、それだけだ。
「お上」意識でふんぞり返っている政府を真正面から批判せず、海外メディアの批判
記事の引用で、“ジャブ”を打つのが精いっぱい。あるいは識者に寄稿させる形で、
お茶を濁してしまう。とにかく批判しても自分の手は汚さず及び腰なのである。
「大マスコミで最初に『人質バッシングはおかしい』と書いたのは、朝日の文化欄に
載った作家・高橋源一郎氏のコラムだったのがいい例です。昔から“お上”に弱い大
マスコミは、自分が先頭に立って『政府はおかしい』と言えないんです。ホントにズ
ルいし、情けない。肝心の時に肝心のことを言えない、この国のジャーナリズムは死
んでいます」（椙山女学園大教授・川崎泰資氏＝ジャーナリズム論）
　海外メディアがもっともあきれているのは、日本の腰抜けマスコミの報道姿勢の方
じゃないか。

            ◆ 情けないマスコミ、狡猾な政府、流されやすい国民 ◆

　メディアが政府にからっきしの事例はほかにも山ほどある。麻生、中川、石破の３
大臣の年金未納問題の扱いも遠慮していたし、これに対する小泉の「うっかりでしょ」
というナメた発言もベタ記事扱い。きのう（２７日）衆院を通過した道路公団民営化
法案では委員会の空中分解、改革骨抜きは同時進行で分かっていたクセに、決着がつ
いてからアリバイ的に批判する小ズルさ。郵政民営化問題も小泉首相のパフォーマン
スをタレ流すだけだからイヤになる。
　メディアがこんな腑抜けならば、小泉官邸はラクチンだ。もともとマスコミ操作に
たけている狡猾政権だから、今や意のままにメディアを扱っている。
「小泉政権のメディア操作の狡猾さは、人質事件でもいかんなく発揮されていました。
事件を契機に自衛隊撤退論が起きないよう、被害者や家族の思想・信条を誇張して伝
えたり、自己責任論を浴びせ、事件の原因が被害者にあるかのように上手に責任転嫁
したのです」（官邸事情通）
　政府のリーク情報にアホなマスコミがパクッと飛びつき、流されやすい国民はコロ
リと洗脳されてしまったわけだ。

                     ▼ 戦前の悪夢がよぎる多くの前兆 ▼

　日本のメディアがこの体たらくでは、戦前の悪夢がよぎってくる。東大教授の醍醐
聡氏が言う。
「今回の事件で、国が生命の危機に立たされた国民の思想・信条まで干渉してくるこ
とがハッキリしました。国民の生命を守ることは国の最も基本的な役割です。ところ
が、国民が国の方針に異議を唱えた途端に対応が不寛容になる。個人の意思よりも国
家の意思が優先されるなんて戦前の日本と変わりません。こうした深刻な問題を日本
のマスコミは見過ごし、一部メディアは助けを求めるなら政府に逆らうなという論調
を振りかざし、積極的にバッシングに加担している。薄気味悪さを感じます」
　公益法人改革オンブズマンの浜辺哲也氏の意見はこうだ。
「多くの日本人は、雇用や年金、金融財政などの将来不安を抱え、精神的に弱ってい
ます。こうした状況下ではナショナリズムやファシズムが台頭しやすいのです。だか
ら、勇気ある行動をたたえられてもおかしくない事件の被害者が、非国民扱いされ、
猛烈なバッシングに見舞われた。しかも、メディアが『自己責任論』を展開し、バッ
シングを増幅させたのだから、“集団リンチ”をはやし立てたも同然です。どこか戦
前回帰を思わせ、危機感を覚えます」
　作家の佐野眞一氏はこう警鐘を鳴らす。
「政府の対応は、溺れた人間の弱みにつけ込み、自分の責任だとドヤしつけ、カネを
要求しているようなものです。こうした態度を『醜悪だ』と指摘するのがメディアの
本来の務めでしょう。しかし、日本のメディアは情報を無批判にタレ流すだけで、政
府の思惑をロクに検証しない。これでは戦前の大本営発表そのものです」
　識者の警鐘乱打に国民は真剣に耳を傾けるべきである。

              ◆ こんなデタラメ政権を支持する庶民のお人よし ◆

　情けない大マスコミは政府のイラクからの待避勧告に従って、次々に引き揚げてい
る。サマワに残っているのは「フリージャーナリスト３人だけだ」と現地の橋田信介
氏が本紙リポートで書いていた。
　ところが、記者も逃げ出すような危険地帯なのに、彼らは「自衛隊が駐留しつづけ
る法律違反」については口をつぐんでいる。待避前は大本営発表みたいな陸自隊長の
ブリーフィングをタレ流し、危なくなれば自衛隊の宿営地に囲ってもらって、肝心の
時に逃げて、何も書かないのだから、どうしようもない連中だ。
　今や、イラク戦争のおかしさは世界中のメディアが報じ、湾岸戦争で米国に世話に
なったクウェートまでが米国を非難している。そんな中で、日本だけがノホホンとし
ているのは、大マスコミが何も書かないことに尽きるのだ。おかげで、何も知らない
庶民が小泉デタラメ政権を支持し、ますます、図に乗らせている構図である。こんな
政権を支持したところで、百害あって一利なしなのに、お人よしと言うか、オメデタ
イ限りだ。前出の川崎泰資氏はこう言う。
「この国の行く末は真っ暗闇です。マスコミが憲法違反の自衛隊派兵に異議を唱えず、
自衛隊撤退を訴える若者を袋だたきにしている現状。図に乗った政府の暴走。何も知
らない庶民の政治的無関心。こうしたことを背景に右傾化がどんどん進んでいる。私
は戦前を知っているから分かるが、状況は恐ろしいほど似てきています」
　先の戦争も、庶民が「こんなはずじゃなかった」と気がついたときは手遅れだった。
「まさか」と思っている国民も多いかもしれないが、いい加減、目を見開かなければ
ダメだ。


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■ 人質を「反日分子」と罵倒した自民党・柏村武昭ってどんな男
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                       ▼ 地方アナ上がりのお調子者 ▼

　イラクで人質になった日本人を「反政府、反日的分子」とコキ下ろした自民党の柏
村武昭参院議員（６０＝広島選挙区）。この時代錯誤のトンデモ発言には、政権内か
らも「正当化できる発言ではない」（福田官房長官）、「発言は慎重にしないと」
（小泉首相）といった声が噴出している。
　それでも本人は発言を撤回するつもりはない。ホームページでも「ルールを破った
人達によって我々の血税が出ていくことは不愉快だと言ったのがいけないでしょうか
ね」と書いている。だれでも入国できるイラクに行くのが、なぜルール違反なのか。
実は、センセイ自身が重大な“ルール違反”を犯している。
「柏村はもともと中国放送のアナウンサー。フリーになってから『お笑いマンガ道場』
の司会をやり、全国に顔を売った。地元・広島では生活情報番組のキャスターも務め
ていました。その知名度を生かし、３年前に“自民党の派閥政治打倒”を訴えて自民
候補に競り勝った。ところが、そのわずか４カ月後にちゃっかり自民党に入党し、亀
井派に所属ですからあきれますよ」（地元事情通）
　柏村氏はホームページで、郵政公社が竹島切手の発行を拒否したことについて、
「政府がしないから民間人がやろうとするのを門前払いするとは国益に反する！」と
書いている。イラクに行って拘束された人たちも、政府がしないことをやろうとした
民間人ではなかったか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月20日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月20日号 -1
■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  イラクのためを思って人質になった日本人と、米国のために
  働いている小泉首相に従い安全な要塞に立てこもっている自衛隊と
  どちらに与するのかマスコミと世論
  問題は、イラクの自衛隊はどうするのか

 ■ 小泉にまで毒づく　“冷遇”安倍幹事長ごまめの歯ぎしり
 ■ 日歯連事件の余波　自民党議員大アワテ「パーティー券が売れない」
 ■ 人質救出遅らせた外務省の大失態
 ■ 《日本企業のイラク復興ビジネス》
    ３兆円が消える！！　受注しても現地に入れずプロジェクト頓挫
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 薄型ＴＶ・ＤＶＤレコーダー　アテネ商戦の過熱現場
       ・ 泣きの野沢元社長復帰で山一証券再興の可能性
       ・ 育毛剤戦争に挑むツムラの狙い
       ・ 顧客データ流出〈ジャパネットたかた〉　２５日から営業再開


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ イラクのためを思って人質になった日本人と、米国のために
■ 働いている小泉首相に従い安全な要塞に立てこもっている自衛隊と
■ どちらに与するのかマスコミと世論
■ 問題は、イラクの自衛隊はどうするのか
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        ------------------------------------------------------------
          武装グループと聖職者協会は無条件で解放したわけではない。
                       小泉無能力政権に次の難題は必至

         アメリカのブッシュ大統領はイラク武装勢力の人質作戦に負け、
             弱音を吐き追い詰められて占領政策転換を表明したが、
               ブッシュに盲従しているのはもはや小泉白痴首相が
            世界中で唯一人という、この国と国民にとって最悪の悲劇
        ------------------------------------------------------------

　イラクで武装グループに拘束・解放された高遠菜穂子さん（３４）ら３人がきのう
（１８日）帰国した。ストレスから記者会見をキャンセルした３人は終始うつむいた
ままで、まるで犯罪者のようだ。
　その背景に、想像を絶するバッシングがあることは言うまでもない。「自己責任」
（竹内外務次官）、「頭を冷やせ」（福田官房長官）などとクソミソに批判する小泉
政権と、それをあおる大マスコミに押しつぶされたのである。だが、これは変だ。法
大教授の須藤春夫氏（マスコミ論）がこう言う。
「小泉自民党と公明の与党は自己責任論をふりかざして人質とその家族の責任を追及
していますが、これは“お上の政策に同調しない者は非国民だから排除する”という
戦前の全体主義の発想です。権力側に同調して３人の身元まであら探しをしているマ
スコミも、報道の体を失っている。そもそも、ボランティア活動やフリー取材をして
いた彼らが身柄を拘束されたのは、武装グループの言葉通り、日本政府が米英の占領
軍に与して自衛隊を出したからです。小泉政権による３人のつるし上げは、自衛隊撤
退論の世論が高まることを恐れた目くらましと、責任逃れという気がしてなりません」
　国境を超えて民間人が人道支援したり、報道するのは先進国、民主国家の常識だ。
フォトジャーナリストの森住卓氏は「救援を待つ人を目の前にして、悲劇を伝える記
者は『行くな』といわれても行かなくてはならない。敵と思われている日本政府には
そんな仕事はできない」とコメントしていたが、その通りだ。命がけのフリー記者や
ボランティアを締め出せば、われわれ国民は真の情報を失うことにもなる。

                     ▼ 税金のムダ遣いは自衛隊だろう ▼

　一方、国民を北朝鮮のように一元化管理したがる小泉首相は「危険な仕事は自衛隊
に任せろ」とリキんでいるが、その自衛隊はサマワで何をしているか。情けないこと
に、宿営地にひき込もったままだ。
「安全な宿営地内で水の浄化をするのが主な仕事です。テロの標的にされたり、死傷
者が出るような活動は一切しないように政府から命令されているからで、住民が求め
る道路復旧や学校修復といった宿営地外の活動はすべて中止です」（事情通）
　自衛隊の海外派兵の大義には邦人救出もあるはずなのに、これでは話にならない。
人質だった３人に「救出費用を負担しろ」といった批判が出ているが、派遣だけで約
３７７億円もかけて行って、何もしていない自衛隊と、イラクのためを思って活動し
た日本人――。一体どちらがまともなのか、よく考えた方がいい。

                 ------------------------------------------
                  人質事件解決でも一件落着じゃない反日感情
                 ------------------------------------------

　帰国した３人に続き、行方不明になっていたフリージャーナリスト安田純平氏（３
０）ら２人が保護されたことで、小泉与党には安堵の空気が広がっている。だが、こ
れで一件落着とはいかない。
　２人の事件でも、犯行グループは「自衛隊撤退」を要求。安田氏によると、グルー
プは尋問で「米国と一緒に動いているのか。そうであれば殺す」「自衛隊はわれわれ
の敵だ」などと語ったという。
　彼らが憎む相手は、自衛隊であり、米国に追従する小泉政権なのだから、日本の危
機はエンドレスといっていい。
「反米、反日感情は武装勢力だけの話ではありません。イラク国民の８割が、外国人
を人質にとる手法は占領軍への抵抗闘争の手法の一つと考えています。ところが日本
政府は何も分かっていない。小泉首相が犯人を『テロリスト』と呼んだことで、『抵
抗者をテロリスト呼ばわりした』と非難がわき起こり、人質解放が遅れた。また、人
質解放を仲介した聖職者協会のクバイシ師は、味もそっけもない川口外相の謝意声明
を『人質の解放を望んでいないように聞こえた』と皮肉っている。メッセージの裏に
隠されたイラクの真意をくみ取れず、“テロに屈しない”と叫ぶだけの小泉政権に対
し、武装勢力や聖職者協会は内心怒り心頭のはずです」（在イラクジャーナリスト）

                    ▼ イラクで最も目立つ米国追従の国 ▼

　こうしたイラク国内の厳しい目を無視していたら大変だ。高遠さんら人質となった
日本人５人はイラクの「敵」でなかったから解放された。だが、イラクの声を聞かな
い小泉政権と自衛隊はずっと狙われることになる。
「今回の人質事件でハッキリしたのは、日本政府だけが嫌われていることです。小泉
首相は、イラクの復興や人道支援に尽くしていると力説しているが、相手は感謝もし
ていないし、米軍の手先としか思っていない。早く出ていってほしいとまで言われて
いるのですから、小泉首相と自衛隊は形無しですよ」（軍事評論家・藤井治夫氏）
　中東調査会の大野元裕上席研究員は「スペインがイラク駐留軍の撤退を表明した今、
米国に追随してきた国として最も目立つのは日本」と指摘している。それでもなお、
小泉首相がブッシュ盲従を変えず、自衛隊が居座り続ければ、いつ武装グループの標
的になってもおかしくない。１４日にはサマワで「自衛隊に告ぐ。駐留軍はイラク国
民に対するテロリスト。すぐに出て行け」と騒ぐデモがあった。１７日には、同じサ
マワのオランダ軍が銃撃される事件も起きた。
　イラクで嫌われ、役に立たず「米追随の象徴」として目立つだけの自衛隊が襲われ
るのは時間の問題だ。小泉首相はどうするつもりなのか。

               ----------------------------------------------
                ブッシュとブレアも逃げ出して“孤立”する小泉
               ----------------------------------------------

　それでなくても、小泉政権と自衛隊は、世界の中でどんどん孤立している。頼みの
ブッシュは、相次ぐ誤算からイラク占領政策の転換を迫られ、これまでバカにしてい
た国連にすがりつく始末だ。尻に火がついている盟友のブレア英首相の「国連主導」
提案に従った形である。
「ブッシュは完全に追い詰められています。イラクという他人の家に土足で入り込ん
でぶち壊した手前、そのまま出て行くわけにいかない。かといって、とどまれば収拾
がつかなくなり、米軍の死者が増え続ける。米国内の批判は高まり、それは秋の再選
に大きく影響する。つまり国連という第３の道に逃げ込むしかないのです。そういう
政権に日本の命運を結びつけてしまったのが小泉首相です。このままでは日本自体が
身動きがとれなくなります。人質事件は、イラク問題の本質を考えるいいチャンス。
自衛隊の撤退を検討する時期に来ているのです」（国際ジャーナリスト・芝生瑞和氏）

                    ▼ 問われる無能首相の“自己責任” ▼

　本当だ。このまま自衛隊派兵を続けたところで、日本にプラスはない。サマワの自
衛官５５０人は襲われたり、取り残されるだけだ。
「国連がただちに機能するかはともかく、イラク占領の主導権は米英から国連に移る。
となれば日本もブッシュ一辺倒をやめ、いったん自衛隊を撤退させ、国連の枠組みの
中で何ができるかを考え直した方がいい。それはイラク民衆にも歓迎されることです。
小泉首相は、強い米国のケツに付いていけば何でもやれると思っていた。しかし、イ
ラク民衆の命がけの抵抗で、ブッシュはリーダーシップを失った。潮目は変わったの
です。これでブッシュやブレアがこけてしまったら、小泉首相は立ち往生でバンザイ
ですよ」（藤井治夫氏＝前出）
　調子のいい小泉首相はきのう（１８日）の選挙演説で、「国連の要請に基づいて、
腹を決めて責任を……」などと、ブッシュから国連に乗り換える発言をしている。だ
が、こういういい加減さが中東でも世界でも嫌われるのだ。いま問われているのは、
保身に走り、自衛隊を中ぶらりんにしている小泉首相の「自己責任」なのである。


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■ 小泉にまで毒づく　“冷遇”安倍幹事長ごまめの歯ぎしり
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            ◆ 人質事件でも、日朝交渉でも、まったくの出番なし ◆

「小泉サンは運がいいだけの政治家。彼はその運を参院選まで保ってくれればいい」
――自民党の安倍晋三幹事長が最近、周囲にこう漏らしているという。小泉首相を
「彼」呼ばわり。参院選後は用なしと言わんばかりの物言いだ。いったい何が不満な
のか。
「安倍氏は幹事長として何一つ実績を残せていないことにアセっています。イラクの
人質事件での対応を首相は福田官房長官に任せきりで、安倍氏は相手にされなかった。
マスコミに『１１日昼前にも解放はありえる』とガセ情報を漏らして官邸の怒りを買
うなど、失点続きです。参院選後の交代説も流れ、イライラを募らせているのです」
（自民党関係者）
　確かに、安倍の存在感は薄まるばかりだ。唯一の「ウリ」だった北朝鮮の拉致問題
でも素人同然の山拓に“極秘訪朝”で横ヤリを入れられる。その山拓から「アイツじ
ゃ拉致問題は解決できない。何ならワシが交渉にあたろうか」なんてコケにされる。
頭に血が上るのも当然だ。
「安倍氏は、政治家としての未熟な部分が多いですね。小泉首相が運だけの人とは永
田町では誰もが思っている。安倍氏は周囲から“選挙の顔”としか見られてないこと
に不満があり“小泉サンだって同じじゃないか”とつい本音が出たのでしょう。しか
し、処世術を身に付けていれば、決して口にしない言葉です。安倍氏の幹事長は平社
員がいきなり役員に昇格したようなもの。そのうえ“次期社長の目”もあるというお
ごりもあるのでしょう」（政治評論家・有馬晴海氏）
　自民党は総裁も幹事長も“人寄せパンダ”の無責任政党ということだ。


──────────────────────────────────────
■ 人質救出遅らせた外務省の大失態
──────────────────────────────────────

　人質５人の解放で、小泉内閣はいかにも政府の打った手が効果があったかのように
ＰＲしている。だが、政府の対応はオソマツ極まりなく、バグダッドでは笑いものに
なっているという。

              ------------------------------------------------
                   ヨルダン人に調査依頼、拘束されパニック
               スンニ派イラク人は政府の「礼知らず」に怒り心頭
              ------------------------------------------------

　人質５人はまさに「結果オーライ」だった。現地大使館やアンマンの現地対策本部
は動くには動いた。官邸・外務省の指示で、ＣＰＡ（連合国暫定当局）やイラク統治
評議会、ファルージャ周辺の部族長に接触。機密費をバラまいて情報提供や解放を働
きかけるよう懇願したという。だが、いずれも筋が悪く空振り。５人の救出に動いた
のはイラク・イスラム聖職者協会だった。
　むしろ、小泉政権は人質解放の「邪魔」だったという。特にヨルダンの日本大使館
に陣取った外務省の「現地対策本部」は大失態を演じている。
　バグダッドで取材中のジャーナリスト・橋田信介氏がこうリポートする。
「最初の３人の人質事件で、武装グループから『２４時間以内』の解放声明が出てか
ら、３日以上も時間がかかったのは、ひとえに政府の責任です。武装グループは米軍
がファルージャを包囲していたため、人質をバグダッドに出す方法がなかった。ナン
ト、その時、アンマンの『現地対策本部』に頼まれたヨルダン人の“スペシャルチー
ム”が医療団体に化け、ファルージャ入りした。ところが、途中で正体がバレて１人
が拘束され、余計に現場を混乱させた。そのために解放が遅れたのです」
　捕まったヨルダン人は今も解放されていないという。
「よその国の人間を、見知らぬ土地に派遣して情報を探らせるというのだから、まっ
たくバカというしかありませんよ。政府がどのくらいの金額をヨルダンの自称・救出
チームに払ったかは不明。現在も拘束中のヨルダン人の解放に、かなりの金額を積む
ことになるでしょう」（橋田氏）
　５人を救出したイスラム聖職者協会のクバイシ師もカンカンだ。キチンと謝意さえ
述べなかった日本政府を「人質が解放されず、誘拐、殺害された方がいいと思ってい
るんじゃないか」と皮肉っている。イラクのスンニ派を敵に回したも同然だ。
　人質事件での小泉内閣の対応を「評価する」人が６４％（朝日調査）もいるのは、
真相が伝えられてないからだ。


──────────────────────────────────────
■ 《日本企業のイラク復興ビジネス》
■ ３兆円が消える！！　受注しても現地に入れずプロジェクト頓挫
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　イラクの復興ビジネスを当て込んでいた日本企業が、全土が戦争状態で身動きが取
れなくなっている。３０００億ドル（約３２兆円）ともいわれる復興ビジネスは、米
国系企業の独占状態。だが、政府も経済界も「下請けを含め１割くらいは回ってくる」
と皮算用していたが、捕らぬタヌキの何とやらになりそうな雲行きだ。
　今、日本企業が争奪戦を演じているのは、政府の無償資金援助（１５億ドル）と円
借款（３５億ドル）にからむビジネスだ。だが、現地での事業を受注した企業は、イ
ラク情勢の悪化でお手上げだ。
「計画通りに進んでいるのは、製品をイラクに送り込めば済むビジネスだけです。た
とえば、三菱商事と住友商事が共同で受注したパトカー６２０台の無償供与（３１億
円）は、今月中にも船積みが始まる。しかし、同じ三菱商事がトーメンと組んで受注
したＬＰＧガスの製造プラントは、エンジニアリング会社と現地調査に入れず、プロ
ジェクトそのものが宙に浮いてしまった。また、三菱重工のバスラ郊外の発電所修復
という大規模プロジェクトも受注しただけで現地調査もできない。経産省は昨年、大
手電機メーカーやエンジニアリング会社の技術者を連れてイラク国内を回り、有償援
助のプロジェクトを持ち掛けた。しかし、引き合いはほとんどなしの惨状です」（商
社関係者）
　自動車各社は「イラク復興には自動車は欠かせない」とバグダッド進出を計画して
いた。三菱自動車は今年夏までに販売店を設置、順次他の都市へ拡大する計画だった。
トヨタも周辺諸国の販社を主体にイラク国内に販売店を設置することを検討していた。
中東石油ビジネスを手掛けてきた伊藤忠もトーンダウンだ。
「ブッシュ政権が『復興ビジネス参加者は戦争支持国に限る』と言ってきたことで、
日本もおこぼれにあずかれると期待していた。しかし、現地活動が無理では下請けの
仕事も取れない。イラク復興が米国主導から国連主導に移れば、日本企業の門戸はさ
らに狭まります」（前出の関係者）
　イラク戦争でひともううけはやっぱり無理か。



■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月20日号 -2
■■■        http://www.ngendai.com
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【矢野絢也の永田町一刀両断】
        《イラク人質事件解決》最大の危機乗り切った政権与党の矛盾の数々 ──
  ▼ 【この会社の人と事件（井上　学）】
        「敵失（三菱ふそう）」で株価上昇する〈いすゞ〉の命運 ──
  ▼ 【新富八郎の株ズバリ一発】
        当欄銘柄　破竹の勢い ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 大手銀がコケたら… ──
        ・ １０００万株一発買い ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        《職業移動時代》元サラリーマンが選んだもうひとつの人生
        「旧第一勧業銀行」から「経営コンサルタント」に ──

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─【矢野絢也の永田町一刀両断】─ 連載 ───────────────────
 ▼ 《イラク人質事件解決》最大の危機乗り切った政権与党の矛盾の数々 ──
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　イラクで拉致されていた日本人人質が解放された。心から喜びたい。自民党首脳は
「命拾いをしたのは人質だけでなく、小泉さんも救われたわな」ともらす。事件発生
後、首相の影は薄かったとか、冷淡だとか、指導力が不足だとかの批判が出ていた。
自民党幹部は首相を弁護して「家族に会って（自衛隊を撤退しないと）言えば、犯行
グループを刺激するし、弱気を見せれば、相手に乗じられるからだ」という。
　首相周辺は、首相が動けば、犯行グループが要求する「自衛隊撤退」の是非に世論
の注目が集まるのが困ると懸念をしていたらしい。だから「それでは全く政略だけで
動いたのか？」という批判もある。政府の有力閣僚は声をひそめて、「政府の打った
手が効いたかは疑問だ。解放の最大の決め手は、人質が犯行側から見て“イラクの味
方だと評価された”からだろう」と語る。
　その間、気になる議論が政府や与党内に出ていた。危険なところに承知で行ってい
るのだから、「自己責任だ」「救出は税金の無駄遣いだ」「かかった費用を請求しろ」
「渡航禁止にしろ」である。
　こういう議論は国民の間にもある。感情としてはあっても不思議はないが、自己責
任論は、本人が自覚することで、政府には保護の責任がある。憲法１３条で「国民の
生命、自由及び幸福追求に対する権利は、公共の福祉に反しない限り、立法その他の
国政のうえで最大の尊重を必要とする」となっているからだ。
　渡航禁止も憲法に反する可能性がある。自民党の有力議員は「自己責任論をあおる
と政府の責任から目がそれて都合がいいのだが、逆もある。たとえば、イラク以外の
海外で、自衛隊撤退を理由にして、人質がでたり、日本国内でテロが起こった場合、
自己責任とは言えない。政府は弁解に苦しむことになる」と矛盾を指摘する。
　また別の自民党幹部は「極端に言えば、イラクは戦場だ。そこへ行くからには覚悟
が必要だ」と言いながら、苦笑いをして「だがな、イラク全体を戦場だと言うと、自
衛隊派遣は非戦闘地域に限っているので、派遣の根拠がなくなって自己矛盾だ」とい
う。今回の人質事件は本人の自己責任は当然あるが、一方的に自己責任論を言うこと
は、こういう事件が、なぜ起こったのかの背景や原因を曖昧にする可能性がある。
　政府、与党は「とりあえず政権最大の危機は乗り切れた」と胸をなで下ろすが、イ
ラクの混乱はおさまりそうもない。今後何が起こるか、見通しは不透明だ。薄氷を踏
む状況が続く。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月19日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月19日号 -2
■■■        http://www.ngendai.com
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 ⇒ Today's Topics
   ≫ 解放された人質を非難する政府と大マスコミは絶対おかしい
   ≫ 残った２邦人の安否は楽観できない
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─ Today's Topics ─────────────────────────────
 ≫ 解放された人質を非難する政府と大マスコミは絶対おかしい
 ≫ 残った２邦人の安否は楽観できない
 ≫ 男優の“エイズ感染”で米ＡＶ業界がパニック
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        ▽ 解放された人質を非難する政府と大マスコミは絶対おかしい ▽
                   ── エラソーな小泉内閣のバカ大臣 ──

　イラクの武装グループから解放された郡山総一郎さん（３２）、今井紀明さん（１
８）、高遠菜穂子さん（３４）はきのう（１６日）、日本政府のチャーター機でドバ
イに到着。明日夕、日本に戻ってくる。しかし、彼らを待ち受けているのは、「解放
を喜ぶ声」よりも「身勝手な言動への非難」だろう。ことさら、そうした世論をあお
っている小泉政権はあまりにあざといし、それに乗っかる大マスコミはどうかしてい
る。

              ── 「自衛隊撤退すべし」と言うのが悪いのか ──

「コイツらけしからん」となったのは、解放直後に高遠さんが漏らした、こんなセリ
フだ。
「いろいろイヤなこともされたけどイラク人を嫌いになれない。イラクで活動を続け
たい」
　せっかく助けてやったのに「イラクに残りたいとは何事か」というわけで、小泉内
閣の閣僚連中は「ここぞ」とばかりに非難していた。
「これだけの目にあって、これだけ多くの人が努力して、なおかつそう言うのか」と
言ったのは小泉首相。
「どうぞご自由に。大騒ぎされたことを本人はどう受け止めているのか」とは中川経
産相。
　川口外相は「助かった命を大切にしてほしい。大勢の人が支援して、３人の今日が
ある」とまあ、自分は何もしなかったくせに恩着せがましく言っていた。
　しかも、大マスコミがこうしたセリフを垂れ流すものだから、本当に３人が無鉄砲
な悪者で、政府が善人みたいなムードになっている。おかげで「自衛隊撤退」を口に
するのもはばかられるような世論が醸し出されている。これぞ、政府の思うツボで、
恐ろしいのだ。
「政府のプロパガンダは執拗です。例えば、高遠さんはバグダッドの上村臨時大使に
『イラクに残りたい。われわれが拘束されたのは自衛隊のせいだ』と言ったそうです
が、さっそく、上村さんは日本に報告。すぐに高遠さんのセリフが新聞に載り、『待
ってました』と閣僚が批判を始めたのです。ある政府高官は『イラクに亡命したらど
うか』とまで言っていた。案の定、『救出費用も本人負担にしろ』という声が出てき
て、福田官房長官も『国民の税金だから、考慮しないといけない』などと容認してい
た。こうした政府関係者の大合唱にアホな記者が振り回され、そのまんまの記事を書
く。世論誘導だということに気がつかないのですから、大バカです」（永田町関係者）
　おそらく、明日、３人が帰ってくれば、記者会見は責任追及の「つるし上げ」みた
いになるのだろう。かわいそうに高遠さんがまた泣いて謝り、イラクで命がけで自衛
隊撤退を訴える言動が「大バカヤローの親不孝者」で片付けられてしまうのだ。高遠
さんの主張はもっともだし、勇敢ではないか。３人を袋だたきにしている大マスコミ
こそ「大バカヤロー」だ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月17日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月17日号 -1
■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  大山鳴動してネズミ一匹
  人質騒動は結局小泉政権に何の打撃も与えなかったように見えるが……
  果たして裏に何があるのか　人質３人の解放

 ■ アンマン指揮官　逢沢副外相の珍妙な現地会見
 ■ ・ 打つ手がなかった官邸が流し続けたインチキ・デマ情報
    ・ 「人質事件の解決」は口先だけでアテにならなかった米国
    ・ 犯人たちと１週間一緒にいた人質３人の生活ぶり
    ・ 帰国する人質３人を待ち受ける世間の冷たい視線
 ■ サマワから報道陣去り　自衛隊「次はオレたちが狙われる」
 ■ そら見ろ！　日歯汚職事件の本質　小泉改革の薄汚い裏側を暴露
 ■ 【話題の焦点】
       ・ いかりや長介さんも通っていた　「不治の病」に効く秘湯
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 元の木阿弥！？　３月売り上げ減で“危機再来か”
       ・ ダイエー大揺れ　高塚球団社長が辞任へ
       ・ 売上高急回復でも消えないユニクロの不安
       ・ ＡＮＡの夏は伊東美咲
       ・ ＵＳＪ　社長交代めぐってテンヤワンヤ　……他


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 大山鳴動してネズミ一匹
■ 人質騒動は結局小泉政権に何の打撃も与えなかったように見えるが……
■ 果たして裏に何があるのか　人質３人の解放
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           ▼ イスラム聖職者協会が日本人救出に動いた思惑と計算 ▼

「サラヤ・ムジャヒディン」を名乗る武装グループに拉致された日本人３人が１５日、
７日ぶりにあっさり解放された。
　１１日未明（日本時間）に「２４時間以内に解放する」との声明が出てから、８０
時間以上もかかったのはなぜか。
「小泉首相の態度が問題でした。武装グループをテロリスト呼ばわりしたうえ、『自
衛隊撤退』要求もにべもなくハネつけた。さらに、デリケートな時期に訪日したチェ
イニー米副大統領との会談で米国をヨイショした。一度はイラク・イスラム聖職者協
会の求めに応じて人質解放に同意した武装グループが『小泉は米国の手先』と態度を
硬化させ、説得に手間取ったのでしょう」（中東問題事情通）
　また武装グループが人質を解放しようにも、事件の舞台となったファルージャ周辺
は４月から地元武装勢力と米軍が交戦中。移動中に米軍に狙われるのを恐れ、停戦ま
で待ったこともある。
　イスラム教スンニ派のイラク・イスラム聖職者協会が事件解決に積極的に動いた理
由は何なのか。
「聖職者協会は人質事件で日本に“貸し”をつくろうとしたのです。日本はイラク復
興支援に今後４年間で約５０億ドル（約５４００億円）を拠出する方針ですが、主権
移譲後、この何倍もの額を要求して、新政権で主導権を握る狙いがあるようです。ま
たスペインやウクライナなどが撤退に傾く中、人質救出で自衛隊撤退の可能性をつぶ
すことで米国にも恩を売り、６月末の主権移譲でスンニ派の発言力を強める目的もあ
るでしょう」（現地ジャーナリスト）
　宗教関係者が動いたのはすべてキレイ事ではないのだ。今回の人質解放で政府が胸
をなでおろすのは早い。バグダッドのコーディネーター、アメール・アル・ナキブ氏
は本紙の電話取材にこう語る。
「私の友人のイラク・イスラム聖職者協会幹部は、『３人の日本人を解放したのは、
新たに２人を拘束したからにすぎない。人質を取って占領軍撤退を求める姿勢に変わ
りはない』と述べていた。解放された日本人は、たまたまイラクに協力的だったから
解放された。イタリア人は拘束後に殺害された。米国に協力的な国の人間は、今後も
イラクで危険な目に遭うと思います」
　３人が帰ってきても、新たに拘束されたジャーナリストら２人が解放される保証は
ない。小泉首相の姿勢しだいでは命の危機にさらされる。

           ▼ 首相官邸も外務省もガセ情報に翻弄され続けた１週間 ▼

　事件発生からの１週間、外務省はガセ情報に翻弄され、首相官邸は右往左往。政府
は結局、何もやらなかった。
　３人が解放された１５日夜、官邸に置かれた対策本部は長期化を見込んで早めに解
散。小泉首相は午後７時前にはサッサと公邸に引き揚げ、その後はこもりきり。解放
情報を伝えられ、フンフンとうなずくだけだったという。何もやらないで人質が返っ
てきたのだから、「ラッキー！」と叫びたかったのではないか。
　外務省も何の情報も取れないオソマツさだった。川口外相が人質解放を知ったのは
「車のテレビ」（本人）というから話にならない。
「外務省は拘束場所とみられるファルージャ周辺の部族長や宗教指導者に接触して解
放を頼み込んでいました。現場では、部族長や自称仲介者に要求されるがまま、かな
りの金をバラまいたといわれています。しかし、解放に結びつくルートにはたどりつ
かず、解放交渉にあたったのは日本政府とパイプのないイスラム聖職者協会。行き当
たりバッタリで、何の戦略もなかったのです」（中東情勢事情通）
　政府のオソマツさの象徴だったのが、アルジャジーラが「２４時間以内に人質を解
放する」（１１日未明）との犯行グループの声明を放送した直後の対応だ。すっかり
舞い上がり、情報の信憑性を疑いもせず川口外相は「複数の情報源から解放の情報を
得ている」と胸を張った。自民党の安倍幹事長は「正午には解放される」と自信マン
マンだったが、すべてがガセ情報だった。
「外務省地下１階のオペレーションルームには約１００人の職員が詰めていますが、
アラビア語を話せるのは一握り。唯一の情報源だったアルジャジーラの放送の受信設
備もなかった。マスコミ報道の確認に追われていたのが実態です」（外務省ウオッチ
ャー）
　対策本部が置かれた首相官邸は開店休業だった。
「例の解放声明で秘書官が全員集合したが、その理由を聞くと、『みんなが集まって
いるから急いで行かなきゃと思った』ですから、ズッコケましたよ。ある秘書官は報
道陣に『期待させるなよ』と八つ当たりする始末。緊張感ゼロでした」（官邸事情通）
　タナボタの人質解放に首相周辺は「一喜一憂しない」とカッコをつけ、小泉首相も
福田官房長官も記者会見を開かずじまい。記者に話すべきことが何もないからだろう。

            ▼ 小泉が米国追随を改めないと自衛隊員拉致が起きる ▼

　人質３人の解放とは関係なくイラク情勢は悪化の一途だ。今後、日本人がターゲッ
トにされない保証はない。イラクには現在、ジャーナリストなど５０人以上の日本人
がいる。問題は民間人ではなく、サマワに展開する５５０人の自衛隊員が標的にされ
ることだ。
「３人の救出に動いたイスラム聖職者協会が定めた人質に関するルールでは、『米国
の協力者』を拉致することは容認している。イタリア人４人の拉致、１人の殺害は非
難していないのは、イタリアは治安部隊としてイラク人に銃を向ける米国の手先とさ
れているためです。日本はイタリアと同じ米国の同盟国の立場にあるが、自衛隊はま
だイラク人に銃を向けていない。自衛隊員が標的にされるかどうかは、米軍と反米勢
力の戦闘が続くファルージャ情勢がポイントになります」（中東事情通）
　ファルージャでの停戦が実現せず、米軍の掃討作戦で市民の犠牲者がさらに増える
ことになれば、反米活動は全土で激化する。当然、サマワも例外ではなくなる。
「反米勢力は米国と日本を離反させることを狙って、自衛隊をターゲットにする可能
性があります。危険なのは宿営地外で活動する自衛隊員。作業中を襲って、拉致する
ことが考えられる。その際に銃撃戦となり、一般市民を巻き添えにすれば、自衛隊は
『米国の協力国』の烙印を押される。人質にされなくても、宿営地にデモ隊が押し掛
け、収拾不能の事態に陥る危険もあります」（イラク情勢に詳しい学者）
　今回はハッピーエンドで済んだが、小泉内閣の米国追随が続くかぎり、深刻、残忍
な結果をもたらす危険は消えない。


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■ アンマン指揮官　逢沢副外相の珍妙な現地会見
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  ▼ 「３人はバグダッド大使館にいると承知している。お喜び申し上げます」 ▼

　イラクの隣国、ヨルダンのアンマンは「現地緊急対策本部」で“陣頭指揮”にあた
ってきた逢沢一郎外務副大臣の解放後の“第一声”に、耳を疑った人も多いんじゃな
いか。
「３人はバグダッド大使館にいると承知している。心からお喜び申し上げます」と、
本当に現地指揮官なの、と言いたくなる口ぶり。
　しかも、会見したのは川口外相の１時間後だった。
「逢沢副外相は警察庁の国際テロ担当官を５人も連れていった。しかし、この１週間
の主要業務は『アルジャジーラを終日見ていること』だった。ヨルダンのファエズ首
相らとの会談でも解決につながる情報はゼロでした。アンマンで首相官邸と外務省本
省からの指示を待っていただけです」（現地ジャーナリスト）
　きのう（１５日）も、ジャーナリストらの拉致情報について質問されても「言及す
る段階にない」と政府の“箝口令”に従うだけだった。前レバノン大使の天木直人氏
が指摘する。
「逢沢副外相は何のために行ったのか。ヨルダンにいて情報が集まるわけがありませ
ん。せめてバグダッドまで行き、イラクの部族・宗教関係者と直接会って交渉するの
が外交です。政府のアリバイづくりのためのヨルダン派遣としか思えません」
　税金のムダ遣いとはこういうことをいう。


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■  ・ 打つ手がなかった官邸が流し続けたインチキ・デマ情報
■  ・ 「人質事件の解決」は口先だけでアテにならなかった米国
■  ・ 犯人たちと１週間一緒にいた人質３人の生活ぶり
■  ・ 帰国する人質３人を待ち受ける世間の冷たい視線
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             打つ手がなかった官邸が流し続けたインチキ・デマ情報
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　人質事件で手も足も出ず、無能ぶりをさらした小泉内閣。裏では、マスコミにイン
チキ情報を流し、必死に“責任逃れ”をはかっていた。
「３人の『自作自演説』や『過激派説』が流れたが、発信源は官邸周辺です。事件直
後から執拗に記者に吹き込んでいた。なかには『自作自演説』を信じ込んだ大手紙ま
であり、官邸では『これ以上、狂言説を口にすべきじゃない』と問題になったほどで
す」（官邸事情通）
　家族に対する批判も噴出したが、実はこれも政府の影がチラつく。
　家族が特定の政党と結びついているという情報が飛び交ったのも、政府首脳が吹聴
したためだし、ある秘書官は「家族の弁当代は誰が払っているのか？」などと何とか
家族を悪者にしようという意図がミエミエだった。
「政府の『世論誘導』は露骨でした。批判の矛先が小泉政権に向かないように『３人
は自己責任だ』『家族も横柄だ』と世論をあおった。現職閣僚や幹部が『３人は危な
い所に自ら行った』（小池百合子環境相）、『親が子供を戦地に行かせるのがおかし
い』（平沼赳夫前経産相）と発言するのは異常です」（国会関係者）
　口先だけはピカイチの小泉首相だけに「人質解放」を都合の良いように利用するの
は間違いない。

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            「人質事件の解決」は口先だけでアテにならなかった米国
           ------------------------------------------------------

　なにもしなかったのは、米政府も同じだ。チェイニー副大統領は、先の来日で「日
本人人質の解放と安全な帰還に向けて全力をあげる」と約束していたが、これは口先
だけだった。特殊部隊を救出に向かわせることもなければ、日本政府に有力情報を流
したこともない。逆にファルージャでの停戦協定を破って掃討作戦を再開し、犯行グ
ループの神経を逆なでした。
　米政府高官は、人質解放について「無事に解放されて喜んでいる」と述べたが、こ
れは政治的な思惑があっての発言だ。人質に万一のことがあれば、日本国内では自衛
隊撤退を求める世論が沸騰する。スペインのように撤退方針を打ち出されたら、イラ
ク占領はパー。ブッシュの再選もなくなるからだ。
　米シンクタンク・ランド研究所のスティーブ・サイモン主任研究員はこう言ってい
る。
「ブッシュ政権の関心は、６月末までに政権移譲し、親米政権を樹立してイラクから
引き揚げることです。たとえ日本人の人質が殺される危険が高くなろうと、掃討作戦
の手を緩めるつもりはなかった。そもそも、人質救出に協力する余裕はありません」
　米国のＴＶコメンテーターは「自衛隊がイラクにいるのだから、自分たちで人質を
助けに行くのが当然。日本政府が米海兵隊に協力を求めたこと自体、理解できない」
と言っていたが、これが米国のホンネなのだ。

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                犯人たちと１週間一緒にいた人質３人の生活ぶり
               ----------------------------------------------

　笑顔の郡山総一郎さん、涙を流す高遠菜穂子さん、緊張気味の今井紀明さん――拉
致から７日ぶりに解放された３人は意外なほど身奇麗で、健康状態も良さそうだ。武
装グループからは、どんな扱いを受けていたのか。
　イスラム聖職者協会幹部のクベイシ師は、解放前に「犯人は日本人３人を人質とい
うより預かりものとして考えている」と語っていたが、厚遇されていた可能性が高い。
「監禁されていたのは、ファルージャ近郊の農村などです。体に目立った拘束のあと
が見られないから、ある程度の自由が許されていたのではないか。やせ細った印象も
なく、食事や飲み水も十分に与えられていたようです」（在イラクジャーナリスト）
　武装グループは「自衛隊を撤退させなければ人質３人を生きたまま焼き殺す」と宣
言したが……。
「１週間も一緒にいると、犯人グループと３人の間に同情や連帯感が生じます。犯人
は、高遠さんが病院で医療支援を行ったり、戦争孤児の食事や入浴などを手伝ったボ
ランティアであることを知る。他の２人も小泉政権の米国追従政策とは無関係と分か
り、殺すのをやめた。一方の３人も、必要以上に武装グループに心を許したのではな
いか。拉致や監禁で長時間、犯人といた被害者が陥る『ストックホルム症候群』でし
ょう」（心理学者）
　拉致直後、人質となった３人がのどに刃物を突き付けられる残虐映像が流れ、ギョ
ッとしたが、これも“合意の上”だったかもしれない。

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                帰国する人質３人を待ち受ける世間の冷たい視線
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　解放され帰国する３人を国民がこぞって温かく迎えるわけではない。「いい気なも
んだ」という冷ややかな世間の目があることも事実だ。
　３人の留守宅に「人質は自作自演だろう」とか「死ね」などの手紙を出したり、
「タクシー１０台よこして」などのイヤガラセ電話をかける不心得者は論外だが、危
険なイラクに出かけて行き捕まったことへの批判はついて回る。
　たとえば危険な陸路を避けて空路でバグダッドに行く選択もあったし、緊迫したイ
ラクへの渡航を中止する勇気も必要だった。そうすれば人質騒ぎは避けられたからだ。
「事件発生直後の家族の対応も反感を買いました。『われわれの要求はまず首相への
面会だ』と机をたたいたり、『政府の対応には温度差がある』と批判していましたが、
３人は国内で拉致されてイラクに連行されたのではない。北朝鮮の拉致家族のような
言動はいかがなものか」（関係者）
　小泉政権の解決に向けた無能・無気力はいうまでもないが、彼らが帰国するまでの
費用や対策本部に詰めていた担当職員の残業代などの経費には国民の税金が使われる。
　帰国した３人がマスコミに出まくって英雄然としていれば、世間の目はさらに厳し
いものになるはずだ。


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■ サマワから報道陣去り　自衛隊「次はオレたちが狙われる」
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　イラクのサマワで陸上自衛隊の取材に当たっていた日本人報道関係者は人質事件後、
宿営地に避難していたが、１５日、南部のタリル空港から政府が用意した航空自衛隊
のＣ１３０輸送機でクウェートへと退避した。
　今は宿営地に報道関係者の姿はなく、いるのは自衛隊員だけ。人質解放のニュース
は宿営地にも伝わったが、取り残された自衛隊員の間からは「今度は自衛隊員を狙っ
た拉致を警戒しなければ……」「オレたちの番かも……」と不安がる声が少なからず
出ている。
　一方、サマワの市民の間からは「自衛隊はもっと活動してくれ」「役立つことをし
てほしい」との声が相次いでいる。
「陸自が現段階で行っているのは宿営地内での浄水と地元の給水車への飲み水の提供、
そして病院を巡回する医療支援だけ。道路復旧や学校修復などの宿営地外での活動は
自粛したままで、再開のメドも立っていない。そんなことから３月下旬には隊員が現
地の少年から石を投げられる一幕もあった」（事情通）
　このままでは自衛隊がサマワで孤立する恐れも出てきた。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月15日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月15日号 -1
■■■        http://www.ngendai.com
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  	
  小泉純一郎に果たして首相の能力と資格があるのか
  口先男の「救出に全力」と３人の安否情報

 ■ 《ワイド特集》人質事件絶望的な今後の見通し
 ■ もう頭打ち！？　株式市場にバブル懸念
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ メガバンク　ボーナス要求の横着に批判の嵐
       ・ 日清ＶＳサンヨー　中国に戦場移したインスタントラーメン戦争の行方
       ・ 〈ＪＲ東日本〉ケータイで改札をスーイスイ
       ・ 〈米Ｇ・サックス〉吉野家の第２位株主に浮上
       ・ 〈ユニクロ〉初の水着発売　１７日から
       ・ 〈三菱自〉再生ファンドから１０００億円調達へ
       ・ 〈高島屋〉営業利益５割増（２月期連結決算）


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 人質事件への対応を見て重大な疑問
■ 小泉純一郎に果たして首相の能力と資格があるのか
■ 口先男の「救出に全力」と３人の安否情報
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         ドイツの場合、バグダッドで行方不明になったドイツ人に関して
            「２人は死んでいる可能性が極めて高い」と誘拐４日後に
         外務省が発表したが、日本の場合いまだに何の情報もないという
                            驚くべき無能力無責任

         解放されないのは川口と逢沢の２人のバカ大臣の発言で犯人側が
        硬化したのが理由ともいわれているが、「安全だ」「解放される」
         「交渉している」という一方、「情報が確認できない」ともいう
          このデタラメ首相と無能政権を打倒するため、あらゆる選挙で
           自民党と公明党を大敗北させることが絶対必要になっている
       --------------------------------------------------------------

　人質事件発生から７日。犯人側が１１日（日）未明に「２４時間以内に３人を解放
する」との声明を出してから３日が過ぎたが、いまだに事件は膠着状態だ。大新聞・
ＴＶは「情報が錯綜」「政府は苦悩」などと報じているが、これは違う。政府に情報
収集能力がないから未確認情報が出るたびに右往左往し、マスコミも振り回されてい
るだけである。
　その政府の最高責任者の小泉首相は、きのう（１３日）の閣議後の懇談会で「政府
は一丸となり、全力で人質の救出に取り組んでいる」とリキんでみせ、関係閣僚にハ
ッパをかけた。もっとも、小泉本人は人質事件を福田官房長官に任せっぱなしで、休
日も夜も品川の仮公邸にこもったまんま。
　かつてペルー大使公邸の人質事件の際、橋龍首相は外務省にアンパンの差し入れを
持って激励のパフォーマンスをしたが、小泉はそんなそぶりも見せていない。
　小泉に“丸投げ”された福田官房長官もひどいもので、「いま現在、人質の状況は
確認していない」とお手上げ状態だ。例えば２人の自国民を誘拐されたドイツ政府は、
あらゆる情報網を駆使して４日後には「残念ながら死亡した可能性が高い」と発表し
ている。しかし、日本では人質３人の居場所すら不明で、誰と交渉していいのかも分
かっていないのだ。３人は一体どうなっているのか。
「人質の身柄は犯行グループから離れて部族長あるいはイスラム教指導者の管理下に
あるはずです。そして解放されないのはズバリ、スンニ派の拠点・ファルージャの状
況と関連している。住民６００人が殺されたファルージャは理不尽な米軍のイラク占
領を象徴する場所。反米勢力は停戦期限が終わった後、米軍の総攻撃を防ぐために一
連の外国人拉致を行っているのです。３人の日本人は強制的に“人間の盾”に使われ
かねないのです」（軍事ジャーナリスト・神浦元彰氏）

                ◆ チェイニーをヨイショしてイラクを逆なで ◆

　となると、小泉首相が「人質救出に全力を挙げる」ためには、正確な情報を集め、
米国のイラク占領作戦と一線を画すことが不可欠である。ところが「テロに屈しない」
と言い続け、米軍に協力する自衛隊派遣の方針を変えないのだから、交渉が進むわけ
がない。
　しかも、１２日には来日した対イラク強硬派のチェイニー米副大統領と昼食をとり
ながら２時間あまり会談してこう称賛したのである。
「米国のイラクに対する大義と熱意を信じる。だからこそ、当初から支持、協力して
きた」
　この会談はアラブ諸国のメディアでも大きく取り上げられていて、ファルージャの
ある部族長は「この時期に米国との協力を強調することは日本がイラクの敵であるこ
とを示すものだ」と言っている。
　人質の生命をますますピンチに追い込む小泉首相。いったいどこが「救出に全力」
なのかサッパリ分からない。

                   ◆ どうしようもない川口・逢沢コンビ ◆

　首相が首相なら、川口順子外相もヒドいものだ。人質救出を進めるどころか、邪魔
になっているのだからどうしようもない。犯人グループは一度は「人質解放」を約束
した。ところが、川口外相の発言に反発し、一気に態度を硬化させたらしい。
　川口外相は１１日、犯人グループに人質解放を呼び掛けるビデオメッセージを収録。
英ＢＢＣや米ＣＮＮが放映している。このビデオの中で「日本は多額の資金と人員で
イラク復興に取り組み、自衛隊もそのために派遣されている」と自衛隊派兵を肯定し
た。これが犯人グループの反感を買ったというのだ。
「武装勢力の要求は『自衛隊撤退』です。それなのに『自衛隊派兵は正しい』と挑発
するなんてムチャクチャです。しかも、家族が『犯人を刺激して人質のリスクが増す』
と事前に削除を要請しているのに、冷たく拒否している。交渉のイロハ以前の問題で
す」（東京国際大教授・前田哲男氏）
　歴代外相のなかでも最低最悪の外相じゃないか。そのうえ、外務副大臣が輪をかけ
たボンクラときている。人質事件の現地対策本部の責任者としてイラクの隣国ヨルダ
ンに飛んだ逢沢一郎副大臣は、反米勢力を「テロリスト」呼ばわりしてイラク国民の
反感を買う始末。イラクの武装勢力は自分たちを「テロリスト」ではなく「レジスタ
ンス」と考えているのに、まったく分かっていない。
「そもそも逢沢副大臣は、なぜイラクに行かずヨルダンに居るのか。東京で事件が起
きているのに、ソウルに駆けつけるのと同じです。武装勢力は人質解放の条件として
逢沢副大臣のファルージャ訪問を挙げている。『人質の身代わりになれ』とは言わな
いが、あまりに弱腰すぎます」（国会関係者）

                   ◆ 小泉はなぜ戦争終結に動かないのか ◆

　小泉首相、川口外相、逢沢副大臣……。この無能トリオは、本気で「人質解放」を
成功させる気など最初からないのじゃないか。前出の前田哲男氏が言う。
「小泉首相のように『テロに屈しない』の一点張りでは、人質事件は絶対に解決しな
い。犯人グループの真の狙いは、米軍の虐殺が続くファルージャの停戦で、人質３人
を停戦交渉のカードに使おうとしているフシがある。だったら、小泉首相は『米国が
ファルージャ攻撃を中止するように日本が責任を持つ』ぐらいのことを言うべきです。
イラクの部族協会代表も『日本がファルージャの被害に言及し、米軍との違いを表明
すれば解放に応じる可能性がある』と明言している。小泉首相が米国に直言すれば、
イラク国民の日本を見る目も変わる。それが人質解放への早道です」
　小泉首相は「人質解放にあらゆる努力をしている」なんて言っているが、この“口
先男”はとても信用できない。

                  ◆ 小泉の“イラク暴走”を阻止する方法 ◆

　だいたい「テロリストに屈しない」で「人質を一丸となって救出する」とすれば方
法は一つしかない。人質が拘束されている場所に自衛隊の特殊部隊を急襲させて奪還
するか、あるいは米軍の特殊部隊に頼むことだ。そうなれば３人の生命の保証はない。
　もちろん、このまま撤退しない自衛隊は「米国の同盟軍」として武装勢力のエジキ
になる。九大名誉教授の斎藤文男氏が言う。
「自衛隊は本来、“イラクの復興支援のために非戦闘地域、あるいは戦闘が予想され
ない地域で活動する”ために派遣されています。ところが自衛隊はテロの危険性から
陣地にこもりっぱなしの状況です。とすればイラク特措法の条文通り撤退すべきで、
そうすればテロの標的にもならない。これが当たり前の法治国家で、あらかじめ『自
衛隊は撤退しない』というのでは米国の従属国家です」
　テロと憎悪の連鎖を断ち切るためには、まずブッシュに追随し自衛隊派兵をやめな
い小泉を政権から引きずり降ろすことだ。そのためには対米従属与党の自民党と公明
党を選挙で大敗させるしかない。人質事件で問われているのは小泉ではなく国民なの
である。


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■ 《ワイド特集》人質事件絶望的な今後の見通し
──────────────────────────────────────

　イラク邦人人質事件は７日目を迎えたが、依然として解決の糸口はつかめず、膠着
状態が続いている。ガセネタに振り回された政府は今さらながら「情報管理の徹底」
を呼びかけていたが、これぞ、「政府の無能」の裏返しだ。人質事件の長期化は避け
られず、最悪の結末が頭をよぎる。

              ------------------------------------------------
                           何やってんの？　外務省
               アルジャジーラを見られないオペレーションルーム
              ------------------------------------------------

                    ▼ 情けない情報収集能力には絶句！ ▼

　人質の解放が遅れ、関係者のいらだちが募る中、「外務省は何やってんだ」という
批判が渦巻いている。１１日に「２４時間以内に人質解放」のニュースが流れた時、
川口外相は「複数のルートで確認した」と胸を張ったが“ガセ”だった。これは象徴
的な話で、外務省の情けない情報収集能力については、エッと驚くような話がいくつ
もあるのだ。
「外務省の地下１階のオペレーションルームには約１００人の職員が詰めていますが、
アラビア語を話せるのは一握り。ほとんどの職員が電話にかじりつき、英語で情報を
集めている。アルジャジーラの放送も受信設備がないので見ることはできません。犯
行グループが出したとされる『人質を解放する』というファクスも第一報はＮＨＫの
テロップを見て分かったんです」（外務省ウオッチャー）
　今度の人質事件は、アルジャジーラのニュースが頼りなのに、オペレーションルー
ムで見られないなんて、信じられないような話だ。
「イラクの宗教指導者とか部族長にも、特別なコネクションがあるわけではないんで
す。しかも、直接ファルージャまで行って情報を取るのではなく、電話だったり、ヨ
ルダンなど周辺国の情報機関を通じて連絡を取っている。これじゃあ、生ネタは取れ
ません。外務省はこれまで、警察、防衛などと一体化して情報収集することを拒否し
てきた。自らの領域が荒らされるからです。その結果、情報収集のプロが育たず、そ
れが今回、ツケとして跳ね返っているわけです」（官邸事情通）
　そう言えば、何にもしない外務省だが、防衛庁とのいがみ合いには熱心で、サマワ
の外務省職員が佐藤正久隊長の批判メールを送って、週刊誌ざたになっていた。１２
日には防衛庁の守屋武昌次官の“勇み足発言”を外務省の竹内行夫次官が皮肉ってい
た。こうした間にも人質の体力はどんどん消耗していくのだから、やりきれない。

              ------------------------------------------------
               頼りになる交渉役不在　事件の長期化は必至の悪夢
              ------------------------------------------------

                     ▼ 人質が傷つけられる最悪事態も ▼

　事件発生から７日目――。政府関係者は自分に言い聞かせるようにこう言っていた。
「最悪事態は政府が自衛隊を撤退させないと明言したことで、人質を１人ずつ殺され
るケース。相手がアルカイダだったら交渉の余地はなく、そうされただろう。まだ交
渉の余地はあるんだ……」
　しかし、これがとんだ見込み違いだったことがハッキリしてきた。政府のもくろみ
では「イスラム聖職者協会」やファルージャの有力部族に頼めば、犯人との交渉が可
能で、事件解決の糸口がつかめるものと踏んでいた。ところが、イスラム聖職者協会
には犯人と直接コンタクトするルートはなく、仕方なく、ＴＶで呼びかけても人質は
解放されなかった。地元ドレイミ族の有力者であるマザハル・ドレイミ氏なる人物も
仲介役として出てきたが、とんだ食わせ者だった。要するに、権力機構が完全崩壊し
ているイラクでは、上からの“にらみ”や“説得”は機能せず、したがって、間接的
な交渉で犯行グループを軟化させるのは至難のワザなのである。
「犯行グループの正体、目的がハッキリしない今、予想は非常に難しいが、事件は想
像以上に長期化する可能性があると思う。犯行グループは宗教指導者や部族長の呼び
かけに応じていないし、その裏ではイラク社会の崩壊、権威の失遂があると思う。た
とえ、人質を解放する意図を持っていても、米軍が包囲している間はムリでしょう。
ファルージャの緊張状態はそう簡単には解けませんから、やっぱり、長期化しそうで
す」（中東調査会研究員・高岡豊氏）
　その場合、人質は長期の拘禁に耐えられるのか。犯行グループが暴発する恐れはな
いのか。
「膠着状態に陥ると、イラついた犯人が人質を痛めつけて、日本政府に新たな譲歩を
求める可能性も捨てきれません」（高岡豊氏＝前出）
　こんな事態になったら悪夢である。

                   --------------------------------------
                    サマワの自衛隊は宿営地にこもりっきり
                   --------------------------------------

              ▼ 役立たずの自衛隊はさっさと撤兵したらどうか ▼

　日本政府は、人質の救出策や解放された際の国外脱出を米軍に願い出ている。だが、
サマワには“自前の兵力”がいるはず。国民の生命を守るべき陸自の兵隊サンは現地
で何をしているのか――。シーア派のデモ拡大や相次ぐ砲弾事件にひるみ、宿営地内
に引きこもっているというから絶句だ。
「イラクの治安が極度に悪化。シーア派最大の宗教行事“アルバイン”が行われるこ
ともあり、安全確保のため陸自が野外活動を自粛してから１週間以上が過ぎました。
この間、宿営地内での給水活動は続けていますが、活動らしい活動は何一つしていま
せん。道路修復や病院への医療支援、部族との交流などは中途半端に放り投げたきり。
隊員は皆、宿営地内で暇そうにしています。さすがに現地住民の間では自衛隊への失
望感が広がっています」（現地ジャーナリスト）
　宿営地内では暇を持てあました隊員同士が「人質は無事かな」なんてノンキに立ち
話してるという。
　きのう（１３日）になって、ようやく宿営地のすぐそばの中学校補修に限って活動
を再開させたが、これも「指導・監督」だけ。小学校も訪問したが、ノンキに日の丸
バッジを配っていた。
　こんな調子で、隊員には血税から１日３万円の「危険手当」が支払われる。何もし
ないなら、サッサと撤兵したらどうか。

              ------------------------------------------------
               同じ時期に同じグループがイタリア人拉致の不気味
              ------------------------------------------------

                      ▼ 想像以上に大掛かりな組織か ▼

　邦人人質事件の解決の糸口がつかめない中、イラクでは外国人の拉致・拘束事件が
頻発している。アルジャジーラはきのう（１３日）、「カタイバ・アル・ムジャヒデ
ィン」（戦士大隊）を名乗る組織に拘束されたイタリア人４人の映像を放送。犯行グ
ループは、イタリア軍の撤退を求め、ビデオテープをアルジャジーラに送りつけてい
た。
「拘束された人質の様子を映し出し、軍の撤退を求める点は日本人拘束のケースとソ
ックリです。これまでアルジャジーラなどに『犯行声明』を送りつけた組織は『戦士
旅団』や『戦士大隊』『イラクの戦士旅団』『ファルージャの戦士旅団』などを名乗
り、組織名は酷似している。広範な連合体の存在をうかがわせ、事実上、一つの緩や
かな組織が誘拐事件を繰り返しているのかもしれません」（中東情勢事情通）
　これまで拘束された外国人は、米国やカナダ、トルコ、中国、ドイツなど１７カ国、
５０人以上に及ぶ。実際にどれだけの組織が外国人拘束に関与しているかは不明だが、
この中でイラクに派兵しているのは日本やイタリアなど、ほんの一部。日本人とイタ
リア人を拉致したグループが同じだとすると、人質を“カード”にして撤兵要求をあ
らためて突き付けてくる可能性もありそうだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月12日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月12日号 -1
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              ☆ 明日の『日刊ゲンダイ Dailymail』は休刊です ☆

 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  思わぬ方角から弾丸（タマ）が飛んできた
  小泉米ブッシュ隷属政権の狼狽する対応と運命
  自衛隊撤退せぬと威張るが日本人人質が生きたまま焼き殺された時

 ■ ≪人質事件≫この政権に任せられるか？
 ■ 吉野家　今期最終益４４％の減に
 ■ ＴＯＷＮ　ＷＡＴＣＨＩＮＧ
       ・ 新入りを連れていくのに最適　一見さんでも気軽に飲める
          新宿ゴールデン街の新顔店（ニューカマー）
 ■ 街中の疑問
       ・ なぜ家電には「オープン価格」のものと「希望小売価格」のものが
          あるのか？
 ■ 体が喜ぶ料理を心ゆくまで　食べ放題のオーガニック自然食レストラン
    安全な食材にこだわるバイキング形式の４店


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 思わぬ方角から弾丸（タマ）が飛んできた
■ 小泉米ブッシュ隷属政権の狼狽する対応と運命
■ 自衛隊撤退せぬと威張るが日本人人質が生きたまま焼き殺された時
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         ----------------------------------------------------------
            世論を二分している大義なき戦争を支持し参加した報い、
          イラク人のために復興支援しているという名目の海外出兵の罰
         ----------------------------------------------------------

　思わぬところからタマが飛んできた小泉政権が大揺れだ。小泉首相は「政府を挙げ
て懸命に人質救出に当たりたい」とコメントしたが、目立つのは狼狽ばかりである。
　カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」から日本人３人の拘束情報が寄せられた
８日夜、外務省と警察庁は大慌てで対策本部を設置した。翌９日午前には、政府は新
たに福田官房長官を本部長とする「在イラク邦人人質対策本部」も立ち上げた。政府
だけじゃない。自民党、公明党も、それぞれ党内に対策室を設けている。政府も与党
も大急ぎで、何とか形だけは整えてみせたのだ。
　しかし、それで事態は好転するのだろうか。「対策」の看板ばかりズラリと並んで
いるが、成果はちっとも上がっていないから話にならない。
「事件の発覚から１日以上経過したというのに、日本政府には犯行グループの特定に
つながる情報は寄せられていません。『生きたまま焼き殺す』としている１１日夜ま
で、残された時間はわずかしかないというのに、相手の正体や本当の狙い、接触方法
さえ分かっていない。これでは交渉などできません。小泉以下、福田官房長官、川口
外相など関係閣僚は、そろって“一日も早い救出に全力を挙げる”と言っています。
　しかし、犯行グループについて何も分からないのに、一体全体、どうやって救出す
るつもりでしょうか」（外交事情通）
　空念仏を唱えるだけの小泉には“身内”も怒り心頭だ。河野洋平衆院議長は「小泉
首相はどう対応するのか、国民にもう少し丁寧にキチンと説明する必要がある」と批
判したが、当然だろう。
　このまま手をこまねいていると、本当に焼かれる最悪の事態を迎えかねないのだ。

               ▼ 小泉の「米国従属」が招いた民間人人質事件 ▼

　今回の事件の引き金が小泉の“米国隷属”にあるのはハッキリしている。国際問題
評論家の山岡清二氏が言う。
「犯行グループは声明文の中で『米軍に協力した』と日本を非難しています。もちろ
ん彼らの論理がすべて正しいわけではありませんが、米国を支持したり、言われるま
まにイラクへ自衛隊を出した日本政府の態度をやり玉に挙げているのです。今回の事
件を招いたのが小泉首相の対米追従政策にあるのは間違いありません。それなのに小
泉政権は、この期に及んでも、“自衛隊は撤退させない”と強弁して、米国の意向に
従おうとしているのだからあきれます」
　小泉は９日、記者から自身の責任について聞かれ、「私自身の問題ではない。国全
体の問題」と逃げた。しかし、ブッシュのご機嫌を取るために、大義のない戦争を真
っ先に支持したのは小泉本人じゃなかったか。
　陸自先遣隊がイラク入りする直前にマスコミ各社が実施した調査では「派兵反対」
が過半数を占めていた。そんな世論を無視してブッシュの戦争を支持し、２人の外交
官が殺害されても占領への参加を強行したのも“ポチ首相”だ。
　小泉政権は「自衛隊は復興支援で行っているのだから撤退する理由がない」と言っ
ているが、サマワで飲み水を提供することがイラクという国の復興にどれだけ役立つ
というのか。自衛隊派兵は、イラク支援というよりも米国支援の色彩の方が強いのだ。
だから民間人が過激派グループに狙われたのである。

               ▼ 派兵ゴリ押しの矛盾が付け入るスキを与えた ▼

　そもそも自衛隊の派遣先がサマワに決まったのはイラク復興に必要なためではない。
米国に「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と背中を押された小泉が、憲法破りの派兵
をゴリ押しするには、安全な場所を見つけなければならなかったからである。死傷者
が出ないことを最優先にしたのだ。
　小泉政権のこうした姿勢はメディアを通じ、世界中に知れ渡ってしまった。そのた
めイラクにいる武装集団は「日本人を狙えば効果がある」と考えたのだ。軍事ジャー
ナリストの神浦元彰氏が言う。
「テロリストが日本人を狙ったのは、弱腰の小泉政権を揺さぶり、米英にダメージを
与えるためです。その狙いはズバリ当たった。米英は日本がイラク占領軍から離脱す
るのではないかと大騒ぎしているからです。味をしめたテロリストは今後、ますます
日本人を狙うはずです。実際、韓国人宣教師を一時拘束したテロリストは“われわれ
は米国人、英国人、日本人を皆殺しにする”と語っていた。今後はイラクにいる日本
人ジャーナリストやボランティアばかりでなく、海外での邦人観光客も狙われるでし
ょう」
　すべてはブッシュの歓心を買いたい一心でイラク派兵を強行した小泉の責任だが、
犯した過ちはこれだけじゃない。「イラクは戦争状態じゃない」「非戦闘地帯はある」
などとごまかし、イラクの“安全性”をアピールしてきたことだ。
「米軍が勝利宣言した昨年５月以降、イラクでは米兵だけで数百人が死亡している。
イラクは紛れもなく戦地です。しかし、戦地に自衛隊を派遣できない小泉政権は逆に
安全をアピールしてきました。その結果、イラクの危険地帯に出入りする民間人ボラ
ンティアなどを制止することができなかったのです」（神浦元彰氏＝前出）
　今回の事件は、起こるべくして起きたのである。

               ▼ 「撤退すべき」の世論を無視する政権の末路 ▼

　日本版ネオコン政権はこんな事態を招いても、「自衛隊は撤退しない」などと強が
っている。それどころか、緊急事態を逆手に取って「自衛隊を人質救出に使う」とま
で言い出しているのだからあきれてしまう。評論家の岡本愛彦氏が言う。
「イラク特措法では自衛隊の活動領域が限定されており、隊員が人質救助に向かうこ
とはできません。それを熟知しているはずの政権関係者が邦人保護の美名の下、実戦
参加まで口にした。非常に危険な兆候です。戦前の日本軍は満州鉄道保護を名目に権
限を拡大し、ついには第２次大戦に突入していった。ヘタをすればその二の舞いにな
る可能性があります」
　自衛隊の増派が検討されることも考えられる。
「今やイラクの自衛隊は米、英軍と並んでテロリストの最大のターゲットになってい
る。今後は断続的に攻撃を受けることになります。それでも、米国の手前、自衛隊は
簡単には撤退できません。ブッシュ政権がサマワでの自衛隊活動が『イラク復興のモ
デルケース』とみているからです。そうなると、自衛隊は警備のために大規模な戦闘
部隊を送ると言い出しかねない」（軍事評論家）
　こんな軍国路線が許されるわけがない。すでに世論は「撤退すべき」が大半だ。小
泉がエラソーに「撤退なし」を繰り返しても、人質が焼き殺されたときは、国民から
総スカンとなるのは確実。国民の支持だけで生き永らえてきた小泉は、一巻の終わり
だ。
　それどころか、「国民を見殺しにした強権首相」として歴史に名を残すことになる
だろう。


──────────────────────────────────────
■ ≪人質事件≫この政権に任せられるか？
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           第一報が入った直後、小泉首相が酒を飲んで話していたコト
          --------------------------------------------------------

                  ▼ 石破防衛庁長官も９時までノンビリ… ▼

　小泉首相の「人質事件」への初期対応に批判が噴き出している。事件を知らされな
がら、すぐに対応に乗り出さず、都内のホテルで２時間も宴会を続けていたからだ。
「えひめ丸」沈没の連絡を受けながら、ゴルフをしていた森前首相とまったく同じケー
スである。
　外務省にアルジャジーラから「日本人３人が人質になり、撮影されたビデオがある」
と連絡があったのは８日の１８時２０分。外務省は１８時３０分には「対策本部」を
設置。１８時４５分に首相に第一報を入れている。
「首相に連絡が入ったのは、この日の夕方に予定されていたマスコミとの会食が始ま
る直前のことです。日本人３人が拉致されたと知らされれば、会食をキャンセルして
官邸に飛んで帰るのが常識です。ところが、首相は事件を気にかけるそぶりも見せず、
２時間も飲み食いし『最近の新聞記者は……』とか話していた。その間、席を外して
指示を与えることもなかったといいます。もし、犯人から緊急に要求があったらどう
対応するつもりだったのか。“危機管理”以前の問題です」（自民党関係者）
　酒が入った首相は、官邸で指揮を執ることもなく、そのまま公邸に帰っている。つ
いでに言うと、石破防衛庁長官も夜の９時まで宿舎でノンビリと過ごしていたのだ。
　小泉内閣は「自衛隊は撤退させない」と武装グループの要求を拒否。３人を見殺し
にしかねないが、これでは国民はたまらない。

             --------------------------------------------------
              「自衛隊撤退せず」の政治決断は誰がいつ決めたのか
             --------------------------------------------------

                     ▼ 福田官房長官の発言に重大疑問 ▼

　イラクで拘束された民間人３人の家族は、きのう（９日）、都内で記者会見し、
「自衛隊の撤退」を訴えた。家族の心情は当然として、政府のあまりにも早い「撤退
拒否表明」には疑問が残る。
　この重大判断は誰が、いつ決めたのか。
「２つの選択肢がある。われわれの国から軍隊を撤退させるか、われわれが３人を焼
き殺すかだ」
　犯人グループの声明に対し、福田官房長官は８日夜の記者会見で「自衛隊撤退の理
由はない」と突っぱねた。これが政府の公式見解になり、米国のラムズフェルド国防
長官はさっそく「称賛に値する」とコメント。瞬く間に「自衛隊、撤退せず」が既成
事実化されてしまった。
　問題は官房長官発言の背景だ。
「当然、首相とスリ合わせを行っている」（飯島勲首相秘書官）というが、この日、
小泉首相は新聞社の編集委員などとの会合に出て、そのまま直帰。官房長官とは電話
で話したらしいが、「人質救出に全力を挙げるように」という指示が出た程度だった
ようだ。会見前、福田官房長官は官邸で川口外相、石破防衛庁長官と協議したが、肝
心の情報が何も集まっていなかったのだから、さまざまなオプションを検討した結果、
「撤退せず」という結論に達したわけではなかったのである。
　防衛庁関係者は「これは戦争なんだ。危険を承知でイラク入りした３人が捕まった
くらいで、軍隊を引き揚げられるわけがない」と言う。しかし、安全保障を担当して
いた元政府高官はこう言っている。
「犯人グループの素性がわからず、連絡方法もない以上、官房長官の記者会見が唯一
の犯人へのメッセージになったわけです。そこで、早々と『自衛隊撤退せず』と明言
する必要性があったのかどうか。自ら選択肢を狭める前に、例えば、犯人グループへ
の呼びかけとか、３日間という期限の引き延ばしとか、いろんな交渉戦術があったで
しょう。もちろん、首相があらゆるオプションを検討した結果の政治決断であるのな
らば、それなりに評価もするが、そうした経緯もなかったようだ。最悪の結末になっ
たときに、きっと問題になりますよ」
　政府は今ごろになって、首相が中東衛星テレビで犯行グループに解放を呼びかける
案を検討している。最初に要求を突っぱねておいて、それから“懐柔策”とはチグハ
グである。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月10日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月10日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  やっぱり起こった！！　イラク　日本人３人人質今後の展開
  ブッシュ追従で自衛隊派遣した小泉ポチ公
  これは無責任小泉の責任だ
  イラク全土戦争状態　小泉シナリオ崩壊

 ■ 株価　イラク人質事件で１万２０００円割れ
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ ＮＴＴドコモ　津田志郎次期社長の「課題」
       ・ イトーヨーカ堂　鈴木会長完全支配
       ・ 西武鉄道大甘決着　社長降格でごまかし堤会長は処分なし
       ・ スーパー２強対決　イオン初の売上高首位、ヨーカ堂抜く
       ・ 三菱自再建　出資比率めぐり協議へ
       ・ 日航インターナショナル　客室乗務員１２０人採用
       ・ 色っぽい！　命名「シャネル　ルミエール」


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ やっぱり起こった！！　イラク　日本人３人人質今後の展開
■ ブッシュ追従で自衛隊派遣した小泉ポチ公
■ これは無責任小泉の責任だ
■ イラク全土戦争状態　小泉シナリオ崩壊
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                       ------------------------------
                        官邸・外務省のオソマツな対応
                       ------------------------------

　イラクの人質事件は、政府・外務省の情報の収集能力の欠如、情報分析力のなさを
露呈した。
　政府が人質を知ったのは「中東のＣＮＮ」と呼ばれるアルジャジーラテレビからの
問い合わせである。外務省では直ちにオペレーションルームに対策本部が置かれたも
のの、情報はまったく入らなかった。
「外務省がバグダッドの日本大使館に問い合わせると『ＣＰＡでも確認できない』と
言われ、結局、アルジャジーラの映像を眺めているしかない状態でした」（事情通）
　問題は小泉首相である。外務省に対策室ができた報告を受けながら、２時間あまり、
新聞社の編集委員や安倍晋三幹事長らと酒を酌み交わし、その後、五反田の仮公邸に
戻っている。
　官邸に入った福田官房長官は会見で「自衛隊が撤退する理由はない」とコメントし
た。もっとも犯行グループからの連絡はなく、コンタクトする方法も分からないから、
アルジャジーラの報道だけで「要求拒否」を決めている。
　川口外相は急きょ、逢沢一郎外務副大臣を現地派遣することを決めたが、逢沢はイ
ラクではなく隣のヨルダンで待機するだけ。そこからバグダッドの日本大使館と連絡
を取り合うことになったが、ＣＰＡ以外にこれという情報網はないのだから手の打ち
ようはない。
　昨夜の唯一の指示は「サマワの報道陣は自衛隊の宿営地に集まること」ということ
だけ。これだって“これ以上の人質はゴメンだ”という話。
　こんなお粗末な情報収集力では、誘拐犯と接触できるまでに人質の３人は最悪の事
態を迎えてしまう。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月8日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月 8日号 -2
■■■        http://www.ngendai.com
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【小泉改革　偽りの正体】
        道路公団民営化委・元委員長代理
        行革のプロ　田中一昭氏インタビュー（３） ──
  ▼ 【この会社の人と事件（笹子勝哉）】
        三菱グループ「金曜会」の悩み ──
  ▼ 【新富八郎の株ズバリ一発】
        医薬品卸売り大手〈スズケン〉創薬ビジネスが花開く ──
  ▼ 【耳より情報】
        分割銘柄の有望株は？ ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 退職者続出のワケは ──
        ・ 捕らぬ狸の皮算用？ ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        個人向け無料コンサルサービス体験記
        どこが一番利用しやすくてどこが一番親切か？ ――

   ≫ 一体何に使っているのか　「官房機密費」毎月１億円ずつ引き出し
   ≫ あのビル・ゲイツを抜いた「世界一の大金持ち」の素顔
   ≫ 明大ラグビー部合宿で先輩に酒を勧められ新人９人急性中毒に
   ≫ 講談社「文化賞」　山本皓一氏らに

     ▽ 一体何に使っているのか　「官房機密費」毎月１億円ずつ引き出し ▽

　首相と官房長官が自由裁量で使える「官房機密費」を、歴代の官房長官が毎月１億
円ずつ引き出している実態が明らかになった。毎日新聞が政府に情報公開請求して入
手した関連文書によると、橋本内閣当時の９８年４月から小泉内閣の今年１月まで、
歴代官房長官が、ほぼ毎月１億円ずつ機械的に引き出して使っていた。
　それら機密費の請求書には使途の記載は一切なく、官房長官が内閣府の会計課長に
提出するだけで数日中に“前渡し”されている。また期間内では小渕首相が病気で倒
れて森内閣が発足した００年４月の２億４０００万円が最多。
　年間で合算すると９９年度、００年度が約１３億円だったが、０１年８月に外務省
の要人外国訪問支援室長による機密費詐取事件が発覚後、福田官房長官が１割削減を
言い出して０１年度、０２年度はやや減少気味。だが、毎月１億円ずつ引き出す慣行
は今も続き、首相と官房長官が領収証なしで使える「つかみ金」の使い道は依然とし
て明らかになっていない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月3日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月 3日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  今の防衛庁長官はとにかく危険で恐ろしい
  不穏な目付きの軍事オタクなどとバカにしているだけだと
  いまにこの国は取り返しのつかない事態になるぞ
  菅民主党の皆さんナメられていては駄目だ

 ■ 橋本派もう修復不可能　やっぱり流れた青木、野中の「手打ち」会合
 ■ 厚労省年金官僚の疑惑発覚　「選択」事件“深い闇”
 ■ バグダッド陥落１周年でテロ激化　４月９日自衛隊が狙われている
 ■ 《国交省》“回転ドアの危険性”１年前から認識しながら放置
 ■ 《山拓》「北朝鮮と接触」の姑息な狙い
    《古賀》学歴詐称事件で捜査員渡米
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 米国政府が公式勧告　「水銀マグロ」の食べ過ぎに気をつけろ！
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ ０４年入社式　注目企業のトップひと言
       ・ 《三菱自動車》政投銀出資構想が急浮上
       ・ “ＪＡＬ”ＶＳ“ＡＮＡ”激突！
          中国路線舞台に繰り広げられる死闘
       ・ カネボウの医薬品　中国最大手三九が買収に名乗り　……他


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 今の防衛庁長官はとにかく危険で恐ろしい
■ 不穏な目付きの軍事オタクなどとバカにしているだけだと
■ いまにこの国は取り返しのつかない事態になるぞ
■ 菅民主党の皆さんナメられていては駄目だ
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       --------------------------------------------------------------
          いい気になって危ない発言を繰り返しエスカレートさせている
        石破という三文代議士をのさばらせていると大変なことになりそう

                       ２０世紀の怪物ヒトラーも最初は
               みんなでバカにして本気で相手にしていなかった。
             悲劇の歴史を繰り返さないために石破という危険な芽を
            排除しておかないと自衛隊が何をするか分からなくなるぞ
       --------------------------------------------------------------

　シビリアンコントロール――文民統制と訳されるこの言葉にはこんな意味がある。
〈巨大化する軍隊をコントロールするために、軍の最高司令官に非軍人の首相や大統
領を置き、さらに国民の代表である議会に立法や予算、弾劾権を持たせて外から統制
すること〉
　日本では第２次世界大戦で軍人・東条英機が首相になり戦争へと暴走した歴史があ
る。そんなことがないように、軍人を政治に口出しさせないようにするシステムであ
る。ところがその文民統制を政治家の側から壊すような発言が出てきた。大新聞はほ
とんど報じなかったが、石破茂・防衛庁長官が先月２７日の防衛医科大の卒業式でこ
んなことを言っているのだ。
「自衛官が専門家として政治に対して意見を言うのは権利であり義務である。政治に
関与してはならないが、政治に意見を言うことは民主主義国家での（自衛官の）義務
だ」
　石破は昨年９月、自衛隊幹部会でも同様の訓示をしている。
「自衛官と事務官は車の両輪。最高司令官の総理を支え、法律や予算、装備・運用に
ついて意見を述べることは諸官の義務であり権利である」
　要するに自衛隊幹部はもっと政治に関与しろとそそのかしているのだ。これはおか
しい。シビリアンコントロールの原則に反するだけでなく、自衛隊法第６１条「隊員
は選挙権の行使を除く政治的行為をしてはならない」に違反している。
　まだある。石破は３０日の国会で「シビリアンコントロールも大事だが、国民の生
命・財産に被害があってはならない」とまで言っている。首相が自衛隊出動を命じる
には安全保障会議や閣議の決定が必要だが、「そんなのはいらない」と言うのだ。危
機をあおっての統帥権強化。憲法も自衛隊法もあったものではない。

                 ▼ シビリアンコントロールなどクソくらえ ▼

　石破といえば、作家の佐藤愛子氏が「どこを見ているか分からない目で首を傾ける
さまは浄瑠璃人形のよう」と評した不穏な目つきの軍事オタク。「防衛六法」が愛読
書で、趣味のプラモデル作りはこれまで２００個。自宅、議員会館、防衛庁長官室に
は戦艦、戦闘機の模型が所狭しと飾られている。
　だから防衛庁長官は“趣味と実益”を兼ねた仕事。１月には地元・鳥取の後援会に
出席後、自衛隊機で北海道の自衛隊基地に飛んでいる。
　こうした公私混同を含めた自衛隊機使用は就任１年半で実に２７回にも及ぶ。
　石破は三井銀行マンから参院議員だった父・二朗の後を継ぎ当選６回。９４年には
「改革ができない金権自民党にはいられない」と離党し新生党入りしたが、すぐに
「改革は熱病だった」と出戻り、金権の経世会入りした。変わり身の早い三文代議士
である。
　それだけに石破は戦後の歴代防衛庁長官の中ではもっとも危険な人物である。作家
の山中恒氏が言う。
「小泉首相とタッグを組んでこれほど短期間に軍事強化させた防衛庁長官はいません。
このまま行けば防衛問題は『専門家に任せろ』と制服組が支配することになりかねな
いのです」
　なんとも恐るべき事態である。

                        ▼ 軍事オタクの危ない言動 ▼

　石破は、これまでも危ない発言を連発している。
　０２年１２月に米国に出かけたときは、ラムズフェルド国防長官を前に舞い上がっ
たのか、ミサイル防衛（ＭＤ）について、「将来における開発・配備を視野に入れた
うえで検討を行いたい」と先走った。ＭＤについては、自民党内にも「集団的自衛権
の行使に当たる」と根強い批判があるから「石破は何をハシャいでいるんだ」とコキ
下ろされた。
　海外に行くと異様にコーフンするのが、この大臣の特徴のようで、今年１月のオラ
ンダ訪問時には、武器輸出三原則について「政府として検討することが必要」と見直
しの考えを表明した。
　国会でも、北朝鮮の脅威に関連して、自衛隊が敵基地攻撃能力を持つ必要性につい
て「検討する価値がある」と答弁。「先制攻撃は違憲ではない」というブッシュばり
の発言もしている。
　先日は自民党議員のパーティーで、「自衛隊はいままで“自閉隊”と言われてきた」
と問題発言。勇ましい言動はあっても、弱者への配慮は、これっぽっちもない。
　しかも最近は自由にできる“オモチャの軍隊づくり”まで始めた。テロやゲリラ攻
撃に対する専門部隊との名目で、長官直属の「特殊作戦群」を発足させたのである。
こんなのクーデター要因になりかねない。

               ▼ ヒトラーも最初はみんなにバカにされていた ▼

　今のところ、自民党国防族も「突拍子もない発言」「精神的にハイになっている」
と相手にしないくらいだから、“バカボン大臣”に同調する者は少ない。しかし、だ
からこそ危険だということは歴史が証明している。世界最悪の指導者ヒトラーは、突
然独裁者になったのではないからだ。
「ヒトラーのエキセントリックな主張は、当初、皆にバカにされていました。もとも
とオーストリア人で、小さいころは落第と転校を繰り返した劣等生。希望した美術の
分野では芽が出ず、屈折した青春を送っている。身長も１７０センチそこそこで見て
くれも悪かった。しかし、ワイマール体制に不満を持つ国民の支持を集めるようにな
り、非合法組織だったナチ党を合法政党にして国政に参加。選挙で権力を手に入れた
のです。風采が上がらずパッとしないのは石破も同じ。屈折して満たされない気持ち
の突破口は攻撃的で右翼的なものになりやすいのです」（評論家・岡本愛彦氏）
　ドイツは侵略と虐殺の国家になった反省から「反ナチ法」などで軍国主義、全体主
義の台頭を芽の小さいうちに潰すことを行っている。
　石破みたいな危険な政治家も早いうちに封じ込めないとダメだ。

                    ▼ 危険な芽は小さなうちに刈り取れ ▼

　もっとも、そんな石破を与党・自民党もスポンサーの財界も内心では容認し、支え
ているのだからあきれる。小泉に負けず劣らずの米国追随の自民党議員たちは、石破
に北朝鮮敵視、ミサイル防衛推進政策をやらせれば日本は安泰と考えている。これは
財界も一緒で、イラク復興特需や防衛産業でのひと儲けをもくろんでいるのだ。
「ブッシュ政権の閣僚を見れば分かるように、イラク侵攻を実行したのは軍産複合体
の代理人ばかり。シビリアンコントロールが崩れるのはかつてのように軍人の台頭で
はなく、今は軍事開発や兵器産業と密接な政治家が扉を開ける。日本の武器輸出解禁
を言う石破長官を財界は大歓迎なのです」（関係者）
　そんな策動をシビリアンコントロールを武器に阻止するのが野党・民主党の仕事。
菅直人代表以下の民主党議員は、あんな軍事小僧にナメられていてはダメだ。前出の
山中恒氏が言う。
「世論調査では軍国化の突破口になる憲法改正に賛成する民主党議員は５割。中には
『核武装すべし』と主張する者もいます。戦後６０年たったとはいえ、戦争の悲惨さ
を知らずに国際協調を名目に軍事化を進めるのは危険極まりないのです」
「ヘンな軍事オタク」とバカにしているうちに、石破茂はバケモノのように成長し日
本は侵略・軍事国家になってしまう。危険な芽は早めに刈り取っておいたほうがいい。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月2日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月 2日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】
        シビリアン組も緊張感はゼロ　質の悪い軍隊が権力を握る怖さ ──
  ▼ 【この会社の人と事件（笹子勝哉）】
        〈東京証券取引所〉初のプロパー社長への不安の声 ──
  ▼ 【ＮＹアナリスト  日本株をこう買う】
        米国株反発　４月相場で１万２０００円実現 ──
  ▼ 【耳より情報】
        グーグル上場でネットブーム再燃 ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ ＮＴＴ有望説の裏 ──
        ・ 相場の強さに救われた！？ ──
  ▼ 【暮らしと仕事の危機管理】
        うつ病かもしれない… ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        グラリときたときの備えは万全か？
        一戸建て耐震改修工事のポイントとお値段 ──
  ▼ 【太田和彦の今夜の居酒屋】
        渋谷駅近くで旨い魚を相手に落ち着いて一杯やるならココ
        渋谷「とみ廣」 ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ 《冷蔵庫死体遺棄》美人歯科助手殺害　犯人は複数の顔見知りか
   ≫ “超法規的”決着へ　テコンドー・岡本選手（アテネ五輪）
   ≫ スイカップアナ　全国デビュー
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      ・ 椿山荘「華の会」にペア５組を
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      ・ 待望！　「ハルウララ」ＤＶＤを１０人に
      ・ ダイドー「缶コーヒー」１ケースを１０人に


─【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】─ 連載 ───────────
 ▼ シビリアン組も緊張感はゼロ　質の悪い軍隊が権力を握る怖さ ──
──────────────────────────────────────

　自衛隊のたるみと腐敗は簡単には直らない。
　シビリアン・コントロールというが、その背広組のトップからして、神経がマヒし
ている。宮城県沖で夕食時に震度６の大地震が起きた昨年６月、防衛庁内にも緊急対
策会議が立ち上げられたが、防衛庁ナンバー２の嶋口施設庁長官が夕方から飲んでい
て、ヘベレケで会議に出席。ヒンシュクを買ったものだが、同じ時刻、ナンバーワン
の伊藤事務次官や本庁局長も大地震発生そっちのけで政治家の宴会に付き合っていた。
この感覚では、２５万自衛隊員に「清く勇ましく」と号令をかけても説得力がない。
「日本の防衛庁・自衛隊は“戦争をしない軍隊”として拡大してきた。安全、安定、
仕事なしだから、緊張感のないのは当然。しかも国防情報や大規模軍事演習、兵器の
選定はすべて在日米軍におんぶにだっこです。水だっていつかは腐る。自衛隊が５０
年の間に、手がつけられないほど腐敗したのもうなずける話です」（軍事ジャーナリ
スト）
　借金漬け、イジメ、ハレンチ事件、自殺続出、裏金作り……と、犯罪の温床になっ
ているのが自衛隊だ。
　イラクへの海外出兵を果たした小泉首相と石破防衛庁長官は今、「自閉隊からの脱
皮」を唱えている。世界中の戦場に自衛隊を送り込み、名実共に米国のパートナーに
なる算段だ。
「石破長官は毎晩のごとく、制服組トップの幕僚長クラスと出歩き、自衛隊の今後の
展開や北朝鮮情勢について楽しそうに話し合っている」（事情通）という。イラクや
テロ、北朝鮮にかこつけて、ミサイル防衛システムやら「首都圏テロ防衛隊」新設を
言い始めている。いずれ防衛庁は「省」に格上げされ、軍国化法案の仕上げである憲
法改正の日も近い。
　だが、これほど怖いことはない。質の悪い軍隊が、権力だけ握り、国民やメディア
の監視が届かなくなる。行き着く先は大暴走だ。戦前・戦中の旧日本軍の動きと見事
なまでにダブってくる。（終わり）

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年4月1日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 4月 1日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】
        案の定、裏金作りもやっている ──
  ▼ 【この会社の人と事件（須田慎一郎）】
        尖閣諸島上陸で官邸、霞が関は大混乱 ──
  ▼ 【新富八郎の株ズバリ一発】
        〈シチズン時計〉電波時計大ヒットで業績様変わり ──
  ▼ 【耳より情報】
        株式版「競馬」スタート ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ アノマリー現象！？ ──
        ・ 関西仕手筋が復活 ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        専門家４氏が分析　ハルウララ騒動でハッキリ分かった
        現代サラリーマンの満たされない胸のうち ――
  ▼ 【太田和彦の今夜の居酒屋】
        コの字カウンターを囲む面々に共通するのは「夢」　下北沢『宮鍵』 ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ 《磐田市長長女５日間の失跡》本当に「家出」だったのか
   ≫ 国家公務員　３割が今も給料手渡し
   ≫ 日経のドン・鶴田元社長の慰労金支給を留保
   ≫ 新手のホテヘル摘発　「素人娘」をウリに３億円の荒稼ぎ

 ⇒ 読者プレゼント！
   ≫ 創刊の「鉄道データファイル」とＤＶＤコレクションを５人に
   ≫ 「東京デンジャラス・ボーイ」を愛読者１０人に


─【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】─ 連載 ───────────
 ▼ 案の定、裏金作りもやっている ──
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              ◆ 組織ぐるみ、業者癒着、トップほどセコい手口 ◆

　北海道警、福岡県警、広島労働局と公務員の裏金工作の実態が次々と明るみに出て
いるが、自衛隊も同じ穴のムジナだ。案の定というか、セッセと裏金づくりに励む姿
が漏れてきた。
　陸自の某方面隊で会計隊本部に勤務していた４０代の元自衛官の証言はショッキン
グだ。
「私が勤務していた頃から裏金づくりは慣例化していました。部隊ごとに共済組合で
『親睦会』名義の口座をつくり、裏金をプールするのです。口座の管理は各隊の庶務
班長の役目で、組織的に行われていました」
　裏金に消えたカネは大きく分けて２種類。１つは糧食費だ。
「あらゆる経費の中で水増ししやすいのが糧食費です。コメから肉まで、発注品目を
入れ替えるだけで簡単に経理操作できます。納入業者に実際より高値の請求書を書い
てもらうのも公然の秘密。担当者は毎日、業者と連絡を取り合いながら、差額のチェ
ックをしていました」
　もう１つはカラ出張による旅費の不正請求だ。
「アチコチの役所と同じように自衛隊でもカラ出張は横行しています。各隊員とも出
張を出納窓口に申請すれば、ほぼノーチェックで現金が支給される。年度末になると
各隊員は『隊務研修』といって、他部隊の視察が義務付けられていますが、彼らは上
司の命令で出張申請だけ済ませ実際は何人かがサボる。浮いた旅費の現金を裏口座に
回すのです」
　こうして捻出された裏金は、１つの方面隊で年間３００万円程度に上ったという。
ほぼ全額が部隊長同士の会合費や佐官クラスの交際費に消えたというから北海道警ソ
ックリだ。
「自衛隊は階級が上になるほどカネに汚い。ある総監は地方出張の際、運転手に支給
される“出張手当”を奪い、裏口座に入れていました」
　取引業者との癒着も横行している。
「総務部の幹部は業者からキックバックを平気な顔で受け取っていました。部下が何
かを買おうとすると、目ざとく情報をキャッチし、自分の息のかかった業者を勧めて
くるのです。商品は生保、損保、住宅ローンから自動車、パソコン、カニの缶詰まで
何でもアリ。総務は隊員全員の人事権を握っており、下手に逆らうと昇進に響く。隊
員は癒着の実態を知りながら、シブシブ従わざるを得ませんでした」
　その上、イラク派兵だといっては、国民の税金である予算がポーンと３７７億円も
上乗せされるのだから、たまったものじゃない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年3月31日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 3月31日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】
        星の数ほどあるハレンチ事件 ──
  ▼ 【この会社の人と事件（野村隆夫）】
        “山口敏夫銘柄”東京理化工業所の新社長の変わった経歴 ──
  ▼ 【兜町プロの目（山ノ上武士）】
        市場エネルギー拡大は株高の先行指標
        外国人が日本再生の先取り ──
  ▼ 【耳より情報】
        竹中大臣、大ハシャギ ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 再編の意外な“主役” ──
        ・ またもＴＯＢ合戦！？ ──
  ▼ 【ロト６出目予想】
        “超完全ミニロト”後は「３３」が必出！？ ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        児童を狙った殺人、傷害、誘拐事件が多発中
        入学シーズン　忍び寄る魔の手から子供を守れ！！ ──

   ≫ 回転ドアだけではない　六本木ヒルズといういかがわしい場所
   ≫ ２月の失業率５．０％　求人倍率改善せず
   ≫ 三越社員が商品券５０００万円分を着服
   ≫ 日テレ　またヤラセ


─【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】─ 連載 ───────────
 ▼ 星の数ほどあるハレンチ事件 ──
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              ◆ 本番ビデオ出演の大尉　Ｈサイト開設の少佐… ◆

　自衛隊は「三尉」以上の１７．５％の幹部が約２０万人の下士官をコントロールし
ている。ところが、そのトップエリートたちが率先してハレンチ事件を起こしている
から、救いがない。
　昨年だけみても、１月には青森・大湊航空隊の一等海尉（３４）が、出会い系サイ
トで知り合った３１歳女性とハメ撮りした本番ビデオをネットで販売して捕まった。
その３カ月後には厚木基地の一等海尉（３０）が中３少女との援助交際で逮捕。同月、
航空幕僚監部の三佐（３９）が防衛庁のパソコンを使ってアダルトサイトを開設、投
稿Ｈ写真を流して捕まっている。
「一等海尉といえば、昔なら海軍大尉、三等陸佐は陸軍少佐にあたるエリート幹部。
３００人から１０００人近くの隊員を束ねています。これらの事件だけでも、自衛隊
のモラルの低さは一目瞭然ですが、過去にさかのぼれば、レイプ、盗撮、窃盗、覚醒
剤使用などで逮捕された幹部がいます。また、新聞ざたになっていないハレンチ不祥
事も埋もれている。一つ例を挙げると、数年前にあった『屋形船・乱交パーティー騒
ぎ』です。陸海空どれかは明かせませんが、防大同期の幹部約３０人が都内の屋形船
に有名ＡＶ女優数人をゲストに呼び、酔ったあげく、大乱交を行ったのです」（防衛
庁関係者）
　幹部が幹部だから下士官のハレンチ事件は、それこそ星の数ほどある。昨年一年間
で逮捕され、新聞に載った例だけでこれだけだ。
　海士長（２０）が女子高生（１５）と援交（山口）、海自隊員（１７）が少女（９）
に強制わいせつ（広島）、陸自隊員（２１）がスナック店員（１８）を軽ワゴン車内
でレイプ（福岡）、二等陸曹（４２）が連続アパート侵入レイプ（長崎）、三等陸曹
（２７）が少女（１４）に淫行（福島）、二等空曹（３６）が飲食店女子寮に侵入
（福岡）、陸士長（２１）が女子高生（１７）と淫行（新潟）、陸自三曹（２６）が
女子トイレに侵入（埼玉）、陸自一士（１９）が女子高生（１７）をナイフで脅して
レイプ（千歳）――。
　ハレンチ事件横行は今年に入っても変わっていない。サマワで一躍脚光を浴びる自
衛隊だが、海外派兵だって、カンボジアＰＫＯ（９２年９月～９３年９月）時には陸
曹長（４９）が現地女性との間に“落とし子”をもうけて騒ぎになったこともある。
　イラクで“間違い”が起きなければいいが……。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年3月30日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 3月30日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】
        女性隊員採用はルックス優先 ──
  ▼ 【矢野絢也の永田町一刀両断】
        小泉首相の「ウス笑い」はいつまで持つのか ──
  ▼ 【この会社の人と事件（井上　学）】
        〈マイクロソフト〉
        ＥＵ「巨額制裁金」支払い命令で浮き彫りになった米欧経済戦争 ──
  ▼ 【新富八郎の株ズバリ一発】
        中古ブランド品販売〈コメ兵〉東京進出で業容拡大 ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 大証株はバカ高値！？ ──
        ・ ハイテク相場の仕掛け人 ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        《職業移動時代》元サラリーマンが選んだもうひとつの人生
        「三井物産」から「デイケアサービス業」に ──
  ▼ 【太田和彦の今夜の居酒屋】
        繊細でくっきりした料理と上品な店内がぴったりマッチ
        下高井戸「おふろ」 ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ 謎だらけ、通り魔説も…
      磐田市長の長女（美人女子大生）に何があったのか？
   ≫ カナダでも鳥インフルエンザ人に感染
   ≫ ＡＶ男優・チョコボール向井　公然わいせつで逮捕

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─【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】─ 連載 ───────────
 ▼ 女性隊員採用はルックス優先 ──
──────────────────────────────────────

               ◆ 「セクハラと不倫の温床」を囁かれるユエン ◆

　サマワでけなげに働く女性自衛官１１人が、マスコミの脚光を浴びている。自衛隊
員２５万人中、女性隊員は計１万６１４人（０３年３月３１日現在）。“希少”な存
在だけに、男社会の中では常に苦労と危険の隣り合わせだ。
　２年前、福島・陸自郡山駐屯地の一等陸曹（４１）が、カラオケ店で女性隊員（２
０）を泥酔させ、ズボンに手を入れて陰部を触ったとして起訴されたが、これは氷山
の一角。茨城・勝田駐屯地では女性陸士（２１）のアパートに忍び込み下着を盗んだ
うえレイプしようとして捕まった二等陸尉（３１）が現れ、神奈川・武山駐屯地では
体験入隊した女子高生が盗撮に遭っている。
　新聞事件にならないまでも、きわどい話はワンサカだ。埼玉・朝霞駐屯地を経て西
部方面隊の通信部隊に約４年所属した元陸自の女性隊員（３１）が言う。
「部隊は約３０人で、そのうち半分が中年男性でした。お尻を触るといった古典的な
セクハラは日常茶飯事。エロ本を見せられたり、『牛乳くれ。ただし君の母乳でね！』
と言われたこともあります」
　知らない男性隊員から舎内の内線電話で飲みに誘われたり、営内のＰＸ（直営売店）
で買い物をしていると、不意打ちで写真を“撮り逃げ”されたこともあったという。
不倫ザタも盛んだ。「自衛隊は不倫の温床」ともいわれる。
「上官服従が絶対の自衛隊では、幹部に飲みに誘われて断るのはまずムリ。そのまま、
ズルズルと関係を持つ同期隊員が結構いました。５０歳近い妻子持ちの中隊長（二佐）
の愛人になったとたん、まるで秘書同然になった子もいます。『総監部付隊』や『司
令部付隊』など、一佐、二佐クラスの高級幹部の身の回りの世話をする部隊は、北朝
鮮の“喜び組”も顔負けの美女ぞろいなんです」（元東部方面会計隊の女性自衛官・
３２）
　でも、幹部以下の隊員に“恩恵”はない。
「女性隊員で実力入隊組は一握り。ほとんどは親や親戚が防衛庁幹部でコネ採用され
た“官品娘”か、ルックス優先です。除隊後、『ミス高知』になりモデルに転身した
美人隊員もいました。事情を知らずに、ちょっかいを出す男性は痛い目に遭う。官品
娘に手を出して、島流しのように関東から北海道の駐屯地に異動させられた若い隊員
もいます」（防衛庁関係者）
　こんなんで、国を守れるのか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年3月27日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 3月27日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】
        首つり自殺も起きた隊内イジメの横行 ──
  ▼ 【日本経済一歩先の真相（高橋乗宣・明海大教授）】
        地価騰落の決め手は行政サービス ──
  ▼ 【この会社の人と事件（伊藤　歩）】
        中央青山監査法人　監査を厳格化？ ――
  ▼ 【新富八郎の株ズバリ一発】
        次の物色対象を先取り
        《デンソー》初の経常利益２０００億円乗せ ──
  ▼ 【耳より情報】
        外国人、「超買い越し」 ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 湾岸銀行いよいよ始動！？ ──
        ・ みずほ、系列証券統合か？ ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ 長野で極秘静養　雅子妃に何があったのか！？
   ≫ ムツゴロウ王国東京移転計画に「待った！」
   ≫ 営団地下鉄　運賃取り過ぎミス


─【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】─ 連載 ──────────
 ▼ 首つり自殺も起きた隊内イジメの横行 ──
──────────────────────────────────────

                ◆ 「議員接待がヘタ」と陸将補は部下を暴行 ◆

　軍隊では、しごきや暴力が当たり前だが、防衛庁は必死に隠そうとしている。悪質
なイジメが自衛隊内の自殺者続出につながっているからだ。
「自衛隊は閉鎖社会、階級社会だからストレスがたまる。ウサ晴らしで、部下をイジ
めるなんて日常茶飯事です。“教育”とか“訓練”と称して、何日も寝かせなかった
り、２４時間ぶっ通しで駐屯地の営門で立哨させたり、巡回させる。ひどいと、この
警衛勤務を半月させられる。精神状態に支障をきたさない方が不思議です」（東部方
面隊関係者）
　イジメの理由はささいなことだ。
「行進訓練中、隊列を乱したりする、ちょっとトロい隊員がいるでしょう。このタイ
プがターゲットになる。一人がポカをすれば班全体の連帯責任となり、『腕立て伏せ
１００回』などのペナルティーを受けるし、上官の昇任に響く。足手まといの隊員は、
アメリカ映画みたいに営内班で就寝中、濡れたタオルでくるんだせっけんをミゾオチ
にパシッと打ちつけたり、班全員で無視されるのです。退職させるのが目的です」
（西部方面隊関係者）
　逆に、できる者もイジメの対象になる。いい例が５年前に起きた護衛艦「さわぎり」
の三等海曹（２１）首つり事件だ。若くして「曹」になったために、苦労して昇任し
てきた先輩隊員に「目の敵」にされた。預金を勝手に引き下ろされていたことも、遺
書や親の調べで分かった。かと思えば、３年前、護衛艦「うみぎり」では、先輩の暴
力が原因とみられる隊員による放火事件も立て続けに起きた。もうムチャクチャだ。
「信じられないことは大幹部の間でも起きています。表ざたになっていませんが、防
衛庁で有名な暴行事件がある。３年前、自民、民主、自由３党の安保関係議員団がワ
シントンを訪問した際、在米日本大使館勤務の防衛駐在官（陸将補）が部下の補佐官
（二佐）を殴り全治１０日のケガを負わせたというのです。理由は大使館の議員団接
待の時、補佐官の『クルマの手配の手際が悪い』というもの。このレベルなのです」
（防衛庁関係者）
　上が上だから、下が乱れるのも当然か。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年3月26日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 3月26日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】
        風俗街のカモにされている隊員 ──
  ▼ 【金子　勝（慶大教授）の天下の逆襲】
        サッカー・Ｕ─２３アテネ五輪出場
        日本人が求めていた「集団」の成功物語 ──
  ▼ 【この会社の人と事件（笹子勝哉）】
        〈みずほ銀行〉前田体制作りの人事が裏目 ──
  ▼ 【ＮＹアナリスト  日本株をこう買う】
        ブロードバンド関連の小型株〈マクロミル〉
        中期利益成長は年率７０％ ──
  ▼ 【耳より情報】
        日本株セミナーは大盛況だが ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 広告銘柄は不振 ──
        ・ 株主優遇の裏は？ ──
  ▼ 【暮らしと仕事の危機管理】
        マンション建て替え ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        明日はわが身？！　中高年よ“ＳＴＤ（性感染症）”に気をつけろ ──
  ▼ 【太田和彦の今夜の居酒屋】
        往年の艶冶な小料理屋の風を生々しく残す　秋葉原「赤津加」 ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ 懲戒免職になったロリコン教師のトンデモ生活
   ≫ 一流大学ほどモロい　就職難で学生の自殺が急増
   ≫ 女優・三ツ矢歌子さん死去（６７歳）
   ≫ 《欧州ＣＬ》レアルが逆転勝ち

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      ・ 音漏れ低減「ヘッドホン」を５人に
      ・ 「鳴門の糸わかめ」を１０人に


─【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】─ 連載 ───────────
 ▼ 風俗街のカモにされている隊員 ──
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                     ◇ それを待ち受ける消費者金融… ◇

　借金まみれの自殺者が毎年数十人も出る自衛隊。そのオンナ遊び、バクチはハンパ
じゃない。大宮駐屯地に勤務していた第３２普通科連隊の元陸士長の証言は衝撃的だ。
「オンナ好きの自衛官は訓練時間より、近所の『大宮南銀座』でホステスを口説いた
り、ソープでセックスしている方が長いんじゃないかと思ったくらいです。大宮で飽
き足らない隊員は、平日なのに夕方から池袋、新宿まで遠出するヤツもいる。特別外
出の許可をとれば、翌朝７時３０分までに中隊に戻ればいいんです。歌舞伎町のキャ
バクラに通いつめた揚げ句、キャバ嬢におだてられてポーンと６００万円もするドイ
ツ車『アウディ』を貢いだ隊員もいました。カネはもちろん借金。この隊員は結局、
クビが回らなくなり、２期４年で退職しました」
　いくら“節約”に励んでも、１回遊べば２、３万円はかかる。なのに若い陸士長の
手取り月給は約１６万円前後。週３日、４日、こんなペースでカネを使っていれば底
をつくのはアッという間だ。
　オンナと並んで自衛官がハマっているのがギャンブルだ。東北方面隊第６師団管内
の関係者がこう言う。
「陸自は午後５時の“終令”が終わると消灯の午後１１時まではフリー。最も多いの
は平日、営内で食事した後、パチンコ店に直行する隊員です。駐屯地で生活する“営
内者”であれば、衣食住の心配は一切無用。だから、『イチかバチか』で、スッテン
テンになるまでパチンコ台の前に座っている隊員もいました。資金が尽きればサラ金
です。取りっぱぐれの心配がない隊員はいくらでも貸してもらえるから、調達して翌
日再び出陣か、寝泊まりする営内班での麻雀、トランプです。いずれも中隊では禁止
されていますが、お目付け役の『専任曹長』にさえバレなければオッケー。レートは
さまざまですが、１日で２万円前後の金銭が動くのは当たり前でした」
　自衛官はどうしてこうもオンナ、賭け事に没頭するのか。
「オンナにハマる自衛官の多くは、体力があり余っているくせに女性に免疫がない。
高卒と同時に男社会に入ったため、遊びと本気の区別がつかない。だから、百戦錬磨
のホステス、風俗嬢からすれば自衛官は“カモ”なのです。ギャンブルは『ヒマ』が
最大の理由です」（防衛庁関係者）
　オンナやギャンブルだけでなく、ウサ晴らしは暴力、部下いじめにも向かう。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年3月25日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 3月25日号 -2
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 ──［ 連 載 記 事 ］──
  ▼ 【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】
        生命保険狙って同僚に自殺強要 ──
  ▼ 【この会社の人と事件（井上　学）】
        〈ダイムラー〉三菱ふそう不祥事は追い風！？ ──
  ▼ 【新富八郎の株ズバリ一発】
        ベアリング大手〈光洋精工〉自動車向け好調、設備投資回復で受注増 ──
  ▼ 【耳より情報】
        ４月は分割埋め戻しスタート ──
  ▼ 【うわさの真偽】
        ・ 相場の柱は消費へ ──
        ・ これぞモラルハザード！？ ──
  ▼ 【サラリーマンワイド】
        日本初の“区版”中高年専門職業紹介所
        「サポしながわ」２年間の成果 ――
  ▼ 【太田和彦の今夜の居酒屋】
        本郷の居酒屋で一杯やる落ち着きに、東京の成熟を味わう
        本郷「季よし」 ──

 ⇒ Today's Topics
   ≫ 《福岡一家４人殺害》残虐非道な「皆殺し手口」の一部始終
   ≫ 江角マキコ国会招致　民主党要求
   ≫ “ブルース刑事”自殺か　「太陽にほえろ！」出演の又野さん

 ⇒ 読者プレゼント！
   ≫ 「野手のための筋力と眼のトレーニング」を５人に


─【“事件”“不祥事”相次ぐ自衛隊荒廃の惨状】─ 新連載 ──────────
 ▼ 生命保険狙って同僚に自殺強要 ──
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             ◆ 《サマワ志願》手当１２０万円目当ての自衛官も ◆

　イラク・サマワでの活動が連日ＰＲされている日本の自衛隊。だが、その実像をど
れだけの国民が知っていることか。ハッキリ言って、５０年目の自衛隊内ではすさま
じい荒廃が進んでいる。
　つい最近も、「同僚に自殺強要」という信じられない事件が明るみに出た。数千万
円の借金を抱えた第４師団（福岡県久留米市）の陸曹長（５２）が、同じく数千万円
を消費者金融から借りていた一等陸曹（５１）に、「おまえが自殺しないならオレが
自殺する」と、手紙で自殺を教唆。結局、追い詰められた一等陸曹は自ら駐屯地内の
トラックの下敷きになって自殺した。
「借金は競輪などの遊興費で膨らんだ。２人はそれぞれ連帯保証人になっていて、生
命保険で借金を補おうとした」（関係者）という。
「自殺しろ」とは驚きだが、そろって「消費者金融から数千万円」もただ事じゃない。
　自衛隊員はもともと衣食住が無料（幹部と妻帯者は別）だ。５０歳曹長クラスで年
収６００万円前後だから、まじめにやっていれば、十分生活できるのだが、「借金を
していない自衛官は少ない」（防衛庁関係者）らしい。禁止事項になっている花札や
トランプ、麻雀の賭け事にのめり込む隊員が多いからだ。さらにエスカレートすると、
「借金を重ねてまで、週２回の休日には高級クラブや“ちょんの間”街、公営ギャン
ブルに通います。事件を起こした同期の曹長と一等陸曹は若い頃から遊びほうけて、
５０代になってもその習慣が抜けなかったようです。あと２年で退官する（曹クラス
は５３歳定年）のだから、退職金で返済すればよかったのに、自殺教唆とは情けない」
（元陸自隊員）
　今回のサマワ派遣で一気に借金を返そうという隊員も多いという。
「行くのは、日本のためとか国民のためという考えは全くありません。理由は簡単で、
カネのためです。行けばバカでも１階級昇任しますし、昇級すれば給料も上がる。イ
ラクに行かない隊員に比べ、特別手当が毎日３万円（税引き前）、さらに遠距離手当
などがついて給料以外に１カ月１２０万円もらえますからね。帰ってから、どの風俗
店に行こうかと考えています」（２月２１日に派遣された名寄・第３普通科連隊の隊
員）
　イラク派遣の倍率が、１０倍もの人気になった裏には、こんな事情も隠されている
のだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年1月28日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 1月28日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  野党の無力、公明党のでかい面にむかつく心ある庶民
  問題の衆議院予算委員会が始まったが、
  もう止めようがないこの国のファッショ回帰の道
  不況下の戦争　暗い時代に再突入の始まり

 ■ 外交官２人射殺事件　《米軍誤射説》国会で再燃
 ■ 自己破産者２２万人“過去最悪”どんな人なのか
 ■ ＵＦＪ危機は参院選対策
 ■ 山拓マッ青大誤算　「離党して議員続ける」
 ■ ソニー・松下グループに暗雲　米司法省が独禁法調査
 ■ 課長イジメ現象　大企業でマン延中
 ■ ＤＶＤがＶＴＲを抜く　昨年の出荷台数
 ■ 【話題の焦点】
       ・ 税金から割増退職金をネコババする
          公務員「特別昇給制度」のインチキ
 ■ 【ビジネス＆企業Ｎｅｗｓ】
       ・ 騒動拡大・株価急落　ＵＦＪの言い分と反響
       ・ 衝撃〈第２弾〉明星食品「チャルメラ」も外資が筆頭株主
       ・ 〈三菱自動車〉復興便乗商法の賭け　この時期にイラク参入
       ・ 〈松下電器〉中村社長が「続投」表明
       ・ 「のぞき見」できません


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 野党の無力、公明党のでかい面にむかつく心ある庶民
■ 問題の衆議院予算委員会が始まったが、
■ もう止めようがないこの国のファッショ回帰の道
■ 不況下の戦争　暗い時代に再突入の始まり
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          --------------------------------------------------------
               イラクへの自衛隊本隊派遣から始まるこれから先の
             国と国民生活を有識層は懸念しているが、小泉自民党と
                奇怪な宗教政党・公明党の暴走に最早対抗策なし

             復興支援は口先の名目、この一線を突破すれば、あとは
           野となれ山となれの戦前並みの天皇制国家復活が待っている
          --------------------------------------------------------

　陸上自衛隊本隊へのイラク派遣命令で、日の丸を掲げた戦闘部隊の“戦地”投入が
現実になった。
　海外派兵はもちろん憲法違反。まともな有権者なら、無力な野党にイラ立ち、平和
主義を装いながら派兵を後押しする横柄な公明党にムカついて当然である。
　実際、２６日に始まった衆院予算委での質疑は、海外派兵のセレモニーそのもの。
野党の死に物狂いの抵抗もなければ、審議ストップもない。戦争屋ブッシュにベッタ
リの小泉と、与党になって何でもアリの宗教政党の暴走を食い止めるには役に立ちそ
うもない。政治評論家の山口朝雄氏がこう言う。
「政府答弁は従来の強弁、詭弁、こじつけの繰り返しで、野党も無力感が漂い、迫力
不足でした。例えば米政府の大量破壊兵器の捜索調査団長を辞めたデビッド・ケイ氏
が『イラクは湾岸戦争後、大量破壊兵器を造ったり、備蓄した形跡はない』と言って
いるのに、小泉首相は『大量破壊兵器はないとは言い切れない』と強弁し、野党はそ
れを攻め切れない。大義なき戦争を認めれば、どんな戦争も正しいということになる。
そんなデタラメが国会でまかり通っているのです」
　世論もすっかり変わってしまった。陸自先遣隊と現地住民との交流が繰り返し報道
されたＰＲ効果で、イラク派兵に「半数以上が反対」だった世論は、「半数以上が賛
成」になっている。
　自民・公明両党が強行するイラク戦争への自衛隊参加は、戦前に経験した「不況下
での戦争」という暗い時代の始まりということに思い及ばないようだ。

                   ◆ イラク派兵を突破口に憲法９条廃止 ◆

　自民党と公明党が考えていることはミエミエだ。
　復興支援を口実に自衛隊の海外派兵を実現。これを突破口に、憲法９条（戦争放棄）
を取っ払い、自衛隊を正式な軍隊にして、いつでもどこでも米軍と共同行動できるよ
うにすることだ。
　評論家の岡本愛彦氏が言う。
「特攻隊に感動し、靖国参拝を優先させる小泉首相の理想は軍人が尊敬される国なの
でしょう。そのため３年以内に憲法を改正し、本気で自衛隊を軍隊に昇格させようと
している。そんな小泉路線は米国も大歓迎。経済大国でなくなった日本からは軍事協
力しか期待できないからです。軍事的には意味のない自衛隊を戦地のイラクに送り込
んだのは、そのための実績づくりなのです」
　ところが、待ったをかけるべき野党の民主党までが改憲論に乗っているのだから、
小泉の暴走は止めようがない。イラク派遣の部隊がゲリラ攻撃で全滅でもしない限り、
自公のシナリオ通りに進んでいくことになるのだ。
　改憲が実現すれば、国民は自由にモノも言えなくなる。今回の自衛隊派遣でも現地
取材制限を持ち出し、陸海空３幕僚長の会見はやめる。防衛庁のフロアに監視装置を
つけるなどマスコミへの報道規制が強められている。日米共同で軍事行動が始まれば、
こんなレベルではとどまらなくなる。国民は何も知らされないまま戦争に動員されて
いくことになる。
「昭和３８年、自衛隊のクーデター計画が発覚した際、有事に障害となるジャーナリ
ストや政党関係者の逮捕予定者リストが作られていました。改憲後は、米国への協力
に反対するジャーナリストや国民を危険人物としてリストアップして、言論を封じ込
め、場合によっては、逮捕されるかもしれません。政府が気に入らない報道は『国益
に反する』とされるでしょう」（前出の岡本愛彦氏）
　そして仕上げは徴兵制だ。世界中で戦いを繰り広げるようになれば、“日本軍”は
隊員不足に陥るからだ。自公政権の手で、この国はいつか来た道に踏み込んでしまっ
たのだ。

                   ◆ 軍事大国化の犠牲にされる庶民生活 ◆

　庶民生活も一変する。自公政権の軍事優先のツケはすべて庶民に回されるからだ。
既に財政再建を口実に社会保障関連予算はバサバサと削られ、社会保険料引き上げや
増税による庶民ツケ回しが始まっている。軍事大国化が進めば拍車がかかり、庶民は
耐乏生活を強いられることになる。
「自衛隊が米軍と共同行動を取るようになると軍事予算はどんどん増えていきます。
自衛隊はこれまで『専守防衛では必要なし』と武器や装備品を厳しく制限されてきた。
しかし、海外に行くには今の装備では不十分。兵員や食料・装備、戦車を運べる大型
輸送機や大型輸送船が必要だということになる。また、武器類も防御型から攻撃型に
変わり、爆撃機、小型空母も必要だとエスカレートしていく。また、海外出動が増え
れば派遣費用、武器弾薬などでも膨大な支出になる。現在５兆円規模の防衛費は、あ
れよあれよで１０兆円を超す規模に膨れ上がる。本格戦に参加すれば、戦費調達のた
め消費税率を一時的に引き上げる『戦時臨時徴税』も行われるでしょう」（防衛庁事
情通）
　ただでさえ４００兆円の借金を抱えパンク寸前の国家財政で軍事費が増えれば、不
況で倒産・失業で庶民が苦しんでいても、景気対策に回すカネはなくなる。不況に歯
止めがかからず、庶民生活はガタガタ。まさに戦前の「欲しがりません勝つまでは」
の再来で、犠牲にされるのは庶民。日本の軍事費を増やさず、空前の経済的繁栄をも
たらした平和憲法をないがしろにしたツケの重さを思い知らされることになる。

                    ◆ 暗黒時代の再来は絵空事ではない ◆

「初めに自衛隊派兵ありき」の小泉首相は、陸自本隊の派遣実現でニンマリだ。昨年
５月のブッシュとの約束を果たして政権が保証されたうえ、内閣支持率までアップで
は笑いがとまらない。
　海外派兵という一線を越えれば、あとは「日米軍事同盟強化→集団自衛権→憲法改
正」へ一瀉千里だ。神奈川大教授の佐藤司氏（憲法）がこう懸念する。
「『復興支援』は自衛隊派遣の口実で、真の狙いは海外派兵の既成事実化です。マス
コミがそうした隠された目的や、憲法のデタラメ解釈を厳しく追及せず、『サマワで
自衛隊は歓迎されている』といった調子で報じているから、『復興支援ならいいだろ
う』と考える国民が増えている。政府の暴走をチェックできない野党とマスコミ、既
成事実に流されていく国民世論。今の日本は間違いなくファシズムに向かっています」
　多くの国民は「民主主義の日本が戦前の暗い時代に戻ることはありえない」と考え
ているが甘過ぎる。小泉が０５年までにまとめる憲法改正案には「天皇元首化」が盛
り込まれる。国民の反発が強い「徴兵制」は、その後だ。
　庶民は早く目覚めないと、この悪夢が現実になる。「天皇制の軍事大国」に突き進
んでしまえば、もう引き返すことは不可能だからだ。


──────────────────────────────────────
■ 外交官２人射殺事件　《米軍誤射説》国会で再燃
──────────────────────────────────────

           ▼ ２カ月たっても銃弾の正体明かせぬ政府に疑惑深まる ▼

　昨年１１月に起きた奥克彦参事官と井ノ上正盛書記官の外交官殺害事件。あれから
２カ月近くになるが、きのう（２６日）の衆院予算委員会で捜査が全然進んでいない
ことが明らかになった。仰々しく遺体を帰国させた日本政府は、司法解剖までしてお
きながら、いまだに２人の命を奪った銃弾の“正体”さえ分からないというのだから
ビックリだ。
「銃弾の口径は５．４５ミリ、５．５６ミリ、７．６２ミリ、９ミリ、１２．７ミリ
の５種類だけ。２人の遺体に残っていたのはどれか」――民主党・首藤信彦議員は予
算委でこう質問した。答弁に立った小野清子国家公安委員長は「可能な限り公表した
いが、詳細については鑑定中」と逃げるばかりだった。昨年１２月１６日の参院外交
防衛委員会でも「鑑定中」だったから、１カ月以上も鑑定に手間取っていることにな
る。
　日本の警察は、これほど非科学的で三流なのか。元警視庁巡査部長でジャーナリス
トの黒木昭雄氏が言う。
「何口径かを調べるのにかかる日数は、長くても１週間。まれに、銃弾がゆがんでい
たり砕けていて、口径が分からないというケースもあります。しかし、それなら『不
明』となる。事実を公表すると大きな不利益が生じかねないから『鑑定中』にしてい
るのでしょう」
　２人の外交官が乗っていたランドクルーザーは、左側の窓には複数の弾痕が残るが、
右側の窓にはない。そこで首藤議員は「犯人は高いところから撃っている。となると
時速１００キロで走るピックアップトラックの上に仁王立ちして撃ったか、米軍の装
甲車両に搭載された小銃から撃ったかの２つ」と推測してみせた。仮にテロリストが
仁王立ちして撃ったとすれば、口径くらいさっさと公表できるだろう。
　昨年９月、外交官殺害事件の現場に程近いティクリット郊外で、車列に追い越しを
かけるイタリア人外交官の車を敵と勘違いした米軍が発砲し、イラク人通訳が死亡す
るという事件が起きている。それだけに疑惑は深まるばかりだ。弔慰金と称して、政
府から１億円以上を渡された遺族も、真相の解明を望んでいるのではないか。


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■ 自己破産者２２万人“過去最悪”どんな人なのか
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                  ▼ サラリーマン家庭は他人事じゃない ▼

　個人の自己破産者が急増している。最高裁判所のまとめでは、０３年の破産申し立
ては、１１月までの時点で過去最悪を突破して２２万６９５件を記録した。一体どん
な人たちが数字を押し上げているのか。自己破産支援センターの山瀬和彦代表は言う。
「やはり不況の影響から、リストラ失業や賃金カットに苦しむサラリーマンの自己破
産が目立ってます。住宅ローンや子供の教育費などで生活費はかさむ一方なのに、い
きなり収入がなくなったり、手取りが減り続ける。それで、ついつい消費者金融に手
を出し、気づいたら返済不能に陥る人が増えているのです。また、妻の借金に泣かさ
れる気の毒なサラリーマンもいます。とくにパチンコ好きやアルコール依存症の妻で
す。借金の督促状が送られてきたときには手遅れのお手上げ、といったケースもあり
ます。若い世代では、ギャンブル好きの男性やホストクラブにハマった水商売の女性
などが多い。年齢にすると、３０代から５０代がほとんどです」
　しかも、２２万人という数字は実際よりも低く抑えられている。００年に特定調停、
０１年に個人再生手続きが始まり、別枠の“自己破産”ができているからだ。これも
カウントしたら、自己破産の増加は倍近くになるという。
「最近は、資産を持たない若い人たちの間で、気軽に自己破産するケースも多い。ネ
ットなどで情報が流れているせいもあり、以前ほど抵抗はなくなっているようです。
ただ、それでも好んで自己破産する人はごく一部です。大半は不景気の犠牲になった
人たちです。無理に多重負債を抱え込まされ、自殺や犯罪が増加し、社会不安がます
ます広がる可能性もありますよ」（山瀬和彦氏＝前出）
　自己破産の過去最悪突破は、小泉失政を映す鏡なのである。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2004年1月9日号

■□■      日刊ゲンダイ Dailymail Business      2004年 1月 9日号 -1
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 ◆◇ Today's Top News ◇◆
  問題になっている石破防衛庁長官の目つきの悪さと意味不明の語り口
  毎日テレビで見させられている国民はたまらなく不愉快になっている
  こんな政事屋たちの玩具にされているこの国の大事

 ■ 拉致問題で中川経産相にも極秘接触　小泉が北朝鮮の誘いに乗せられる確率
 ■ 「なぜ漏らすのかッ！！」　福田官房長官イラク派兵日程報道にカンカン
 ■ ＮＹで一時１０５円台突入　１ドル＝９０円台のＸデー
 ■ 〈新生銀行〉売り出し価格１０００円　２月中旬に上場
 ■ 呆れた千葉県議！！　市民税３０００万円踏み倒し１億円超える延滞金も払わず
 ■ “新春トップ直撃インタビュー”　‘０４わが社はコレで勝ち残る
    〈ＵＳＪ〉佐々木伸社長
 ■ ベクテル選定の不透明　イラク復興プロジェクト
 ■ 「ゲームキューブ」世界販売目標に自信（任天堂・岩田社長）
 ■ 【話題の焦点】
       ・ りそな銀行員のこの悲鳴　明日はわが身だ


─ Today's Top News ────────────────────────────
■ 問題になっている石破防衛庁長官の目つきの悪さと意味不明の語り口
■ 毎日テレビで見させられている国民はたまらなく不愉快になっている
■ こんな政事屋たちの玩具にされているこの国の大事
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                大マスコミの腐敗堕落と怠慢がもたらしている、
                   肝心の政治の腐敗と無気力無責任の裏で、
       いつか必ず爆発する不気味な事態が動き始めているのをご存じですか
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　広辞苑で「オタク」を引くとこう書いてある。〈特定の分野・物事にしか関心がな
く、その事には異常なほどくわしいが、社会的な常識には欠ける人〉
　オタクが専門家と決定的に違うのは、視野が狭く自己満足的であること。ハナっか
ら他人に理解してもらおうという気がないから友達も少ない。だからどんどん現実が
見えなくなり、傍目には不気味でしようがないのである。
　小泉首相とともにイラク派兵を進める石破茂防衛庁長官はトコトン軍事オタクだ。
このところテレビの政治討論からワイドショーまで出まくって自衛隊派兵の必要性を
訴えているが、目つきが悪くどう見てもヘン。意味不明の理屈をコネ回しているが、
テレビで開陳した「危険地域に自衛隊派兵する理由」の極め付きはこうだ。
「自衛隊が行くところが非戦闘地域だ」「地球上に百パーセント安全な地域などない」
「東京でも女子中学生が突然襲われた」
　社会性のないオタクの真骨頂である。そもそもイラク特措法では、自衛隊の派遣地
域を戦闘がない場所に限定している。
　しかし、イラク全土がテロとゲリラによる戦闘状態であることは世界の常識だ。政
府が「安全だ」と強調する南部・サマワでもハンガリー部隊が襲撃され、自爆テロの
車も発見されている。軍服を着た自衛隊員が入ればゲリラの標的になり、そこが戦闘
地域になることは火を見るより明らかである。そもそも「東京で女子中学生が襲われ
る」のとは次元が違うのだ。明大元学長で名誉教授の岡野加穂留氏（政治学）が言う。
「まったくあきれますね。人間的な未発達、幼稚さ、さらに政治家としての歴史観が
ないから、発言のすべて視野狭窄の対症療法でしかない。全く恐ろしくなりますよ」
　作家の佐藤愛子氏は雑誌のコラムで石破についてこう評していた。
「どこを見ているか分からない目をひたと据えて首を傾けるさまは浄瑠璃人形のよう
にも見え、また主人の命令を待つ大型犬を連想してしまう」
　不気味だ……。

                 ▼ 戦艦プラモデルに陶然とする軍事オタク ▼

　石破茂は典型的な２世お坊ちゃま議員である。父・二朗は建設事務次官から鳥取県
知事、参院議員になり田中角栄内閣の自治大臣を務めた。茂は慶応法学部卒業後、三
井銀行に４年勤めた後、父の後を継いで８６年に初当選。４６歳で当選６回の中堅だ
が、選挙遊説に母親を同行させたマザコン議員としても知られる。９４年には「改革
ができない自民党にはいられない」と離党し新生党入りしたが、すぐに「改革は熱病
だった」と自民党に戻り経世会に入る変わり身の早さだ。
　防衛族議員になってからは「防衛六法」が愛読書となり、趣味のプラモデル作りは
これまで２００個。自宅、議員会館、防衛庁長官室には戦艦、戦闘機の模型が所狭し
と飾られている。
「学生時代は“歩く月刊明星”と言われ、アイドル歌手の歌を全部暗記していました。
今でもカラオケの持ち歌はキャンディーズです。このところ入れ込んでいるのは、モー
ニング娘。で、昨年８月に作った自衛隊員募集のポスターにもモー娘起用を指示。富
士で一般公開される総合火力演習にも『つんくプロデュースでモー娘ショーを』と言
い出し、防衛庁幹部から『長官、それだけはご勘弁を……』と止められていました」
（知人）
　もう完全なオタクだが軍事は超タカ派。「徴兵制は憲法違反ではない」「北朝鮮が
ミサイルに燃料を入れたら、日本への攻撃開始とみなす」「自衛隊による他国攻撃を
国会で議論すべきだ」と公言し、果てはラムズフェルド米国防長官に「日本でもミサ
イル防衛（ＭＤ）の配備を視野に入れている」と勝手に発言して小泉を慌てさせてい
る。
　こんな男が陸海空自衛隊２４万人のトップで、イラク派兵の責任者だから、ナンと
かに刃物。危なくてしようがない。