IchiroGendai2005

ゲンダイ20051025《自民党党紀委員会》森山委員長・武部幹事長・小野副委員長の悪相
ゲンダイ20050916もう公約違反！「サラリーマン増税に反対」の自民党
ゲンダイ20050914一皮めくればゴミみたいな石コロ政党
ゲンダイ20050819これが先進民主主義国の選挙とは呆れた
ゲンダイ20050726いつまで続けているのか大マスコミの郵政攻防たれ流し報道
ゲンダイ20050708注目の参院で否決の見通しの中で…
ゲンダイ20050704国債が大暴落し日本経済崩壊の予測が語られている
ゲンダイ20050629小泉改革のお手本ニュージーランドの惨状
ゲンダイ20050609靖国参拝を強行されたら一体どんなことになる
ゲンダイ20050531戦争の悲惨さに目を向けず大騒ぎする愚劣報道
ゲンダイ20050525彼の靖国参拝はこの国にとって一体どれほどの意味があるもし強行すれば地獄を招く
ゲンダイ20050513それこそ「自己責任」
ゲンダイ20050510《ＪＲ事故》連日「宴会」批判に明け暮れるＴＶ大新聞の異様な世論誘導
ゲンダイ20050323これを売国政権といわずに何という
ゲンダイ20050223誰も異議を唱えなくなったこの国の軍事大国化の現状
2004年 2003年

《自民党党紀委員会》森山委員長・武部幹事長・小野副委員長の悪相 ■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年10月25日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ 《自民党党紀委員会》森山委員長・武部幹事長・小野副委員長の悪相並んだ３人をテレビで見て選挙後の自民党はひどく悪質になったと感じた庶民は多い大方の見方をよそに小泉自民党のご臨終は極めて近い ■ ＴＢＳ買収のカギ握る“女帝”三木谷夫人の氏素性 ■ 下着通販セシールを傘下に収めた　ホリエモン深刻なピンボケ ■ また無能国会議員が１人追加　川口順子が参議院に当選のお笑い ■ 消費税アップ１０～１５％　自民党「福祉目的」を口実に強行 ■ ＴＢＳ“楽天封じ”　電通、アマゾンとネット通販 ■ 千葉７区買収事件　自民・松本和巳議員を参考人聴取 ■ ユニクロの「新ブランド」出店へ　ダイエーの大きな賭け ■ 〈旭山動物園〉入園者数過去最高１６７万人 ■ 〈ＪＡＬ〉世界初！　国際線でティファニー発売 ■ 〈ＷＯＷＯＷ〉加入者増狙いネットラジオ本格参入 ■ 【話題の焦点】・村上ファンドも使っている　バブル期に流行“Ｑレシオ”が復活 ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ 《自民党党紀委員会》森山委員長・武部幹事長・小野副委員長の悪相 ■ 並んだ３人をテレビで見て ■ 選挙後の自民党はひどく悪質になったと感じた庶民は多い ■ 大方の見方をよそに小泉自民党のご臨終は極めて近い ────────────────────────────────────── ------------------------------------------------------ 小泉首相や武部幹事長の言動を見るにつけ、自民党は間もなく消滅と思われる最後のあがき心ある国民にはもう少しの辛抱だ、永田町の反小泉の中のマットウな政治家ももう少しの辛抱だ、これほどの悪政がいつまでも続くはずはないというのが歴史の常識である ------------------------------------------------------ 「虎の威を借るキツネ」とは、さぞかしこんな顔なのだろう――。郵政法案「造反組」の除名処分を先ごろ決めた自民党の武部幹事長、森山真弓党紀委員長、小野清子同副委員長の悪相をＴＶで見た多くの有権者はこう思ったに違いない。　森山は衆院での最長老議員（７７）。会長として威厳を取り繕いながら、「いずれも離党届は受理しないで、除名ということになりました」と、新党に走った綿貫民輔元衆院議長や亀井静香元政調会長ら９人の“死刑宣告”を発表。「除名でなくてもいいのではという意見はないのか？」との質問にも、「非常に重大な党規違反だということで全会一致した。だから（処分８段階で最も重い）除名がふさわしいと判断した」と表情も変えずに言い放った。　綿貫も亀井も、これまで自民党を支えてきた大ベテラン。それを小泉に逆らった罪人扱いである。　その横には副委員長の小野が「森山さんの言う通りよ」と言わんばかりのデカイ面で座っていた。昨年の国家公安委員長時代、家政婦を１０年間公設秘書として登録し、秘書給与７０００万円の詐取疑惑が取り沙汰されたことなんて、どこ吹く風。大臣交代でウヤムヤのまま逃げ、エラソーに他人を裁ける立場じゃないのに、やたら居丈高なのだ。「大幹事長」を気取る武部も同席。「小泉親分に歯向かった者は殺されても仕方ない」との思いがデカイ態度からアリアリだった。「一体ナニ様のつもりか」と言いたくなるが、「３人の振る舞いは、今の自民党そのものですよ」と、政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。「選挙後、自民党は小泉首相を頂点とする“小泉改革党”に変わったんです。小泉バンザイと礼賛する議員ばかりが幅を利かせ、誰も異議を唱えようとしない。小泉改革反対はイコール造反で、反対者には弁明する機会すら与えないのだからヒドイものです」　こんな見せしめ処刑をするような自民党に未来はない。造反者処分は小泉自民の終わりだ。 ◆ 驕る小泉、武部の支離滅裂で高慢ちきな言動 ◆ 　自民党崩壊の兆候は、小泉首相と武部幹事長の言動からも見て取れる。　まずは小泉。新人相手の「日本夢づくり道場」で、「政治家の資質は洞察力。（郵政反対派の）本質を見抜けず、ついて行った人は本当に可哀想だ」「今日の友は明日の敵。戦国時代じゃなくても人間の社会。わきまえながら友情を育むことが大事」などとタレている。　洞察力があるなら、靖国参拝で国益よりも意地を優先させる「無意味な挑発」（ＮＹタイムズ）は控えるはず。だが、小泉は「個人として参拝してどこが悪い。私にはサッパリ分からない」とゴーマンぶりにますます輪をかけている。その失点をカバーするためか、立法府が決めるべき議員年金問題も、鶴のひと声で即時廃止をブチ上げた。「今の小泉首相はまさに“向かうところ敵なし”です。靖国参拝で近隣アジアの怒りを買っても『外交は長期的に考えたほうがいい』と自説を引っ込めない。処分された荒井広幸議員から『今に天罰が下るぞ』と言われても『どういう天罰だろうな。政界の奇跡が起こったのは天運だろう』と混ぜっ返しています」（事情通）　かたや武部幹事長。恥も外聞もない小泉のイエスマンだが、「オレはそんじょそこらのイエスマンじゃない。偉大なイエスマンだ」と開き直る始末。「総選挙後で１００人以上の新人候補を擁立し、自民党は変わったというイメージをつくった」と胸を張る。自分の失言放言連発をタナに上げ、新人議員の教育係というからお笑いだ。「武部の“小泉学校”の中身は『派手な夜遊びはするな』『若い女性とばかり握手しない』と、当たり前のことばかり。新人に配ったマニュアルは厚さ２０センチもあるのに、『通常国会は１月から始まり１５０日間開催される』と高校生レベル。あの杉村太蔵を『国民的人気者』とベタ褒めだから、どうかしてます」（永田町関係者）　こんなセンスの田舎代議士が巨大政党の幹事長ポストに座っているだけで口アングリだが、ナント来月の改造人事で「留任濃厚」だという。まさに小泉自民の末期的症状ではないか。 ◆ 政策よりゴマスリ競争という政権政党の惨状 ◆ 　自民党内は、１１月２日の内閣改造・党役員人事を前に、留任・入閣狙いの“小泉ゴマスリ競争”という惨状だ。次代のエースとされる安倍幹事長代理からして、「どんな立場になろうとも全力で小泉改革を進める」と公然と“入閣のお願い”をするプライドのなさだ。「北朝鮮への経済制裁をためらう小泉に不満を抱き、『いずれ腹をくくって、官邸と戦うときがくる』と周囲に息巻いていた」（政界関係者）のを忘れたように忠勤に励んでいる。麻生総務相、谷垣財務相、福田前官房長官らポスト小泉の有力候補とされる政治家もまったく同じだ。「皮肉屋の麻生総務相も全面降伏です。小泉お気に入りの竹中郵政担当相に『あんたはみんなに嫌われているのだから』と面と向かって毒づいていた面影はなく、がっちり二人三脚だ。谷垣財務相は、財務省と意を通じる小泉の言いなり。福田前官房長官も、『日中首脳会談が（相互訪問の形で）できないのは異常だ』と国会で苦言を呈したのに、今回の靖国参拝ではダンマリです」（政界事情通）　自民党の小泉追従ぶりは靖国参拝にまで表れている。小泉参拝の翌日に「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」が大挙して押し掛けた。その数１０１人、前回より２０人以上も増えている。小泉への忠誠競争に明け暮れる自民党は、全議員が付和雷同、思考停止の状態。自由闊達な言論を失ったこの政党の崩壊は意外に早く来そうだ。 ◆ 小泉自民党の自壊→消滅は予想外に早く来る ◆ 　だが、自民党の惨憺たる現状は、心ある選挙民には朗報と言っていい。２９６議席に驕る小泉政権が怖いものなしで暴走を始めたり、小泉追従を拒否するマトモな議員が増えていけば、自民党は崩壊に向かう。政界では「この先、４年間は解散・総選挙はない。自公政権は安泰」との見方が強いが、大きくなりすぎた恐竜のようにアッと言う間に消滅する可能性があるのだ。「自民党は選挙大勝をバックに行け行けドンドンです。しかし、自民党２９６議席はマスコミを動員した『小泉劇場』で無党派層まで取り込んだバブル的な結果です。それなのに、昔の日本共産党の『民主集中制』のように、異論を許さない一枚岩の政党にしようとしている。そんな無理な体制は長続きしない。今は小泉首相に遠慮していても、首相交代で一気にタガが外れ、収拾のつかない事態を招く可能性がある。特に “虎の威を借りたキツネ”が、自分の実力と錯覚して威張り散らすと、党内の不満が一気に噴き出す。小泉自民党のやっていることは、自分で自分の首を絞めているとしか思えません」（政治評論家・山口朝雄氏）　造反議員の処分を発表した森山、武部、小野の３人の権力をカサにきた悪相を見ると、自民党の崩壊、消滅は遠いことではなさそうだ。自民党はかつて、「時代劇の悪代官」「腹黒い商人」といわれた党三役が選挙民に嫌われ、政権を失った経験がある。今のままではその時の二の舞いだ。心ある国民、永田町の反小泉の政治家はもう少しの辛抱だ。悪政が永遠に続くことはないのは歴史の常識だからだ。

もう公約違反！「サラリーマン増税に反対」の自民党 ■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 9月16日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ この道はどこへ行くのか国の膨大な借金がさらに増え続ける小泉自民独裁で内政外交の難問を抱えるこの国のこれからそれで国民が期待する「構造改革」は進むのか ■ 《総選挙“奇聞”》３４１９万票ＶＳ３３８９万票　郵政反対票が勝っていた ■ もう公約違反！　「サラリーマン増税に反対」の自民党選挙終わったら定率減税廃止にゴー ■ 《民主党代表選》田中真紀子急浮上 ■ 〈朝日新聞〉虚偽メモ問題で３ページの“猛省”大特集 ■ 刺客から大奥へ　選挙後もモテモテ自民マドンナ議員の本性・能力・敵意 ■ １２月「ダイヤモンド社」新参入で「四季報」大戦争勃発 ■ 〈ソニー〉新ブランドでテレビ事業再建なるか ■ 大阪府の第３セクタービル、超安値で売却 ■ 〈ＪＲ北海道〉全列車を全面禁煙へ ■ 携帯オーディオ・アップルｎａｎｏ旋風　爆発ヒットでソニーどうする？ ■ 〈ＡＮＡ〉中国キャンペーンＣＭに卓球の愛ちゃん起用 ■ 千葉ロッテ優勝で３８９億円経済波及効果（ちばぎん総研試算） ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ この道はどこへ行くのか ■ 国の膨大な借金がさらに増え続ける小泉自民独裁で ■ 内政外交の難問を抱えるこの国のこれから ■ それで国民が期待する「構造改革」は進むのか ────────────────────────────────────── ------------------------------------------------------------------ 小泉改革の真相を承知の上で選挙民は小泉自民を圧勝させたのか疑問だあと１年で退陣する小泉新政権が郵政民営化成立の後、一体何をやるのかやらないのかが重大問題 ------------------------------------------------------------------ 　自民２９６議席の圧勝をどう説明すればいいのか。京大教授の中西輝正氏は月刊文芸春秋１０月号で、異様な選挙戦をこう書いていた。〈『古代ローマの剣闘士のごとく、「刺客」と相手候補者は、どちらかが死に斃れるまで闘わなければならない。この残酷な血の味がする「見せ物」に、観客席の国民は陶酔し、「（負け犬を）殺せ！　殺せ！」と叫んでいる〉　世の中、太平なのか、刺激を求める国民が小泉演出のコロシアムに熱狂し、これに小選挙区制のてこの原理が働いた。　ちょっと冷静になれば、郵政民営化がすべての改革の突破口になるかのような論法のインチキ。２６万人の公務員のクビが切られ、それが歳出削減、小さな政府につながるかのような幻想。さらに３５０兆円の資金が官から民へ流れ、経済活性化に結びつくかのようなウソは簡単に見抜けるはずなのに、有権者はコロッと騙されてしまった。その結果が与党３２７議席なのである。　詐欺師同然の首相がフリーハンドを得た、この国の行方は暗澹たるものだ。株がちょこっと上がり、国民の半分は選挙結果を喜んでいるみたいだが、いい加減に目を覚ました方がいい。 ▼ 大企業が儲かるだけの小泉エセ構造改革 ▼ 　小泉が構造改革と称するものの正体は、過去４年半を振り返ってみればよく分かる。「０５年３月決算を見ると、東証１部上場企業の実に３分の１が過去最高益を更新したのに、サラリーマンの給与は上がらず、年金保険料引き上げや配偶者特別控除廃止などで可処分所得は減る一方です。　大銀行の不良債権は減ったが、その裏では公然と貸し剥がしが行われ、多くの中小企業が犠牲になった。国際競争力をつけるとか何とか言って、リストラ、賃下げに励む企業が称賛され、政府は大企業優遇策を続けた。サラリーマンを犠牲にした結果、いまや企業の剰余金は８２兆円に達したという試算もある。この数字こそ、小泉構造改革の総決算です」（民間シンクタンク研究員）　狡猾な小泉政権は政府税調などに水面下で圧力をかけてさらなる法人税減税や研究開発費減税も進めさせようとしている。感激した奥田・経団連は自民党を全面支援し、トヨタの張富士夫会長は自民党の応援演説に駆けつけた。欧米の記者は驚いている。「日本経済の問題点は企業が使い道に困るほど金があるのに、国民の給与が少ないことです。家庭の所得はここ４、５年驚くほど減っている。企業利益が上がっているのに給与が下がる国は珍しい。マネーを企業から家庭に移せば、消費が上がり、経済がよくなる。こうした構造改革が必要なのに、政府案の郵政民営化では経済効果はほとんどありませんよ」（「不死鳥の日本経済」などの著書がある月刊オリエンタル・エコノミスト・レポートのＲ・カッツ記者）　改革の入り口から間違っているのだから、国民が望むような改革は絶対無理だ。愚にもつかない郵政民営化は、むしろ「官のリストラはやった」として、増税を押し付けるための「口実」である。ますます庶民は苦しめられることになる。 ▼ ポスト小泉の大臣が次々と国民負担増を押し付け ▼ 　この政権に本気で構造改革に取り組む気がさらさらないのは、道路公団改革を見ても明らかだ。　官・民の癒着を断ち切り、歳出を思い切って削減するには、人心を一新し、ムダな道路を一切造らなくすればいい。ところが、道路は従来の計画通り延々と造り続け、１０月発足の新会社トップはほぼ全員が横滑り。検察が動かなければ、橋梁談合で捕まった前副総裁の内田道雄も居座り続けたのだから、よくぞまぁ「改革」などと言えたものだ。「本当に小さな政府を目指すのであれば、今度の選挙では郵政だけでなく、国債発行枠や公共事業カットも踏み絵にすればよかった。それをやらずに『自民党は生まれ変わった』なんて、よく言いますよ」（政治評論家・本澤二郎氏）　こんな政権では「構造改革」などできっこない。歳出は減らず、国債発行額は年々増え続け、借金は雪ダルマ式に膨らんでいく。行き着く先は大増税しかないのである。「怖いのは、この政権が『国民負担増を押し付けること』＝『改革』と考えていることです。要は制度破綻を防ぎ、ゴマカせればいい。しかも、その“改革”を競わせ、ポスト小泉を決めるという。こうなれば各大臣はオレもオレもと負担増プランを持ってくる。谷垣財務相がもう消費増税を言い出したのが、いい例です」（政界関係者）　厚労省は医療費負担増を、総務省は地方任せを加速化させ、これは住民税アップにつながっていく。郵政民営化を通す特別国会が終わり、改造内閣がスタートすれば、「この１年間が勝負」とばかりに「改革＝負担増押し付け」合戦がスタートする。こんな政権を勝たせた有権者はアホである。 ▼ 株価が上がったくらいでダマされるな ▼ 　この政権のあざといのは、庶民にこれだけの犠牲を強いながら、大企業は優遇し、政府が仕事を回すことで株価をつり上げさせ、「景気はよくなった」「構造改革のおかげだ」と臆面もなく強弁することだ。バカな庶民は「そうなのかな」と思ってしまう。明大教授の高木勝氏（現代経済学）が言う。「この４年半、小泉政権は企業税制には一切手を付けず、負担増は取りやすいサラリーマンに押しつけてきたんです。企業はもうかっているが、この間、社員はリストラされ、非正社員が増え、こうした雇用形態が当たり前になってしまった。小泉構造改革で、いい思いができるのは、勝ち組企業の幹部らホンの一握りの富裕層だけなんです。こうした傾向が今後、ますます顕著になるのは間違いありませんよ」　郵貯・簡保資金の一部が民間に流れても、株式投資の手数料収入などが期待できるのはメガバンクや外資系証券会社だけだ。庶民は“おこぼれ”すらあずかれないだろう。　小泉パフォーマンスにコロリと騙され、芸能人じゃあるまいし、カメラ付き携帯でパシャパシャ撮っていた有権者を待ち受けているのは、とんでもない二極化、格差社会だ。「自分は勝ち組だ」と思っているのだとすれば、甘すぎる。 ────────────────────────────────────── ■ 《総選挙“奇聞”》３４１９万票ＶＳ３３８９万票　郵政反対票が勝っていた ────────────────────────────────────── ◆ 「民営化は圧倒的に支持された」はウソ ◆ 　総選挙の投票結果を分析したところ、面白い結果が出た。２９６議席を勝ち取った小泉首相は「世論は圧倒的に郵政民営化を支持した」と言っているが、そうでもないのだ。世論の半分以上は郵政民営化に相変わらず「ノー」だった。　これはある民間グループがまとめたものだが、先日の総選挙の小選挙区の投票をすべて積み上げたところ、郵政民営化に賛成議員の得票総数は３３８９万７２７５票。一方、反対議員の得票は３４１９万４３７２票。反対派の勝ちとなったのだ。「郵政民営化法案に賛成だったのは自民、公明の公認候補と一部無所属議員。反対だったのは民主党、社民、共産の公認候補と平沼、野田聖子などの反対派候補、さらに新党の候補。これらの１１３１人の全立候補者を色分けし、小選挙区でのそれぞれの得票を合計したら、３０万票ほど反対候補の方が多かったのです」（関係者）　同じような集計は他にもあり、多少の誤差はあるもののどの試算でも反対派の得票が上回っている。　ま、有権者は郵政だけで投票したわけではない。しがらみや義理、見た目などの投票もあるだろうが、それにしても自公３２７議席対その他１５３議席ほどの差はない。一体化した自公に対し、反対票が分散した結果にすぎない。総選挙でなく、国民投票をやっていたら、郵政民営化は否定されていたかもしれない。　衆院の３分の２以上を占めた小泉自公は「郵政民営化は圧倒的世論」と得意がり、大マスコミまでそれに追随しているが、あんまりふんぞりかえらない方がいい。「世論だから」と寝返った参院自民党の２４人も節を曲げる必要はないのだ。 ────────────────────────────────────── ■ もう公約違反！　「サラリーマン増税に反対」の自民党 ■ 選挙終わったら定率減税廃止にゴー ────────────────────────────────────── ◆ 小泉自民に投票したサラリーマンはアホか ◆ 「所得税、住民税の定率減税も廃止の方向だ」（１３日、谷垣財務相）――総選挙が終わったとたん、あからさまに大増税路線をカミングアウトし始めた小泉政権。案の定の展開だ。　これは紛れもない公約違反である。選挙直前、武部幹事長は自民党のホームページで「サラリーマン増税ありき許さない」とし、「私は財務省を厳しく注意した」と胸を張っていた。自民党も「サラリーマン増税を行うとの政府税調の考え方はとらない」とマニフェストで掲げていた。ところが舌の根が乾かぬうちに定率減税廃止だ。自民党は「『サラリーマン増税』と定率減税の廃止は全く別物。一時的な減税を元に戻すことは増税とは言わない」（幹部）とシレッと説明しているが、そんなリクツは通らない。「詭弁、ペテン以外の何物でもありません」と、関東学院大法科大学院教授の湖東京至氏（税法）がこう言う。「定率減税はすべての納税者に適用されていますが、納税者の９割はサラリーマン。その廃止をサラリーマン増税と言わずして何と言うのでしょうか。もし定率減税廃止がサラリーマン増税じゃないとすれば、配偶者控除、扶養控除の廃止なども“元に戻しただけで増税じゃない”となる。恐ろしい屁理屈です」　定率減税が全廃されたら、年収１０００万円の世帯は年１７万８０００円の負担増だ。自民党は「サラリーマン増税に反対」と宣言し、選挙の争点になることを封じたが、選挙が終わればこの通り。まさに小泉サギ師政権だ。小泉自民党に投票したサラリーマンはどうするつもりなのか。 ────────────────────────────────────── ■ 《民主党代表選》田中真紀子急浮上 ────────────────────────────────────── ◆ 「毒をもって小泉の毒を制するしかない」 ◆ 　岡田代表が辞任する民主党は、党首選びでも右往左往だ。菅、小沢、野田、前原らの党幹部の名前が浮上しては消えているが、党内の一部からは「小泉の毒には毒で制するしかない」と、田中真紀子（６１＝無所属）を推す声が上がってきた。確かに、いまの民主党には真紀子くらいの劇薬が必要だ。 ◆ 選挙大敗北の原因は看板。菅や前原ではインパクトなし ◆ 「今週末の１７日が党首選。いま党内では、いろいろな候補者の名前を打ち上げては反応を探っているところです。意欲的なのは菅直人と河村たかし。若手の間では、前の国対委員長だった野田佳彦が影の防衛庁長官・前原誠司を推して本人もヤル気になっている。ベテランの菅か、中堅の前原かといったところです」（民主党事情通）　だが、「また菅なの」「前原じゃ無名すぎる」という声も多く、「思い切って外部から田中真紀子を招き入れるべきだ」となっているのだ。あるベテラン職員が解説する。「今度の選挙は小泉首相の看板選挙にやられた。政党にはやっぱりインパクトのある党首が必要。でないと有権者は振り向いてくれない。その点、なんだかんだ言っても選挙中に一番聴衆とマスコミを集めたのは民主党応援団の真紀子さん。ここは彼女に頼むべきだという声が強まっているのです」　東大教授の蒲島郁夫氏（政治学）も朝日新聞で「党の存亡、党首次第」と分析している。大事なのは看板で、マニフェストだの政権担当能力は、観衆が集まったところで、幹事長以下の幹部が説明すればいいのだ。　民主党の事務局長だった政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。「民主党に欠けているのは強烈さと明るさ。内部からなら小沢一郎氏がいいでしょうし、彼が固辞するなら出馬を表明している河村たかし氏。彼の明るさ、元気さ、名古屋弁の親しみは沈滞ムードを変える。党内で調整がつかないなら、田中真紀子さんに頼むしかない。何をやり出すか分からない彼女の起用は大きな賭けですが、ここまで負けたんだから、民主党はもう失うものはない。イチかバチかで劇薬を使うときでしょう」「前原党首、菅幹事長」ではマスコミも注目しないが、「真紀子党首、河村幹事長」、あるいは「真紀子党首、小沢幹事長」なら行列ができる政党になる。ここは民主党議員全員で目白へ頭を下げに行った方がいい。 ────────────────────────────────────── ■ 〈朝日新聞〉虚偽メモ問題で３ページの“猛省”大特集 ────────────────────────────────────── 　最近の朝日新聞は、反省ばかりだ。長野総局のＮ記者（２８）がデッチ上げたメモで、特集記事をつくる大ポカをやらかしたことについて、きょう（１５日付）の朝刊で３ページもの紙面を割いて猛反省をしている。　虚偽メモ問題発覚後、朝日新聞は社内に「取材現場の実態や問題点を再点検し、今後の対応策を検討する」目的で「信頼される報道のために」委員会を設置、「その委員会の検証結果を報告します」と物々しい内容の大特集だ。　本社政治部がＮ記者にどんな指示メールを送り、Ｎ記者がどんな取材メモを作成して送信したか、その過程を詳細に追跡してみせている。さらに委員会の検証班がＮ記者から２度、４時間余にわたり“聴取”した一問一答を載せる周到さだ。　そして虚偽メモ発覚を受けて社内調査の結果、Ｎ記者を処分したことを報告、「記者の責務に甘さ」「不十分だった意思疎通」と“総括”している。ＮＨＫ問題ではここまで徹底した内部検証はやらなかったのに、「サンゴ事件」以来の危機にチョー過敏だ。 ────────────────────────────────────── ■ 刺客から大奥へ　選挙後もモテモテ自民マドンナ議員の本性・能力・敵意 ────────────────────────────────────── 　選挙期間中は小泉演説の物まねで「改革」を連呼しボロを出さずに乗り切った女刺客やマドンナ候補。当選後はホッとして本性を現したのか、トホホな振る舞いが目立つ。【純粋落下傘の当選はワタシだけ】「改革のマドンナ」とメディアに持ち上げられた財務官僚出身の片山さつき（４６）は、当選後も嫌みを連発。周囲をウンザリさせている。　東大後輩の城内実（４０）に、たった７００票の僅差の勝利だったのがシャクなのか、「最後の１日半、政策じゃなく“泣き”で票を戻された」と嫌みな分析。自分だって“土下座”したのに……。さらに、小泉ミーハー人気の追い風に乗って当選しただけのくせに、「政治家じゃない落下傘候補のうち、小選挙区で勝ったのは私だけ」と大威張りだ。気が強い……。　もっとも、政策について突っ込まれると、“官僚答弁”に終始して中身なし。きのう（１４日）は、出演したワイドショーで北朝鮮への経済制裁の是非を聞かれ、「拉致被害者の安全が確保できるかどうかを考えなければならない」とシタリ顔で答えていた。だが、司会者に「被害者家族は、それも承知の上で熟慮の結果、経済制裁を求めているんですよ」と突っ込まれ、反論できなかった。【機関銃のようなオシャベリ】　ぺらぺらと積極的にしゃべるわりには内容に乏しいのが上智大教授だった猪口邦子（５３）。専門は外交とかで、得意分野を質問されると、身を乗り出して話していた。ところが、よくよく聞いてみると、「外交で最も大事なのは結果。そこから逆算して今、何をすべきかを考えなければならない」と当たり前の話を機関銃のようにまくしたてるだけだった。あれで、おたふくのようなプックリ顔じゃなかったら嫌われる。【説明する必要はありません！】　不倫騒動で痛い目にあったエコノミストの佐藤ゆかり（４４）は、「選挙妨害のような、あることないことの報道はあってはいけない」とピリピリ。「党本部が判断すること」と法的手段も辞さない構えを見せたが、改めて不倫の問題を突っ込まれると、「釈明や説明する必要がない」とカンカンになった。もっとも、感情をあらわにしたのは、このときくらい。普段は能面のように無表情で、不気味がられているとか。「小泉喜び組」と呼ばれた彼女たち、選挙後は「小泉大奥」だそうだが、ピッタシだ。こんな人たちが入閣をウワサされるのだから、先が思いやられる。

一皮めくればゴミみたいな石コロ政党 ■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 9月14日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ これでは世の中は変わらないとにかく自民党は圧勝したが宗教政党・公明党頼りの連立政権が続いているだけ恐らくもっと悪化する永田町の政治 ■ 《民主党代表選》菅ＶＳ小沢の一騎打ち ■ 反対派無所属議員・野田聖子、平沼赳夫…　当選後の生き地獄 ■ 永田町の関心はもうこっち　取り沙汰される小泉改造内閣しょうもない顔ぶれ ■ 来年９月　小泉首相が辞めればまた総選挙！？ ■ 《カネボウ粉飾》中央青山会計士４人きょう取り調べ ■ 〈住信〉〈ＵＦＪ〉和解額はいくらで決着するのか ■ 「西武百貨店との提携は十分にあり得る」西武鉄道・後藤社長 ■ 〈伊勢丹〉中国・成都へ出店 ■ 落選でも意気軒高　ホリエモン衆院選本業の「収支決算」 ■ 急拡大　“１０００億円市場”ケータイ通販の若者争奪戦 ■ ８月のビール出荷量　８カ月ぶりにプラス ■ シンプルバッグもチャームで個性的に ■ 【話題の焦点】・成功するのか“ＮＨＫの強面” ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ これでは世の中は変わらない ■ とにかく自民党は圧勝したが宗教政党・公明党頼りの ■ 連立政権が続いているだけ ■ 恐らくもっと悪化する永田町の政治 ────────────────────────────────────── -------------------------------------------------------------------- 脅されて反対から賛成に転向する信念もない政治家の群れ、誰一人声を上げて異を唱え行動する議員もいない私党化した自民党、大敗北から息もなく党首も選べない民主党という政情の中で自公デタラメ政権のやりたい放題をただ見ているだけの全国の国民、一体どうなるのか -------------------------------------------------------------------- 　今回の総選挙の特徴は、これまで選挙に行かなかった人や若者まで投票所に足を運んだことだ。それが６７％という高い投票率（２年前は５９％）になった。この増えた分の大半が小泉自民党の候補に一票を投じた。　ＮＨＫは９年ぶりの視聴率２０％突破だそうだが、自民の歴史的圧勝を報じたテレビの選挙特番はどこも大人気だった。無党派層を含めて多くの有権者が、今回の結果に満足したのだろう。「郵政民営化にイエスかノーかの単純争点、反対派に刺客を送り込む対決選挙、華やかなマドンナたちの進出……。そういうものを有権者は“これまでと違う”と思って支持したのでしょう。裏返せば、分かりにくいクロウト政治よりも、白黒ハッキリさせるような簡単な政治がいいという政治レベルなのです」（政治評論家・有馬晴海氏）　だが、この選挙結果で何が変わるのか。小泉首相は「自民党は大きく変わった。改革を進めていく」と語った。翌日の新聞各紙の論調も自民党のことを「改革政党」と呼んだり、「古い議員を追い出して新しい血を入れることに成功」などと手放しの褒めようだ。　野村証券がきのう（１２日）まとめたリポートによれば、「自民党は支持基盤を地方組織から都市住民へと切り替えることに成功し、突如都市型政党に脱皮した」「小泉自民党は利益誘導政治からの脱皮と都市住民の期待に即した政策実現を加速させることになる」との見通しだ。　まあ、期待するのは勝手だが、本当に自民党は歴史的圧勝で変わったのか。５０年以上、この国の政治を腐敗堕落させてきた自民党が、そんなに調子よく変身できるものなのか。 ◆ 一皮めくればゴミみたいな石コロ政党 ◆ 　むしろ永田町の政治はもっと悪化すると思った方がいい。亀井静香や綿貫、堀内といった古いタイプの長老議員はいなくなり、ＴＶ画面に登場するのは利権のニオイがしないマドンナ候補ばかり。有権者が「自民は変わった」と勘違いするのもムリはないが、根っこは腐ったままである。　一皮めくれば、党内最大派閥に躍り出た森派のボス・森喜朗は、リクルート事件や佐川急便事件、泉井事件と数々の疑惑にまみれてきた。もう一人の小泉後見人である青木幹雄は、竹下登の元秘書だ。こんな２人が支える小泉自民党には新しさのカケラもないだろう。　公募効果で若返ったとか、女性が増えたとかＰＲしているが、今度の選挙で小泉自民入りした面々もロクなもんじゃない。政治評論家の本澤二郎氏が言う。「欧米では、政治家を目指す場合、ある程度の政治トレーニングを積む必要があると考えられています。立法行為とは、それだけ難しいもの。ところが小泉自民には、ハシの上げ下げも分からないようなシロウトがゾロゾロいる。玉石混交という言葉があるが、今の自民はゴミみたいな石ころだらけです。民主から自民に移ったり、どちらの公募にも応募していたような連中に、確固とした信念や政治信条があるとも思えません」　ＴＶに出てこない大半の議員は、相変わらず地方への利権誘導に精を出し、内心では郵政民営化に反対だが、脅されて賛成に回っている信念ナシだ。だれ一人、小泉首相の無謀非情な解散や刺客選挙に異を唱えて行動を起こす議員もいない。われわれの血税で養うのがアホらしくなる羊の群れみたいな連中ばかりではないか。「自民が変わったことは一つだけあります。小泉首相のコピーロボットがずらりと並んだことです。小泉首相が右を向けと言えば、一斉に右を向く。そんな小泉私党になったということです」（本澤二郎氏＝前出）　旧自民党の面々も「自民党は小泉党になった」（綿貫民輔）、「自民党をぶっ壊して出てきたのは『小泉党』」（野呂田芳成）、「自民党は政党ではなく『小泉翼賛会』」（滝実）と言っている。小泉自公政権の正体をズバリ突いている。 ◆ 郵政法案成立後は何もヤル気のない政権 ◆ 　こんな政権で、この先４年間の政治は生まれ変われるというのか。　小泉自民は過去４年にも増して創価学会・公明党におんぶに抱っこの状態だ。圧勝自民党といっても、大半の候補は学会票のゲタをはかせてもらっての当選。党三役全員、武部幹事長までが「比例は公明に」と面もなく叫び、山拓以下の幹部は選挙区の学会に頭を下げている。　一方、出口調査によると、公明党支持者の実に７８％が「自民党候補に投票した」と答えている。もう完全に一つの党だ。「政権にしがみつく公明党・創価学会の狙いは、組織防衛です。学会を守るために公明党は与党になっている。学会の繁栄だけを考えているのが公明党です」（関係者）　一般国民のことなどどうでもいい宗教政党を最大のエンジンにし、運転するのが小泉首相だが、この人には郵政以外のことには関心がない。２１日から始まる特別国会で１０月中に郵政法案が片付いたら、後はやることなしだから困ったものだ。「小泉首相がこれまでやってきたことは、改革のつまみ食いにすぎず、一つとして成果が上がっていない。『構造改革』や『官から民へ』は結構だが、それで雇用が増え、国民の所得は上がったのか。逆でしょう。郵政の民営化にしても、国民にいいことがあるのか。そもそも３４０兆円の国民の財産をだれが運用するのか、どこに投資するのか、何の展望もありません。結局、民営化が小泉首相の最終目的であり、後の戦略はないのです」（経済評論家・広瀬嘉夫氏）　選挙や人気取りに利用し、後は放ったらかしの拉致問題が小泉政治の象徴だ。だから、これといった解決策がない年金抜本改革は小泉政権では手付かずなのである。　ならば、野党がネジを巻く役割だが、大敗北の民主党は次の党首も選べない茫然自失の状態で、とても権力チェックどころではない。　せっかく自公政権を大勝させたはいいが、１年経とうが２年経とうが、ムダな税金を食われるだけで、郵政以外は何も変わらない――。そんな現実を全国の国民は見せ付けられるのがオチなのである。 ────────────────────────────────────── ■ 《民主党代表選》菅ＶＳ小沢の一騎打ち ────────────────────────────────────── ▼ 若手は腰が引けて模様眺め ▼ 　９・１１衆院選で惨敗した民主党が早くも内紛ムードだ。「ポスト岡田」を１７日午後の両院議員総会で選出するが、誰をトップに担ぐかで党内は四分五裂になっている。「すでに代表選は、菅直人ＶＳ．小沢一郎を軸に動き始めています。これまでの代表選では、中堅・若手が活発に動いていたが、今回はサッパリです。リーダーの野田佳彦（４８）、前原誠司（４３）は接戦で当選し代表選どころじゃない。そのうえ根回し役だった樽床伸二（４６）が落選し、若手のまとめ役不在の状況。『火中の栗を拾うのは損』とみんなの腰が引けている。緊急事態ということもあり、今回はベテランから選ばれそうです」（民主党関係者）　意欲満々の菅直人は、側近と頻繁に連絡を取り始めている。「年金未納問題」という不本意な理由で辞任しただけに、何がなんでも返り咲くつもりだ。　しかし、小沢一郎は刺し違えてでも“菅復帰”を阻止する気だという。「もともと小沢と菅は肌合いが違うし、菅代表では小泉首相に対抗できないと考えている。それより何より、民主党の苦戦を見越した菅直人周辺が、選挙中から“不穏な動き”をしていたことに激怒しているのです。小沢戦略は鳩山由紀夫か前原誠司を担いで菅直人に対抗するシナリオ。それでまとまらなければ自分が出馬する気です。綿貫民輔や野田聖子などの無所属議員を引き込んで、菅直人一派を追い出すことも考えています」（国会事情通）　しかし、小沢チルドレンの若手もことごとく落選している。民主党は何をやってんだか……。 ────────────────────────────────────── ■ 反対派無所属議員・野田聖子、平沼赳夫…　当選後の生き地獄 ────────────────────────────────────── ▼ 謝っても突っ張っても“活路”なし ▼ 　せっかく当選したのもつかの間、新たな地獄が始まったのが、郵政民営化に反対し無所属で勝ち抜いた面々だ。しつこい小泉執行部はきのう（１２日）、武部幹事長が改めて「除名処分の方針は変わらない」と明言。野田聖子や平沼赳夫らは、今後、真綿で首を絞められるような兵糧攻めにもがき苦しむことになる。「反対派は当初、選挙後は新党組と組んで、３５人程度のグループの院内会派を結成、一定の発言力を維持し、キャスチングボートを握る構想を描いていた。ところが、自民圧勝でシナリオはパー。まったく展望が描けなくなりました。かといって無所属のままでは、選挙では支持してくれた県連、後援会も次第に離れていくでしょう。比例で復活した対立候補がポストなどで優遇されれば、人も金もそちらの方に流れていく。議員バッジをつけていても、政治生命は奪われてしまいます」（政界関係者）　武部執行部は除名処分について「特別国会後」を示唆している。特別国会に再提出される郵政法案に賛成すれば「お目こぼし」を匂わせているのだが、いまさら謝れば、それこそ政治生命はアウトだ。たとえ自民党に戻れても一生冷や飯である。　平沼は除名処分について「こっちにも言い分がある。郵政法案についても、私の態度は変わらない」と勇ましかったが、関係者は「採決はわからない。当分は粛々と無所属自民党だ」と首をすくめ、野田は一切、口をつぐんでいる。「無所属自民党という院内会派を組んで、何とか発言力だけ確保するのが精いっぱいではないか」（政治ジャーナリスト・角谷浩一氏）とみられている。　民主党に合流でもしない限り、彼らに活路は見いだせない。 ────────────────────────────────────── ■ 永田町の関心はもうこっち　取り沙汰される小泉改造内閣しょうもない顔ぶれ ────────────────────────────────────── 　空前の大勝に浮かれる小泉自民党では早くも、特別国会後の内閣改造に関心が移っている。ポスト小泉候補は色めきだち、マドンナ議員の入閣も取り沙汰されている。 ▼ 山拓入閣、小池官房長官、竹中厚労相… ▼ 　きのう（１２日）の会見で小泉首相は内閣人事のキーワードを２つ挙げた。「私の後の総理総裁に意欲を持っている人」「多士済々、才能ある人が当選した。老壮青のバランスを取って考える」――ポスト小泉候補を閣内に取り込むのはもちろん、意外な若手の登用もありそうだ。「歴代の長期政権は政権末期に必ず後継者レースを仕掛けてきました。首相も前例に倣い、後継候補を内閣に取り込み、求心力を高めるのが狙いでしょう。財務相や総務相など重要ポストを任せ、郵政後の内政課題となる財政再建や公務員改革に取り組ませるはず。安倍幹事長代理を重要閣僚で入閣させ、谷垣財務相、中川経産相ら小泉首相より若い世代で競わせるのだと思います」（政治評論家・浅川博忠氏）　老壮青のうち、「老」は盟友の山崎拓前首相補佐官の入閣を指すとみられる。「壮」の有力候補は、郵政特別委の委員長を務め、今度の選挙でも奔走していた二階総務局長。「残る『青』はサプライズ狙い。初入閣組や女性議員の起用が確実です。９８年の金融国会で活躍した渡辺喜美や根本匠、塩崎恭久や河野太郎。青木参院議員会長との調整次第では“小泉応援団”の山本一太の初入閣もあり得ます」（前出・浅川氏）　オンナの争いは熾烈だ。小池百合子官房長官や猪口邦子外相などという説がもう出ている。高市早苗も「ほめてください、ソーリ！」と早速、愛嬌を振りまいている。小選挙区で勝ち抜いた片山さつきには「経済閣僚ポストのカラ手形があるのでは？」とのウワサもある。　意外なところでは、竹中郵政担当相の厚労相。「郵政の次に年金を仕上げれば、竹中もポスト小泉の仲間入り」などと冗談みたいな話もある。いずれにしろ、話題だけの内閣になりそうだ。 ────────────────────────────────────── ■ 来年９月　小泉首相が辞めればまた総選挙！？ ────────────────────────────────────── ▼ 政局の流動化は避けられない ▼ 　２９６議席を獲得して、歴史的大勝を収めた小泉・自民党は「当分、選挙をやらないだろう」とみられている。「反動」が怖いし、これだけの数があれば、やりたい放題。「次の選挙は任期満了の４年後」という見方だが、本当にそうか？　小泉首相は来年９月に自民党総裁任期が切れたら、「続投しない」と明言した。エラソーに「改革への意欲でポスト小泉を競わせる」みたいなことを言っているが、スンナリいくとは思えない。間違いなく、来年９月は政局になる。「選挙に大勝ちしたことで、小泉首相はますます強権的、独善的になっていくでしょう。いまは党内も黙っているが、任期切れが近づけば、一気にさまざまな声が出てきますよ。今度の組閣でも、人気取りの人事をすれば、不満はたまっていく。ポスト小泉を巡る混乱、軋轢は絶対あるし、ハプニング解散もあり得ます」（永田町事情通）　すんなり、次へバトンタッチできても、その先がまた波乱含みだ。小泉が勝手に次の首相を決めれば、国民の間からも「もう一度、解散して信を問え」という声が出る。まして、次の政権は消費税の引き上げなど、国民の嫌がる政治課題を負う。解散・総選挙を逃げていたら追い込まれていく。「それだけに、首相が代われば、早い段階で解散・総選挙になるかもしれませんね。民主党も来年９月に代表選が行われ、新しい顔が登場する。与野党のトップが入れ替われば、ますます、『早い段階で選挙をしろ』という世論になるでしょう」（政治評論家・山口朝雄氏）　再来年の７月には参院選がある。新政権が衆院選挙を逃げていれば、ここでしっぺ返しを食う。どの道、選挙は避けられないのだ。　国民の多くは、今度の選挙結果を「ヤバイ」と感じている。自民党が丸々４年間、選挙をしないで逃げ切れると思っていたら、甘すぎる。

これが先進民主主義国の選挙とは呆れた ■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 8月19日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ これが先進民主主義国の選挙とは呆れたもうメチャクチャ、イラクやアフガン並みの国会議員選挙の様相有識層がこの国の行方に深刻な懸念 ■ 新党仕掛け人　亀井静香の“奥の手” ■ 言いだしっぺ平沼赳夫　新党不参加で評判ガタ落ち ■ バカバカしいホリエモン出馬騒動の顛末 ■ ムネオきょう旗揚げ　新党名「大地」 ■ 《茨城７区》前科者ＶＳ専業主婦　遺恨試合に地元はドッチラケ ■ 住宅ローンから銀行業へ　ＧＥの野望と脅威 ■ 大証株取得却下　「村上神話」は崩壊していくのか ■ 〈三菱東京〉優先証券、１６５０億円発行 ■ クールビズの次はコレ「メトロセクシュアル」で二匹目のどじょうを狙う〈百貨店〉 ■ 「ホリエモン出馬」にさすがの「信者」もネットで失望の声 ■ レクサスに対抗　日産が最上位「フーガ」（５５０万円）投入 ■ ケータイ第３世代端末は韓国頼み ■ ネット証券２社手数料下げ　イー・トレード、楽天に追随 ■ 〈阪神〉デリバティブ登場　優勝すれば大もうけ？ ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ これが先進民主主義国の選挙とは呆れた ■ もうメチャクチャ、イラクやアフガン並みの国会議員選挙の様相 ■ 有識層がこの国の行方に深刻な懸念 ────────────────────────────────────── ------------------------------------------------------------ まともな政治理念も信条も識見もあるとは見受けられない馬の骨を並べ立てる小泉党、恨みと憎しみで立ち上がった亀井新党、旗幟不明となった各政党のグチャグチャその結果がどう出ようとも、この顔ぶれでは霞が関のお役人がますますのさばって国政のデタラメがドンドン酷くなるのが必至 ------------------------------------------------------------ 　郵政民営化に反対した議員への刺客として、続々と有名人の候補が決まっている。　ワイドショーやテレビが面白がり、大新聞も「自民、東ちづる氏に要請」とか「ホリエモンに出馬交渉中」とか悪ノリして競うように“飛ばし”ている。　果たして、これがマトモな選挙と言えるのか？　反対派議員潰しに著名人を担いで血道を上げている小泉の姿は異様だ。それを実況中継しているマスコミはどうかしている。　担がれた候補者に政治家としての資質や識見があるならまだしも、「どこの馬の骨？」というのもいる。多少、顔が売れていれば、誰でもいいのだ。相手が震え上がり、落選の危機に追い込めればいいのだ。これは怨念選挙だ。狂った独裁者の「力」を見せ付けるショーである。　そのために、政治のド素人が候補者になり、おそらく比例で１位になる。政治をナメているし、有権者をバカにするにも程がある。「著名人候補者を見ていると、選んでいる小泉首相の資質がよく分かる。政治家としての識見などは二の次で、人気、知名度だけで選んでいる。本人の政治手法と一緒です。かと思うと、反対票を投じた自見庄三郎氏（福岡１０区）にぶつける西川京子氏は最初は反対だったのに寝返った論功で比例上位になる。『俺に逆らうとこうなる』『従えばこうする』ことを見せ付ける狙いもあるのでしょう。こんな選挙はムチャクチャです」（政治評論家・山口朝雄氏） ▼ 権力大好きオンナが浮かれている ▼ 　マドンナだとか騒がれている小池百合子（東京１０区）は日本新党から新進党、保守党と権力に擦り寄った渡り鳥。財務省の片山さつき（静岡７区）は、「目立ちたがり屋で、何でも自分の手柄にしてしまう。辞めてもらってせいせいした」と言う財務省幹部は多い。愛知４区の藤野真紀子は政治とは無縁の料理研究家。上智大教授で比例候補の猪口邦子もそうだが、権力大好き女性が小泉に口説かれ、当選を保証され、「審議会入りするような気軽さで舞い上がっている」（自民党関係者）ように見える。　節操のない自民党は、「金さえあれば何でもいいのか」（森前首相）と批判していたホリエモンも口説いている。ホリエモンはホリエモンで、話題になればライブドアへのアクセスが増えて株価が上がるので前向きとか。もう、世も末という選挙である。 ▼ 展望ゼロ、たった５人の亀井新党にも拍子抜け ▼ 　郵政反対派の動きも褒められたものじゃない。参院採決前から「否決すれば解散」とみられていたのに「５００％ない」（亀井元政調会長）とか言って、油断していた。解散後は右往左往で、ようやく、きのう結成にコギつけた「国民新党」の参加者はたった５人だからガクッである。堀内前総務会長をはじめ、平沼前経産相、藤井元運輸相、野田元郵政相らの大物は不参加。会見でも新党結成の華々しいムードは一切なく、５人は悲壮な表情だった。　結局、小泉への恨みと意地で新党までこぎつけたものの、緻密な戦略もなければ、目新しい政策、選挙後の展望もないのだ。「これじゃあ、たった５人の旗揚げも納得です。亀井派の中は、解散を読めなかった亀井の責任はどうなるんだ、恨みつらみだけではついていけないと冷ややかな声がほとんどです」（自民党関係者）　民主党から合流した田村秀昭参院議員に新党参加の打診があったのは、結党の１日前。民主党が選挙後を見越して貸しを作ったのか、いずれにしても、田村の参加がなければ新党はパーだった。権力者とケンカするのに、憎悪だけでは勝負にならない。イラクやアフガンの選挙みたいだ。 ▼ 自民のパフォーマンスにやられっ放しの野党 ▼ 　もっとも、だらしないのは野党も同じだ。民主党は、小泉首相が仕掛ける反対派との「骨肉の争い」に埋没。自民党分裂は政権交代の千載一遇のチャンスのはずだが、カヤの外に置かれている。　あわてて民主党は、平野博文幹事長代理名で報道各社に「自民党内の報道が多く “偏り”が見受けられます。公正・中立な報道を」とお願いしていたが、あまりにも情けない。過去４年半、小泉パフォーマンスにやられっ放しなのだ。「郵政改革もマニフェスト（政権公約）に盛り込んだ数値目標は『郵貯の預入限度額を７００万円に引き下げ』『８年以内に郵貯資金の半減』だけ。職員の非公務員化や人員削減は触れずじまいです。支持層の労組に気兼ねしているのか、小泉自民に対して旗幟鮮明にできずにいる。有権者には分かりにくいマニフェストです」（政界関係者）　輪をかけて存在感が薄いのが社民党と共産党だ。話題に上るのは、社民党の横光克彦副党首の離党と辻元清美元政調会長の出馬くらい。党消滅の危機に土井たか子前党首はすっかり戦意喪失だし、共産党も国民に争点を示せずジリ貧必至だ。　野党の体たらくで、世の中は自民党のケンカ一色の奇妙な選挙戦に突入しようとしている。法大教授の五十嵐仁氏（政治学）がこう言う。「今年は戦後６０年の節目の年。今回の総選挙は戦後政治を総決算し、日本の未来を占う大事な選択になり得るのです。ところが、マスコミも反対派も野党も『刺客だ』『くノ一だ』という時代劇のような小泉パフォーマンスに踊らされ、まともな政策論争すらできていません。構造改革は行き詰まり、外交は八方ふさがりの小泉政治にはもはや郵政しかよりどころがないことを野党もマスコミも追及すべきです。反対派も小泉流を逆手に取り、首相や山拓元幹事長の地元に有力な対立候補を立てるくらいの気概を示すべきでしょう。さもないと、郵政の“煙幕”で、４年半の失政を隠す小泉首相の戦略にまんまとハマってしまいます」　野党はマトモな選挙戦に戻さなければダメだ。 ▼ 与党が勝てば小泉ファッショ政治が待っている ▼ 　立正大教授の金子勝氏（憲法・政治学）は今度の選挙を「ファシズムか民主主義の分岐点」と位置付けている。小選挙区は党の公認が議員の生殺与奪の権を握る。それを逆手にとって、「逆らうな」「黙っていろ」と議論を封じ込め、選挙は著名人候補で“逃げ切り”を狙う小泉流が通用すれば、狂気の首相のやりたい放題が始まる。待っているのは小泉流ファシズム政治だ。　おそらく国会は形骸化し、官邸に出入りする官僚が自分たちが実現させたい政策をＡ４紙にまとめて、小泉に「やりましょう」などと言う。自分たちの失政をごまかすために、大増税、大負担増、社会福祉カットが恐ろしい勢いで進み、それを小泉は「改革」と強弁して、次々に実行に移していくのだろう。「郵政法案の審議を見れば分かるように、このとき、国民や野党が説明を求めても、小泉首相はマトモに答えようとしないでしょう。採決で造反すれば、議員バッジを奪われるので、与党は自動的に法案に賛成、成立していく。議会制民主主義の死です。今度の選挙は、それを阻止できるかの分水嶺。野党も含めた反小泉勢力やマスコミは、もっと頑張るべきです」（金子勝氏＝前出）　刺客だ、くノ一だと選挙を面白がっている場合ではないのである。 ────────────────────────────────────── ■ 新党仕掛け人　亀井静香の“奥の手” ────────────────────────────────────── ◆ 最悪スタートも“ただでは起きない…” ◆ 「急場しのぎの選挙互助会」とコケにされている“亀井・綿貫新党”。衆院の反対派３７人中、参加したのはたった３人と最悪のスタートしか切れなかったが、仕掛け人である亀井静香（６８＝広島６区）は、転んでもタダでは起きないともっぱらだ。 ◆ 「ヤッシー新党」で巻き返し？ ◆ 「このメンバーの新党では、比例区から島根２区に回る亀井久興（６５）の救済にしかなりません。久興は小選挙区では当選の目がなく、中国ブロックで何とか拾い上げるのが目的です。しかし、亀井はそれだけでは引っ込まない。最後まで野田聖子（４４）を“看板”にしようとする。もうひとつの仕掛けは、反小泉の新党ネットワークづくり。北海道のムネオ新党との連携や、都市部向けに長野県知事の田中康夫を担ぎ出し、“ヤッシー新党”を考えています」（永田町事情通）　田中知事を党首に、無党派層を狙った都市型新党を立ち上げる構想は、以前から取りざたされている。それを実現させ、選挙後に手を結ぼうというのだ。「民主党から田村秀昭参院議員を引き抜いたように、民主党の反岡田組や、無所属当選者の受け皿にしようとしている。与野党ともに過半数に届かずの選挙結果になったとき、主導権を握る思惑です」（自民党関係者）　追い詰められた亀井のシナリオはどこまで実現するか。 ────────────────────────────────────── ■ 言いだしっぺ平沼赳夫　新党不参加で評判ガタ落ち ────────────────────────────────────── 　解散前は「除名されれば新党結成もあり得る」と威勢が良かった平沼赳夫前経産相（６６＝岡山３区）が亀井新党にソッポを向いたことで、評判はガタ落ちだ。「地元後援会から『新党に加わったら支援しない』と詰め寄られたようですが、何より平沼は首相になる夢を捨てていない。ここで回り道をしたくないのです。『比例は自民党というのが県連会長の立場』なんて擦り寄っていますから。それに新党結成には莫大なカネがかかる。いざ、そのときが来るまで無駄には使いたくないようです。要は名より実を取ったのでしょうが、“同志”はもちろんのこと、旧亀井派の賛成派議員からも冷ややかな目で見られています」（自民党関係者）　逆に、首相のイスが遠のいたんじゃないか。 ────────────────────────────────────── ■ バカバカしいホリエモン出馬騒動の顛末 ────────────────────────────────────── 　出るのか出ないのか。小泉自民党から出馬を要請されていたホリエモン（３２）が、ついに決断した。きのう（１７日）執行部に連絡を入れ、“亀井排除”を買って出る意向を伝えたのだ。ただし、「刺客」を引き受けるに当たって、チョー強気な「要望」を突きつけていた。 ◆ 「目立つところなら」と５選挙区指定 ◆ 「要望」の中身は、ひと言でいうと「どうせやるなら、目立つところでやりたい」という内容だという。ホリエモンに近い関係者が明かす。「条件はズバリ、派手な選挙区です。堀江は１５日に武部幹事長、二階総務局長と極秘会談した時は『どこでもいいです』と一任していましたが、今回は出馬の条件として５つの選挙区を自ら指定した。出身地に近い福岡１区を意図的に外し、亀井静香の広島６区とか、平沼赳夫の岡山３区など反対派のボスの選挙区を選んでいる。どう転んでも勝てるとは思えないのに、堀江は自信満々で、党執行部も驚いたようですよ」　ホリエモンにしてみれば、マスコミの注目を集めることが目的だから、相手は亀井や平沼でなくては意味がない。執行部はホリエモンの「要望」を大筋で受け入れ、早ければ今日にも正式発表する見通しだ。「比例区票を積み上げられる東京とか大阪といった都市部、もしくは、反対組のボスのいるシンボル的な選挙区で調整している」（選対関係者）という。　ホリエモン出馬を一番喜んでいるのは、小泉首相に違いない。フジテレビ乗っ取り騒ぎの頃、官邸は“堀江潰し”に奔走したといわれるが、今は「ああいう方が政治に意欲を持ってきたということは、時代の変革期かなあという感じがしますね」などとベタ褒めだ。票目当てとの批判にも、「何をやっても批判する人は批判する。全部がいいという人はいない」と反論。ホリエモンに秋波を送っている。　ある自民党関係者はこう言う。「党内でも『知名度があれば誰でもいい』という小泉のやり方がいつ国民の反感を受けないかとヒヤヒヤですよ。これまでの風向きが変わって、総崩れになることを心配する声は強くなっている。堀江擁立がその分岐点になるような気がします。発表と同時に潮目が変わりそうで、怖い」　堀江カードはエースではなく、ジョーカーだったりして……。 ────────────────────────────────────── ■ ムネオきょう旗揚げ　新党名「大地」 ────────────────────────────────────── 　元衆院議員で刑事被告人の鈴木宗男（５７）はきょう（１８日）午前、旭川市に続いて札幌市で事務所開きを行い、北海道を対象とする地域新党の結成を発表した。党名は「新党大地」。歌手で盟友の松山千春（４９）が命名したという。　自らの国政復帰をかけ、衆院選では比例代表北海道ブロックのほか、北海道の小選挙区への候補者擁立を目指す。具体的な候補者名については言及を避けた。刑事被告人の立場で、国政選挙に挑むのは２回目。　宗男は比例代表候補として出馬する可能性が高い。本人は「２、３日中に結論を出す」としているが、小泉自民党の“刺客作戦”を推し進める武部勤幹事長の北海道１２区からの出馬にも含みを持たせている。　宗男は０４年１１月、受託収賄などの罪で東京地裁から懲役２年の実刑判決を言い渡され、現在控訴中。同年７月の参院選では無所属で立候補、落選したものの、４８万票余りを獲得した。比例区なら複数の議席獲得も可能な票数という見方もあり、自民党執行部は「警戒している」（関係者）。　また“亀井新党”に合流する可能性については否定している。 ────────────────────────────────────── ■ 《茨城７区》前科者ＶＳ専業主婦　遺恨試合に地元はドッチラケ ────────────────────────────────────── 　ゼネコン汚職事件で実刑判決を受けた中村喜四郎・元建設相（５６）が立候補する茨城７区からは、自殺した故永岡洋治前衆院議員の妻・桂子氏（５１）も自民党公認で出馬。やれ弔い合戦だ、遺恨試合だとマスコミは盛り上がっているが、地元では意外や“しらけムード”が漂っている。「『前科者と専業主婦の争いか……』というため息が漏れています。民主党新人の五十嵐弘子氏にしたって、６１歳の元市議と新鮮味に欠ける。争点もはっきりしないし、投票に行く気がしないという声が圧倒的に多いのです」（地元関係者）　今から投票率が下がるともっぱらで、そうなると、ドブ板選挙で強力な後援会組織を築いている中村が有利なはず。「そうとばかりは言えません。『茨城のドン』と呼ばれ、国会議員でも頭が上がらない山口武平・県連会長の存在があるからです。００年の総選挙では陣頭指揮で永岡を応援したが、控訴中だった中村に５万票以上の差をつけられて惨敗した。今回は中村憎しの遺恨で燃えています。関係者がそうやって盛り上がるほど、周囲は余計にしらけちゃうようですが……」（県連事情通）　有権者はそっちのけということか。

いつまで続けているのか大マスコミの郵政攻防たれ流し報道 ■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 7月26日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ いつまで続けているのか　大マスコミの郵政攻防たれ流し報道成立したらこんな事態に国民は追い詰められるいい気になった小泉独裁首相は解散もせず悪法を次々成立させ、国民大負担増路線を突っ走り、池田大作公明党と手を組みブッシュ米国の奴隷となり何でもありのやりたい放題をやるだろう ■ 首都圏直撃　震度５強 ■ もう秒読み　サマワ自衛隊にロケット弾 ■ 【英国テロ事件】誤射されたブラジル人　出勤途中で急いでいただけだった！ ■ 台風７号　太平洋岸に ■ 〈ＮＨＫ〉受信料不払い１００万件突破 ■ 英国式監視カメラ　「東京にも導入」の動き ■ 〈明治安田生命〉“本紙独占入手” 会社ぐるみの「保険金不払いマニュアル」仰天手口の全て ■ 大証株の追加取得を検討　村上ファンドの次なるターゲット ■ 人民元切り上げ　これから出てくる生活への影響 ■ 〈西武〉京都宝ケ池プリンス存続決定 ■ 〈日本サムソン〉が経団連入り ■ 〈東急観光〉「トップツアー」に社名変更 ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ いつまで続けているのか　大マスコミの郵政攻防たれ流し報道 ■ 成立したらこんな事態に国民は追い詰められる ■ いい気になった小泉独裁首相は解散もせず悪法を次々成立させ、 ■ 国民大負担増路線を突っ走り、池田大作公明党と手を組み ■ ブッシュ米国の奴隷となり何でもありのやりたい放題をやるだろう ────────────────────────────────────── ---------------------------------------------------------------------- 大新聞ＴＶは無責任にも法案が否決なら小泉は衆院解散すると煽っているが妥協を重ね歪められた肝心のデタラメ民営化に賛成なのか反対なのか国民の多数は即刻解散総選挙を要求しているが選挙に怯える国会議員が脅しに負けて賛成に回りこのインチキ改革が実現したら国民生活はどうなる ---------------------------------------------------------------------- 　一体、この国の大マスコミは何をやっているのか。毎日毎日、政治面を大きく割いては、「参院の採決、微妙」「否決なら首相は衆院解散か」と同じことの繰り返しだ。　しかも、参院の造反しそうな議員の数について、「最低で２６人」「１６人は堅い」など両陣営の希望的発言や思惑発言をそのまま無責任にタレ流している。こうも連日だと、読者はウンザリだ。　テレビも負けてはいない。首相の盟友である山崎拓議員を登場させて、「総理は否決なら間違いなく解散する」「そういう性格だ」などと代弁させていた。　だが、こうした報道はむしろ逆効果になっているだけだ。本当に１８人以上の造反が出て、郵政民営化法案が否決され、小泉自民党が終わるなら、報じる価値はある。しかし、現実は大マスコミが「解散説」を煽れば煽るだけ、解散が遠のいているのだからアベコベだ。「これだけ連日、マスコミで“否決なら解散”“解散なら自民分裂も”なんて流されると、逆の力が働いてしまう。郵政民営化法案に反対しようと思っていた議員も、自分の一票のせいで衆院が解散され、それで政権交代になったら大変と、ブレーキがかかってしまいます。衆院が予想外の５票差で可決してからのマスコミ報道は、明らかに異常だし、造反議員切り崩しに加担しているのと同じですよ」（政治評論家・山口朝雄氏）　大新聞・テレビはだれの味方なのか。 ◆ 小泉サイドを利するだけの大マスコミの解散報道 ◆ 　新聞を読んだり、テレビのニュースを見ている国民は、実は郵政民営化の何たるかを全然知らない。「自分の郵便貯金や簡易保険はどうなるのか」「２万４０００ある郵便局は減るのか、便利になるのか」「民営化したら郵パックと民間業者の宅配便はどっちが安くなるのか」……。そんな初歩的なことから、「３５０兆円もの資金を民営会社がどうやって運用するのか、外資のエジキにされないのか」「焦げつき財投はどれだけあるのか、税金で穴埋めするのか」「２７万人郵便職員は過労とリストラで人減らしされないのか、再就職先はあるのか」……といった深刻な問題点まで、分かっている国民は皆無に近い。　だったら、それを指摘したり、教えてやるのが大マスコミの仕事だろう。「１８票に届くか」「解散はあるか」と、競馬みたいな予想記事を流すよりも、よっぽど大事だ。「そもそも、なぜ今、民営化が必要なのか。その根本的なところを周知させず、法案が通るか通らないかでマスコミも議員たちも騒いでいる。本末転倒のデタラメですよ」（山口朝雄氏＝前出）　筑波大名誉教授の小林弥六氏（経済政策）はこう言う。「マスコミはずっと小泉改革なるものを支持してきた。それが景気回復を遅らせ、社会の弱者切り捨てになっていることには目をつむったままです。その経緯から言って、首相が“小泉改革の総仕上げ”と称する郵政民営化にマスコミは異議をはさめない。問題点も指摘できないのです。だから、成立するか否決かといった報道で、お茶を濁しているのでしょう」　政府と大マスコミが結託して、郵政民営化の中身と真相を教えようとしない。こういうのをインチキ改革というのである。 ◆ 郵政法案成立後は“サラリーマン大増税”の番 ◆ 　こんな調子では、大マスコミを利用した小泉サイドの思惑通り、どっちつかずの参院議員は脅しに屈して賛成に回り、またひとつ「悪法」が成立してしまう。　それは小泉“独裁”政治を認めたことになり、これまで以上にやりたい放題になることは間違いない。公明党と手を組み、すべての悪法を数の力でゴリ押ししていく。まさに悪夢だ。「郵政にかまけているせいで、『政治資金規正法改正案』などの重要法案の審議は足踏み状態が続いています。その裏で２２日には、現場の判断で迎撃ミサイルが発射できるようになる『改正自衛隊法』をちゃっかり成立させている。小泉政権があと１年以上も続くことになれば、ブッシュ米国の言うがままに日本の米軍基地化を進め、軍事路線を突っ走る。自民党の改憲草案通りに、海外派兵できる『自衛軍』が創設されるでしょう。世界各国がイラクから撤退しても、日本は英国と一緒に最後まで付き合わされかねない。日本国民はこの先ずっと、テロの恐怖に怯えて暮らす羽目になります」（立正大教授・金子勝氏＝憲法）　参院で郵政法案が成立すれば、小泉は喜々として靖国参拝にも出かけるはずだ。中国、韓国など近隣諸国とのいらぬ摩擦を生じさせ、溝が深まる中で過激なナショナリズムも煽っていく。　郵政の後には「年収９００万円世帯の負担増は８６万円」というサラリーマン狙い撃ちの大増税路線も待ち構えている。政府税調の報告書通りに給与所得控除を縮小し、配偶者控除を廃止。「３兆円を超える増税の上に消費税率も０７年度から引き上げ、最終的に１５％にするつもりでいます」（自民党関係者）　障害者に負担を強いる「障害者自立支援法案」といった弱者切り捨ても横行するだろう。　小泉は「郵政は五里霧中」なんてすっとぼけたことを言っているが、これからの国民生活こそ五里も十里も霧の中だ。 ◆ 国民が期待する解散を封じる大マスコミの罪 ◆ 　どの世論調査を見たって、有権者の要求は「郵政なんてどうでもいい」「さっさと国会を解散しろ」である。生活苦や不安がどんどん高まっているからだ。　神奈川大名誉教授の清水嘉治氏（経済学）が言う。「それも当然で、痛みと不幸をもたらすだけの小泉政権に、もうウンザリしているのです。選挙民がいま本当に望んでいる政策は、景気であり、年金であり、税金でしょう。１０年後に１００万人を突破するニートにしても、アスベスト被害の問題にしても、もっと身近な問題を『早く何とかしてほしい』と思っています」　それなのに国会も大マスコミも郵政で目くらましをして、肝心なことは何もやろうとしない。「国の借金はこの３月末で約７８２兆円と過去最悪を記録し、前年度比で１割以上も増えた。地方と合わせると借金は１０００兆円を超える。小泉改革が破綻していることは、誰の目にも明らかです。このまま放っておけば“債務超過”に陥り、近い将来、国家財政は確実にパンクする。その負担は、また国民に押し付けられる。小泉政権の４年間はこの繰り返しです。貧富の格差は広がるばかり、庶民の生活は苦しくなる一方ですよ」（清水嘉治氏＝前出）　だから、国民は「早く解散・総選挙で意思表示させろ」と願っている。ところがどうだ。日本の大マスコミは小泉インチキ改革を後押しし、せっかくの解散の道まで封じようとしているのだから二重三重の罪だ。いや、今や「国民の敵」と言っていい。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 7月 8日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ 注目の参院で否決の見通しの中で… マフィアにも似たドン青木会長が仕切る参院自民だが、もはや締め付けは無理暑い夏の１カ月の国会、参院郵政審議中に異常男の小泉首相が仕掛ける奇策とハプニングが予想されている問題は小泉独裁政治が終わるかどうか ■ 髪グチャグチャでサミット入り　小泉首相“床屋疑惑”が再燃 ■ ホリエモン　４０００万株の売却先は投資ファンド ■ 熊野大社の護符を「誓紙」に　造反５１人「血判状」あった！ ■ 今度はＴＤＬがＭＢＯの標的か　親会社・京成電鉄の大株主に投資会社 ■ 元締・元公団理事ら３人逮捕へ　橋梁談合捜査大詰め ■ 米ビッグ３　大バーゲン断行の崖っぷち ■ キリンが大攻勢！　統合後初の国産ウイスキーを発売 ■ リクルートが携帯事業へ本格参入　無料サイトオープン ■ “超高級”外資ホテルラッシュの行方　まずは「コンラッド」オープン ■ 明治安田生命格下げへ　米格付け大手Ｓ＆Ｐ保険金不払い問題で ■ 過熱！！　水蒸気オーブン　東芝参入で家電５社揃い踏み ■ 〈ＪＲ東日本〉年間売上高３５億円　品川駅に“駅ナカ”誕生 ■ サミットエナジーが東北で電力供給 ■ 〈三井物産〉槍田社長記者会見で謝罪 ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ 注目の参院で否決の見通しの中で… ■ マフィアにも似たドン青木会長が仕切る参院自民だが、もはや締め付けは無理 ■ 暑い夏の１カ月の国会、参院郵政審議中に異常男の ■ 小泉首相が仕掛ける奇策とハプニングが予想されている ■ 問題は小泉独裁政治が終わるかどうか ────────────────────────────────────── -------------------------------------------------------------------------- 否決の情勢が強まれば小泉首相は衆院を解散するという見方もあるが、公明党が嫌がる解散を強行できるのか。解散なら政界は支離滅裂の大混乱の中でようやく小泉悪政暴政も終わりという大歓迎の事態になる期待もある -------------------------------------------------------------------------- 　わずか５票差で衆院を通過した郵政民営化法案は、週明けから参院での審議が本格化する。仕切るのは、参院のドン・青木幹雄議員会長――。「マヌケな武部執行部と違って、青木さんなら、参院をまとめてくれるのではないか」（自民党大臣経験者）との期待がかかるが、果たしてそうか。「いくら青木がコワモテで締め付けても、今回は厳しい。参院での否決は決定的」（自民党関係者）との見方が急速に広がりつつある。「小泉政権は衆院での５票差可決に胸をなで下ろしているみたいですが、反対派は古賀誠元幹事長が反対ではなく欠席するなど、あえて『寸止め』したのが真相です。衆院で民営化法案を否決したら、即、解散になってしまう。そこで、衆院は計算ずくで法案を通し、参院で葬り去るシナリオなんです。間違いなく、参院は通らないと思いますね」（政治ジャーナリスト・角谷浩一氏）　慌てふためいている小泉は参院で否決されても衆院解散を匂わせている。しかし、いくらなんでも筋が通らないし、公明党も黙っちゃいまい。　首相の解散権を縛った上での「参院勝負」で、反対派は「計算通り」と手ぐすねを引いているのが実情なのだ。「こうなると、いくらドンの青木でもまとめられないでしょう。参院本会議は１８人の反対で否決できるし、亀井派だけで１８人。反対派は約２０人以上とされ、流れは決まりつつある。民主党も参院では解散を恐れず、攻めて来る。竹中スキャンダルを執拗に追及、問責決議案を出すのは必至で、反対派がこれに乗っかる手もある。担当大臣が辞めるようなことになれば、審議はグチャグチャ、時間切れの可能性も出てきます」（永田町関係者）　目下の情勢は、どうあがいても、否決か廃案なのである。 ◆ 狂気の首相が繰り出すアノ手コノ手のウルトラＣ ◆ 　そこで、狂気の首相がどう出るかだ。永田町ではさまざまな憶測が飛び交っている。「毒まんじゅう（カネやポスト）をバラまく」とか、「秋の内閣改造で参院の大臣枠を３つから４つに増やす」とか、「スキャンダルで締め上げるんじゃないか」なんて警戒する声もある。「政治資金の流れを調べ上げ、有力後援者まで揺さぶれば、何が出てくるか。『加藤の乱』の時は、ここまでやって寝返らせたし、今度も山拓の動きが怪しい。追い詰められた官邸は何でもやると思いますね」（自民党衆院議員）　それでも、否決が決定的の場合、採決を回避し、継続審議に持ち込む手もある。「通常国会が閉会してから秋に予定される臨時国会まで約１カ月ある。その間に反対派と落としどころを探り、手打ちを狙うシナリオです。反対派の目の敵になっている竹中大臣の首を差し出すかもしれませんね」（政治ジャーナリスト・伊藤達美氏） ▼ 郵政法案と刺し違えて総辞職の可能性 ▼ 　郵政民営化「命」の小泉だけに、法案と刺し違える可能性もささやかれている。リクルート疑惑で火ダルマになった竹下元首相はクビを差し出して予算案を通したし、細川元首相も辞任を示唆して、参院で一度否決された政治改革関連法案を修正、通した。「細川方式はありますね。そうなれば来年９月の総裁選が前倒しになり、自民党内で次の首相が決まることになる。自民党反対派にしてみれば、解散もなく政権交代になるのでのむかもしれない。でも、小泉首相が総辞職を宣言しても、法案が通るかどうか。『辞めるから法案を通してくれ』と言っても、『どうぞご勝手に』で終わってしまうかもしれませんね」（角谷浩一氏＝前出）　すでに、こうした動きを見越しているのか、自民党内ではポスト小泉争いがにわかに本格化しつつある。みんなが政局をにらんで走り出している。 ▼ 破れかぶれの“自爆テロ”解散も ▼ 　政治評論家の有馬晴海氏の見立てはこうだ。「継続審議にもならず、法案が否決か廃案になれば、小泉首相は破れかぶれ解散に打って出る可能性もあると思います。確かに冷静に考えれば、いま解散すれば分裂選挙の様相になり、自民党は割れるか潰れてしまう。自爆テロみたいな話ですが小泉さんならやりかねない。レームダック化し、野垂れ死にするくらいなら一発逆転のバクチを打ってくると思います」　これは究極のハプニングだが、小泉だけに分からない。本当に総選挙になれば、自民党は造反議員の公認で大モメになるし、自民を飛び出し、新党結成に走る議員も出てくるだろう。政局は大混乱、学会・公明も右往左往のパニックだ。 ◆ デタラメ政治が終わるなら国民は混乱大歓迎 ◆ 　こうした展開になれば、国民は願ったりかなったりだ。「どうでもいい郵政民営化で、政権が代わったり、解散になるのはマンガみたいな話ですが、それはそれでいいと思う。郵政民営化にかまけて、国民にとって大事な政策が置き去りにされるデタラメ政治をストップさせることが大事なんですよ。ハプニングでも何でもいいから政局が動いた方がいい。自民党も分裂し、本当の政界再編が加速化するのであれば、一時的な政治の混乱も仕方がないと思います」（政治評論家・山口朝雄氏）　国民にしてみれば、郵政民営化法案の行方などどうでもいいのだ。肝心なのは、小泉デタラメ政治が終わるかどうか。小泉首相はのんきにサミットに出かけたが、この間に政局は大きく動き出している。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 7月 4日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆ 明日の『日刊ゲンダイ Dailymail』は休刊です ☆ ◆◇ Today's Top News ◇◆ 日本はすでに破産しているその国債が大暴落し日本経済崩壊の予測が語られている ■ 手詰まり相場　株価２ケタのボロ株が大乱舞！ ■ 談合を決めた「天の声」 ■ ＪＵＮＧＬＥ　ｒｅｐｏｒｔこの夏は“イタリア男”の恋愛テクで女をコマせ！セレビッチもエグゼリーナも思いのまま ■ 夏だ！　ゲンダイ流レジャー術特集第１弾普段は見られない“裏の顔”が覗ける　夏のバックヤードツアー ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ 日本はすでに破産している ■ その国債が大暴落し日本経済崩壊の予測が語られている ────────────────────────────────────── ---------------------------------------------------------------------- 国の借金は０４年度末で７８１兆円に増えた。その借金をサラリーマンへの大増税で穴埋めすると宣伝しているが、そんな事はできるはずがない小泉デタラメ政権はこの４年間まともな景気対策、経済政策を全くやらずに国債の発行残高を総計６２６兆円にも増大させたが…… ---------------------------------------------------------------------- 　日本の借金がとうとう１０００兆円に膨らんだ。国の借金が今年３月末で７８１兆円に達し、これに地方の借金２００兆円強、さらに隠れ借金を加えると、大台を突破したというのだ。　１０００兆円といっても天文学的数字すぎて、庶民にはまったくピンとこないが、国民１人あたりざっと１０００万円、４人家族なら４０００万円の借金を背負い込んだのと同じだ。　この国の年間の税収は５０兆円足らず。仮に支出をゼロに抑えても返し終わるには２０年もかかる。要するに、この国は借金地獄で破産しているということだ。「国のサイフを預かる財務省が恥ずかしくもなく、借金１０００兆円という数字を発表した狙いは明らかです。もちろん隠しておけないこともありますが、衝撃的な借金を発表することで、大増税やむなしのムードをつくり出すことです」（経済アナリスト・吉見俊彦氏）　１０００兆円も借金があるのだから、「どうぞ国民の皆さま、ご負担をお願いします」ということだ。実際、財務省からこの１０００兆円が発表されるのと前後して、政府税調（石弘光会長）がサラリーマン大増税を打ち出してきた。年収９００万円世帯で８６万円の負担増、総額６兆８０００億円という、サラリーマンをバカにしたもの。だが、サラリーマンを狙い撃ちして、巨額赤字の穴埋めにしようとしたところで、焼け石に水である。国の借金は毎年８０兆円ペースで増え続けているのだ。　根本的対策に転じない限り、破産国家ニッポンが「地獄」を見るのは時間の問題である。 ▼ 景気回復による税収増しか対策はないが… ▼ 　どうして、日本はこんな借金地獄に陥ってしまったのか。政治家や役人の「後は野となれ山となれ」の無責任バラマキ財政のせいだが、税収が増える経済システムをつくらないことが致命的だ。「１０００兆円にも膨らんだ借金を一気に減らせる方法は、ハイパーインフレくらいです。超インフレが起き、１万円の貨幣価値が１０００円くらいになると、国の借金も１０分の１に圧縮できます。でも、これは戦争など外的要因を待つしかありません。政府がやれることは、とにかく無駄な支出を減らす一方で、景気を回復・好転させて、税収を増やすことです。企業も個人も収入がどんどん増えれば、黙っていても税収は上がる。そんな循環に持っていくことが必要なのです。ところが、小泉政権は景気対策をやめ、負担増ばかりだから、不況が長引き、税収が増えないという悪循環に陥っているのです」（吉見俊彦氏＝前出）「積極財政で財政再建の逆発想が必要」と唱える国際大名誉教授の宍戸駿太郎氏はこう語る。「一時的に財政は悪化するが、毎年数十兆円の減税・財政支出を４、５年続けると、国民のサイフのひもが緩み、ＧＤＰも税収も飛躍的に伸びていく。財政赤字悪化に歯止めをかけるのは、この手しかありません」　しかし、小泉首相にそんな発想はない。財務省に踊らされるまま、緊縮予算と増税を繰り返すだけ。その揚げ句は、公約の国債発行３０兆円枠も守れず、この４年間で赤字を１６０兆円も増やしてしまったのだから最悪。どうしようもない。 ▼ すでに外資は国債売りのタイミング待ち ▼ 　このままだと、日本経済は本当に崩壊だ。経済専門家からは、恐ろしい予測やシナリオばかり語られている。　明大教授の高木勝氏（現代経済）は「１０００兆円に膨らんだ借金を減らすのは小泉政権では無理。逆に１２００兆円まで増やす恐れがある」と語る。政府が６２６兆円まで乱発した国債の暴落→金利上昇が日本経済崩壊の引き金になる可能性が高いという。　事実、０５年度の国債発行総額は、借換債を含めて過去最高の１６９兆５０００億円。ケタはずれになっている。これでは、いつ需給の悪化による長期金利の上昇（債券価格の下落）が起きてもおかしくない。　問題は、いつどういうタイミングで国債暴落が始まるかである。「最初の最大の危機は２００８年。小渕内閣時代の９８年に乱発した１０年物国債の償還期限がやってくる。しかも金額は例年の倍近い４０兆円。国は予算を組めず、 “非常事態宣言”に発展するとみられているのです」（ファンドマネジャー）　だが、０８年まで市場が待つかどうか。危機の前倒しで、その前に外資などが国債を大量に売ってくる可能性が大だ。　エコノミストの紺谷典子氏はこう見ている。「外資系ハゲタカは、昨年末ごろから国債ディーラーを日本に集めています。“日本売り”のタイミングを計っているのです。日本の財務省はそうはさせじと、景気を不安定にして超低金利を維持し、国債が買われる環境をつくり出していますがこれは逆効果だと思います。むしろ外資に『日本財政はもうアウト』『日本に魅力はない』と国債投げ売りを誘発させる結果になるだけです」　３年後どころか、早ければ今年から、外資による国債見切り売りが始まる。そうなったら、国債１００兆円の“受け皿”である銀行などの「ろうばい売り」と相まって、金利が暴騰。銀行も企業も一気に追い詰められていく。国債の上に築かれている日本という国家は音を立てて崩れていく。これが日本経済崩壊のシナリオだが、だれも否定できない時代になってしまった。 ▼ 個人国債なんて買うとバカを見るだけ ▼ 　小泉政権と財務省は、いつ紙切れになってもおかしくない国債を売るために、調子のいいことばかり宣伝している。　個人向け国債には「変動金利、１万円単位で購入可能」とか「購入して１年たてば同じく１万円単位で換金自由、しかも元本は保証」と有利な条件をつけて、押し売りに必死だ。だが、だまされないことだ。「政府保証の国債も百パーセント安全じゃないのは金融業界では常識」（ファイナンシャル・プランナー）。太平洋戦争中に発行された戦時国債が、敗戦で紙切れになったのは周知の通りである。前出の高木勝氏がこう言う。「小泉政権のやっていることは、国家的詐欺に等しいですよ。財政破綻が目前なのに、今なお楽観論を流して国債を国民に買わせ、海外までＩＲ（投資家向け広報）に出かけて行っている。急務な景気対策ばかりか、４年前の政権発足時に『やる』と宣言した財政再建も放ったらかしなのだから、ひどいものです」　全くだ。この期に及んでも、「靖国だ」「郵政だ」と、どうでもいいことばかりにかまけ、日本経済崩壊の危機には知らん顔の小泉デタラメ政権を駆逐しないと、この国は底が抜けてしまう。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 6月29日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ 自民党政権はこれでおしまい「自民党はタカ派とハト派のバランスの上で政権を長く担当できた」という古賀自民党元幹事長の指摘は正しいが、そのハト派は小泉首相の手で完全に無力にされたそしてポスト小泉はお先真っ暗の闇の中 ■ 税調・石会長“身内”から総スカン財務省は「言いすぎ」自民は「選挙に響く」 ■ 靖国参拝５２％が「中止」を ■ 自民執行部　郵政修正案を提示へ ■ 鳥インフルエンザ　卵の移動制限解除へ（茨城） ■ 〈カネボウ〉旧経営陣に１０億円を請求 ■ 「ペット可」マンション５６％に（首都圏） ■ 香港旅客機で乗客暴れる　福岡空港に緊急着陸 ■ 三菱グループ株主総会　マスコミ対応めぐるドタバタ ■ 総会前に株主へアピール　〈カネボウ〉旧経営陣の責任追及 ■ 〈ＪＡＬ〉株主総会新町ＣＥＯが大株主・糸山英太郎氏を事前訪問　その内幕は… ■ 〈東芝〉ＭＳと提携　次世代ＤＶＤ主導権争いに援軍 ■ フジ株、３０日にも返還　貸与受けたＳＢＩ（ニッポン放送に） ■ 鳥インフルエンザ　一時スーパーで卵撤去 ■ 〈トヨタ〉役員全員でクール・ビズ　環境志向を熱くアピール ■ 〈三菱ふそう〉品質担当副社長に日産出身者（ポスト新設） ■ 伊勢エビが安い！ ■ 【話題の焦点】・小泉改革のお手本　ニュージーランドの惨状 ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ 自民党政権はこれでおしまい ■ 「自民党はタカ派とハト派のバランスの上で ■ 政権を長く担当できた」という古賀自民党元幹事長の指摘は ■ 正しいが、そのハト派は小泉首相の手で完全に無力にされた ■ そしてポスト小泉はお先真っ暗の闇の中 ────────────────────────────────────── -------------------------------------------------------------- 小泉デタラメ首相がぶっ壊したこの国の政治・経済・社会システムの大混乱の中で、アジア近隣諸国と対立し、アメリカの属州となり、企業も個人も貧富の差の拡大に半殺しにされるだろう -------------------------------------------------------------- 　たかが「郵政法案」をめぐって自民党内のドタバタが続いている。小泉首相が「法案を修正しない」と突っ張り、上から下まで右往左往だ。国民は「郵政民営化」の緊急性をまったく感じていないのに一体、何をやっているのか。国民が政治に何を望んでいるのかさえ分からない末期症状となっている。　郵政のバカ騒ぎは、自民党崩壊の前兆だ。小泉首相は調子づいて、自民党が結党以来、５０年間保持してきた“政権維持機能”を完全にぶっ壊してしまったからだ。　自民党の古賀誠元幹事長が先週「ポスト小泉」について、こう発言している。「自民党はタカ派とハト派のバランスの上で政権を長く担当できた」　まさにその通り。自民党のバランス感覚こそ、超長期政権の秘訣だった。　党内に「ハト派」「タカ派」の２つの勢力を抱え、それぞれが政権を担うことで、国民から幅広い支持を得てきた。右や左に極端に突っ走らないだろうという自民党への安心感が、長期政権を可能にしてきたのだ。　しかし、現状はどうだ。小泉内閣の４年間でハト派は一掃され、自民党は片肺状態になっているのが実態である。 ◆ 「ハト派」「護憲派」を根絶やしにした４年間 ◆ 　この４年間で、タカ派の小泉首相はハト派を根絶やしにしてしまった。「自民党をぶっ潰す」と絶叫し、構造改革ＶＳ．抵抗勢力の対立を演出して国民の喝采を浴びてきたが、実態はハト派の橋本派や旧宏池会を狙い撃ちにしてきただけのことだ。「いわゆる保守本流の橋本派と旧宏池会は、思想的には護憲で、経済政策は競争より公平、弱者救済でした。外交政策も中国や韓国などアジア重視だった。ところが、この４年間で保守本流は壊滅状態です。橋本派は野中広務、鈴木宗男という豪腕が姿を消し、派閥会長の橋本龍太郎は日歯連事件で傷ついた。本家の旧宏池会は３つに分裂し、首相候補だった加藤紘一は参考人招致、議員辞職でミソをつけてしまった。ハト派的な政策を掲げるグループはまったく力を失っている。いまや派閥の体をなしているのは、小泉首相の出身派閥であるタカ派色の強い清和会ぐらいです」（政治評論家・山口朝雄氏）「ポスト小泉」も、橋本派、旧宏池会には有力候補は見当たらない。小泉後継の最右翼は、小泉首相に輪をかけたスーパー右翼で、「Ａ級戦犯」の岸信介の孫である安倍晋三。その次が同じ清和会の福田康夫といったありさまである。「この４年間で、自民党は完全に変質してしまいました。自民党の強みは、右から左まで国民の多様な意見を吸い上げ、議論できるところにあった。ところが、いまや党内は右派的な意見一色。こんな自民党を有権者が支持するかどうか。自民党は自分で自分のクビを絞めているのです」（山口朝雄氏＝前出） ◆ 長期政権の秘訣だった「擬似政権交代」 ◆ 　自民党は１９５５年の結党以来、実に巧妙な首相選びをしてきた。「安保」の岸信介の後には「経済」の池田勇人を据え、「官僚」の佐藤栄作の長期政権が飽きられると「党人」の田中角栄を登場させた。その角栄が「金権」でコケると「政治改革」が売りだった三木武夫にバトンタッチ。その後は「タカ派」の福田赳夫から「ハト派」の大平正芳に政権が移り、鈴木善幸が「財政再建」や「日米関係」で行き詰まると、「行革」「親米タカ派」の中曽根康弘を登場させている。　竹下登が消費税・リクルート疑惑で政権を投げ出し、ピンクスキャンダルの宇野宗佑で選挙にボロ負けすると、「清潔」が売りの海部俊樹へ。海部の「ノーテンキ」に皆があきれると「インテリ」の宮沢喜一が引き継ぐといった具合だ。　単独政権が終わり連立時代になってもパターンは同じだ。「嫌み」な橋本龍太郎の後には「お人よし」の小渕恵三が座る。小渕急死後の「密室談合」で生まれた森喜朗が１ケタ支持率まで落ち込み、代わって登場したのが今の小泉首相だ。「かつての自民党にはさまざまな政策、キャラクターを持った人材がいました。そのため、一つの政権が終わると、その対極に位置する政権ができる『擬似政権交代』で国民の支持をつなぎとめてきた。しかし、今は独自な政策を持つ個性的な政治家がいなくなり、『振り子理論』が利かなくなっています。政策的に見ても、小泉首相の（１）近隣外交を批判する者はいても、（２）緊縮財政に噛み付いているのは亀井静香氏くらいしかいない。まさに自民党は人材払底で、“攻め”より“守り”に入っています」（政治評論家・浅川博忠氏）「タカ派」路線を突っ走った小泉は、自民党が生き延びるための土台をぶっ壊してしまったのだ。 ◆ 小泉首相が“ぶっ壊した”日本社会 ◆ 　小泉首相が「ハト派、弱者擁護、アジア重視、護憲派」勢力を潰したことで、この国までおかしくなっている。小泉内閣が招いた政治、経済、社会システムの混乱に拍車がかかるのは必至だ。　靖国参拝で中国、韓国の反発を「内政干渉」とハネつける外交オンチぶりで、近隣諸国との関係は悪化するばかりだ。とりわけ日本の貿易の３割を占める中国との関係を悪化させたことで、「政冷経熱」が、いつ「政冷経冷」に変わってもおかしくない状況だ。近隣諸国から嫌われ、孤立を深めれば、日本企業の活動が制約されるにとどまらず、各国がしのぎを削る世界最大の市場を失い、日本経済には致命傷だ。　小泉内閣は、アジアで孤立する一方で米国にはベッタリだ。もはや自衛隊は米軍の下請け軍隊。アジア・太平洋、インド洋に展開する米陸軍・第１軍団の司令部が、キャンプ座間（相模原市）に置かれれば、日本は米国の属国、５１番目の州になるも同然だ。　庶民生活もひどいことになっていく。「小泉流の政治が続けば、大企業と中小・零細企業、都市と地方、個人生活の二極化が進み、富める者と貧しい者の格差がどんどん開いていくことになります。強い者の横暴から弱い者を守るのは政治の重要な仕事の一つです。小泉・竹中コンビがやっているように、何でも市場原理に任せるというのでは、政治なんかいりませんよ」（神奈川大名誉教授・清水嘉治氏＝経済学）　小泉の暴走を止める者が消えた永田町政治はお先真っ暗。この国をまともな姿に戻すには政権交代しかない。 ────────────────────────────────────── ■ 税調・石会長“身内”から総スカン ■ 財務省は「言いすぎ」自民は「選挙に響く」 ────────────────────────────────────── ▼ 「サラリーマンに頑張ってもらうしかない」 ▼ 「サラリーマンは就業者の８割、４０００万の納税者がいる。頑張ってもらうしかない」――。給与所得控除の縮小など「サラリーマン大増税」を打ち出した政府税調の石弘光会長（前一橋大学長）。あまりに率直な物言いには、“身内”の財務省からも総スカンだ。　財務省幹部は「会長は言いすぎ。あれじゃ逆効果だ」と話しているし、省内では「サラリーマンを狙い撃ちしたかのような発言はマイナス」「記者会見は失敗だった」との声が渦巻いているという。　都議選を控えた自公与党も、選挙に響くとばかりに財務省に同調。武部幹事長は、２７日の党役員会で公明党から「なぜ誤解を招くタイミングで公表したのか批判があった」と紹介し、「あくまで論点整理で、党の税調がしっかり対応する」と火消しに躍起。山崎拓氏まで「ノーバッジの連中はノー天気で困る」と言い出す始末だ。　いずれの発言も自己保身に走っているだけ。サラリーマンの味方は一人もいない。 ────────────────────────────────────── ■ 靖国参拝５２％が「中止」を ────────────────────────────────────── 　小泉首相の靖国神社参拝問題について、朝日新聞が２５、２６日に行った世論調査で、「やめた方がよい」と答えた人が５２％と過半数を占めた。「続けた方がよい」はわずか３６％。５月の調査では「やめた方がよい」が４９％、「続けた方がよい」が３９％で、今回さらに反対する人が増えた。「やめた方がよい」と答えた理由として、７２％が中国や韓国など「周辺国への配慮」を挙げたほか、「Ａ級戦犯がまつられている」（１３％）、「軍国主義の美化」（６％）が上位を占めた。　また、中韓など周辺国との過去の歴史問題は「決着していない」は６０％で、「決着した」の３０％を大きく上回った。「決着していない」はどの年代でも半数以上もいる。　さらに戦没者追悼のための新国立施設の設置についても賛成４２％が、反対３４％を上回った。 ────────────────────────────────────── ■ 自民執行部　郵政修正案を提示へ ────────────────────────────────────── ▼ 小泉妥協の見方強まる ▼ 　自民党執行部は２８日、郵政民営化法案の修正案について政府との調整を終え、午後に開く総務会で提示する方針だ。小泉首相は「修正は考えていない」の一辺倒だが、執行部は「最終的に修正を容認する」と判断。総務会で了承を得た上で、党議拘束の確認も目指す。　執行部は政府との調整で、（１）金融の全国一律サービス維持を担保するため、窓口会社の業務に「貯金・保険」を明記（２）民営各社の経営の一体性を確保するため、完全民営化後の株式持ち合いの明確化――などを要求。このうち首相は、「貯金・保険」の明記を受け入れるとの見方が、執行部内で強まっている。 ────────────────────────────────────── ────────────────────────────────────── ■ 【話題の焦点】 ■ ・小泉改革のお手本　ニュージーランドの惨状 ────────────────────────────────────── ▽ 失敗は「郵政民営化」だけじゃない ▽ 　国会で審議中の郵政民営化が、２０年以上も前のニュージーランド（ＮＺ）の郵政改革をマネたことは知られた話だ。そのＮＺでは郵便局が５分の１に減少、配達料金は大幅アップして不便だけが倍増、「改革」は見事に大失敗している。ところが、小泉首相がＮＺからパクろうとしている“失敗例”はまだまだあるからお笑いだ。　１９６７年から２６年間、ＮＺに滞在し、「ＮＺ行革」を目の当たりにした河内洋佑氏（元オタゴ大教官）がこう言う。「ＮＺでは８４年以降、税制改正と並行して医療、教育、郵政、通信などあらゆる公共分野の民営化・規制緩和が進められました。その結果、得したのはカネ持ちと大企業だけ。９割の国民は深刻なダメージを受けました。これって小泉改革に似てませんか？　私に言わせれば小泉政権の政策はすべて『ＮＺ行革のコピー』です」　では、小泉構造改革と“ＮＺ行革”は具体的にどこが重なるのか？　河内氏に聞いてみた。 ●政府税調が提唱する累進課税緩和、法人税減税、消費税アップ「ＮＺでは最高６６％だった所得税の累進課税率が行革開始後、３３％と２４％の２種類のみになりました。当初、国民は拍手喝采しましたが同時に消費税１０％が導入され、すぐに１２．５％に増額。瞬く間に各種控除も全廃され、負担増となったのです」 ●小泉首相は「改革で失業者が増えるのはやむを得ない」と企業のリストラを容認、優勝劣敗社会がはびこり始めている「ＮＺ行革で政府が真っ先に手をつけたのが雇用・労働の破壊でした。９１年に『雇用契約法』という法律を作って、労働者は企業との個人契約を交わすことになった。これで事実上、労働組合は消滅。個人対企業の勝負は初めから見えている。企業はリストラや賃下げなどヤリたい放題を始め、パート労働者が急増。庶民の経済格差が加速しました」 ●政府が促進する医療分野の規制緩和「かつてＮＺは公営医療が中心で患者の自己負担はゼロでした。ところが、行革後は病院に独立採算が求められるようになったのです。その結果、地方公立病院は１００％閉鎖。入院待ち時間が２年などという異常事態が起きるようになりました」　小泉首相が言い始めている公務員改革も既にＮＺでは実験済み。公務員を削減はしたが、民間に外注しただけで余計にカネがかかるハメになった。　小泉首相はお手本とする改革の結末をどこまで知っているのか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 6月 9日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ 首相としては性根が悪過ぎるこのまま彼に居座り続けられ、８月１５日に靖国参拝を強行されたら一体どんなことになる４年前彼を自民党総裁に選んだのが大間違いだった ■ 石原人気急降下　アテにしていた都議選候補者は真っ青 ■ 亀井静香　妙におとなしくなったのはなぜ ■ 「公務員の数を減らし給与も減らす」骨太方針のカラクリ６．８兆円増税をサラリーマンに押し付ける仕掛け ■ 《排ガス規制データ捏造》三井物産元室長ら３人立件へ ■ 犬の血統書発行でボロ儲け「ジャパンケネル」申告漏れ３億５０００万円ヤミ報酬５５００万円 ■ 総会屋　みずほ銀に５８０万円恐喝 ■ 高橋尚子に６億円払う　健康商品〈ファイテン〉有名選手好き ■ ＪＴがＣＭ起用 ■ 初のＯＥＭ軽自動車発売　〈日産〉三菱自動車吸収の本気度 ■ 〈トヨタ〉敵対的買収防衛に動く ■ 〈米ＧＭ〉２万５０００人の大リストラ断行 ■ 役員報酬　日産↑　ホンダ↓ ■ 生保で損保販売拡大 ■ 〈伊藤園〉「お～いお茶」で過去最高益 ■ 第３の薄型ＴＶ　大きくて安いリアプロテレビの衝撃価格 ■ 【話題の焦点】・未来の原稿用紙？　「紙のキーボード」の使い勝手 ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ 首相としては性根が悪過ぎる ■ このまま彼に居座り続けられ、８月１５日に ■ 靖国参拝を強行されたら一体どんなことになる ■ ４年前彼を自民党総裁に選んだのが大間違いだった ────────────────────────────────────── -------------------------------------------------------------------- 「靖国」でも「郵政」でも他人が忠告するほど意固地になって自説に固執する我利我利亡者。こんな性悪首相は史上初めてあの時、「自民党をぶっ壊す」という絶叫を聞かされ熱に浮かされたように見境なく小泉さんに投票した自民党の地方議員たち。今や地方は枯れ山のように寂れ不景気に泣いているし、内政も外交もドン詰まり。その目くらましに郵政、靖国では国も国民生活もたまらない -------------------------------------------------------------------- 　衆院の河野洋平議長がきのう（７日）、国会内で小泉首相を訪ね、靖国参拝を考え直すように申し入れた。「ついにここまできたか」という感じがする。三権分立の原則に照らせば、国会の長が行政のトップに意見することは、あってはならないことだ。河野議長だってそんなことは百も承知だろうが、「禁じ手」を犯した。行政のトップ、首相が狂っているからである。もう見ちゃいられないということだ。「河野議長は今月１日、中曽根、宮沢、橋本、村山、森ら首相経験者と意見交換し、歴代首相の『参拝は慎重に』という声をまとめ、それを官邸に伝える手法を取った。おそらく、自民党内でも『首相を何とかしろ』という声が噴出しているのだと思います。日本は戦後６０年かけて、戦争の贖いをし、ようやく国際社会の仲間入りを果たし、これから未来志向の関係を築こうというところにいる。小泉さんの参拝と乱暴な物言いは、先達の苦労を一瞬にして崩壊させてしまったも同然なんです。　右翼に命を狙われながら、日中関係の改善に努力した政治家もいる。意地で参拝にこだわっている小泉首相はどうかしている。河野議長のやむにやまれぬ行動は理解できるし、当然です」（法大教授・五十嵐仁氏＝政治学） ◆ みんなが反対だから参拝強行の屁理屈 ◆ 　自民党内では歴代首相に加えて、遺族会会長の古賀誠元幹事長も「（近隣諸国に）配慮が必要」と言っている。右寄りの自民党議員ですら「わからず屋」の小泉にはあきれていて、「ブッシュと金正日、小泉は何をしでかすか分からない」なんて声が上がっている。どうしようもなくなって、河野議長が“鈴”を付けに行ったのだ。　ところが、河野議長との会談後、小泉は「中国の胡錦涛国家主席、温家宝首相、韓国の盧武鉉大統領にも靖国問題について説明し、理解を得られていると思っている」などと言っていた。　記者から靖国参拝にこだわる理由を聞かれると「こういうことはあまり聞かない方がいいんじゃないですか」と逆切れしていた。「何ちゅう首相なのか」と驚いてしまう。「国益より、自分がぶれないことの方が大事だと勘違いしている」（五十嵐仁氏＝前出）小泉首相は、みんなが反対すればするほど意固地になる。そんな歪んだヒロイズムに酔っている。我利我利亡者の亡国首相はあまりにも危険だ。 ◆ 狂気の首相のせいで日本は世界の孤児になる ◆ 　この調子だと、小泉首相は意地になって、８月１５日に靖国参拝を強行するんじゃないか。　そんな展開になったら日本外交は、その瞬間、ジ・エンドだ。中国、韓国は激怒、ほかのアジア諸国も日本を見る目が決定的に変わる。中国では９月３日の「抗日戦争勝利６０周年」と相まって再び反日デモの嵐が吹き荒れるだろう。日本製品不買運動や日本企業排斥運動は間違いないし、日本人が傷つくこともあり得る。対中貿易は大打撃だ。「米国との関係にも悪影響を及ぼす」と国際問題評論家の山岡清二氏はこう言う。「歴代首相が日米関係と同じくらい、近隣アジア諸国にも気をつかい、濃密な関係を築き上げてきたのは、それが対米交渉の切り札にもなり得たからです。中国や韓国との良好関係が日本のアジアにおける地位を高め、対米関係にも好影響を及ぼしてきた。ところが小泉さんは首相就任以来、『親米』だけを鮮明にし、靖国に行くことでアジアを露骨に切り捨てた。その結果、『頼みは米国だけ』という歪んだ外交になってしまった。今後、米国は日本の足元を見てきますよ。牛肉の輸入再開など序の口で、日本全土を最前線基地にしかねない。日本は何をされても黙って従うしかなくなるでしょうね」　当然、中国を敵に回すことで、北朝鮮をめぐる６カ国協議の枠組みも崩壊。拉致問題は解決不可能。もちろん、国連常任理事国入りなんて夢のまた夢で、日本は世界の孤児になっていく。「ニューズウィーク」日本版のジェームズ・ワグナー副編集長は「日本は完全にアジアでの孤立化の道を選んだように見えた」と書いていた。これから「アジアの時代」なのに狂気の選択というしかない。 ◆ 郵政民営化は地方の過疎化にトドメの一撃 ◆ 　こうして見ていくと、０１年４月、小泉首相を自民党総裁に選んだのがそもそもの大間違いだった。河野議長も歴代首相も「こんなはずじゃなかった」と青ざめているのではないか。　皮肉なのは、あの時、小泉を自民党総裁に当選させたのは地方党員のパワーだったことだ。その地方はいまや、見るも無残だ。「日銀支店長会議の報告では北海道も東北も関西もボロボロです。景気がいいのはトヨタと万博景気に沸く東海地方とマツダが復活した中国地方くらい。大企業の一部は利益を出しているが、地方の工場がコストカットとリストラで犠牲になっていることを忘れちゃいけません。そこに公共事業カットが重なり、小泉さんはトドメで郵政民営化をゴリ押ししようとしている。害あって益なしの郵政民営化が強行されたら地方の過疎化はさらに拍車がかかると思います」（経済評論家・広瀬嘉夫氏）　郵政民営化も靖国と一緒で、小泉ひとりが意固地になっているだけだ。性悪首相のメンツのために外交も地方経済もメチャクチャにされてしまうのだから、許せない話だ。 ◆ 公約はすべて受け狙いの打ち上げ花火 ◆ 　政治ジャーナリストの中村啓三氏が「エコノミスト」（５月１０日号）で面白いことを書いている。　小泉首相の「（政権が）半年も続けばいいと思っていた」という口癖は正直な感想ではないか、というのだ。「郵政民営化」や「靖国神社公式参拝」「国債発行３０兆円枠」が簡単にできっこないのは容易に想像がつく。それでも並べてみたのは「どうせ半年の政権」と思っていたからで、靖国なんかは「多くの人が躊躇していることをやって得意がる幼児性ヒロイズムに見える」と切り捨てていた。　おそらく、この通りなのだろう。政権が４年も続いて、公約は何から何まで暗礁に乗り上げている。受け狙いの打ち上げ花火だったからだ。小泉はそれをごまかすために、意地を張り続けている。　こんな首相はもう辞めさせるしかない。河野議長はストレートに「もうお辞めなさい」と迫るべきではなかったか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 5月31日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ 同時に発生した「日本人と戦争」が絡んだ２つのニュースをどう見るかイラクで米軍に協力し殺害された元自衛隊戦争屋と、太平洋戦争で生き残りミンダナオのジャングルにいた旧日本軍将校と兵士に大騒ぎしているこの国の大新聞ＴＶの報道姿勢こそ問題前者は自業自得　後者は自己都合 ■ ミンダナオ島に日本取材陣１００人　ニセ情報屋、ドロボーまで出て大騒ぎ ■ 〈ＮＨＫ〉「プロジェクトＸ」９月で打ち切り ■ 石原慎太郎　都政はウンザリ　自民決別→新党構想 ■ 「靖国参拝反対」の公明党が弱気な理由 ■ 〈横河ブリッジ〉談合資料は女子更衣室 ■ 橋梁談合「陰の主役」三菱重工　トップが入社式で行った訓示の中身 ■ 〈マイクロソフト〉ナンバー３に急浮上　ラダー副社長の評判 ■ バブル崩壊の兆し？　“上海”過熱する不動産市場にイヤな動き ■ 〈トヨタ〉北米工場の現地化加速 ■ 〈朝日〉〈テレ朝〉〈日テレ〉〈ニッポン放送〉メディア社長交代ラッシュの内幕 ■ アプラス杉山社長　旧三和銀のエースが新生銀行で復活 ■ 〈小田急〉ドン・利光会長　引責辞任へ ■ 鹿島など５社　ドバイで鉄道受注 ■ 航空２７０社　世界サミット開催（都内） ■ 〈上海汽車〉英ローバー車を生産・販売へ ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ 同時に発生した「日本人と戦争」が絡んだ２つのニュースをどう見るか ■ イラクで米軍に協力し殺害された元自衛隊戦争屋と、 ■ 太平洋戦争で生き残りミンダナオのジャングルにいた旧日本軍将校と ■ 兵士に大騒ぎしているこの国の大新聞ＴＶの報道姿勢こそ問題 ■ 前者は自業自得　後者は自己都合 ────────────────────────────────────── -------------------------------------------------- 右往左往する小泉政権・外務省・厚労省、ネタに飛びついて煽り立てている大マスコミの報道は一体どんな意味と目的があるのか疑問になっている -------------------------------------------------- 「日本人と戦争」が絡んだイラクとフィリピンで同時に起きた２つのニュースは、商売になりそうなネタには何でも飛びつく、ハイエナみたいな大新聞・ＴＶの体質をよく表している。こうした興味本位のセンセーショナル報道は何の意味もない。ちょっと冷静になれば、２つの出来事は大騒ぎするほどのものでないことが分かるからだ。「２つの事件を連日、１面トップ扱いで報道している大新聞・ＴＶはどうかしています。イラクで殺害された斎藤昭彦さんは確かに気の毒ですが、“軍事のプロ”として命の危険を百も承知でイラクに入り、米軍の協力者を狙い撃ちにしている反米武装勢力に殺された。まさに自己責任で、こうも大々的に報じる必要性があるとは思えません。一方、ミンダナオ島の旧日本兵生存の過熱報道も異常です。２人の将校と兵士が６０年も帰還しようとしなかったのは自分の意思だった可能性が高い。事実、戦後、何百人もの旧日本兵がフィリピンに限らずベトナムやタイなどにさまざまな理由から自分の意思でとどまっている。　特別なケースでもない今回の事件を、２人の発見前から騒ぎ立てるのは常軌を逸しています」（軍事評論家で日大講師の三野正洋氏）　イラクで殺された元自衛官は自他共に認める戦争屋。古巣の自衛隊からも「国を守るために働く自衛官と戦争をビジネスにする者を一緒にしてくれるな」（現役自衛官）との声が上がっているほどで、自業自得と言うしかない。　フィリピンの生存情報でもマスコミは「よく６０年も生き永らえた」と英雄のように持ち上げ、家族や戦友に語らせる“お涙ちょうだい報道”に終始している。　この２つのニュースをしゃかりきになって報じているマスコミは何か見当違いをしているのではないか。 ▼ 軍事のプロも殺されるイラク情勢の悪化は無視 ▼ 　マスコミが２つの事件をセンセーショナルに煽り立てる理由は明らか。ズバリ、新聞は売れ、ＴＶは視聴率が稼げると見込んでいるからだ。　イラクで殺害された斎藤さんは「自衛隊→フランス外国人部隊→民間軍事会社」という異色の経歴の持ち主。普通は５年で辞めるという外国人部隊に２１年もいたことだけでも読者・視聴者の興味を引く。ましてや生死不明だったから結果がどう転んでも大騒ぎできる。だが、この事件を取り上げるのなら、一緒に報道すべきことが山ほどあるはずだ。 “軍事のプロ”があっけなく殺されるほど日増しに悪化するイラクの治安情勢、そんな危険な国に「自衛隊がいるところが非戦闘地域」とのペテンで派兵継続している小泉内閣のウソ。傭兵であれ日本人の斎藤さんがイラク武装勢力と銃撃戦を繰り広げた事実がイスラム各国に与えた衝撃も大きいはず。その辺の検証もまるで無しだ。　法大教授の須藤春夫氏（マスコミ論）が言う。「斎藤さんの拉致事件で大マスコミは彼の特異な経歴や武勇伝を詳報するだけで、『救出に全力』と言い続けてきた小泉政権の矛盾を全く突きませんでした。民間ボランティアが拉致された時は非難がましく『自己責任論』を展開していた政府が、コロリと態度を豹変させたのは、斎藤さんが米国に協力する『功労者』だったからではないか。同じ日本人の救出でなぜ政府のスタンスがこうも異なるのか。マスコミはキチンと追及すべきです」　大マスコミはそうした検証を怠り、「殺された」と騒ぎ立てるだけだからレベルが低すぎる。 ▼ 戦争の悲惨さに目を向けず大騒ぎする愚劣報道 ▼ 　ミンダナオ島の元日本兵の取り上げ方もまるで無意味だ。新聞・ＴＶにあふれるのは、生存確認前から２人の家族・親戚や戦友たちの「よく生きていてくれた」「早く帰って欲しい」といったコメントばかり。戦争の悲惨さや国家の理不尽さを掘り下げる報道はない。　２人が所属していたのは、将兵の８割が戦死・行方不明となった旧陸軍第３０師団。米軍のレイテ島上陸を阻止するため昭和１８年に編成された“精鋭部隊”とされているが、「にわか仕立ての部隊で、マスコミが報じているような精鋭部隊ではない」（三野正洋氏＝前出）というのが真相。食料も弾薬も不十分なまま激戦地に送られ、多数の餓死・病死者を出した部隊はいくらでもあり、第３０師団だけが悲惨な地獄を味わったわけでもない。特攻隊の経験を持つ評論家・茶本繁正氏がこう言う。「戦争では将兵は消耗品で、南方や中国に送られた日本軍は食料は現地調達、つまり略奪が当たり前でした。そのため敗残兵は悲惨で、略奪の恨みで現地人に殺されたり、山中に逃げて餓死した人がたくさんいる。国のために死んだと美化される戦死者には、理不尽な命令で死ななくていい死を強いられた者が何十万人といる。新聞・ＴＶが第３０師団の悲惨さを強調するだけでは、正義を掲げて人と人とが殺し合い、勝つか負けるかで悲惨な運命になりうる戦争の真の姿をゆがめることになります」　極限まで追い詰められて死者の肉を食って生き永らえた例は、大岡昇平氏の小説「野火」や「レイテ戦記」だけの世界ではない。そうした戦争の真相を伝えず、外務省や厚労省と調子を合わせて大騒ぎではジャーナリズム失格だ。 ▼ 国家とは何かをまるで考えない新聞・ＴＶの堕落 ▼ 　殺されても仕方のない戦争屋の死や、終戦後に帰国せず、現地で生活してきた旧軍兵士の消息は、外務省が大騒ぎすることじゃない。ほっぽっておけばいい問題で、それに飛び付き、センセーショナルに取り上げる大マスコミは何を考えているのかと言いたくなる。「同時に発生した２つの事件は、国家や戦争を考えるいい機会です。斎藤さんの例は、戦争とは何か、イラクへ自衛隊を派遣したり、憲法９条を捨てて日本を戦争ができる国にする選択が正しいのか真剣に考える材料になります。また、ミンダナオ島の元日本兵の件は、国民を悲惨な目に遭わせる国家とは何なのか掘り下げるチャンス。今のような興味本位の報道では、騒ぎが終われば何も後に残りません」（茶本繁正氏＝前出）　須藤春夫氏（前出）もこう続ける。「今年は終戦から６０年目で靖国参拝、Ａ級戦犯合祀などを含めて戦後を振り返るいい機会です。そうした中で起きた２つの事件を新聞もＴＶも、ＪＲ西日本の大惨事と同じレベルでワイドショー的に取り上げている。どちらも悲惨な出来事ですが、背景にあるものがまったく違う。もし、ミンダナオ島の元日本兵が生存していたら、『よかった、よかった』でなく、一人の人間の人生を狂わせた国家の責任に焦点を当てて報道をする必要があります」　大新聞・ＴＶが国家とは何か、戦争とは何かといった本質的なことを考えず、２つの事件を興味本位に取り上げるだけでは、この国はどんどんおかしくなっていく。 ────────────────────────────────────── ■ ミンダナオ島に日本取材陣１００人　ニセ情報屋、ドロボーまで出て大騒ぎ ────────────────────────────────────── ◆ 肝心の救出情報は怪しくなってきた ◆ 　元日本兵の生存情報にミンダナオ島南部、人口５０万人の漁業の町に日本の取材陣が大挙押し掛けて大騒ぎだ。「日本からの報道陣が宿泊しているジェネラルサントス市内のホテルには、いかがわしい情報屋がウロウロしています。日本人とみると『元日本兵の情報を持っている』とか『オレの知り合いに日本兵の子供がいる』とそれらしい写真を見せたり、『元日本兵から軍服を預かっている』と持ちかけてきたり。１００人を超える日本の報道陣から何とかカネをふんだくろうという魂胆でしょう。空港には泥棒まで出没。某テレビ局のクルーは２万ドル（約２１６万円）を盗まれたと地元紙で報じられています」（現地在住ジャーナリスト）　これだけの騒ぎにも、主役の山川吉雄さん（８７）と中内続喜さん（８３）はいまだに姿を見せていない。　情報を持ち込んだ日本人仲介者は「マスコミが騒ぐから出てこられない」と言っているようだが、どうも雲行きが怪しくなっている。フィリピン国家警察の担当者まで「情報が虚偽である可能性もある」と言い出す始末だ。「本当にお願いします。お待ちしております　山川、中内」――このメモ用紙が２人生存の証拠とされたが、日本人仲介者はメモや写真など物証の存在を否定。日本人で２人と会った人物もいない。「日本人仲介者は、元日本兵の救出で反政府ゲリラ側に２５万ドル（約２７００万円）払ったと言っています。これが本当だとすれば、ゲリラが元日本兵の名前を使ってカネ儲けを仕組んだ可能性もある」（現地関係者）　果たして、ジャングルの奥はどうなっているのか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 5月25日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ 彼の靖国参拝はこの国にとって一体どれほどの意味があるもし強行すれば地獄を招く ■ 郵政「バラ色試算」はどうなった ■ ホリエモンがブラウン管から消えたワケ ■ 感動の押し売り番組ＮＨＫ「プロジェクトＸ」もうやめたらどうか ■ 〈コクド〉堤前会長への退職金見送り ■ ３０億円の売り上げ　摘発されたバカラ賭博の客層 ■ トップ人事社内外の不満と批判 ■ 低迷ボーダフォンに痛手　契約者減に通話トラブルの追い打ち ■ 奥田経団連会長　次期会長２代続いてトヨタから出すべきではない ■ 〈イカリソース〉ブルドックが支援決定　老舗も不祥事には勝てず ■ 新ローソンは野菜がたっぷり　「ＳＴＯＲＥ１００」で百均に殴り込み ■ 牛丼４社明暗クッキリ　《勝ち組》ゼンショー《負け組》吉野家 ■ 【話題の焦点】・冷夏は一瞬！？　２年連続猛暑の恐怖 ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ 彼の靖国参拝はこの国にとって一体どれほどの意味がある ■ もし強行すれば地獄を招く ────────────────────────────────────── ---------------------------------------------------------- 他人の嫌がることだとわざとやりたがり挑発して愉しんでいる非常識な天邪鬼政治家に果たして一国の首相の資格があるのか ---------------------------------------------------------- ◆ 対中関係をわざわざ複雑にした小泉愚劣外交 ◆ 「先方が会いたいということだったのに」――中国の呉儀副首相のドタキャンに小泉首相が露骨に不快感を示した。中国側は「国内での公務が生じた」「他意はない」と説明したが、意図は明らかだ。　呉副首相はきのう（２３日）午前に“親中派”の河野洋平衆院議長と会談。昼には奥田碩日本経団連会長主催の昼食会に参加した。小泉以外の予定はちゃんとこなしたのだ。しかも、呉副首相を乗せた特別機は大連に向かい、北京には戻らなかった。きょうは予定通りモンゴルに出向くという。要するに“緊急事態”は方便で、「小泉に会っても仕方がない」というメッセージなのだ。　１６日の衆院予算委員会での小泉答弁は、中国側を怒らせて当たり前のものだった。靖国参拝について「他国が干渉すべきでない」と強弁した上、「罪を憎んで人を憎まずは孔子の言葉だ」と加害者が口にすべきでない発言までしてみせた。そうやって中国の神経を逆なでしながら、袖にされると、「そういうこと（靖国参拝中止を狙った駆け引き）だとしても通じない」と突っ張るのだから、まとまる話もまとまらなくなる。「小泉首相はわざわざ問題を複雑にしているとしか思えません。彼の外交政策を理解できる国民は一人もいないでしょう。戦前の靖国神社は陸海軍共管で、いわば“軍部直営”だったし、現在も首相参拝は政教分離に反するとの指摘は根強い。それでも靖国参拝が必要というのなら、せめて中韓両国に行って、ちゃんと説明すべきです。『国内問題に口出しするな』で終わりでは、外交になりません。靖国問題を終わらせるのは簡単。首相が『参拝しない』と言えばいいだけなのです」（国際問題評論家・山岡清二氏）　小泉は日中関係がこじれて以降、盟友の山拓を中国に送り込んだり、自民・武部、公明・冬柴の両幹事長に感触を探らせてきた。　だが、武部は王家瑞・対外連絡部長に「内政干渉」と言って激怒させ、胡錦涛国家主席に「首相の靖国参拝は目にしたくない」と言われて帰ってきた。代理人によるインチキ外交でごまかせない段階まで進んでしまったのだ。 ◆ 自民党は独断専行のヘソ曲がり首相をなぜ倒さぬ ◆ 　相手を挑発して対決を演出し、国民の拍手喝采を浴びて高い支持率を獲得しようとするのは小泉の常套手段だ。後見人の森前首相や青木参院議員会長が何を言っても耳を貸さない。予想される対応とは、わざと違うことをやろうとする。今、小泉が中国に対して見せている態度は、相手を怒らせることで改革者、挑戦者を装う手法と同じだ。　道路公団民営化や三位一体改革では野中広務や古賀誠といった元幹事長を敵役にし、郵政民営化の問題では綿貫前衆院議長や亀井元政調会長がワアワアと騒ぐのをほくそ笑んで見ている。　しかし外交では口八丁手八丁、手練手管は通用しない。内政問題なら最後は手打ちで水に流せるが、外交では一度こじれてしまえば後がなくなる。とりわけ靖国参拝は、中国や韓国が最も神経質になる問題だ。天の邪鬼なへそ曲がりの対応では最悪事態を招く危険がある。自民党は、なぜ、内政と外交の区別もつかない首相を放っておくのか。「小泉首相は、メンツにこだわり、妥協するのは負けだと思い込んでいるのでしょう。しかし、国益を守るには、首相のメンツなど関係ない。放っておくと取り返しのつかないことになります。それでも本気で倒閣に動く政治家が自民党に一人もいないのだから絶望的ですね」（政治評論家・山口朝雄氏）　これでは非常識な小泉の天下である。日本の対アジア外交をメチャクチャにしてしまう。 ◆ 「被害者は１００年恨みを忘れない」という認識があるのか ◆ 「追悼の仕方まで他の国が干渉すべきでない」と息巻く小泉には一国の指導者としての判断力、洞察力、気配りが決定的に欠けている。中曽根、宮沢の両元首相と比べても歴然だ。８月１５日の終戦記念日に堂々と靖国神社に参拝。中国の抗議で一度でやめた中曽根元首相はこう語っている。〈大きな被害を受けた中国人は『３世代、１００年』の間、日本人への恨みを忘れられないだろう。他方、戦争を仕掛けた側が戦争を深く悔いる気持ちは、ほぼ『１世代半、５０年しか続かない』。父や祖父がやったことを繰り返し糾弾されると、「いい加減にしてくれ」と次第にいらだちを覚えるようになる〉　中曽根は参拝中止の理由を胡耀邦共産党総書記（当時）にこう書き送っている。〈侵略戦争の責任を持つ特定の指導者が祀られている靖国神社に公式参拝することにより、貴国をはじめとするアジア近隣諸国の国民感情を結果的に傷つけることは、避けなければならないと考え、今年は靖国神社の公式参拝を行わないという高度の政治決断を致しました〉　中国が問題にしているＡ級戦犯合祀を「罪を憎んで人を憎まずだ」と屁理屈をコネて開き直る小泉とは月とスッポンだ。　宮沢元首相も参拝しない理由をこう述べる。〈安全保障の問題、ひどい目にあわせた方は忘れちゃいますけど、あった方は憶えていますからね。我々が第２次大戦でやったころのことは、相手はそう簡単に忘れませんよ。ですから、それはよほど気をつけなければならんことですね〉（世界５月号）　九大名誉教授の斎藤文男氏（憲法）が言う。「小泉首相の外交は“無知性外交”です。外交は相手がいるもので、クールにあらゆる目線で情勢を見据え、知性や戦略・戦術を駆使して行うものです。靖国参拝が小泉首相の信念だとしても、それを盾にして相手の置かれた立場、状況を考えず、強引に自分の主張だけを押し通そうとすれば軋轢を生み出し、国益を損なうばかりです」 ▽ 中国を非難するだけでは再び戦争と懸念する声 ▽ 　そうした点に思い至らないのでは首相失格。小泉が引き起こした日中関係の悪化を中国の反日教育のせいだと非難したり、反日デモを「けしからん」と怒るだけの一部マスコミや識者たちも同じだ。　評論家の加藤周一氏は、朝日新聞の「夕陽妄語」（２３日付夕刊）で、３月に北京で有名歴史家と話をして、このままいけばいつか戦争になるかもしれない懸念を書いている。小泉が靖国参拝を強行すれば、その先には地獄が待っているということだ。中国を非難するだけのマスコミ、文化人も、小泉と同じレベルの頭脳の持ち主なのだ。 ◆ 欧米人にへつらい、アジア人を蔑視する小泉のメンタリティー ◆ 　小泉政権の４年間で中国、韓国などアジアの国々との関係は悪化の一途だ。その根底には欧米人にはへつらい、アジア人を蔑視する小泉首相のメンタリティーがあるとしか思えない。そんな外交姿勢では、この国は世界で孤立していくだけである。「中国、韓国への居丈高な対応、米国ブッシュへの卑屈な態度を見ていると、その可能性がありますね。日中関係の悪化は世界のニュースになっており、アジア諸国も小泉首相の対応に注目している。また、欧州ではドイツの戦後処理の姿勢との違いがクローズアップされている。こうも歴史認識のない政治家が首相をしている日本は、国際的信頼を崩しかねません」（神奈川大教授・佐藤司氏＝憲法）　こんな外交をやっていて、安保理事会の常任国入りを狙うというのだからおへそが茶を沸かす。 ▽ 小泉デタラメ政治を傍観、黙認する大新聞・ＴＶ ▽ 　大新聞・ＴＶは対中外交も含めた小泉政治のデタラメをなぜ傍観し、黙認しているのか。「ＮＨＫをはじめとする大マスコミは、体制ベッタリで小泉政治に甘過ぎますよ。小泉首相の中国への対応が経済関係までおかしくして、経済界まで懸念する事態になっている。中国政府は反日デモを抑え込み、４月のアジア・アフリカ首脳会議で胡錦涛主席が小泉首相と会談に応じるなど、関係改善の動きを見せてきた。そんな時に『内政干渉だ』とけんかを売るような発言をする。そうした姿勢が大きく国益を損なっている事実を見ようともしないのが小泉首相。マスコミは『小泉首相は靖国参拝を中止せよ』『行くなら首相を辞めるべし』とはっきり言うべきです」（佐藤司氏＝前出）　小泉が首相を続ける限り日中関係の改善は絶望的。中国と対立して日本が得るものは何もない。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 5月13日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ 小泉政権は、なぜ彼の救出に全力を挙げるなどと血迷っているのか戦争屋の日本人元自衛官がイラクで人質になったのは自業自得で、殺されても仕方がなかろうそれこそ「自己責任」で始末するのが正当 ■ ＪＲ西日本賠償問題　土下座交渉 ■ ２位タカラ・３位トミー統合　バンダイ・ナムコに続く玩具業界再編 ■ ハローワークにフリーター専用窓口設置本当に必要なのは中高年のフリーター対策 ■ 《ＴＢＳ記事盗用問題》言い逃れした部長の評判 ■ ダイエー新体制の不安　希望退職の寒々しい内情 ■ 中国市場（攻）キリンが「氷結」を投入　まずは上海をターゲットに（守）リスク懸念が過半数　３社に１社が進出計画見直し（帝国データ） ■ ウォルマート引受先で西友、１００億円の増資 ■ 〈住友信託〉ドン・高橋社長　突然交代の真相 ■ 〈松下〉プラズマ大攻勢　１７０万台の出荷計画 ■ トヨタは利益よりもシェアアップが大事？ ■ 〈スズキ〉売上高、利益過去最高を更新 ■ 〈サントリー〉ＣＭ好感度調査で１２年連続トップ独走 ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ 小泉政権は、なぜ彼の救出に全力を挙げるなどと血迷っているのか ■ 戦争屋の日本人元自衛官がイラクで人質になったのは自業自得で、 ■ 殺されても仕方がなかろう ■ それこそ「自己責任」で始末するのが正当 ────────────────────────────────────── ------------------------------------------------------------------------ この事件は小泉政権のイカサマを暴露するきっかけになる可能性も出てきた ------------------------------------------------------------------------ 　これはどう考えてもおかしい。自衛隊ＯＢの斎藤昭彦さん（４４）がイラクで人質になった事件で、小泉内閣がシャカリキになっていることだ。　一報を受けるや政府は、イラク政府と米軍に救出協力を要請、細田官房長官は「一刻も早い無事解放に向け全力を挙げる」と宣言。ロシアから帰った小泉首相も官邸に対策本部を設置し、「しっかり対処してほしい」と外務省などにハッパをかけている。政府一丸となっての救出態勢だが、これって変だ。　昨年４月、同じイラクでボランティアの高遠菜穂子さん（３５）やフリーライターの今井紀明君（１９）ら３人が人質になったときはどうだったか。　形の上では同じように政府は対策本部を設置し救出に動いた。だが、人質３人の家族が「（解放の条件である）サマワの自衛隊を撤退させてほしい」と記者会見などで発言するや、対応が一変だった。扱いが冷淡になり、小泉首相は家族との面談を拒否。同時に「イラクに勝手に行った者が悪い」「自己責任だ」の声が出るや、これを放置し、３人は日本政府から見捨てられたも同然だった。「ひどいのは外務省の首脳まで『自己責任だ』と発言したこと。当時の福田官房長官は『頭を冷やしてほしい』と３人を突き放した。それでお墨付きをもらった保守メディアは、ここぞとばかり３人のバッシングを始めたものです。おかげで解放された３人は一転、罪人扱いで、帰国費用は自己負担。帰国した後も日陰者のように扱われました。異様なバッシングで高遠さんなどはストレスから病気になったものです」（関係者）　その直後に起きたフリージャーナリストの安田純平さん（３１）ら２人の人質事件も同じだった。　ところが、今回は「自己責任」の声は出ない。小泉内閣は救出に真剣そのものだ。　この違いは何なのか。フリージャーナリストの斎藤貴男氏が言う。「今回人質になった斎藤さんは、英国の民間軍事会社に雇われ、米軍に協力しているといわれます。つまり、アメリカのイラク戦争に協力している人だから、日本政府は『全力を挙げて助ける』なのでしょう。一方、高遠さんたちのようにイラク戦争に反対していた人質はどうなってもいいというのが小泉首相の基準なのでしょう」　自衛隊ＯＢだから大事にしなくては、サマワにいる自衛隊の士気に影響するということもあるのか。だが、小泉内閣の対応は全然あべこべだ。血迷っているとしか思えない。 ◆ 「自己責任」の意味が分かってるの、小泉サン ◆ 　斎藤さんは戦争でメシを食ってきた職業軍人だ。自衛隊の第１空挺団を経て、８３年６月から昨年末まで２０年以上、勇猛果敢で知られるフランス外国人部隊に所属。精鋭が集うコルシカ島の第２空挺連隊を皮切りにギアナの第３歩兵連隊、タヒチの太平洋連隊などに配属され、アフリカやボスニアでの戦闘作戦に加わってきたツワモノだ。しかも、そんじょそこらの傭兵とはワケが違う。「辞める直前には上級特務曹長としてマルセイユ近郊の司令部に勤務していた。外国人の中では非常に高いポストで、残っていれば将校になれる可能性もありました。５年間の契約が３度も更新されたことからも、軍人としていかに優秀だったかは明らかです。実際、外国人部隊の中ではズバ抜けた存在でした」（事情通） “転職先”の「ハート・セキュリティー」も、民間とはいえ軍事会社だ。「イラクに入っている民間軍事会社は、正規軍の兵士ができないような危険な仕事を請け負っている」（軍事ジャーナリスト・神浦元彰氏）というから、本人も危険など百も承知だったはずだ。その見返りとして日当６万円超の高額報酬を手にしていたのだ。すべて覚悟の上である。　家族には酷かもしれないが、それこそ生きるも死ぬも「自己責任」で処理するしかないだろう。武器を持たない民間人は「自己責任」で切り捨て、武器を携帯していた傭兵は「全力で救出」なんてデタラメすぎるというものだ。「捕まった人の立場で対応を変える小泉内閣はおかしい。最初の人質事件のときも、今回のように粛々と救出にあたればよかったのです。政府に忠実じゃない人のときは航空運賃を払えなどと最後まで責め立て、政府に反対していなければ文句を言わず救出に当たるなんて許されませんよ」（斎藤貴男氏＝前出） ◆ 強きを助け弱きを見殺すデタラメ政治の象徴 ◆ 　だが、こうしたデタラメ対応は、小泉政治の本質なのかも知れない。　だれも関心を示さない不必要な郵政民営化に一人シャカリキになり、その一方で自殺者や犯罪を急増させているデフレ不況に対しては「自己責任だ」とばかり、何の手も打たない。優勝劣敗、弱肉強食を推奨して、弱者が切り捨てられていることには気にもとめない。とにかく戦争屋ブッシュのアメリカが最優先であり、それに協力する人は「身内」、それ以外の庶民なんてどうでもいいという姿勢がミエミエだ。　さすがにお人よしの国民も今度の人質事件をきっかけに、イカサマ小泉のあべこべ政治の正体に気づいたことだろう。「ちょっと冷静な人なら、今回の政府の対応には違和感を持っていますよ。一般民間人と職業軍人の区別もできず、ましてや後者の救出に全力を挙げるという小泉内閣は一体どうなっているんでしょう」（国際問題評論家・山岡清二氏）　その点、相変わらず能天気なのは大マスコミだけだ。尼崎の列車事故と同じレベルで扱っているから処置ナシだ。「さっそくイラクで人質になった斎藤さんの家族を引っ張り出して涙の記者会見をさせていましたが、その必要があるのでしょうか。軍人以上にプロの軍人である斎藤さんは、ある意味、故郷とか家族愛を断ち切った人。お涙ちょうだい報道でどうにかなる人ではありません。それに、斎藤さんの会社を警備会社と報じていますが、民間軍事会社が正解です。軍事のことやイラクのことがどこまで分かっているのでしょうか」（神浦元彰氏＝前出）　いつまで日本の大マスコミは、小泉政権のやることにコロリとだまされる低脳を続けるつもりなのか。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 5月10日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ ＪＲ大事故の真相はねじ曲げられている民営化を強行し利益優先に走らせたのは誰なのか ■ 《ＪＲ事故》連日「宴会」批判に明け暮れるＴＶ大新聞の異様な世論誘導 ■ 第２次大戦の末期詭計で日本がやられ北方領土も返さないロシアの対ドイツ戦勝記念式典に小泉首相はなぜノコノコ出かけていったのか ■ 創価学会かたりみずほ銀から１４億円詐取 ■ 「盗撮」防止法案　〈自民〉今国会提出へ ■ 〈ＮＨＫ〉またメガトン級不祥事か　大物プロデューサー巨額着服疑惑 ■ 「カネがない」と告白！？　エビ様復活に未練タラタラ ■ 米国自動車戦争　主役交代 ■ “超高級”１万円のアイス登場 ■ 〈セブン―イレブン〉三井物産から電力調達 ■ 関西財界ＪＲ西日本ショック！〈関経連〉副会長空席か　〈同友会〉代表幹事“単独”の異常事態も ■ 〈ＪＡＬ〉兼子会長退任へ ■ 【話題の焦点】・いつまで続くのか、まだ買いなのか　「萌え」株バブルの正体 ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ ＪＲ大事故の真相はねじ曲げられている ■ 民営化を強行し利益優先に走らせたのは誰なのか ────────────────────────────────────── -------------------------------------------------------------------- 民営化会社は利益優先で安全対策を怠ってきたと非難囂々だが、それを今まで黙認していた自公政権与党のこれまでの政策こそ大事故の原因ではないのか国民の安全や便利の確保のためには利益は二の次で運営される国営企業のムダと余裕が必要なのだが、小泉亡国首相はアメリカでさえ国家が運営している郵便事業をなぜ民営化しようと企んでいるのか危険だ -------------------------------------------------------------------- 「乗客を安全に目的地に運ぶ」という鉄道輸送の使命を忘れ、利益・効率優先で大惨事を引き起こしたＪＲ西日本。政府もマスコミも同社の経営姿勢、体質をヤリ玉に挙げ、北側国交相はきのう（８日）２局のテレビ番組に出て「鉄道マンとしての自覚と責任を持ってもらいたい」「ＪＲ西日本として甘さがあったことを猛省すべし」とエラソーに批判している。　確かにＪＲ西日本の安全無視はひどすぎる。４分間隔の過密ダイヤは珍しくないが、列車の遅れを１秒単位でチェック、遅れを出せば厳罰では、運転士が速度オーバーするのは当たり前。しかも、暴走をチェックする新型ＡＴＳ（自動列車停止装置）の整備もしないで、「ダイヤを守れ」では事故が起きない方が不思議だ。　問題は、こんな危ない鉄道会社がなぜ生まれ、今まで放置されてきたのかにある。ＪＲ西日本をこんな利益優先に走らせた張本人は誰か。　ズバリ、旧国鉄の分割・民営化を強行した自民党政府である。ご存じの通り、ＪＲは８７年、中曽根内閣の政策として民営化された。「当時の国鉄は大借金を抱えたまま赤字をタレ流し、労組はストに明け暮れ、国民の不評を買っていた。中曽根内閣はそんな世論を巧妙に利用し、経営陣や労組の反対を押し切って民営化を強行した。旧国鉄の赤字は政治家が自分の選挙区に新線を引き込んだ結果。中曽根内閣はその赤字を国民に付け替え、同時に官公労の中心だった国鉄労組を潰すために民営化したのです」（政界関係者）　その結果、ＪＲ３社は黒字に転換、めでたく上場も果たした。窓口応対などのサービスも良くなり、自公連立政権は「ＪＲは民営化の手本」と持ち上げてきた。だが、民営化の内実は、ＪＲ西日本の事故で明らかになった通り。利益優先・安全軽視を黙認してきたのが小泉内閣なのである。北側国交相は正義漢ヅラして「新型ＡＴＳの設置が運転再開の条件だ」と述べている。ＪＲ西日本をまるで国営会社のように扱うおかしな振る舞いは、民営化の失敗、政府の責任をすべてＪＲ西日本に転嫁しようという計算からだ。 ▼ ＪＲ西日本は旧国鉄時代よりはるかに悪くなった ▼ 　ＪＲは民営化当初から、政府に利益確保を義務付けられた会社だ。ＪＲ東日本の首都圏乗客、ＪＲ東海の東海道新幹線といったドル箱を持たないＪＲ西日本は、京阪神圏で稼ぐしか手がなく、競合する私鉄をしのぐサービスで勝負をかけるしかなかった。事故を起こした福知山線は「阪急より７分早い」（大阪―宝塚）をウリに、スピードアップと増発を重ねてきた。１日３６７本の過密ダイヤを組み、集客のために停車駅を増やしても所要時間は変えないというメチャクチャをやってきた。その一方で苛烈なリストラを断行。少ない人数で過密ダイヤをこなす綱渡りを続けてきた。「ＪＲ西日本の人員削減はＪＲ３社の中で突出してます。ＪＲ東日本は８万人から１万人減らしたが、ＪＲ東海は２万人のまま。これに対してＪＲ西日本は８７年の５万１５３０人から３万２８００人へと４割近く減らした。保安・安全関連の投資もＪＲ東日本の半分のレベルで、むしろ減らしてきた。民営化されても経営陣は旧国鉄官僚で、その体質は変わっていない。利益を確保してメンツを保つには、安全性に関係なく職員を減らし、新型ＡＴＳや脱線防止ガードなど利益に結びつかない投資を平気で削ってしまう。ＪＲ西日本の体質は旧国鉄時代より明らかに悪くなってます」（鉄道関係者）　こうしたＪＲ西日本のデタラメ経営は政府公認のものだったのだ。 ▼ 民営化されれば利益第一主義に走るのは当たり前 ▼ 　ＪＲ西日本に限らず、民営化されれば、利益優先に走るのは自明の理だ。利益を出すための効率化も、民間の企業のように至上命題として求められる。ましてやＪＲ３社のような上場企業であれば、なおさらだ。他社との競争に勝ち抜いて収益力を高め、財務体質を良くしていかないと株価は下がってしまう。利益確保にシャカリキにならなければ、退場を命じられるのが市場経済のルールだからだ。　ＪＲ西日本の経営陣は過去最高益を稼ぎ出した０５年３月期決算発表の席で、株主資本利益率（ＲＯＥ）や総資産収益率（ＲＯＡ）の数値を誇らしげに並べ、「企業価値」の高さをアピールしていた。ＪＲ東日本や東海と張り合う旧国鉄官僚としての意地もあるのだろう。企業価値向上の行き着いた先が「利益優先のスピードアップ」であり、「安全無視の過密ダイヤ」なのだ。旧国鉄問題に詳しいジャーナリストの立山学氏が言う。「今回の事故は、民営化のツケが一気に噴き出した格好です。利益第一主義を社内に徹底させ、方針に従わない運転士や職員は“意識改革”と称して現場から外す。人員削減に明け暮れ、世界一の安全技術を支えた旧国鉄の熟練の伝統や人的財産は切り捨てられました。その結果、社内の風通しが悪くなり、『急げ』『稼げ』『隠せ』の企業体質が蔓延していったのです。英国の鉄道は９４年の民営化後に事故が多発。事態を重く見た下院が公社に戻すよう勧告を行いました。日本も再び悲劇を繰り返さないためにも、国鉄の民営化までさかのぼり、政治の責任を徹底的に追及すべきです」　事故の責任をＪＲ西日本の体質のせいにするだけでは、何の解決にもならないのだ。 ▼ ＮＴＴ、ＪＴの誕生で国民のメリットは皆無 ▼ 　１０７人の命を奪った脱線事故は“民営化万歳”の小泉首相への警鐘だ。ＪＲに限らず、かつて「３公社５現業」と呼ばれた国営事業は次々と民営化されたが、国民のメリットはほとんどないのが現状だ。　ＮＴＴ（旧電電公社）は民営化後も市場を独占し続け、ベラボーに高い通話料金を据え置いてきた。最近になって料金を引き下げたのは、規制緩和で新規参入組が続々と出てきたためで、民営化のメリットではない。効率優先で、いまだにインターネットや携帯電話を使えない地域はほったらかしだ。　ＪＴ（旧専売公社）も国営時代と同じだ。たばこ税が旧国鉄の債務返済の補填に使われ、たばこ代は年々上がり続けている。民営会社として、約１兆円を投じたＲＪＲナビスコの海外たばこ事業買収の成果は無いも同然である。　残る５現業も林野事業を除き独立行政法人などに移管され、現在、小泉首相の手で推し進められているのが郵政事業の民営化だ。「郵政事業が民営化されれば、早晩、ＪＲと同じように利益優先に走るのは間違いありません。本来、鉄道や郵便など国民生活の根幹となる事業は、市場原理と切り離し、国が面倒を見るべきです。過当競争にさらされれば、合理化・効率化一辺倒の経営に陥り、事業の公共性が失われる恐れがある。国民の安全や利便性を考えれば、国営企業のムダや余裕も必要なのです」（帝京大教授・降旗節雄氏＝経済学）　小泉首相に郵政民営化を迫る米国も、郵便事業は国家が運営している。あの広大な国土で山の中の一軒家にも配達する「ユニバーサルサービス」は民間企業には不可能だからだ。「海外でも公共性の強い事業を民営化した国は、ことごとく惨憺たる結果を招いています。何でも民営化すれば、うまくいくと考えている小泉流の考えには全く根拠がありません」（降旗節雄氏＝前出）　インチキ改革に甘～い期待を抱く時期は過ぎた。今回の惨劇は、民営化が正しい選択なのか、国民が本気で考えるチャンスでもある。 ────────────────────────────────────── ■ 《ＪＲ事故》連日「宴会」批判に明け暮れるＴＶ大新聞の異様な世論誘導 ────────────────────────────────────── ◆ そんなに立派なのか　問題の本質から目をそらさせるだけじゃないのか ◆ 　ちょっと異常すぎないか。ＪＲ西日本の職員がボウリングや宴会に興じていたことを連日、鬼のクビをとったごとく追及する大マスコミ報道のことだ。１０７人もの死者を出した脱線事故の“本質”がどんどん脇に追いやられている。これでは被害者だって浮かばれない。＊＊＊＊＊　きのう（８日）も、ＮＨＫ以下のテレビは、民主党議員が出席した宴会のことを朝から晩まで大々的に報じていた。責められて仕方ない行動ではあるが、だが、こうした宴会追及キャンペーンを続けていて何が解決するのか。フリージャーナリストの斎藤貴男氏が言う。「今度の事故は、ＪＲの収益第一主義やダイヤ厳守のプレッシャーが背景にあって引き起こされたと考えていいでしょう。さらに突き詰めれば、民営化の問題にたどり着きます。でも、それでは問題が複雑で難しいから視聴率が稼げない。そこでマスコミは、ボウリングや宴会という分かりやすい簡単な問題にスリ替えてしまった。国やＪＲ経営陣と結託しているのか知りませんが、遺族や世間の怒りを、モラル低下のＪＲ労働者に向けさせようとしているとしか思えません。このままでは、事故の本質がますます見えなくなってしまうだけです」　３万人もの職員がいれば、さまざまな親睦会もあるし、息抜きもある。いつまで重箱の隅を突ついていても際限がない。そもそもＮＨＫ以下のマスコミだって、「お家の大事」のときに宴会を全面自粛しているのか、怪しいものだ。　連日の記者会見でも、居丈高に「遺族に謝罪しろ」と社長以下の幹部を怒鳴りつけているが、これも度が過ぎる。「遺族たちが、ＪＲの対応や職員の軽率な行動に怒るのは分かります。でも、マスコミの記者はジャーナリストであり、シロウトではない。別にやるべきことがある。分かりやすい悪者をこしらえ、茶の間と一緒になって騒いでいてどうなるんですか。水に落ちた犬をみんなでたたく。それでウサ晴らしをして視聴率を稼いでいるとしたら、恐るべきマスコミの劣化です」（斎藤貴男氏＝前出）　小泉首相の会見に象徴されるように、いつも政府や企業の発表を無批判にタレ流し、ロクに質問もぶつけない日本の記者たち。急に“庶民の代表”ぶっても、見る人が見たら違和感しか感じないのである。 ────────────────────────────────────── ■ 第２次大戦の末期詭計で日本がやられ北方領土も返さない ■ ロシアの対ドイツ戦勝記念式典に小泉首相はなぜノコノコ出かけていったのか ────────────────────────────────────── 　ロシアの「対独戦勝６０周年記念式典」に出席するために、小泉首相がモスクワに出発した。式典は世界５３カ国の首脳が集まる、戦後最大級の催しになるという。パフォーマンスしか頭にない首相は「絶好の晴れ舞台」とニンマリだが、式典出席の意味を分かっていないんじゃないか。 -------------------------------------------- 日本国首相は史観も歴史認識も哲学も何もないただのバカかという世界の嘲笑が聞こえてくる -------------------------------------------- 　９日に開かれる式典は、プーチン大統領が全世界の首脳に出席を呼びかけた。当日は退役軍人による祝賀パレードなどが大々的に行われる予定だ。「プーチンがここまで式典に力を入れる狙いは、国威発揚と政権の権威づけです。ロシア国民にとって戦勝記念日は、大国意識や愛国心を強く感じさせる日。威信が低下しているプーチンは、式典を盛大に行って求心力にするつもりです」（外務省事情通）　だが、日本の首相がこんな“プーチン式典”にノコノコ出掛けて行っていいのか。対ロ外交を取り返しのつかないものにしかねない。国際問題評論家の高橋正氏が言う。「首相は『敵対国から友好国に。そういう式典にしたい』などと話しているが、どこまで歴史認識があるのか疑問です。『独ソ戦争』に対して日本は、開戦から終戦まで日ソ中立条約を守り、関わってこなかった。その一方でロシアは、大戦末期に日ソ中立条約を踏みにじって日本を攻撃。戦後も数十万人の日本人をシベリアに連行し、重労働を強いた。さらに、北方領土を占拠。ロシアとは、いまだに平和条約も締結されていない。いったい首相は、どんな立場で式典に出席するつもりなのか」　日本はアジア諸国を侵略したが、ロシアには何も悪いことはしていない。純粋な被害国だ。ロシアの戦勝を祝う義理は一つもない。それなのに式典に出席するなんて、逆に北方領土の占拠などを正当化するだけだ。「結局、首相の頭にあるのは、自分の手柄だけなのでしょう。世界中の首脳が集まる式典に出席すれば、マスコミも大きく取り上げる。プーチン大統領に会って訪日を要請し、北方領土返還を一歩でも前進させれば、支持率アップにつながると夢想しているのでしょう。しかし、シタタカなロシアが北方領土を簡単に返すはずがない。首相は利用されるだけです」（高橋正氏＝前出）　歴史認識も哲学もない、ただただ人気取りパフォーマンスだけの日本の首相を見て「バカじゃないの？」と世界中が嘲笑しているのが聞こえてくるようだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 3月23日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ これを売国政権といわずに何という偏狭なナショナリズムを煽るつもりは毛頭ないが、小泉首相の米ブッシュ大統領ベッタリ隷属は常軌を逸しているこんな政権があと１年半も続いたら… ■ ホリエモンどーする！　ソニーがフジＴＶの白馬の騎士に？ ■ 山拓　福岡沖地震で首の皮がつながった ■ 残る地震は関東・東海地方だけ国民の安全のため今すぐ辞めてもらいたい小泉首相ドノ ■ 〈ライブドア〉フジＴＶに「株取得開始」を通告 ■ 切り売り始まる西武資産の行方 ■ 〈ダイエー〉「内部崩壊」の危機　丸紅は系列外から商品調達の方針 ■ 〈シティグループ〉大型買収にブレーキ　不祥事相次ぐ ■ １日に３万３６００食も売るミラノサンド・炭焼チキンの実力〈ドトール〉 ■ 【話題の焦点】・３０代独身男性よ　転職上京ＯＬを狙え！！ ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ これを売国政権といわずに何という ■ 偏狭なナショナリズムを煽るつもりは毛頭ないが、 ■ 小泉首相の米ブッシュ大統領ベッタリ隷属は常軌を逸している ■ こんな政権があと１年半も続いたら… ────────────────────────────────────── ---------------------------------------------------------------- 同じ先進国でもブッシュのいいなりにならず一線を画しているヨーロッパ諸国の政権に比べて余りに酷過ぎる恐らくこの国は、主要な企業はほとんど外資に乗っ取られ、国民資産の大半はアメリカの赤字の補填に使われることになるだろう ---------------------------------------------------------------- 　１９日、ライス国務長官と会談した小泉首相。マスコミは「食の安全　譲れぬ政府」「日米の溝埋まらず」などとＢＳＥ牛肉問題でやりあったように報じているが、小泉は輸入解禁の時期を言わなかっただけで、この秋の解禁は暗黙の了解事項だ。　その他の軍事、外交、北朝鮮をめぐるアジア問題はすべて米国・ライスの言うがままの丸のみ会談だった。「最大の問題はライス国務長官が提起した『戦略的開発同盟』です。これは日米両国が共同して発展途上国支援を行うもので、逆に言えば米国の意に沿わない途上国には経済援助どころか徹底制裁を加える。米国はイラクで実施している親米政権づくりをアジアまで広げて中国、北朝鮮を牽制する戦略で、日本をこれに協力させるのが目的です。日本は政治、軍事だけでなくＯＤＡなど経済的にも米国の言いなりになることが決まったのです」（九大名誉教授・斎藤文男氏）　ブッシュはすでに親米の途上国を選別して支援するシステムも作った。発展途上国援助を行う世界銀行の総裁にネオコンの親玉、ウォルフォウィッツ元国防副長官を指名したのだ。ウォルフォウィッツは積極的にイラク侵攻を主張し「米兵はイラクで歓迎される」と公言してきた人物である。だからヨーロッパ諸国も国連もウォルフォウィッツ就任に反対しているのだが、小泉首相はイの一番に「歓迎」を表明している。世界で一番早い対米従属宣言である。 ◆ ブッシュと一線を画すヨーロッパ諸国 ◆ 　同じ先進国でもヨーロッパ諸国の政権はブッシュの言いなりにならず一線を画している。最近の例ではイタリアだ。ベルルスコーニ首相は１６日、ブッシュ米大統領に電話で「９月にイラク駐留イタリア軍（３０００人）の部分撤退を始めたい」と伝えた。これはイラクで武装勢力から解放されたイタリア人記者と付き添いの情報機関員を米軍が誤射・死傷させ、イタリアの世論が猛反発したためだ。　イラクの現状は、米軍兵士が味方か敵かも分からないほど混乱していて、すでにオランダ、スペインなど１０カ国が撤退完了、２カ国が撤退中だ。ところが小泉首相は、イラク開戦２年目の２０日、「民主主義には時間がかかる。支援は継続しなければならない」と自衛隊の派兵継続を表明した。イラクの民主化は米国主導だからこそ国内の反発が収まらないのであって、サマワの自衛隊員がゲリラの攻撃や米軍の誤射の標的になる事態は変わらない。　偏狭なナショナリズムをあおるつもりは毛頭ないが、小泉首相の米ブッシュ大統領ベッタリの隷属ぶりは常軌を逸している。これを売国政権といわずして何と言うのか。 ◆ 外資を歓迎し、米国債を買ってブッシュを支援 ◆ 　そんな男がトップだから、日本経済も米国と外資にいいように荒らされている。　小泉内閣になってから一体、どれだけの日本企業が外資に買収されたことか。いまや国内のゴルフ場保有数の１位はローンスターの９２、２位はゴールドマン・サックスの８６。全国約２４００コースの１割がハゲタカの手に落ちている。都心のオフィスビルも２０００件以上を押さえられてしまった。「外資による企業買収は、９７年当時はわずか１件１５５０億円でした。それが小泉内閣発足後は、毎年１兆円を超えている。小泉―竹中コンビが推し進めた『不良債権処理』に便乗する形で、二束三文で次々に手に入れています」（経済ジャーナリスト・松崎隆司氏）　それだけじゃない。米国経済を下支えするために、シャカリキになって「米国債」を買い続けている。その原資となっている外貨準備高は１月末に７４１２億ドル（約７８兆円）と過去最高を更新した。「巨額の財政赤字を抱える米国にとって、米国債の暴落は命取りになる。それを小泉内閣が日本国民の税金を使って必死になって防いでいる。まさに、日本が貢いでいる格好です」（民間シンクタンク研究員）　米国債購入の目的は他にもある。在日３０年の実業家、ビル・トッテン氏がこう指摘している。〈巨額の財政赤字を抱える米国は自分で戦費を調達できない。もし、そのために増税を行うと言えば大多数が反対する。そこで日米の政府は、イラク攻撃の戦費を日本が『密かに』負担する手段を熟考したのであろう〉　日本企業をハゲタカに売り渡し、税金で米国経済を支える――。いったい小泉首相はどこの国のトップなのか。 ◆ 「郵政民営化」も対米公約だった ◆ 　小泉首相が「改革の本丸」と叫ぶ「郵政民営化」も、真の狙いは米国企業にボロ儲けさせることにある。亀井静香元政調会長が「郵貯、簡保の３５０兆円ものカネを外資に渡すことが最終目標だ」と批判したが、この発言はズバリ真相を突いている。　小泉首相の「郵政民営化」については、明大名誉教授の岡野加穂留氏が、朝日新聞で重大な指摘をしている。〈首相が郵政民営化にこだわるのも、事実上の「対米公約」になっているからではないかと危惧している。その遠因は、９３年の宮沢首相とクリントン大統領との日米首脳会談で「日米新経済協議」を始めることに合意したことにある、と私は見ている。通商の障害になるものは、米国が主導的に解決しようという内容だ。当時の郵政相が小泉首相である〉〈ＵＳＴＲが９４年から米議会に提出している報告書を読むと、一目瞭然である。金融サービスの開放の一環として、郵政民営化も含まれているのではないか〉　何のことはない。小泉首相は「改革なくして成長なし」とエラソーにぶってきたが、すべて米国の要求通りにやってきただけだった。「昨年９月、国連出席のためニューヨーク入りした首相は、ブッシュ大統領から郵政民営化の進展ぶりを聞かれ『しっかりやっていきたい』と答えている。すでに米国は、郵貯、簡保３５０兆円の争奪に動き始めている。先月、米国生命保険協会社長が日本に乗り込み、小泉首相と面談しています」（政治評論家・本澤二郎氏） ◆ １年半後に出現する“トンでもない”国家 ◆ 　こんな対米従属の小泉政権があと１年半も続いたら日本はどうなってしまうのか。おそらくこの国の主要企業はすべて外資に乗っ取られてしまう。株式市場の５割は外国人投資家のマネーが席巻しているのだから、一斉に名義書き換えをした日を想像するだけでゾッとする。ある朝、会社にいきなり青い目の社長が来て「これから社内では英語を使うように」という事態も決して杞憂ではない。　軍事・外交面ではもう完全な植民地だ。米国は米陸軍の第１司令部を座間基地に、グアムの第１３空軍司令部を横田基地に統合して、アジア全域の指揮を執る計画。国内の自衛隊も実質的な指揮下に入る。前出の斎藤文男氏が言う。「そんな対米従属の国家になるための法整備が憲法改正です。自民党が９月に出す改憲草案には実質的な集団的自衛権を認める９条の改正が盛り込まれるはずで、ブッシュに忠実な小泉首相はこれを推進する。しかし、そのことがアジアの近隣諸国との緊張を一挙に高めることは間違いありません」　売国首相によって１年半後には、経済は外資に、軍事外交はブッシュに牛耳られたイビツな国が確実に誕生するのだ。

■□■ 日刊ゲンダイ Dailymail Business 2005年 2月23日号 -1 ■■■ http://www.ngendai.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 日本最大級のダウンロードコンテンツ・ストア ◆ ◆◆ ミトラス C-Store http://www.mithras.jp/ ◆◆ ◆ ウイルスバスター 2005 好評発売中 ◆ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ネットに潜む危険から、あなたを守るインターネットセキュリティソフト。より個人情報保護機能を強化してミトラス C-Storeで発売中！こちらよりどうぞ [ミトラス C-Store] http://www.mithras.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇ Today's Top News ◇◆ ここまで来た米軍の支配自衛隊が米軍の下請けとなって近い将来、北朝鮮攻撃や台湾海峡有事に介入することになった日米新軍事同盟この道はどこへ行くのか承知の上なのか ■ 小泉首相大放言　「朝日はダメだ」「新聞は読まない」 ■ そこまでやるか！　フジテレビ！！　ホリエモン潰し場外乱闘 ■ 「礼儀欠いている」　フジ労組もライブドアと全面対決 ■ ライブドア副社長“風説の流布”　株売却でサイトに誤記載 ■ 「手鏡１枚を没収する」　植草被告への不思議な求刑 ■ 大阪市　人件費２４７億円カット ■ ＣＥＯ・ゴーンの選択　日産“ＣＯＯ人事”の不安 ■ 八面六臂の大活躍　カリスマ藤巻の「実力と人脈」 ■ 堤「改革案」容認、西武鉄道２期連続赤字 ■ 【話題の焦点】・現代の厄年「３９歳」の精神が危ない！ ─ Today's Top News ──────────────────────────── ■ ここまで来た米軍の支配 ■ 自衛隊が米軍の下請けとなって近い将来、北朝鮮攻撃や ■ 台湾海峡有事に介入することになった日米新軍事同盟 ■ この道はどこへ行くのか承知の上なのか ────────────────────────────────────── ---------------------------------------------------------------- これほどの憲法違反が、何の国会審議もなしで勝手に決定されても、誰も異議を唱えなくなったこの国の軍事大国化の現状 ---------------------------------------------------------------- 　いかにも対等な立場で会議が行われたような日本政府の発表とマスコミの報じようだが、これほど従属的で命令的な内容は珍しい。２０日未明（日本時間）、ワシントンで開かれた日米安保協議委員会は、米国側のほぼ一方的な通告だった。　たとえば、新聞では「日米の役割分担や在日米軍基地の移転・再編は数カ月で結論を出す」と書いているが、実際は米国に「３カ月で決めろ」と迫られた日本側が「地元の説得に猶予がほしい」と泣きつき時間を延ばしてもらったというのが真相。ことほど左様に日本は押しまくられっぱなしだったが、この協議委員会の“核心”は「日米軍事同盟を日本周辺だけでなく、地球規模で米国の戦争に協力する」ということ。共同発表にはこうある。〈国際テロと大量破壊兵器という「新たな脅威」とアジア・太平洋の不透明性、不確実性に対応するための緊密な協力〉〈ミサイル防衛の共同開発〉〈台湾海峡問題の平和的解決〉〈北朝鮮の６者協議への無条件復帰と核計画の完全廃棄要求〉　評論家の茶本繁正氏が言う。「一読すれば分かるように、これは新たな日米軍事同盟宣言です。北朝鮮や台湾海峡などの具体的な明記は初めてだし、さらに『新たな脅威』があるところには、どこでも共同作戦を行うというのです。９６年の日米安保共同宣言でアジア・太平洋地域に拡大した軍事同盟を、今回は国際テロを名目に地球規模にまで広げてしまった。今後、米国の要請次第で自衛隊はどこでも出かけて軍事作戦を行うということです」　しかも米国は都合のいいウソもついている。　沖縄の米軍基地問題では「負担の軽減」と「海上基地建設を決めたＳＡＣＯの実施」を言いながら、思いやり予算を含めた６５００億円にも及ぶ米軍支援費の削減には一切触れていないし、とっくに約束期限が過ぎた普天間飛行場の返還にも知らんぷりだ。こんな一方的な要求を小泉内閣はあっさりとのんだのである。 ◆ 日米新軍事同盟の行き着く先をご存じか ◆ 　それにしても、小泉政府は日米新軍事同盟が突き進む道が、どこへ行き着くのか承知のうえなのか。近い将来、自衛隊が米軍の下請け部隊として北朝鮮攻撃や台湾海峡有事に介入させられるのは確実だ。　すでに、米国西海岸にある米陸軍第１軍団司令部をキャンプ座間（神奈川県）に移転して在日米軍全体を統括する前線統合司令部にしたり、横田基地（東京都）の米第５空軍司令部とグアムの米第１３空軍司令部を統合する構想が浮上。米軍は日本列島を“不沈空母”として極東の最前線基地にするつもりだ。　軍事ジャーナリストの世良光弘氏がこう言う。「米軍のホンネは『これまで核の傘で守ってやった貸しを返せ』というもの。在日米軍再編の狙いはズバリ、日米両軍の一体化で、自衛隊にリスクの大きい任務にあたらせるのです。北朝鮮・金正日体制の崩壊を促すために、日本の基地から“日米混成空軍”としてまず航空自衛隊を出撃させ、空爆させるつもりでしょう。共同声明で『台湾海峡をめぐる問題』が取り上げられたのも、まったく米国の利害によるもの。急成長する中国に脅かされる米国が台湾防衛にかこつけて『日本も中国牽制に協力しろ！』と迫っているのです。このまま行くと、日本はまた６０年前に逆戻りでアジアの嫌われ者です」　米国が盛んに「イランの核保有」情報を流しているのもクサい。中東の石油独占支配のために、イラクの次のターゲットにしていることは間違いなく、日本が「国際テロとの戦い」を約束した以上、「復興支援」なんて“悠長”なことは許されない。自衛隊が、世界中の紛争地帯に派兵されるのは時間の問題だ。 ◆ 解禁された集団的自衛権と反故にされた９条 ◆ 　しかし、この日米新軍事同盟は明らかな憲法違反だ。憲法９条に抵触するし、何よりも集団的自衛権の行使に当たるからだ。　既に自衛隊は米軍の「後方支援」の名目でテロ対策特措法（０１年）によりインド洋、イラク復興特措法（０３年）でイラクに派兵。今年もスマトラ島沖地震の復興支援でタイのウパタオ基地に米軍と共同司令部を設置、軍事演習まがいの活動をしている。そんななし崩しの集大成が今回の共同合意。これが実行されれば、憲法９条も集団的自衛権の禁止もすべて吹っ飛ぶ。　しかも、来年１０月からはミサイル防衛（ＭＤ）を日米共同開発することも決定している。ＭＤはレーガン元大統領が映画スター・ウォーズを見て「これやろう」と “思いつき”で始めた計画。「弾丸を弾丸で撃ち落とすような無謀な構想」（世良光弘氏＝前出）で、先週も米国が３度目の発射実験に失敗したばかり。こんな実戦配備できるかどうかも分からないシロモノに、日本は何千億円もの巨費を投じ、武器輸出３原則までかなぐり捨てようとしているのだ。　百歩譲って、ＭＤ構想が成功したとしても憲法違反は明白だ。立正大教授の金子勝氏（憲法）がこう言う。「日本のイージス艦で米国に向かっているミサイルを撃ち落とせば、それは紛れもなく集団的自衛権の行使にあたります。それ以前に、ミサイル発射察知や迎撃弾の誘導は米国の軍事衛星抜きには成り立ち得ないから、それ自体が憲法違反です」　ＭＤ共同開発に大野防衛庁長官は「これから議論の対象になる」と言っているが、話がアベコベだ。まず憲法と国内法に照らして「法律的にＭＤはできない」と米国に対してきちんと言うべきで、憲法や国会決議に違反していることを外国に平気で約束してくるのだからひどい話だ。 ◆ 「違憲合意」が国会審議なしで決まる異常 ◆ 　不思議なのは、これほどの憲法違反、国内法無視の日米合意が、何の国会審議もなく国会議員の誰も異議を唱えないまま決まったという事実だ。　ブッシュの後ろ盾で政権維持を図る権力亡者の小泉首相には、そもそも防衛問題の何たるかが分かっていない。　イラク特措法を作った当時の防衛庁長官の石破茂が近著「国防」でこんなことを書いている。〈小泉総理にいかにして防衛に関する適切なご発言を賜るのか。総理は紙が３枚以上になると読んでくれないともっぱらでしたから２枚以内にして字も少なくしなければならない。かなり難しい話です〉　この程度の理解力のリーダーが日米関係をつくっているのだからゾッとするが、だからこそ防衛産業と組んだ防衛族議員がイケイケで軍事化を進めている。与党でまともな議論が起きるはずがない。「野党が輪をかけてひどい。民主党には松下政経塾上がりの“戦争を知らない子供たち”が『集団的自衛権を持て』と騒いでいるし、鳩山由紀夫あたりが改憲の露払い役を買って出ている。２大政党という形をとったオール与党体制ですから、憲法や国内法に基づいて外交や安保を論じようという発想すらないのです。だから、米国の言いなりに『ショー・ザ・フラッグ』『ブーツ・オン・ザ・グラウンド』に従い、ついに『テーク・ザ・ガン』の要求をまともな論議もなくのんだ。国会は完全に無力化しています」（茶本繁正氏＝前出）　世界のほとんどの国が反対したイラク攻撃を強行し、泥沼状態にしながら、いまだに「世界の警察」を気取る米国。それにベッタリとくっついてさらに下僕に成り下がりつつある日本。とても独立した民主主義国とは言えないし、何よりも世界の笑いものだ。 ────────────────────────────────────── ■ 小泉首相大放言　「朝日はダメだ」「新聞は読まない」 ────────────────────────────────────── ▼ だから支持率が下がってもヘッチャラなのか ▼ 　お気楽小泉首相はきのう（２１日）も品川プリンスホテル内で映画「オペラ座の怪人」を見て楽しんでいた。　新聞各紙の内閣支持率調査も軒並みパッとしないのにいい気なものだ。　が、首相が“めげない”のも当然だった。オフレコ懇談では、こんなことをホザいているのだ。「好きな新聞？　新聞は読まないことにしている。なぜって、それが政権維持のコツだからさ。それから、与党の言うことを聞かないこと。最近はそうも言っていられないけど。新聞は見出ししか見ない。中身の記事は読まない。どの新聞がいいかって？朝日新聞と東京新聞はダメだ」　これじゃあ、新聞がどれだけ批判的な記事を書こうが馬耳東風だ。小泉政権に厳しい新聞は完全無視だし、そうでないところも見出しを拾うだけ。それが政権維持の秘訣だというのだから、恐れ入る。政治評論家の浅川博忠氏はこう言う。「小泉首相の最大の弱点は、他人の批判に耳を傾けず、独り善がりだということです。だから、気に入らない新聞は読まない、苦言を呈する人間は近づけない。最近はますます被害者意識を強めていて、新聞が反郵政やポスト小泉の動きを加速化させているとイラついている。批判を含めて聞く耳を持たないとダメですよ」　支持率が下がったのも「新聞がロクなことを書かないから」くらいにしか思っていないのだから、つけるクスリなしである。

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